セルフブランディングしよう

今回はセルフブランディングについて話します。
独立起業する方だけでなく、会社員の方にも役に立ちます。
それでははじまり、はじまり~。

1.サラリーマンとは

それは大学生のころでした。
東京の葛西に下宿していた私は、毎朝ぎゅうぎゅうの東西線に押し込まれるネクタイ姿のサラリーマンを見て「サラリーマンにはなりたくないな」と友達と言い合っていました。
同じようなグレーの背広にネクタイをしている会社員がなんだかむなしく思えたんです。
昭和かれすすきというか・・・。

それから4年、私は広告マンというサラリーマンになっていました。(^^;)
どちらかというと背広着なくていいCMクリエイターになりたかったんですが、昭和の超氷河の就職時代には営業という背広の似合う(!)会社員になってしまいました。

上写真の左の写真は新入社員当時の顔。
よく黎紅堂(れいこうどう)に通ってフュージョンを借りていました。

最初に入った地元ローカルの広告会社は老舗だったんですが、求人広告に力を入れている会社でした。
テレビ課に入ったのに1日100軒求人広告を取るために電話追い込みや飛び込みの日々が続きます。
昭和当時はスライドCMというのがあって動画じゃない動かないCMがありました。
2年で100本は作ったと思います。

2年後、バブルの時代になりヘッドハンティングされて大手広告会社に移りました。
それで知ったのはプレゼンのやり方でした。

2.デザインはきちんとする

新規開拓用プレゼン企画書を書く日々は徹底的に上司から書き方やプレゼントーク、資料のまとめ方を教えてもらいました。
山あり谷ありだった累計5年。特に最初の2.3年は徹底的に二人の上司に鍛えられました。
転職最初から他者からの引継ぎはまったくなく、100%新規クライアントが取れたのはプレゼンの賜物といって過言ではありません。

独立している今でも、何か打合せや提案事があると企画書をつくります。
売場塾でPOP指導講座をやっているせいもあり、書面には十分気を使います。

  • ヘッダーやキャッチの色はクライアントのコーポレートカラーを使う。
  • フォントやカラーは統一する
  • 行替えや段落替えをして読みやすくする。
  • 文章はツラ合わせをする。

そして企画フローは

  • 起承転結や序破急などリズムを付ける。
  • 章を設けて最後にまとめる。
  • 無駄は省いてシンプルにつくる。
  • 予算を最後に付ける。

などをしています。
企画書やメールの文面はその人を表す鏡みたいなもの。
会社員時代でも独立してもキチッとさは忘れないようにしています。

特に独立起業する人が気をつけた方がいいのは企画書だけではありません。

・メールの最後にフッダーがいつもついていない。
・クライアントの商品や会社名のマエカブ・アトカブを間違える。
・名刺のデザインがいつも違う。
・屋号のロゴが媒体ごとに違う。
・てにおはがなんかヘン。

研修スライドに関しても

・スライドごとにフォントが違う
・ヘッダーのあるなしがある
・箇条書きだが行替えがバラバラ
・ネットでひろった画像をそのまま使っている

などが目立っています。

まあ、私も聖人君子ではないので上記のことをさぼる時もあるかもしれないのですが、心がけとしては、零細企業でも大手ブランド並みのきちっとした体裁は心がけたいものです。
逆に言うと、大手ブランドに属している人でも独立起業すると上記のレベルになってしまう人もいるので注意しましょう。

3.何ができるのかを明確にする

今まで100名は下らないと思いますが、当社に自分を売り込んできたたくさんの方がいます。
ただ、企画書を付けてくる人はあまりいないんですよね。
ほとんどの人が、「こんな仕事をやっていました」と言ってディスプレイや店舗デザインの写真を見せます。

すばらしいディスプレイの写真やグラフィックはわかるんですが、伝わってこないんです。
私が知りたいのは「何ができるのか?」であって、「何をしました」というだけでは不足なんです。

1人だけ「私は空中ものが得意です」と言って、宙に浮いているディスプレイを提案してくれました。
ピアノ線やテグスでディスプレイ用品を吊るして立体的に商品を見せていました。
彼女は、3次元のディスプレイこうしたを4次元に変えるとどのくらい目立って集客できるかを事例と共に話してくれました。

企画書のデザインは大したことなかったです。(スミマセン)
が、彼女のプレゼンは非常に心に残り、その後本当に空中ものディスプレイを私のクライアント店舗でつくってくれました。

こんな感じで「自分は何ができるのか」を明確にするといいです。

SNSで発信する時もそう。
「こんなんやりました」とディスプレイをアップするだけでなく、

  • こんなところを工夫しました。
  • こんな効果がありました。
  • こういうノウハウが生きているんです。

などを付け加えると、投稿が生きてくると思います。

特にウインドウディスプレイなどは、

・ディスプレイプラン
・商品構成と調達
・プレゼン用デザイン
・グラフィックデザイン
・デコレーション

と分業されているケースが多いので、どこの部分を当人が担ったか私は知りたいです。
その上でこの人は、企画力があるのか、ディスプレイの構成スキルがうまいのか、造作物が得意なのか、知ることができます。
もちろん、総合的に企画から制作まで1人でやった方もいるとは思いますが、
「こんなんやりました」だけで作品集を出されてもピンとこないんです。

4.自分のオリジナルを持つ

サラリーマン時代はIP(パーソナル・アイデンティティ)を意識していました。
いまでいうセルフブランディングですね。
単なる広告マンではなく、「タレント職人」というコンセプトで仕事をしていました。

テレビや映画のタレントみたいに、「その人でないとできない!」というやつですね。
私は営業マンだったので、同業の営業たちと会うと

・いくら売上ている
・どこそこのクライアントをやっている

というのが話ネタになってしまう。
それだけだとつまらないなと思っていました。

根っからの企画好きだったので、誰もやらない企画を作り実行する。
そのほうが面白いと思っていました。

で、ほとんどの企画は自分の好きなことをしました。

  • バードウオッチングとジャズが好きなので、それらをリミックスする環境音楽番組をつくる
  • 英会話の勉強をしていので、英会話学校他スクールを集めたイベントをする
  • 釣りが好きなので、釣り具メーカーの広告や商品ブランディングを仕事にする

などなど片っ端からやってきました。
ほとんど全てが飛び込みからでした。
もちろん、営業なのでふだんの売上ノルマはあります。
それらをクリアした上でのことですが。

上記と同じように、自分が会社員としてどこかのブランドVMDでも、会社を辞めたら通用しなくなります。
在籍していた会社のブランド名や売上額ではなく、「何ができるのか」「その人でないとできないのは何なのか」が起業独立したら問われます。

実はそれが私が広告会社を辞めてVMDの会社をつくってもすぐに売上が上がらなかった理由です。
その期間、なんと10カ月!そう、10カ月1円たりとも仕事がなかったんです。
仕方がありません。
マス広告の実績が中心だったので、VMDの実績はほとんどなかったからです。

しかしその10カ月の間、オリジナル企画をつくって売上を上げ始めました。

・売場UP2サポート
売場ドッと混む
リモデルプラス
店舗診断
・ユニットVMD
・VMDサポーター

など、これは開業2年間で私がつくったVMDのパッケージサービスですが、今でも売場ドッと混むと店舗診断は独自のサービスにしています。
試しに上の「売場ドッと混む」と「店舗診断」をクリックして見てください。

要は、サラリーマンの延長でそのまま独立しても仕事はないということ。
前の会社の輝かしい実績は置いといて、自分に何ができるか開発しないといけないということです。

5.何が幸福か考える

広告代理店東京本社に来た時は毎日2.3時間睡眠、静岡時代でも最初の2年は布団に寝る事が少なかった時もありました。
こたつでそのまま寝ることが多かったです。

そんな昭和サラリーマンの私でも、さすが今は徹夜はしないです。
仕事より健康を優先にする、が今はモットーです。
毎日7時間は寝るようにして毎日ストレッチ、週一でランニングや筋トレをしています。
その中でできる範囲で仕事をして会社を存続させています

私の周りにいつも4.5時間睡眠しかとれず週末も忙しい人がいますが、健康には留意してほしいと思います。
仕事をあふれるようにやっているといつか限界が来ます。

私も広告会社の2.3時間睡眠時代は、徹夜で作った見積書の数字が大きく間違っていて会社に損害を与え、クライアント交代され、左遷の憂き目に会いました。
リゲインのCM「24時間働けますか」はもう死語なんです。

特に会社員の方はいつでも代替わりがいるので、プライベートな時間を削ってまで
仕事をする必要はないでしょう。
まあ、仕事好きすぎて休日も仕事はOK、という人は別ですが。

オーバルリンクの仕事ガイドラインで、「夜7時以降はメール禁止」というのがあります。
広告代理店やコンサルの方でも夜の12時以降にメールを送ってくる人がいますが、「こんなに一生懸命仕事しているなんてすばらしい」と思って受け取る人はいないでしょう。
むしろ「大変だな」と思うくらいです。

なので、私はどんなに忙しくても会社員時代は夜9時に会社を退社していました。
(それでも遅いですけどね)
その代わり、朝7時に出社していました。

東京本社に転勤した後も夜9時退社はなるべく守っていました。
ところが朝6時に出社する毎日になりました。。。。
それだけ当時は過酷でした。
働き方改革があの頃あったら、と思う今日この頃です。

6.まとめ

この間、売場塾の卒業生で今は大手会社の社長をしている方にビジネス誌の取材をしてきました。
彼女、転職した5年目で社長になったんですが、インタビューの中で心に残ることがありました。

・企画するのが好きでそれを実行することによって会社をV字にしてきた。
・夜10時に寝て朝6時に起きる。
・この業界に携われるのが好きだ。

企画するのは好きでも実行しないと始まらないということ、同感です。
当社も最近11月・12月と週休半ドンと2日制にしてうまく行きました。
来年は週休3日制にチャレンジします。

みなさーん、健康に留意して来年もがんばりましょう~。

なお、上記の話の続きを聞きたい方はお気軽に
「VMDインストラクターで起業、副業相談会」にお越しください。
お待ちしております~。(^^)
●VMDインストラクターで起業、副業相談

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

売場塾生が1,000名になりました

0.地下室から始まった売場塾

売場塾の生徒もこの秋で1,000人になりました。

売場塾はいつからどこでやっているのか。
それは2006年4月春期からです。
そして場所は東京三田なのですが地下室から始まったということです。

このブログでは、社会人の皆さんに参考になる、ノウハウの生かし方についてお話しします。
すなわち「君たちはどう生かすか PART2」です。
PART1は下記をお読みください。

●君たちはどう生かすか

さて、VMDの会社を21年続けていて山あり谷ありだったエピソードに加え、私がサラリーマンだった20年間も振り返ってみたいと思います。

それは下記ではないでしょうか。

  1. 仮説を立てて行程表をつくる
  2. コツコツ続けて工夫を重ねていく
  3. 自分を貫く
  4. 他人と違っても気にしない

ひとつひとつお話しします。

1.仮説を立てて工程表をつくる

「これをやりたい」
「あれをやりたい」

なんて誰でもありますよね。
仕事では

「バリバリ新規開拓したい」
「VMDをうまくなりたい」
「プレゼンスキルを上達させたい」

でも、殆どの人はそう言っているだけでなかなか実行に移しません。
仕事が忙しいことを言い訳にしているからです。

本当に希望をかなえたいなら、まず何をやるかまとめ、時間をつくること。
そして、とりあえずのゴールを決めるといいです。

「バリバリ新規開拓したい」なら、ゴールは下記のように定めます。

「半年以内に100万以上のクライアントを5本開拓する」
「1年以内に1千万級のクライアントを1社とる」
「新聞広告のクライアントを毎期獲得する」

など、おぼろげでいいので決めます。
ノートにメモりましょう。書くと気持ちも整理できます。

次に工程を決めます。

「半年以内に100万以上のクライアントを5本開拓する」

だったら、

「1日5軒は学校関係の企業に飛び込み営業する」
「釣り具業界の有名な会社にプレゼンする」
「テレビ番組をつくってスポンサーを募る」

みたいに、どうやってクライアントを5本開拓するか方法を決め、動き出します。

上記は私が広告代理店のサラリーマンだった時、本当に行ったことです。
そして実際に新規開拓だけで3年でクライアントを獲得でき年計2億になりました。

2.コツコツ続けて工夫を重ねていく

私が大学卒業して入った広告会社は、1年以内に8割方の新人が辞めていくという過酷な会社でした。

飛び込みセールスで新規を取っていくというまさに昭和時代のスタイルでした。
ほとんどの人が喫茶店でコーヒーを飲んで一日をしのぎ、やがて辞めていきます。

「単純に飛び込みしても仕事は得られないだろうな」

大学出たばかりの私は、A,B,C,Dという静岡市内の営業ルートを考え、そのルート上にあるよさそうな広告主に月2回の頻度で飛び込みました。
「断られても4~5周回ればなんとかなるだろう」と思いました。

1週目は門前払いです。
2週目も門前払いです。

3週目は、広告主なら誰もが興味を持つ資料を自分で作り、持ち込みました。
すると話を聞いてくれる広告主ができました。
4週目に入ると、ひとつの広告主が「実はこんな悩みがある」などいう相談がきました。
5週目に入ると、わずかばかりの広告をいただけました。

こんな風に工夫に重ねていくとよいです。

あとは持続力です。
他の人は2週目に門前払いされたところで、もう3週目は行かないでしょう。
そこが普通の人なんですが、諦めずにコツコツ地道に実行するようにした人に門は開いて行くんです。

2006年に始め売場塾も山あり谷ありだったんですが、工夫を重ねてここまで来ました。
時間帯を工夫したりテキストやワークショップを変えたりと、コツコツ工夫を重ねているからこそ継続でき、今があるんです。

実際、起業した人で公開セミナーや学校を始める人は多いのですが、途中でやめてしまう人がほとんどです。
最初はよくても、そのうちに集まらなくなってくるからです。
もう少し頑張って工夫して継続していく努力をした方がいいと思います。

3.自分を貫く

時代はインターネット創世記になりました。

その時、インターネットの中から面白い音を見つけて、それと音楽をリミックスするという番組を思いつき、社内プレゼンしてみました。
しかし、誰からもあまり協力してもらえません。
それでも、出版社と音楽制作会社に掛け合って、自分でスポンサーを見つけて半年ラジオ番組としてオンエアしました。

何か新しいことをやろうとすると、周りから反対されたり、賛同が得られなかったりすることが多いと思います。

「やめた方がいい」
「そんなことやってどうなる」
「・・・(無関心)」

こんな感じで周りに冷たくあしらわれたら、あなたは辞めますか?
サラリーマン時代、私は自分がやりたいことはトコトンやりました。
よくいうセリフは下記でした。

「これでスポンサー集まらなかったらどうする?」
「責任を取ります」

今でも新規事業はしょっちゅう社員に反対されます。(笑)
しかし、やると決めたからにはある程度までやってみることが大事です。
事業というのは人の顔色伺いながらやるものではありません。

というか、広告代理店時代は、番組枠をテレビ局やラジオ局から事前に買うので、何が何でもスポンサーを見つけて実施しないといけません。
やるからにはリスクと覚悟が必要です。
会社もそうで、作ったからには何年も長続きさせないといけません。
創業後会社が20年続く確率はたったの0.4%なんです。

単に「おもしろそうだから」と思ってやるだけのあなたは長続きしないでしょう。

4.他人と違っても気にしない

東京本社に転勤したとき、ケータイキャリアの担当になり、店頭プロモーションやVMDの仕事をしていました。

VMDはケータイショップの売場づくりのコンサルでしたが、これ以外にもたくさん仕事はありました。
睡眠時間は毎日2~3時間。それが1年続いていました。

「死にますよ」

よく同僚に言われていました。
しかし、将来のためのノウハウを得るために睡眠は犠牲になりました。
浅草橋から隅田川を眺めながら、早く週末になることを願っていました。
しかし今だと、これ問題になりますね。。。。

前の会社はテレビや新聞などマス広告中心の会社です。
社内では店頭プロモーションやVMDなどはもう論外で、「どぶさらいみたいなことやっている」と、他の方から言われていました。
マス広告やっているとカッコいいのだろうか?
私も過去CM賞や新聞賞取りましたが、テレビも店頭も同じだと考えていました。

「ビジュアル・マーチャンダイジングってなんかかっこいい!!」

実は、この道に進んだのは名前からでした。(笑)

そして意外と売場づくりに困っているクライアントがたくさんいることも、この業務で知りました。

「売場づくりに特化した広告代理店なんてないだろうな」

こうしてVMDに特化した広告代理店「オーバルリンク」が誕生しました。
みなさーん、どんどん異端児になりましょう。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

医者の健康診断をベースにした店舗診断

店舗診断している風景

1.店舗診断無料時代

今日は、オーバルリンクの「店舗診断」のなり立ちからお話しします。
●店舗診断とは

私はオーバルリンクを設立してから、1年くらい無料店舗診断をしていました。
お客様の店舗の写真を撮ってどこが悪くてどう改善したらいいのか、無料でアドバイスしていました。
会社を立ち上げたものの、VMDの実績は少なかったので、まずは実績をつくることから始めたんです。

著名な店舗に電話をかけまくって、店舗診断していました。
20年前は今と違って、店舗診断断るところは少なかったです。
どんな小売店も自店の売場の出来栄えには不安で、売場づくりはこれでいいのか悩んでいるところが多かったのです。

業界トップの企業でもVMD担当はもちろんいなく、売場づくりは現場任せという事実は驚きと共に、オーバルリンク行けるんじゃないか?という変な自信もついてきました。(笑)

ということで、会社を軌道に乗せるためにタダでいいから成功事例をたくさんつくってそれを理論に組み立てていき、自社オリジナルのサービスをつくっていくという、ゼロからの会社経営だったんです。

同時に、普段生活していく中で気になった売場をどんどん撮影して、どこが悪いのか、またはどこがいいのか、を振り返る癖をつけていきました。
それがスーパーだろうが、薬局だろうがお構いなしです。

最初は「なんとなくこの売場はいい」「なんとなくこの売場は悪い」といしう感覚で撮影していました。
そして、パソコンで写真をじっくり振り返ると「ここをこうすれば良くなるかもしれない」と心の中で直し方をシミュレーションしていました

2.売場のケーススタディを想起する

ただ、無料店舗診断でも、店舗診断シートをお客様に渡すときに、改善点を説明しなければいけません。
その説明が「なんとなく悪い」みたいな説明だと、お客様は「本当にそうなのかな」といぶかしがります。
そこはコンサルらしく「ここがダメだからこう」ときっぱりベテランのように言わなければいけません。

にわかコンサルタントの当時の私は、半信半疑だが、とにかくプレゼンはコンサルらしくふるまっていました。
こんな日々が過ぎていきました。

創業から10カ月くらい経ちましたでしょうか。
売上は以前としてゼロです。
びた1文も入ってきません。

それでも、「その通り改善したら売場がよくなった」「売上が上がった」などという声がちらほら聞かれ始めました。

「VMD導入で確かに売上は上がるんだ」
とのんきな私は、だんだんVMDの効果を確信してきました。
当時は「VMDを導入しよう」と合言葉のように言っていました。
「導入」というと、MAとかSFAのようなアプリケーションソフトをインストールするみたいな感じがしますが、まさにその通り。
ソフトを会社のシステムに組み込むように企業に働きかけていました。

そのうち、改善成功事例がたくさん蓄積してきて、写真を撮っては売場改善シートを書いているときに、他の売場のケーススタディがよみがえるようになったのです。

そう、何千枚と売場の写真を撮ってきて、じっくり写真を見ているので、アタマの中にケーススタディが写真の画像と共に蓄積していったんです。

なので、店舗に改善点を指摘するときに「これはあの紅茶店のケースに当てはまるな」とか「これはあの家電売り場のケースに当てはまるな」という過去事例が自然に写真と共によみがえるようになってきました。

これを心理学的に「想起」といいます。
「想起」とは、何かをするときに過去の事を思い出すということです。
例えば、昨日は防災の日でしたが、ニュースの関東大震災の写真を見たときに「そういえば、うちの食料の備蓄はどのくらいあったけ?」と我が家の防災を想起するようなことです。

それほど人間というものは「想起」する生き物なんです。
「想起」は「習慣」と違って、時々起こるものです。
朝起きて、洗面台を見たら「そうだ、朝は歯磨きするんだったけ」というものではありません。
歯磨きは習慣なんです。

そんなことで、1年経ってやっと仕事がぼちぼち入りだしてきました。
ただし、コンサル純粋、店舗診断純粋のフィーではなくてほとんど店舗改装の仕事です。
こんなわけで最初の1.2年は改装業務でなんとか会社をやっているようなものでした。
ただし施工会社ではありませんので、店舗診断シートをつけて、それから改装プランを練っていました。
VMDを取り入れた改装プランだったんです。

VMDを取り入れた改装プランは「リモデル」といって、設計会社や施工会社の業務と根本的に違います。
今回はリモデル、詳しく説明しないので興味ある方はこちらをクリックしてください。
●リモデルとは

3.VMD用語を取り入れる

店舗診断の話に戻りましょう。
売場改善のケーススタディがだんだんアタマの中に蓄積されていきます。

ただし、それらを「想起」する場面は画像が多かったです。
例えばドラッグストアの改善すべき写真を見たときに、ふわーんと過去の家電店の改善写真が浮かぶんです。

ドラグストアだからドラッグストアの改善想起ではなくて、まったく関係ない業種・業態から想起されました。

カーディーラーの改善点はお茶店の改善想起、
本屋の改善点はキャンディショップの改善想起、
家具店の改善点はケータイショップの想起・・・

など売場を直すのに、業種・業態・取扱商品は関係ありませんでした。

ただ、問題はひとつありました。
ケーススタディを想起するのはいいけれど、写真が思い浮かぶだけでは、クライアントに説明できません。
ドラッグストアに紅茶店の写真を見せて、「この通りに直してくれ」だと相手はどう直していいのか分からないからです。

そこで、写真に言葉を付けることにしました。
これはこういう改善点があるから、このように直した方がいいんですよ、という具合に。

つまり、医者が患者に対して

「これは風邪だ」
「これは胃潰瘍だ」
「これはハウスダストだ」

など、病名を告げるように、店舗の悪いところの病名を付けるようにしたんです。

その時すでにVMDには便利な専門用語がありました。

・VP,PP,IPはディスプレイのこと。
・VMD分類、MD分類は分類のこと。
・定数・定量は什器や商品の数量のこと。

ただ、私にとっては当時のVMD用語はすごく限られた言葉でした。
あまりにも少なすぎました。
VP,PP,IPという言葉を知っていても、それだけでは売場を直すことは出来なかったのです。

そこで、私は独自のVMD言葉をつくっていきました。

  • オーケストレーション = 壁面の集合ディスプレイのこと
  • くくり = 棚の商品のカタマリ具合
  • サブテーマ = ディスプレイテーマを補助するテーマ
  • ハーモニゼーション = 棚の陳列の状態

などなど。
その数は100は下らないでしょう。

こうして、私は店舗診断するときに、売場の医者として「売場の病名」を告げて、それを基準に売場の直し方を説明するようにしました。

しばらくすると、過去事例を想起するときに画像だけではなくて文字も出てくるようになりました。
これこそがプロの使う「想起法」のスキルそのものなのでした。

私がつくったVMD用語も含めた「VMD用語辞典」、時間ある時に見てください。
●VMD用語辞典

4.医者の処方箋とVMDの処方箋

図を見てください。
最終的に、これが私が確立した店舗診断のしくみです。

医者が処方箋を患者に渡すように、いま私は「健診表」という処方箋をお店に渡しているんです。

この図を作るために、医者の診断に関する書物も読みました。
わかったことは、店舗を診断する順番は、私が思った通り医者の順番と同じということでした。

上図を右から説明しましょう。

医者は「鑑別診断基準項目」がアタマの中に入っています。
つまり、解剖学的な基準項目とは、

  • 「大腸がん」である基準
  • 「肺気腫」である基準
  • 「膀胱炎」である基準

であり、医者は患者に問診したりレントゲン写真を見たり、体に触れて見たりと
問診や検査をしながら病気を特定し、処方箋を出しています。

だから、医者は「これはたぶんガンだろうな~」と適当に患者に告げているわけじゃないんです。
基準となる根拠があってガンと特定しているんです。

同じように、私たちVMDプロも「たぶん商品のディスプレイが悪いんですよ」と適当に言うわけにはいかないんです。
「ディスプレイのどこが悪いのか」正確に言わないと、相手も不安になるし、VMDコンサル失格ということになりかねません。

私たち、VMDプロは医者のように店長に言います。

「これはフェイシングと商品視認性に問題がありますね」

「商品のフェイスが悪い。パッケージの特徴が分かりにくい角度で展示されているし、ラベルがPOPに隠れているので商品名を読むこともできない」

この

・「フェイシング」
・「商品視線性」

は私たちのアタマの中の引き出しに入っているので、写真を見たり売場を見たりすると5秒で出てくる言葉なんです。

医者が問診してみて、レントゲンを見て「あー、これは肺気腫だ」とすぐにわかるようなものです。
医者は病院を開業するときに、すでに大学で、大学病院で想起の訓練をしていいます。
だから、開業をしてたくさんの患者が押しよせてもすぐに病気を特定できるんです。

ところがVMDは医学と比べると非常に歴史の浅い学問なので、専門用語が豊富にありません。
だから専門用語はつくるしかないんです。
私が会社を創業してから専門用語をつくり続け、ビジネス誌でその論文を発表したり、公開セミナーでレクチャーしたりしているのは、専門用語を流布するのが目的の一つでもあります。

5.売場づくりの医者になろう

だいたいわかりましたか。

医者の診断に基準があるように、VMDには基準があるんです。
その基準からハズれているのが病気にかかっている売場ということになります。

VMDが広まってきた今、VMDコンサルはいろいろな方がいます。
どのVMDコンサルにしようかな~と悩んでいる小売店の方は多いと思います。

しかしA,B,Cというコンサルがいて、別々に店舗診断を頼むと、診断結果は各人で全く違ってしまう。
これではもう基準はないと同じですよね。

3人の医者に健康診断してもらい、
ある医者は「かぜですよ」といい、
ある医者は「気管支炎ですね」といい、
ある医者は「ガンです」といいます。
こんな三者三様の診断結果だと、誰も医者を信頼できないですよね。
本来、基準というものが備わっているプロなら、A,B,Cどんな医者でも「これは気管支炎です」というハズです。

そこが当社がVMDインストラクターを育てている所以です。
売場のお医者さんになるための基準を売場塾で教えている理由はそれなんです。

論より証拠、この健診表はどのVMDインストラクターに頼んでも、同じになるんです。
VMD指導コースが売場塾にはあって、これを受講した卒業生はVMD指導プロ、シニアVMDインスタラクターになっているので、シニアVMDインストラクターに頼んだら誰に頼んでも同じ健診表になります。

VMDインストラクターも売場づくりのプロだけど、シニアVMDインストラクターはさらに進んだVMDの開業医と言えるでしょう。
VMDで食べていけるだけの器量を備えることができます。

売場塾では、売場づくりの基準が55あります。
この55をVMD基本講座18時間で習得することによって、売場づくりの基準を知ることができます。
売場のお医者さんになるための「売場づくりの型」を学べます

そうすることによって、売場を見たときにどこが悪くてどこがよいのか、正しい言葉で患者である店長に教えることができます。
この「フレームワーキング」という考え方は、オーバルリンク独自のメソッドです。

フレームワーキング、知りたい方は下記をクリックしてください。

フレームワーキングとは

今日は、売場づくりの手法「フレームワーキング」のルーツをお話ししました。
ご清聴ありがとうございました。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

君たちはどう生かすか

1.プロローグ

人生日記もノート6冊目になりました。
1994年の9月10日に書き始めてからちょうど30年です。
自分の将来について行動プランをいろいろ書き溜めていました。
そのころは広告代理店のサラリーマンでした。

ちょっと1994年9月10日のライフプランを読み返してみましょうか。

  • 80歳で死ぬことになっている。
  • 老後は外国語の旅行ガイドやっていることになっている。
  • 60歳で年金生活始めることになっている。
  • 55歳でリタイヤして自分の会社を始めることになっている。
  • 44歳で東京本社に移ることになっている。
  • 45歳までCMプランナーとして大成することになっている。
  • 40歳で年収1,000万になっている。

などなど。
他のページでは、

  • 40~50歳まではスピルバーグ
  • 50~70歳まではクリントイーストウッド
  • 70~80歳まではショーンコネリー

みたいな雰囲気(あくまで雰囲気です)の男になりたいようなことも書いてありました。
そして自分の性格のいいところ、悪いところも書かれていました。(笑)

ブログが流行るかなり前に書いていたこの人生プランは、いつも9月の連休の一日を割いて一気に書いていました。
朝から晩までです。沈む夕日を見ながら書いていました。
だから日記というよりも、年記みたいなもんですね。

ただ、平素でも会社であったいやなこと、問題点やクライアント営業計画なども書いていました。
書くと思いが整理整頓されるし、解決策も書いていたので行動指標にもなりました。

また、普段やりたいこと、チャレンジしたいことも書かれていました。

  • 世界釣り旅行に行く。
  • マラソンで40K走る。
  • 英語堪能になる。
  • オイコットライフをする(週末は田舎で週中は東京)。

また、労働時間も計算していました。
そのころは、下記でした。

1年250日出勤 × 1日13時間の労働 = 1年3,250時間の労働

普通の人は、

1年250日出勤 × 1日8時間の労働 = 1年2,000時間の労働

でしたので、当時は普通の人の65%増しの仕事量でした。
働き方改革が叫ばれている昨今、これだと労働問題ですね。
というか、過労死ラインですね。。。

で、とりあえず、

年間250時間は節約し、3,000時間になるようにプランしてみました。

すると、家に夜8時に戻れることに気が付きました。
(月)(火)は友達に会ったり英語の学校に行ったり趣味に時間を生かせることに気がつきました。
(水)(木)(金)は家で夜のんびりできることにも気がつきました。

まるで企画書を書くように、物事が整理整頓できてきました。
9月に1年を振り返っては、公私共々ほぼ書いたこと7・8割は実現できていました。

明日を、来週を、来年を、10年後をどうしたいか、書くことはいいことだと自負しました。
書くと、明日、来週、来年をどう生きていけばいいのか、道が見えてくるからです。

会社も朝7時に出社するようにし、「今日は何をしたらよいのか」コーヒー飲んでゆっくり考えることができました。
このようにすると、今日の仕事ではなく、明日の仕事もスケジュールに入れることができ、番組制作などクリエイティブな仕事もつくれるようになりました。

公私の時間の使い方と適正な設計を日誌で学んだんです。

2.書いたことを実践するには

前いた広告会社を辞めオーバルリンクという会社をスタートさせてからは、プライベートがなくなったので日記内容はほとんど会社のことになりましたが、ここ10年くらいは、余裕がでてきたのでプライベートなことも書くようになりました。
つまり、サラリーマン時代の書き方にもどったのです。

ただ、書いたことを実行するには、他の時間を省略しなければいけません。
1日は24時間しかないので、何かを実行するためには何かをやらないようにしなければいけません。
例えば下記がそうでした。

・オフィスに行かないでほとんど家にいる
 →すると通勤時間が2時間節約できる

・会社のサービス項目を半分にする
 →すると時間が効率的になる

・他社のやらないことをやる
 →すると利益率が増えるので、むやみに営業しなくて済む

・デジタルマーケティングにする
 →訪問営業がなくなるので時間が節約できる

どうですか。
これって、コロナ禍になってみんな気づいてやり始めたことでしたよね。
私はすでにやっていたんです。

すると、

・寝る前に1時間はジャズを聴いてリラックスしたい
・週に2回は筋トレしたい
・毎日レアジョブで英会話したい

ができるようになりました。

3.始める日にちを決める

「これやりたいけど、できないだろうな、時間がないもの」
「あれやりたいけど、上司に怒られるだろうな、今忙しいもの」

などと、自分のやりたいことをあきらめていませんか。

まずはやりたいことを何かに書いてみましょう。
メモ帳でもノートでもいいです。
もちろん、スマホやパソコンでもいいですよ。

やりたいことを書いたら、次にどうすればそれができるようになるのか、時間を整理してみましょう。
先ほど言ったように、できる時間をつくるんです。
すると、思ったよりできるようになります。

そして、自分の大事なものが仕事や家事ではないことに気がつきます。
毎日を生活するには、「バランスが大事」ということに気がつくはずです。

4.仕事やプライベートはバランスと流れ

やりたいことができてくると、流れるように時間が使えることに気がつきます。

もちろん、毎日のルーティーンにしてしまい、きちきち時間を決めてその通りにやる。

これはけっこうなのですが、あまり四角しばって生活すると心の余裕がなくなります。
今プレゼンで忙しいのに、無理やり時間割いてジムに行く必要はありません。
要はバランスです。
忙しいときは全力でプレゼンに力を注ぎ、その時使った時間を後で筋トレに使えばいいのです。
人間は2.3週間筋トレしなくても大丈夫。
プレゼンの後に元の筋トレに戻って続けていけば、いつもたくましいあなたでいます。

結論として言うと、仕事やプライベートはバランスと流れなんです。
大事なのは、やりたい!と思ったことを続けることです。
そのバランスと流れを見極めましょう。

5.やりたいことは続けないと積もらない

よくあることなんですが、忙しさにかまけてやろうと思ったことを辞めてしまう人もいます。

・毎週筋トレしていたのに、忙しい日々が長く続いたので、いつのまにかやめてしまった。
・時間がとれなくなる日が多くなったので、英会話学校にいけなくなった。

これはVMDでもよくあることなんです。

・なかなか人が集まらないのでセミナーをやめてしまった。
・VMDの仕事が入らなくなったのでホームページ制作の仕事に切り替えた。
・メルマガを始めたけど時間に余裕がなくなったのでやめてしまった。

私が数字にこだわるのは、数字を重ねることによって持続が確認できるからです。

  • オーバルリンクは創業21年。
  • 書いた論文数は70論文。
  • VMDインストラクター資格者は900人。
  • 売場塾は90期。
  • 月刊VMDは3年目。
  • このメルマガは270通目。

などなど、決めたらその通りに鋭意実行するといいと思います。
「生活がうまくいかないな」という人は、途中であきらめてやらなくなってしまうから。

なんとなくやってみる。
他人がやるからやってみる。

のではなくて、まずは書きましょう。
書いたことは宣言になりますので、ふと思った、というよりも計画として書き下ろした感が強くなります。
計画したことは遂行したい気持ちになってくるのがわかります。

後は時間のバランスと流れにうまくオールを使って航海していけばよいのです。

ということで、今日は暑中見舞いの代わりでした。
ご清聴ありがとうございました。

●VMDインストラクター起業・副業相談会

VMDを自分のキャリアにしたい、と思う人は、VMDキャリアの蓄積の仕方、本職とVMD職のバランスと流れの取り方、いろいろお教えできます。
ぜひ、「VMDインストラクター起業・副業相談会」にお越しください。
最後は宣伝でした。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMDを伝えて20年。

来月で、株式会社オーバルリンクは創業20周年になります。

ここにあるのは、創業以来ずっと愛用している私のダイアリー。
出会った人、出会った会社、出会ったモノやコトが日々積み重なっています。

20年前に起業したとき、VMDを知っている人は少数でした。

それが今、

VMDを仕事にする人が増えました。
VMDを目指す人が増えました。
VMDは職業になりました。
VMDは会社のセクションになりました。

VMDはメーカーや小売店を活性化するだけではなく、
人を活性化するものになりました。

これからも日本中の売場を快場に変えていくスケジュールを
あなたといっしょにつくっていきたい。

20年目のオーバルリンクをこれからもよろしくお願いします。

               株式会社オーバルリンク 代表取締役 深沢泰秀

ユニクロのLife Wearはコンセプトか、キャッチフレーズか?

コンセプトとは  
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今回は、コンセプトとキャッチフレーズを比較してみたいと思います。
まずはコンセプトから。

コンセプトとは「概念」のことです。
私は広告代理店に長く勤務していたからか、学生から社会人になって今日に至るまで、このコンセプトという言葉と長い付き合いをしています。
それほど重要な言葉なんです。

広告コンセプトというと、

  • 広告が意図する主体的な考え
  • 広告を表現する意味合い
  • 広告が訴えたいベースの思想

みたいに思っていただければOKです。
コンセプトがないと、広告は骨がないペラペラの表現になってしまいます。

例えば、売場塾の生徒募集を広告表現したとします。
「ただいま、春の生徒募集中。VMD習いたい人みんな集まれ!!」

これだと単なるキャッチフレーズ。
コンセプトではありません。

売場塾の広告が訴えたい、ベースの思想を書いてみます。
「世の中のお店はデジタルにシフトしている。
だからお店はわざわざ行く場所になっている。
だから、お店はよりよい買い物体験ができる場所でないといけない」

という思想から、「心地よく買い物体験できる場所」=「快場」と定義し、
「ただ今、快場をつくる人、快場請負人募集」
とすれば、コンセプトに近くなります。

でも、これでもまだキャッチフレーズです。
そこで、「売場塾は快場請負人を育成する学校だ」
「お客様に心地よい買い物体験を提供する快場請負人をつくる学校だ」
に直すと、コンセプトになります。

広告キャッチを考えるとき、このようなコンセプトワードは表に出なくてもいいんです。
コンセプトはあくまで物事の本質を捉える言葉。武士の鎧の中身です。
ですので、外の鎧はコンセプトそのものでなくてもいいです。
ただし、外の鎧が「ただいま、春の生徒募集中。VMD習いたい人みんな集まれ!!」となってしまうと、タダの広告キャッチになりますので、少なくとも鎧の中身の本質がじわっと出て来るような広告フレーズを考えないといけないんです。

だから、「快場請負人募集中」というようなキャッチに直したり、「心地よい買い物体験を演出できる人、それが快場請負人」にしなければいけません。

広告キャッチフレーズは、外の人、つまり一般人を意識して言葉を考えるんですが、コンセプトは「わが社はどうありたいか」「わが店はどうありたいか」を言葉に表すことですので、外向きというよりも内向きの言葉です
意志みたいなもんですね。

スターバックスのコンセプト
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例えば「スターバックスは第三の場所」というコンセプトがあります。
これは事業コンセプトとも言えるし、店舗コンセプトとも言えます。
「第三の場所」というのは、家、会社、そしてその間にある第三の場所という意味です。
つまりくつろげる場所であるということです。

このコンセプトワード自体は、スタバがオープンするときに大々的に出す広告のキャッチには入ってません。
銀座に出店するときに「銀座に第三の場所、現る!!」とも、少し砕けて「くつろげるカフェが銀座にオープン」とも謳いません。

「第三の場所」はスタバにとって内向きの言葉だからです。
社長や広報室がマスコミからインタビューを受けたときなどに、初めて出る言葉なんです。
「「第三の場所」というコンセプトをベースに出した店だ」と社長は語るでしょう。

ユニクロの「Life Wear」はコンセプトか?
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さて、ユニクロの「Life Wear」はコンセプトでしょうか。広告キャッチでしょうか。

答えは広告キャッチ。
これは「究極の普段着を着る生活を提供する店」というのがコンセプトであって、「Life Wear」はそれをちょっと外向きにおしゃれにしたキャッチコピーと言えます。

タイトルの写真を見てください。
北千住マルイにあるユニクロ店のLife Wearのコピーです。
ここに、「究極の普段着を着る生活を提供する店」がにじみ出ているのが、ボディコピーを読むとわかります。

さすがに、「究極の普段着」という言葉をそのまま広告に出すとベタなので、美しく響く表現に変えたといえるでしょう。

でも、Googleで「究極の普段着」を検索してみてください。
●「究極の普段着」を検索

「究極の普段着」という言葉が、広報の言葉、社長の言葉にたくさん出ていますよね。
そう、身内では「究極の普段着」がコンセプトワードなんです。
この言葉が商品コンセプトなのか、事業コンセプトなのかわかりにくいのですが、たぶん商品コンセプトなのでしょう。
ショップコンセプトなら「究極の普段着を着る生活を提供する店」にしないといけないし、事業コンセプトなら「究極の普段着を着る生活を提供する会社」にしないといけません。

オーバルリンクのコンセプトとは?
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さて、オーバルリンクの「VMDで売場を買場へ、そして快場へ」はコンセプトでしょうか?それとも広告キャッチでしょうか。
●オーバルリンクのHP

答えは広告キャッチでした。

コンセプトは「生活者と企業を快場で結ぶ」という事業コンセプトです。
このワード、マスコミインタビューや私の論文では、常に書いている言葉です。
名刺にも書いてありますよ。

つまり、「生活者と企業を快場で結ぶ」は「究極の普段着」と同じ身内の言葉。
広告に出すときは、少しカジュアルにわかりやすく表現する必要がありました。
だから、「VMDで売場を買場へ、そして快場へ」とか、「ただ今、快場をつくる人、快場請負人募集」とかいうキャッチフレーズになるんです。
つまり外向きの言葉になるんです。

わかりましたでしょうか。
コンセプトワードとキャッチフレーズの違い。

コンセプト、興味ある方はこちらをご覧ください。
●ショップコンセプトがお店の品揃えを決定する
●自店の店舗デザインはどうあるべきか

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

2022年 謹賀新年

あけましておめでとうございます。
オリンピックも過去のものとなり、2020年になってからあったという間に年が進んだように感じています。

新しい年になりました。
今年の7月、当社は創業20周年を迎えます。
こちらも光陰矢の如し、という感じです。

このことを株主に報告すると、株主は
「ベンチャー企業が20年たって生き残る確率は0.3%だよ、
すばらしいね」と言っていました。

「え、そうなの?」ときょとんとしましたが、改めてネットを検索すると、本当でした。
●日経の記事

思うに、当時ほぼ同時に起業した仲間は、実家に帰った方、すでに10年前に会社をやめた方、いろいろです。
なるほど~と思いました。

企業って思ったよりも続かないようです。
会社をつくる前は2つの会社のサラリーマンだったんですが、その2つの会社、今はありませんから。

この時代、どうしたら企業は生き残れるのか?
まだ20年くらいでは言える立場ではありませんが、下記3つではないでしょうか。

  1. リスクを排除する
  2. コストを排除する
  3. 舵を切るときはスピート決断



おっとこれは企業としたら当たり前のことですよね。
これをベースとしたら、あとは物事の継続性と計画性があればいいかな。

これだと思ったら、トコトンやり抜く。
つまり、PLAN DO SEE ではないでしょうか。

私は、何か思いついたら、必ず企画書をつくるようにしています。
思いつきで終わらないために、パワポ等に書いてみるんです。
もちろん、いくらクライアントが集まっていくら売り上げが上がりそうか?
1年後はどうなっているか?
2年後はどうなっているか?
予測を書いてみるんです。

そしていけると思ったら、とことんやり抜く。
もちろん、うまく行ったものもあれば、失敗もありました。

会社人数少ないのに、事業計画書やサービス企画書いろいろ書きましたよ。
そして今も書いています。
下記ながら、あれこれ整理できるんですね。
そして考えがまとまっていく。

PLAN DO SEE。
よくある言葉だけど、意外ときちんとやっている少ないような気がします。
少しやってあまり芳しくないと、そのサービスや事業、やめてしまう方が多いんです。
事業は継続性です

創業しようとしている方、少しやってダメでも粘り強く継続してくださいね。
私は創業して10カ月間売上0でしたよ。
論より証拠、私の創業当時のブログ見るとわかります。
株式会社創業日誌

それでは今年もよろしくお願いします。


(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

オーバルリンクは1月6日から営業いたします。

新春の売場塾の日程は下記です。

 

1/21(土)から

 

 

1/10(火)から

 

 

1/30(月)