初心者向きVMD教育は四角四面で行く

VMD初心者に売場づくりを教える時、VMDインストラクターはどのような心がけが必要か、お話します。
ズバリ言うとそれは、四角四面に教えるということです。
この熟語、世間ではあんまりいい意味では使わないんですが、私が初心者に教える場合に心がけていることなんです。

セミナーのようなOFFJTにしろ、現場指導のOJTにしろ、店頭スタッフや本部の新米VMD担当にVMDを教えるときは、まずは基本を教えますよね。
その基本をあやふやに教えると、VMD初心者は理解がほど遠くなるので注意が必要です。

例えば、PP,IPという言葉があり、下記のような原則を教えるとします。

  1. PPはIPを代表するディスプレイ。
  2. PPは展示で、IPは陳列である。
  3. PPはIPの近くに置く。
  4. PPはテーマが必要である。

ここで言う原則とは守らなければならないルール。
初心者は原則を覚えることにより、売場づくりの基本を知ります。
だからVMDインストラクターは、最初のころは、この原則に忠実に売場づくりをするように指導します。

だから、

スタッフ「PPの棚の横のスペースが開いているから、ここにIPを設けていいですか」
vmd-i「仕方ないわね。いいわよ」
などと言わないでください。

また
スタッフ「PPにボリュームをつけたいから、IPにないけど新商品を加えていいですか」
vmd-i「仕方ないわね。いいわよ」
などと言わないでください。

これはもう、「ダメです。原則と違います」と言ってください。

このように、最初は原則で売場づくりを縛っていきますが、初心者から中級者になるにつれ、例外もあるということを徐々に教えます。

例外というものは、売場づくりを臨機応変に行う術が身に着くにつれて知るもの。
初心者のうちは原則も身についてないので、応用はできません。
だから、VMDインストラクターはまずは原則をしつこいくらいに言うしかないのです。

さて、上記に
3.PPはIPの近くに置く。
とありますが、スタッフはどのくらいが「近く」なのか、知りたがります。
その場合は、細かく規則を決めます。

・PPはIPの直上。

次に直上の定義を言います。

・スパン(什器のこと)のすぐ上が一番よく、最低MDカセットの上。

カセットというのはアパレルによくある単位で、1~5スパンの間で1つのMDグループが形成されています。
つまり、5スパンあって右から3スパン目にPPが作られているとしても、原則の範囲に入るのでPPに使っているIPはどこにあってもOKということになります。

このように、原則はあやふやでなく、しっかりと定義として打ち立てることが大事です。

そういうわけで、私がクライアントのOJTにVMDインストラクターを派遣するとき、「指導は四角四面にやってください」と念を押しています。
基本に対していきなり例外をつくってしまうと、スタッフはわけがわからなくなるからです。

売場塾のフレームワークはご存知の通り55あり、科目→課題→課目→細則の順に定義は細かくなっていきます。
フレームワークはPOP・サイン科目のようなところは、細則を定義しています。
PPとIPの位置における定義は課目として教科書に載っていますが、「PPとIPはどのくらいの距離に置いた方がいいのか」までの細則は書かれていません。
それはVMDインストラクターであるあなたが決めてください。(^^)
ガイドラインに書くとよいですよ。

●フレームワークメソッド

こんなに細則でがんじがらめになると、茶髪やソックスを取り締まる生活委員みたいで
いやだな~と思うかもしれませんが、仕方がありません。
最初は四角四面にやっていただくことによって、原則というものを守る癖を初心者に付けていただきます。

初心者はそのうちに、例外というものを知り、応用力を身に着けるようになっていくのです。
温かく教えてやってくださいね。

全国のVMDインストラクターの皆さん、初心者に対しては四角四面で行きましょう。
そのうちに、例外を教えてやって応用力やバリエーションを身につけさせましょう。

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