2025年 年賀

明けましておめでとうございます。

今年の年賀は食器で獅子舞いディスプレイ作ってみました。(^^)
メイキングはこちら。

今年も今月から、いろいろな催しスタートです!
どなた様もお待ちしております。

株式会社オーバルリンク  代表取締役 深沢泰秀

🔶売場塾 2025新春開講日程

売場塾は一昨年から銀座にて開催しています。
【リアル講座】
●VMD基本講座 1月18日(土)開講
●アパレル基本講座 2月8日(土)開講
●VMD教育指導講座 2月15日(土)開講
●ディスプレイ指導講座 3月1日(土)開講
●POP指導講座 3月8日(月)開講
【オンライン講座】
●VMD基本講座 2月17日(月)開講
●VMD教育指導講座 3月17日(月)開講
●ディスプレイ指導講座 3月24日(月)開講
●POP指導講座 3月31日(月)開講

→各講座詳細
→売場塾説明会・プレセミナー

🔶銀座リアルセミナー開催中

VMDを学ぶ入門セミナー。3ヶ月に1回月開催しています。
●「VMD売場づくりの基礎セミナー」
1月23日(木) 10:00開催
●歩いてVMDを知る!銀座フィールドワーク同時開催。

🔶オンライン センスアップセミナー開催中

ディスプレイセンスをアップするセミナー。毎月開催しています。
●オンライン「センスアップセミナー」ディスプレイ構成PART4
1月30日(木) 11:00開催

ディスプレイすれば生活は潤いになる

今年もあとわずかになりました。
皆さん、今年はどんな年でしたか。

パリオリンピックや大谷選手の活躍があったとはいえ、世の中は混乱を極めています。
私が驚いたのは、SNSによる影響大の選挙でした。

クリスマスの朝、コーヒーを飲んでいるときにふと思いました。

「クリスマスの朝なのになんかパッとしないな・・・」

テーブルの上はこんな感じでした。

ティッシュとリモコンが中央に鎮座している、物足りない食卓。
日差しは気持ちいいのに、よどんでいました。

もっと華やかにしたいなと思い、100円ショップで買ったプロップスでテーブルを3分で飾りました。
ほとんどテキトーです。

でも経った3分で下記のような食卓になりました。

赤いランチョンマットを黒い物の上に載せて、中央にダイソーのポインセチアをセット。
それでも、物足りないのでにせものの果物と棚からワイングラスを出して飾りました。

これがBefore After。

これだけで、クリスマスの朝らしくなりました。
とても気持ちいいです。

私たちはふだんVMDという仕事をしていて、いろんなブランドの店や売場を「快場」に変えています。
快場とは、ショッピンクが快い売場という意味です。

●快場とは

思えば、自分の空間、つまり家も快場にしないといけないですね。
積水ハウスではないけれど、「家に帰れば~快場~」。

ほっとする空間、らしい空間、家族が集える空間、創造的な空間。
あなたらしい快場がちょっとディスプレイを変えるだけで出現するんです。

黒と白のコースター・ランチョンを使えば、あなたの好きなパンダになるし。

青いつぶつぶ置けば、ツリーになるし。

大掃除でいらなくなったコードを使ってもいいです。

ゴミになるはずのネスレの箱を使って花時計をつくってもいいです。

私の書斎の書棚は、怪獣が大暴れしています。(^^)

書斎に入ると楽しくなります。

ということで、世の中いいことも悪いことも来年も起こると思います。
憂鬱な日もあるかもしれませんが、生活のうるおいは保ちましょう。
それが心の余裕を与えてくれます。

ほんの小さなディスプレイ、生活の中につくってみませんか。
お仕事忙しいみなさーん、来年もこれからもぜひ心の余裕を持ってくださいね。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

きゃー!!な話と売場塾

0.プロローグ

週休3日制にしてもうすぐ1年が経ちます。
●働き方改革で週休3日制にしてみたら

今のところ、業務に支障は全く問題ないです。
というか、当社売上も倍増し効率よく回っています。
独自の「モジュール業務改革」が功を奏しています。
この経営の仕方はいずれブログに書きますね。

プライベートなことを言うと、温泉旅行はよく行くようになりました。
そしておもしろい体験もしてみました。

この間、新聞チラシに入っていた格安の温泉旅行に行ってきました。
広告で格安と謳っている旅行とはどんなものか実験的に行ってきました。

すると、「きゃあーーー」というような宿でした。
やっぱり安いだけのことはあるね、ということがわかりました。

今回はそこから売場塾経営へと話をつなげます。(^^)
さて、はじまりはじまり~。

1.新聞折込の格安ツアーにノッてみた

毎日、新聞をじっくり読んでいます。
コロナ禍の頃から折込チラシをよく見るようになりました。
多角経営を考えているので何かヒントはないかな~とチラシから広報・タウン誌の類も見ています。

コロナ後、旅行代理店のチラシが毎週のように入ってきます。
「1泊7,500円でバイキング付き・酒も飲み放題付」というチラシは毎週のように見かけています。

いつもホテルや宿は間違いのないブランドを選んでいて、特に海外旅行は100%JTBのパックツアー。
安心・安全な快適旅行を心がけています。

しかし、その時ばかりは「こういう安いツアーってどんなものだろう」と実験的に予約したのです。
これも週休3日制という「余裕」が生まれたおかげです。
例えばこの春は「ハトバスツアーで東京タワー」というのに予約して乗ってみました。
未知の体験ってホントいいもんですね。(^^)

話を戻して今年9月、チラシのおススメする温泉パック宿に泊まってみました。
そこから「きゃー!!」が始まったのでした。

※ちなみに冒頭のチラシはイメージです。
その旅行パックのチラシではないので注意ください。

2.きゃーその1

サフィール踊り子号に乗っていざ旅館に。

旅館につきました。
和風の庭園が広がっていました。
「うん、悪くない」

そして、部屋に着いた時、やけに暗いのに気がつきました。
「3時なのに暗いな」

広縁から外を見てみます。
「1階なのに外がない!」

そう、広縁から外の景色は見えませんでした。
なぜなら外は衝立で覆われており、日の光がほとんど入ってこないからです。

暗闇の中に木風呂が怪しく光っていました。

「うーん、暗い・・・」
気分が晴れ晴れしないので、JBLのスピーカーでジャズをかけたかったのです、が持ってくるのを忘れました・・・。
仕方がないので、スマホの小さなスピーカーからソニーロリンズの音を絞り出しました。

日中ならアールクルーの心地よいストリングの音を出すべきなのですが、まるで夜みたいなのでテナーサックスの曲にするしかありませんでした。

荷物を入れようとした部屋のキャビネットもボロボロ・・・。

翌朝も当然部屋は暗かったので、今度はマイルスデイビスを流しました。
朝なのに夜のような暗さに、マイルスデイビスの「So What」は合っていました。
この曲名、日本語にすると「だから何だ」。
なんか暗示してますね。(^^)

3.きゃー、その2

1日目の夜、木風呂に入っていると、連れが「きゃーー」と金切声を上げます。
大きいイエグモが広縁に出たのでした。

虫が大嫌いな私の妻は、以前会社に「虫を取って」と私に電話をかけてきました。
私は勤務中だというのに、わざわざ家に戻って窓にくっついている小さいヤモリを取ったのを覚えています。

この時も同様で、風呂につかったばかりなのに裸でクモを捕まえなければなりません。
イエグモに対して心やさしい私はいつも手で捕まえて外に逃がしているんですが、この時ばかりは苦心し、冷蔵庫の後ろに逃がしてしまいました。

「出てくるまで待とう」と言いましたが、妻は「待てない」とのことでした。
仕方がないので、ハンガーを使ってガシャガシャ冷蔵庫の後ろを探りました。

しばらくするとクモは出てきました。
「きゃーーーーー」
と、同時に妻の格段と高い金切声!
それを聞いて失敗は許されないと思い、この時ばかりはハンガーで一刀両断にしてしまいした。
クモさんごめんなさい。

その夜彼女は、2匹目・3匹が出て来やしないか、ずっとハラハラしていました。
私と言えば、部屋の暖房が強すぎて暑くてグッスリ眠れませんでした。

4.失敗もたまにはいい?

ということで、「チラシの格安ツアーに参加するとどうなるか」を実体験できました。
思った通りでしたが、案外楽しかったです。

言葉は悪いがおとりっぽい広告と知りつつもあえてやってみる。
そんなわけで失敗も予想でき、なんかおもしろかったです。
もちろん、エステや不動産みたいなおとり広告はあぶないけど、このくらいは許容範囲です。

私は広告代理店20年勤めていたので、こういうおとりっぽい広告は慣れています。
実は苦い経験があるんです。その話をしまょう。

新卒で広告代理店に入社したその月、初めて新聞広告をつくりました。
それは入社した会社がよく接待で使っている和食亭「南町大名」(仮称)の広告でした。

そのお店は、伊勢海老の天ぷらが名物でした。
当然ぷりっぷりの海老を広告のアイキャッチとし、「初日は1,000円で提供」のコピーを広告上段にでかでかと入れました。

新聞広告が出たその日はちょうど初任給の日でした。
今でこそ銀行振り込みが主流ですが、昭和時代当時は現金封筒渡し。

10万円が入った封筒は心地よく、さっそく新社会人の同僚に「伊勢海老食べに行こう!」と誘います。
何せ、1匹1,000円。お酒を頼んだとしても5,000円で済むだろう・・・と思いました。
みんな嬉々として伊勢海老料理を平らげました。

そして「お勘定~」
出て来た伝票にみんなびっくり。

伊勢海老の単価が6,000円になっていました。
「なんで・・・」
目が点になりました。

レジ前には自らが作った広告のおとりに引っかかってしまった、あわれな新入社員がいました。
会社幹部の大事なクライアントでもあるのでクレームが言えませんでした。

旅館の失敗はおもしろかったんですが、この失敗はよくなかったです。
おかげで全員初任給はスッカラカンになりました。

5.売場塾開設時のこと

おとり広告と言えば、美容外科、各種教室、株式投資、不動産、キッチン用品などいろいろありますね。
以前私も、英会話教材販売の方から執拗に迫られたことがあります。

英会話学校にかなりの額を投資している私は、JTBのような大手学校ブランドを選ぶ傾向がありました。
それは安心だからです。

しかしながら、雑居ビル・マンションでやっている英会話教室もかなりあります。
この間、フリースペースで使用した銀座の古いマンションビルにも、自営で行っていそうなエステや不動産屋、アクセ教室などが入居していました。

大手と比べるとちょっと不安。
ドアを開けるのも勇気がいります。

しかし、金のない大学時代は、こういう雑居ビル・マンションに入っている英会話喫茶に通学していました。
最初は入るのに勇気がいりましたが、いざ入った後はまったく問題ありませんでした。
まじめな社会人の生徒が多く、毎回楽しく学習ができました。

実は、売場塾も最初はそうでした。
19年前、三田の中古マンションの地下から始まりました。

上の写真が地下の会議室です。
売場塾は最初は少人数でしたので、ここで始めました。
2006年のことです。

この写真を見ると雰囲気はいいんですが、なにせ中古マンションの地下。
外から地下に入るので雰囲気は暗かったです。
秘密のアジトに入るような感じでした。

ここで売場塾説明会も行っていました。
夜の説明会もあったので、あたりは暗くなり入るのに勇気がいるような雰囲気でした。

そこで、私はいつもマンションのエンタランスで説明会参加者を待待つようにしました。
ホテルのベルボーイみたいにエスコートすることにしました。
「売場塾」のサインを掲げて待っていて、参加者そうな人に声をかけていたのです。

地下はともかく、エンタランスの雰囲気は悪くなかったです。
受付カウンターがあるのが救いでした。
また、社名プレートがたくさんインフォメーションボードにディスプレイされているので、ビジネスビルみたいでオシャレでした。

そんなことで、オーバルリンクという会社を作つくって3年目開始した売場塾事業は、予算もなにもないところから始まりました。

当時からほぼ100%インターネットで生徒募集していたため、おとり広告のように「だまされた!」と説明会参加者や受講生に思われてはいけません。
とにかく不安を抱かせないように、明るく親切丁寧に接客していました。
地下にお通しする時、よく言っていたセリフが「虎の穴へようこそ~」でした。
タイガーマスク知らない世代には通用しないとは思いましたが、洒落としてはウケました。(笑)

売場塾初期はこんな感じでした。
三田時代に売場塾にお越しになった説明会参加者の皆さん、売場塾生の皆さん、大変感謝します。

今はこんなビルで説明会をやっています。
銀座一等地のビルの広いエンタランス。
最上階のアントレサロンというスペースでやっています。

こんな感じで会場も広ぴーろ。
地下と違い、「閉じ込められて逃げられない」というイメージはまったくありません。(^^)

ひとけは常時ありますので、夜でも昼でも安心して気軽に相談できます。
説明会、いつでもお越しください~。

●売場塾&VMDインストラクター説明会

ということで、商空間スタイリスト認定講師の皆さん、初めて開設するVMD教室は雑居ビルでもマンションの一室でも、コストをかけずにスタートしましょう。
恥じることは何もないです。

かの旅行会社HISも渋谷の雑居ビルの小さい部屋から始まりました。
期待を胸に来年も邁進してまいりましょう~。

ホームページのデザインが立派で、説明会参加者が現地に来てがっくりしても、それは「おとり広告」ではないです。
ためになる楽しいレッスンを通じて、「このスクールに来てよかった」と受講生に思わせましょう!

当社のディスプレイ教室「商空間スタイリスト講座」の認定講師の方は、雑居ビルやマンション1室から始める方もいます。
これからもがんばりましょう~!

なお、「商空間スタイリスト講座」認定講師になりたい方はオンラインで説明会を開いていますのでいつでもご参加下さい。
無料です。

●商空間スタイリスト講座 開業説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

マーケティング戦略で売れるVMD本を出版しよう

VMDの教科書

今日は本の出版の仕方についてお話しします。
単なる本の出し方ではなくて、あなた個人や会社のビジネス戦略としてどう本を企画するか?についてお話しします。

起業した方なら誰しも「本を出したい」と思ったはずです。
売場塾生も個人として、会社として本を出版している方がいます。
それはこの間のブログでも紹介しました。
●VMDインストラクターの書いた本

私自身も本を出版していて市販本は3冊、自費出版1冊になります。
私の場合、売場塾をやっているので圧倒的にテキストが多くてこちらは9冊。
こちらはこの19年途切れることなく改訂し、出版し続けています

0.本を出す目的と手順

まず本を出したい方は目的を明確にした方がよいです。
単に本を出したいなら自費出版で十分だと思います。

以前ある出版社の自費出版説明会に行ったことがあるんですが、参加者は熱気むんむん、すぐに出版したいという方が多く集まっていました。
占い本を出したい人、旅行記を出したい人など、いろいろな方がいて、次々に出版社と契約されていました。

自費出版というものの、書店の流通に載り小売店に自分の本が置かれ、国立国会図書館にて永遠に保存されるという特典付きです。

ただ、ほとんどの方が、本で儲けるというよりは自分の証を世に出してみたいという動機が多いような感じがしました。
難しいイラストや写真などがないテキストだけの本なら100万円台で出版出来るということで、本を出したい人の夢をかなえてくれる、そんな出版社のシステムでした。

こんなわけで、単純に「本を出す」という既成事実を作りたい方ならこれで十分。
自費出版と言わなければ、「著名な出版社から本を出した!!」ということになるので、人に誇れます。

しかし、自費出版会社も今や大なり小なり出現しているので油断は禁物、準備金や制作費まで取る出版社もあって最終的には高くなる危険性もあります。
そこは十分気をつけてください。

VMD本企画書表紙

さて、今回は私の本「展示と陳列の法則」を題材にして、本の出版をどのように進めたらいいか、手順をお教えします。

  1. 出版社に企画を持ち込む
  2. 競合本を研究する・・・「企画の前提」
  3. コンセプトを決める・・・「本書の内容」
  4. 読者モデルを決める・・・「本の対象」
  5. ポジショニングを決める・・・「ターゲット別シリーズ企画」
  6. コンテンツを決める・・・「構成案」
  7. コンテンツを作る・・・「体裁と要望」
  8. 出版社に入稿する

実はこの順番、書籍企画書を出版社にプレゼンした企画書のページタイトルに準じています。(上の写真は企画書の表紙です)
この項目を見てあなたは「なんか、マーケティングみたい」と思ったことでしょう。
そう、本を出版することはまさにマーケティングなんです。

ほとんどの方が「本を出したい」と思っても、あまり企画を錬らずに出版しているのではないでしょうか。
そして出したことに満足して、ホームページやSNSで紹介しそれで終わり、なんて感じになっていると思います。

それではもったいない。
本を出すことは、下記の効果があるんです。

  • 会社や自分の広報になる
  • 商品やサービスのPRになる
  • 本が商品になる
  • 本が広告媒体になる
  • 本が論文発表の場になる

本を出す前に、これらを念頭に入れてじっくり企画を練りましょう。
そうすれば、「出して終わり」にならずに上記の効果を十二分に獲得できます。

それでは前述の手順通りに解説していきます。

1.出版社に企画を持ち込む

上記手順1~7のタイトルで構成された28ページの企画書を持って、出版社に提案しました。
出版社の選定について、私の場合は知り合いを通じましたが、好きな出版社に飛び込みでもいいと思います。
電話でアポを取ったり、事前に企画書をメール添付するなどしましょう。
私の場合は前職が広告代理店でしたので、出版社に知り合いがある程度いました。
なので、企画書を提案するのは数社に絞り、最後に1社に決めたのでした。

出版社で企画書の説明をした後、編集者からいい返事をもらいました。
出版はすぐに決まりました。
大手出版社の場合、出版の可否は社内稟議になるので、やっぱり精度の高い企画書は作った方がよいです。

2.競合本を研究する・・・「企画の前提」

VMD本「企画の前提」

本を作るにあたって、現状でどんなVMD本が書店やアマゾンで販売されているか調査しました。
普段からVMD本はくまなく読んでいましたので、どの本もだいたい内容は分かっていました。
出版社も「売場づくり」や「ビジュアルマーチャンダイジング」などのキーワードで市場調査してくれるので、だいぶ市場が掴めました。
それには各VMD本の読者モデル別・月別売上推移が提示されているので、どのジャンルの本がどの読者に好まれているかがわかりました。

また、大手書店に行き、どの分類の書棚にどのVMD本が並んでいるか探ってみました。
その結果は、上記の1ページに組み込みました。

VMD本はだいたい次の2つに分類されていました。

●お店・売場づくりの本
  ・・・経営・マーケ・流通業の棚に多く、テキスト中心のカタイ本
●ディスプレイ・VMDの本
  ・・・VMDといってもほとんどディスプレイの本でファッション・趣味的な本

この2つの中間が狙い目だな、と思いました。
そして出す本を下記のように定義しました。

高級店ではない、スーパーや商店のような
 普通の店の売場づくりをオシャレに恰好よく
 アート的に教える本は皆無です。
 当本は、アート・デザインとビジネスの中間
 を行く、新ジャンルの売場づくりの本です。」

つまり、小売りの売上を上げるのが目的のカタイ実務本ではなくて、ビジネス・ノウハウと、アート・スキルを兼ね備えたマルチな書籍を目指しました。

3.コンセプトを決める・・・「企画主旨」「本の内容」

VMD本「企画主旨」

上のページを見てください。
本を出す目的をコンパクトにまとめました。

企画意図)
「売場塾」を本にしたい
企画の背景)
「VMD」はオシャレな職業となりつつある

この企画書って、東日本大震災前に提案した2010年当時でした。
そのころの売場塾生はまだ150名。
今でこそ1,000名近くいるんですが、当時は今の15%。
当然、この本は売場塾のPRのために出しました。

単純な売場塾PRでなく、下記の目的もありました。

  • 会社や自分の広報にする
  • 商品やサービスのPRにする
  • 本自体を商品にする

そこで、切り口を下記のようにしました。

MD本「本書の内容」

そう、VMDインストラクターが教える「VMDの教科書」にしたんです。
つまり、売場塾の卒業生はこの時点で150名しかいないけれど、優秀なブランドのVMD担当が多いので、私というよりも卒業生を取材して売場づくりを語ってもらう本にしました。
シャルマンやエミスフェール、ダッドウエイやダーバンといったブランドVMD担当に協力いただき、たくさんの売場・ディスプレイ写真と共に売場づくりのノウハウを教える教科書としました。

編集者のイメージが湧きやすいように、帯広告のキャッチフレーズを企画書ページに入れました。

それには

「売れる売場をつくり続けているプロ(VMDインストラクター)が教えるVMDの教科書」

とあります。

これがまさに本のコンセプトでした。
最終的にこれらキャッチフレーズをまとめた表紙は下写真のようになりました。

VMD本の表紙

4.読者モデルを決める・・・「本の対象」

VMD本読者モデル

誰を読者にするか?
これは本を出す上でけっこう大事なことです。

皆さんは本を書く時、漠然と「売場づくりに興味がある人」「店員さん」「小売店」などと、対象をしっかり絞らずに内容決めていませんか。

VMDの本を出すから小売店の人、というのはあまりにも対象範囲が広すぎます。

本屋でどの棚に置いてほしいか?そこにはどんな人が来てほしいのか?
アマゾンでは、どのジャンルやページに掲載されるべきか?

を想定しないといけません。

つまり、読者モデルです。
最初、私は上記の企画書ページのように読者モデルを考えました。
それは、小売店、VMD担当者という軸ではありませんでした。

  • ホワイトカラー自分磨き社員
  • ライセンス・カルチャー女性
  • 売上一直線現場販売員
  • こじゃれた店大好き買い物女性

このポジショニングマトリクスを作って、「こじゃれた店大好き買い物女性」以外をターゲットとしました。
「こじゃれた店大好き買い物女性」だと一般女性になってしまい、VMD学校・売場塾とは、ほど遠い縁だと思ったからです。

また、よく考えると「売上一直線現場販売員」も本のコンセプトに合わないと思いました。
前述の通り、売上を上げるのが目的のカタイ実務本ではなくて、ビジネス・ノウハウと、アート・スキルを兼ね備えたマルチな書籍を目指していたからです。

そこで、2次元マトリクスをこのように変えました。

VMD本読者モデル2
  • ホワイトカラー自分磨き社員
  • ヒューマンアカデミー・カルチャー女性

ヒューマンアカデミーというのは、カルチャーセンターというよりも社会人向け各種学校で、読売カルチャーとかNHKカルチャーと違い、深く学びスペシャリストになりたい女性が行く学校です。
なので、少し企画書にその名前を借りました。

こんな感じで対象を絞ってください。
すると、ページ構成やデザインなどのコンテンツの方向性がおのずと出てきます。

5.ポジショニングを決める・・・「ターゲット別シリーズ企画」

VMD本ターゲット別シリーズ企画

次にどんな業界をターゲットにコンテンツを考えるか?をマトリクスに示しました。
やっぱり最初は(1)の「女性」「百貨店・専門店」にしました。
スーパーマーケットやコンビニも流通業界の雄だけど、最初に出すVMD本はやはり百貨店や専門店の売場やディスプレイの方がウケる、と思いました。

確かに売場塾の授業やテキストは、その業界以外にスーパーゃホームセンター、家電量販店、自動車用品店やコンビニなど、業種・業態・取扱商品問わないオムニバスなコンテンツなんですが、企画する本は「アート・デザイン的」という方向性を持っているので、やはり華やかな店の方がよいと思ったわけです。

コンビニやスーパーの方、大変申し訳ありません。
貴社の売場がアート敵ではない、というわけではありませんので、誤解しないでください。

なので、掲載対象にした店はこのように、ブランドショップ、セレクトショップ、百貨店内専門店、になった次第です。

VMDの教科書

さて、上記企画ページを見てお気づきの方は、この企画、シリーズ展開を狙っていることが分かったと思います。(^^)

6.コンテンツを決める・・・「構成案」

次はいよいよ構成案です。
その前にもう一度、コンセプトを整理しましょう。

「当本は、アート・デザインとビジネスの中間を行く、新ジャンルの売場づくりの本」「売れる売場をつくり続けているプロ(VMDインストラクター)が教えるVMDの教科書」

これがコンテンツ全体を覆うフィルターになっています。
冒頭の「快場の章」はまさに当社が目指す売場のあるべき姿。
心地よい売場「快場」とは何かについて語りました。

「陳列の章」と「展示の章」は、大いに売場塾生に協力いただき、売場塾生のブランドショップを取材して、彼ら彼女らのVMDを写真で紹介。
どのように日ごろ売場づくりをしているか語っていただきました。

「ディスプレイの章」は企画書の時点ではあったんですが、陳列と展示とダブるのでやめました。

そして「あなたもVMDインストラクターになれる!」の章では、売場でなくVMDインストラクターその人を取材しました。
売場塾生の皆さん、取材協力ありがとうございました。

7.コンテンツを作る・・・「体裁と要望」

VMD本のページ体裁

具体的にイラストレーターでページをつくってみました。
本のサイズはA4版と大きめのページにしました。
売場写真をふんだんに、なるべく大きく使いたいからです。

この本、VMDのレッスン本という体裁で全部で19レッスンつくりました。
1レッスン4ページとし、最初の見開きが「基本編」、次の見開きを「応用編」としました。
基本編は、売場塾の名物となっているコップ・ワークショップを紹介しました。
コップを使って陳列や展示をつくるというシンプルな表現を採用しました。
コップは、色・柄・サイズ・素材・用途・年齢・季節などいろいろなMD分類要素があるので、万能のVMD教材なんです。
このノウハウを惜しげもなく提供しました。

このページは売場塾の普段やっているワークショップの一部も垣間見えるので、学校のPRにもなりました。
そして売場塾生の所属している会社16社をリストアップして、「基本編」のコップのワークショップで培ったスキルが売場でどのように生かされているか、丁寧に取材し写真をたっぷり使い「応用編」として紹介しました。

企画意図)
「売場塾」を本にしたい
企画の背景)
「VMD」はオシャレな職業となりつつある

つまり前述のこれを具現化したわけです。

8.出版社に入稿する

こんな感じで企画しを練って1年かけて作りました。
とても大変でした。。。。

文章を書くだけならまだいいんですが、

  • カメラマン
  • デザイナー
  • インタビュアー
  • プロモーター

と、すべて1人でやりました。
取材するVMDインストラクターは大手ブランドに所属している人が多いので、まず広報部を通さなければいけません。
その交渉と打合せが大半のページに必要で、本の制作で一番時間がかかりました。

また、本の基本デザインや写真レイアウトも自分で作りました。
広告代理店時代からトコトンやらないと気が済まない性格がよけいな労力を生みました。(笑)

ですので、ページ入稿はすべてイラストレーター、写真のトリミングもフォトショップで調整して入稿しました。
カメラマンもしたので、撮影用にオリンパス一眼レフカメラも買いました。

取材先各社の広報部とやりとりする、取材・写真・本文・色校・ゲラは、私の広告代理店時代を思い出させました。
いい作品を残したいという構えは、起業してからも同じでした。

広告代理店時代のエピソードは下記を読んでください。
●好きなことを仕事にするには

9.本でどんな恩恵を受けたか

VMD本キャンペーンによる売場塾推移

そんなことで本は全国で売り出されました。
結果、下記の目的は「本が広告媒体になる」以外は達成しました。

  • 会社や自分の広報になる
  • 商品やサービスのPRになる
  • 本が商品になる
  • 本が広告媒体になる
  • 本が論文発表の場になる

初回4,500部出版しましたが、2年くらいで売り切れました。
「本が商品になる」機会が多く、1/3は大手ブランドの研修本として売れました。
コンセプトが「VMDの教科書」ということもあり、VMD研修のテキストとして、社員の教養本としてお買い上げいただくケースが続出しました。

この本から売場塾を知り、入学いただく方も多かったです。
売場塾卒業生で起業している方は、自分のセミナーのテキストとして使っていただく方もいました。

上記のグラフは売場塾のコース別生徒数推移です。
緑線がVMD基本コースです。
売場塾サービスが認知され、急激に上昇しているのがわかります。

皆様、大変ありがとうございました。
そして、そして取材に応じていただいたVMDインストラクターに大変感謝します。
クライアントの皆様にもお時間を取っていただいたり、広報へつなげていただいたりと骨を折っていただき厚く御礼申し上げます。

やがてこの本は海外からも出版オファーが入り、中国語に翻訳され、海外出版されました。(下写真)

10.後日談

「シリーズでやっていこう」と意気込んだ私でしたが、あまりにも制作が過酷だったため、2シリーズ目はトーンダウン。。。
とりあえず翌年もう1冊、別の出版社から「商品陳列 最強のルール」を出して、執筆はビジネス誌に戻りました。

最初の本はあまりにも手を入れ過ぎました。。。
通常業務が忙しくなったのもビジネス誌にシフトした理由の一つです。
ビジネス誌執筆は本と違いページ少ないので・・・。

そして今は出版社に頼らない自費出版にシフトしています。
これもなかなかよいですよ。(^^)
自分で製本する自費出版の出し方に関しましては、またの機会にお話ししようと思っています。

ちなみに下記が昨年出した自費出版本です。

●商空間ディスプレイ教本

なお、「陳列と展示の法則」は今は絶版になってしまいましたがアマゾンでは中古で手に入ります。
こちらのリンクから探ってみてください。
●魅せて・買わせる 陳列と展示の法則

ということで、VMDプロの皆さん、本の出し方分かりましたでしょうか。
ぜひ、マーケティング戦略をしっかり立てて出版してくださいね。
すると、自分や自分の会社にプラスになること間違いなしです。
新しい本出したら教えてください~。

最後に、印税がどのくらいあったかお教えします。
印税10%として1,600円の本は160円、×4,500部なので72万なんです。
印税だけで儲けようと思ったら、5万部は最低売れないとダメです。

なので、本を出すのは広告・販促の一種だと思ってください。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

プチコンサルで売れる営業をしよう

プレゼンする女子社員

今回はプチコンサルになるためのノーハウをお話しします。
売上をアップさせたい営業や販売の方、起業してクライアントをゲットしたい方にうってつけです。

1.プチコンサルで他社と差別化する

私はもともと広告代理店の営業でした。
当ブログで語ってきたとおり、まったくの新規開拓営業マンで飛び込み専門でした。
VMDの会社を起業した22年前もほぼ飛び込みで新規クライアントから仕事をいただいていました。

その頃の様子は下記ブログ参照ください。
●VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)専門会社をつくったワケ

さて、静岡の広告代理店に在籍していた私の売り物は「静岡新聞」と「SBS」がメインでした。
当時はマス媒体といって、テレビ・ラジオ・新聞がローカル広告代理店の売り物で、静岡県世帯普及率60%の静岡新聞と、静岡新聞が運営するSBSテレビ・ラジオをどこの代理店も売っていました。

売り物は、どこの広告会社も同じ。
こうなってくると、何か差別化しなければ新規開拓はできません。
他人と同じものを売っても、顧客に違いはわからないからです。
当然、競合広告会社と価格競争になり、20%しかないマージンをどんどん減らす消耗戦が繰り広げられていました。

それを避ける方法の一つに「差別化された商品やサービスを開発する」があり、それは別のブログで詳しく語りました。

●ネーミングによるブランド戦略
●マーケティングしなきゃ会社は始まらない

今回は、フツーの営業がフツーに飛び込みして、どのように他社と差別化を図り顧客をゲットできたのか、そのノウハウを違う角度から話します。

それはズバリ、プチコンサルタントになることでした。

2.顧客は情報が欲しい

「静岡新聞の広告どうですか」
「SBSラジオスポットの提供枠が空いているのでどうですか」

こんな営業をしたところで顧客はゲットできませんでした。
まったく飛び込み経験のない上役は「100軒飛び込みすれば、いつかは当たる」などと部下にハッパを掛けます。

これは今あなたがVMDを売り込むときに

「VMDいかがですか?アパレルはみんなやってます」
「VMDを導入すれば売場カッコよくなりますよ」

と言っているのと同じで、まったく説得力がありません。

広告マンである私はどうしたかというと、毎回飛び込み先に情報を持って行ったのです。
それは自家製「ホワイトペーパー」(ホワイトペーパーとは広報誌のこと)でした。

当時も今も、新聞やビジネス誌から為になる記事を片っ端からスクラップしていた私は、その中から顧客が喜びそうな部分をコピーして持って行きました。
そして、世の中のトレンドや話題をお話ししていました。

ただそれだけでした。
それだけで門前払いになる確率は減りました。
中には応接間に通していただき、じっくり話を聴く社長もいました。
毎回、広告勧誘の話は一切せず、ビジネス的な世間話をして帰っていくだけです。

しかし、それを続けていくとやがて小さい仕事が入りだしてきました。
1年も経つと小さい仕事がだんだん大きくなり、売上は上がっていきました。

「クライアントって、ちょっとした情報に喜んでくれるんだな」
と思い、それがどんなクライアントに対しても習慣になりました。

「東京のトレンディな店舗デザインを知りたい」
というクライアントがあれば、1日かけて渋谷や原宿にいき、店舗の写真を撮って差し上げました。

「商店街の活性化になんか方法はあるんだろうか」
というクライアントがあれば、両国国技館の商店街に行き、レポートを提出しました。

昭和の当時は、情報と言えば新聞や雑誌でしたので、トレンドはそこで掴んでいろいろと研究していました。
「スタバが日本に上陸した」とか「マツキヨが女子高生に流行っている」と聞けば、実際に現地に行っていました。

やがて別の広告会社に転職した時、私の情報量は上がりました。
会社は「日経テレコン」と「ビデオリサーチ・ダイジェスト」の会員でした。
好きに読み放題、データ使い放題になったのです。

●日経テレコン
欲しい情報のキーワードを入力すれば、それに見合う新聞記事をFAXで届けてくれるシステム。
今はオンラインになっている。

●ビデオリサーチ・ダイジェスト
ビデオリサーチとは、テレビやラジオの視聴率を調査している会社。
そこの月刊誌で、マス・OOHメディアの調査情報に長けているところが特長。

ここからも広告主が欲しい情報をピックアップし、チャート図を作って発表していました。
例えば、お茶のメーカーなら最新ドリンクのトレンドや、専門学校なら最近のカルチャー傾向やイチゴ世代のライフスタイル特性など。
(イチゴは今でいうとZ世代)

こうした何気ない日常の情報渡しが、顧客のパイプを太くしていくのでした。
中でもおもしろい話があります。

どこかの英会話学校を顧客にしようと、ベルリッツやらECCに営業で飛び込んでいたことがありました。
静岡に大手の英会話学校がたくさん進出していたころの話です。

各校に飛び込みをすると、広告担当が知りたいのは競合校の情報でした。
当時は「ケイコとマナブ」もないし、インターネットもありません。
私ができたことは客のフリして各校を周り、パンフやヒヤリングをしながら、競校の特徴一覧表を作り、狙った英会話学校に提出することでした。

その情報は重宝され、やがて1校から全面的に広告をもらうようになりました。
別のブログでも述べましたが、その後「マナ坊」という学校キャンペーンを企画展開して、英会話だけでなくほとんど著名な静岡内の各種学校の広告を一手に引き受けるようになりました。

こうして情報が私の強力な新規開拓営業のツールになったのでした。

3.顧客はアイデアが欲しい

もちろん、情報をただ持って行っただけでは単なる運び屋になり、それだけでは、他社から広告を切り替えてもらえません。
話はおもしろくてタメになるんだけど、広告代理店は替えない(というか、しがらみがあって簡単に替えられない)という顧客が多々ありました。

やはり決め手になったのは、プレゼンだったんです。
せっせと企画書を書いてプレゼンし、広告を競合から奪取するという派手なことをしていました。

決め手となった企画書は、ほとんど広告企画書ではありませんでした。
企画書の内容は下記だったんです。

・商品開発
・ブランディング
・ターゲッティング
・コンセプトメイキング

など、静岡新聞やSBSなどメディアを売り込む企画と全く違う経営戦略的な企画でした。

実際、お茶や釣り具メーカーに関しては、商品全体のカテゴリー整理と商品ブランディング、専門学校に関してはコンセプトメイキング、英会話学校に関しては講座開発などを行い、プチコンサルするような形で社長や専務など上層部を巻き込んでいったのです。

広告主、特に経営者は「うちの広告を安く出してくれる広告会社がほしい」わけではなかったんです。

「いかにわが社の商品を売れるようにしてくれるか」アイデアが欲しかったんです。
広告を出すことが目的ではありませんでした。

4.顧客はドリルでなくて穴が欲しい

上記のことは、ビジネス書によく書かれている、

「顧客が欲しいのはドリルでなく、穴である」(ドラッカー)
「顧客は早い馬が欲しいのではなく、早く移動したいのである」(フォード)

と同じことです。

これは私が会社を作って自ら経営者になったことで実感しました。
例えば当社に、印刷会社や販促会社が自社商品を売り込みに来ます。

「印刷費を安くします」
「とてもいい紙を使っているんです」
「早く迅速に印刷できますよ」

などとアピールします。
非常につまらない営業をしているな、と思います。

社長である私が欲しい情報は、例えば

  • 売場塾テキストをいろんな業種・業態に合わせられる、自動製本システム
  • テキスト印刷をデジタルテキストして管理する方法
  • テキストをページごとにバラしてワークシート化する方法
  • テキストをいかに全世界に発展させられるか、の翻訳システム

などです。

つまりテキストを印刷するのではなくて、

  • テキストをどう学校以外に活用できるか?
  • 普段書いている理論をどうテキスト化するか
  • 理論を製本することによってどんなサービスが生まれるのか

が知りたいのです。
早い話、印刷することでどういう風に儲けるか?なんです。

印刷会社が印刷をアピールするのは当たり前、私たちはそれ以上の情報が欲しいのです。

5.VMDアプローチもドリルと同じ

あなたがメーカー社員で、VMDを駆使して売場を活性化したいと考えているとします。
やみくもにVMDを導入すればなんとかなる、と考えない方がいいです。
ただ「VMDを導入する」は、ドリルの法則と同じで穴になりません。

具体的に事例を上げましょう。

あなたが生八つ橋のメーカー「聖護園」の販促担当だとします。
京都のドライブインでインショップを営んでいるが、なかなか売上が上がらない。
隣の別メーカー「夕子」や「おたべ」にやられている。

たまたまVMDセミナーに行き、ディスプレイの仕方を教わりました。
でもキレイなディスプレイを売場につくっても売上は上がらないでしょう。
「キレイなディスプレイをつくる」は穴にならないからです。

もしかしたら、価格戦略が違っているかもしれないし、パッケージや商品戦略が悪いかもしれません。

なので、売場のディスプレイを改善するだけでなく、商品ブランド別くくりに編成するとか、パッケージデザインを見直すとか、低価格帯の商品を除去するとかディスプレイと平行して考えられる手段を投入するといいと思います。

もちろん、あなたは会社員なので、商品ブランド別くくりや商品戦略は商品部に相談し、パッケージデザインは宣伝部と一緒にやるべきです。
他部署を動かすには、それなりの説得材料が必要ですが、それは面倒くさがらずに行えばいいと思います。

また、あなたがVMDプロで起業して顧客を得たいならば、顧客の「してほしいこと」を具体化するといいです。
新規顧客は往々にして「VMDを取り入れたい」と言ってきますが、それに対して「VMD研修を行う」という単純な対応にせず、何を欲しているのか「穴」を見つけるといいです。

例えば、メーカー販促部から当社への問い合わせで、「テレビCMなどマス広告でブランディングしているが、売場はいつも汚いのでなんとかしたい」というのがあります。

「売場はいつも汚いのでなんとかしたい」を鵜呑みにして、「掃除・整理整頓しましょう」というVMDを提案するのはナンセンス。
たぶん、上図のように広告や広報を含めた、顧客最前線のスペースブランディングを確立したいということなので、穴は

「来店前に顧客が抱いているブランドイメージを売場でもキープしたい」
ということになり、化粧品メーカーなら、

1.売場づくりをしている美容部員のVMDリテラシー強化
2.インショップブランドとしての売場デザインの確立
3.小売店と連携した売場の場所と形態の確保

というVMDプランが成り立ち、

1.に関しては
・美容部員のVMD研修
・ブランドガイドライン作成

2.に関しては
・什器デザインとその仕様のルール
・壁面・柱オーケストレーションプラン
・POPデザインと仕様の統一

3.に関しては
・小売店へのVMD提案活動
・小売店フロア担当へのVMD勉強会の実施

みたいな仕事に発展させることができます。
もちろん、全部が全部できない、という人はそれ相応の技術ある人とコラボすればいいでしょう。
または、できない部分は提案だけしてクライアントに委ねるのもいいと思います。

6.顧客にソリューションを提供しよう

ということで、静岡県で広告マンをしていたサラリーマンの私は、ほとんど静岡新聞・SBSを売らずに、クライアントの商品開発に明け暮れていました。
売上のほとんどかパッケージ関連と専門誌への出稿だった年を重ねていました。
しかし私が通常営業の2倍は売上を上げていた理由はここにありました。

もちろん、広告主のソリューションの中に静岡新聞が入っている場合は静岡新聞に出稿していましたし、会社のノルマで静岡新聞を買い切りしていた時は、静岡新聞を売っていました。
それは組織の一員だったからです。

VMD専門のオーバルリンクを経営している今は、私のソリューションはVMDのみとなりますが、VMD以外のアドバイスはよくしています。
店名を替えたり、取扱品目を変えたり、商品デザインを見直したりするお手伝いをする時もあります。

さて、プチコンサルをするコツを下記にまとめます。

●顧客は情報を欲しがっている
どんな情報が顧客のためになるか考えてみよう。
顧客のためになる情報を携えて営業しよう。

●顧客はソリューションを求めている
VMDを提案する前に、顧客の求めている結果を考えよう。
その結果に対して何ができるのか提案してみよう。

●経営者目線でモノを考える
社長になったつもりで考えてみよう。
どうすれば商品やサービスが売れるか考えてみよう。

そして、売場塾はVMDインストラクターという資格を認定・付与していますが、もちろん受講生は「資格がほしくて売場塾に来る」だけではなく、

・VMDプロとしてで起業して成功したい
・VMDプロとして社内で活躍したい
・VMDプロとして競合に勝ちたい

という皆様のソリューションは分かっていますので、どんどんアドバイスしますよ~。(^^)
そんな人のために下記の説明会や相談会、無料でやっています。
お気軽にお越しください。

●VMDインストラクターで起業・副業相談会

●売場塾&VMDインストラクター説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

好きなことを仕事にするには?

映画のパンフレット

会社員であって自分にとって好きな仕事ができる。
これってすごくいいですよね。

先月書いたブログは「いかに自分のためになる仕事をするか」、その方法を書きました。

●インストラクターって必要なの?

今回は一歩進めて「自分の好きなことを仕事にするには」についてお話しします。
いつもながら赤裸々な自分の過去を振り返ります。
昭和時代からの話だから、ビデオやスマホがまだ登場していないので、世相に注意して読んでくださいね。(^^)
では始まり、始まり~。

1.始まりは8mm映画から

富士宮市の街中で過ごした子供時代に懐かしい場所があります。
それは家の近くにある「第一劇場」という映画館でした。

小6の時にテレビで「大脱走」を見て外国映画にハマり、家から歩いて300歩くらいの劇場によく映画を見に行ってました。
その劇場は「第一劇場」といい、燃えよドラゴン、ダーティハリー、未知との遭遇などアクション、SF作品をメインに見ました。
上の写真がそれらのパンフレットです。

高校時代には映画研究同好会に入り、親の8ミリカメラを借りて映画をつくりはじめました。
映画は作るのもおもしろく、見た人が感動するのを見て、いつかこの世界に入りたいと思うようになりました。

やがて月日は経ち、大学3年になりそろそろ就職の準備をしなければ、という時期になりました。
どうやって映画会社に入れるようになるのか、考えてみました。
映画作品を作ってそれをPRしたらどうか?
とりあえず、そのような結論に至りました。

しかし8ミリ映画はフィルム代とカメラのメンテナンスにも金がかかります。
資本金も何もない私は、まず親の仕送りをすべてフィルムに回した結果、毎日インスタントラーメンの日々になりました。

まずは脚本です。
「午後の天使」という題名で警備士の老人とタレント追っかけ少女を出来事にしたシナリオを1本作り友達に回し読みしてもらいました。
しかしあまりウケません。

そこで原作を探すことにしました。
ちょうどルームメイトに作家志向の人がいて、書きおろしを読ませてもらいました。
ホラー映画とコメディが一緒になったようなストーリーでした。
「これなら低予算でできそうだ」と思い、それを脚色しシナリオの形にしてみました。

次に出演者を募りました。
「なんかおもしそう」という理由で比較的時間に余裕のある人が集まりました。
すぐに出演者は決まったものの、なかなか前に進みません。
みんなほとんど遊びで参加してくるので、時間が合わなかったり途中でアキて役を降りたりと、調整するのに苦労しました。

出来上がった20分の短編映画はかなり厳しいものになりました。
「これはとうてい見せられないかも」ということで、就職用にPRするのは諦めて次を考えることにしました。

一番ほっとしたことは、インスタントラーメン生活から逃れられることでした。

2.まずは映画やテレビの裏方をバイトしてみた

これはもう自分ひとりで作るしかないかも、と思った私はドキュメンタリー映画をつくることにしました。
これならば出演者を使わなくて済みます。

ただ、ドキュメンタリーの制作知識はないので、とりあえず映画会社とテレビ局でバイトして、業界を知ろうというということにしました。

東宝舞台という大道具制作の会社にバイトで入り、TBSの番組の大道具を作っていました。
こういう力仕事はまったく私に合っていなかったんですが、仕方がありません。
担当番組は、東芝日曜劇場、クイズダービー、2年B組仙八先生などでした。
超深夜の仕事で夜8時出社の朝6時帰りです。
昼間は大学の授業があるので寝不足の日々が続きました。

もうひとつは、映画やCMのエキストラ。
刑事映画やテレビCMの群衆の一部をやりました。

いずれにしろ分かったことは、映画やドラマは時間をかけて大人数でつくるということでした。
エキストラにしてもロケの準備が遅れて5時間待たされるのは普通。
子役が深夜でもじっと待っているのに、こちらはしびれを切らしているのが恥ずかしくなりました。

床に落ちてゴミになっているシナリオを持ち帰って勉強したり、大道具・小道具などの使い方や美術も参考になりました。
驚いたのは、現場で見ると汚い大道具もブラウン管で見るとすごくキレイに見えるということでした。

シナリオで驚いたのは、ベストテンみたいな歌の番組でも司会のアドリブまで事細かに書かれていたということでした。
もちろんそのまま読んでいるとは思いませんでしたが、どの番組でもセリフがかなり作りこまれていました。

3.竹の子族のドキュメンタリー映画を作ってみた

そんなことで、バイトの日々は過ぎていき、何を題材にドキュメンタリーをつくるかシナリオ作成段階まで行きました。
その時点で大学4年生になっていたので、あと就職解禁まで半年しかありません。
(当時は大学4年生の10月が解禁日でした)

当時、原宿では竹の子族が流行っていたのでこれを取材することにしました。
竹の子族とは、ホコ天の竹下通りでグループで踊りを踊る人たちのことです。
ロックンロールなティーンの集まりでした。

まず親戚の高校生のつてを頼って、竹の子族に潜入レポすることにしました。
ソニーのカセットテープレコーダーと8mmカメラを抱えて現地に行きます。
踊りの輪に入りながら撮影していきます。
それが終わったらインタビューという日々を繰り返していきました。

台風が接近していたある日のこと。
さすがに踊っていた人いないだろうな、と思い現地に行ったところ、ズブ濡れになりながら踊っているツワモノがいました。
濡れているのでややシースルーになり、撮影をためらいましたが背中ならいい、ということになり無事撮影を終えました。

「こういう行動って、外国人はどう思っているのだろう?」と思い、当時通っていた英会話学校の外国人講師にインタビューしたりもしました。
「日本人は個性を発揮しようと思ってやっているだろうが、みんなやりだしてからはそれが没個性になってしまっている」という手厳しい評価でした。

取材したフィルムを切り張りして、それにナレーション・BGを加えて完成です。
友達何人かに見せましたが、好評でした。

3.就職に足りないのはコネだった

その後、就職シーズになり、映画会社やテレビ局を受けます。
結果はどうだったか?
ゼロでした。。。

当時は就職冬の時代で映画会社自体、募集をしていませんでした。
テレビ局に関してはバイトをしたくらいでは何のアドバンテージにもならないこともわかりました。

そして、ドキュメンタリー映画はどうなったか?
「映画を見るにはかんべんしてください」という面接官が多く、20分物のフィルムを見る余裕はない、という理由でことごとく却下されました。
一日何百人もの面接がある人事部にはそんな余裕はないということがわかったのです。

「テレビCMって映画を15秒にしたものだろうな」
こう気持ちを切り替え、広告代理店志望に気持ちを切り替えました。

しかし広告代理店就職も甘くはありません。
だんだん分かってきたのは、「コネがないと入れない」ということでした。
事実、受かった広告代理店2社はコネが功を奏しました。

あまりに業界の慣習がコネだらけだったので嫌気がさし、当時投稿していたしていた朝日ジャーナルにそれをぶちまけました。
私の投稿は内容がおもしろかったらしく、毎回朝日新聞から謝礼をいただきました。
中には反論する読者もいましたが、今にして思えばブログを書いているようなものでした。
昭和時代は新聞や雑誌の投稿欄でしか、他人とコミュニケーションは取れなかったんです。

4.広告代理店で好きなことを仕事にする

そんなことで、広告代理店のラテ課(ラジオ・テレビのこと)に入社した私は、300本はCMを作ったと思います。
当時はカードCMといって動かないCMもたくさんありました。

映画を撮っていた経験が役に立ったのは、言うまでもありません。
上司の仕事で自治体のドキュメンタリー映画をつくることになり、シナリオも書きました。
今度は16ミリ映画でした。
親戚のママさんバレーの様子をネタに練ったシナリオはプレゼンを通過し、映画は完成しました

CM制作の仕事で一番役に立ったのが、CMコンテだったと思います。
大学の時、映画を撮る前にアングルやシチュエーションを決めるため、マンガみたいなものを書いていました。
それをコンテと言います。
ヘタウマですがCMコンテを書く営業はいなかったので、かなり重宝され、他営業の手伝いもしました。

人間国宝とコラボしたCMはACC賞を取ることができ、広告作品のいくつかは業界誌や本に載るようになりました。
私はディレクターではなく営業だったのですが、企画・プロデュースという役割で掲載されました。
優秀なディレクターが周りにいたのも幸いしました。非常に感謝しています。

広告会社変わってからは、番組製作もするようになりました。
バラエティ番組やドキュメンタリーが主でしたが、映画製作の経験が大いに役に立ちました。
大学時代の映画製作よりラクだったのは、会社の信用でスポンサーを募ることができたらからです。
自腹を切ってインスタントラーメン生活をする必要はありません。

こんな感じでいろいろ好きなことをしてきましたが、仕事をする上で厳しい条件がありました。

5.好きなことをするにはリスクを取らないといけない

サラリーマンなので、死ぬほどのリスクはありませんが、番組制作は多少のリスクが伴います。

それは、言い出しっぺが責任を取らないといけないことです。
最初に作った1時間のドキュメンタリー番組は、ある程度スポンサーが想定されたのですんなり行きました。
女性の活躍を題材にした企業ドキュメンタリー番組でした。

2回目と3回目はラジオ番組でしかも、3カ月から1年のロング番組。
4月の改編に合わせて企画するので、2月にはスポンサーが決まっていなければいけません。

以前と違い、まったく新しい試みの番組でしたので、まったくスポンサーのアテはありませんでした。
次のような番組です。

●アースデザイン・マインドミュージック
野鳥の声など自然の音とフュージョンをリミックスする30分の環境番組

●ラジオインターネットマニア
インターネットの面白ネタを紹介・コメントしていく番組

この二つの番組企画はすんなりラジオ局に通ったものの、スポンサー探しは難航しました。
番組放映時間は押さえているのでやらないわけにはいきません。
ギブアップはできないんです。

しかも私は「またあいつが何かやっている」という風変わりなポジションを社内で確立していたので、誰も相手にしてくれません。
1人でやるしかないのです。

思ったのは、「映画のプロデューサーってこうなんだろうな」ということでした。
優れた映画企画を作っても資金提供者が集まらないと映画はできないのと同じなんです。

とにかく日々、いろいろな企業に飛び込みをしては、断られの連続でした。
しかし、仕事とはなんとかなるもの。
「これはおもしろいから協力します」と言ってくれるスポンサーが現れるものなんです。

失敗したら会社を辞めようと思っていた私は運がいいことに、そのあと何回か番組・イベント企画を作っては実施することができました。

そしてこれは会社をつくる時に資本金を募って株主を探すことと似ていました。
株主もおもしろそうな事業を考えている若者に出資してくれるもんなんです。

6.会社のノルマは最低条件

最後にもうひとつ、リスクではないのですが、好きなことをするには会社のノルマを優先した上で行う、ということが大事です。

広告代理店で言うと、担当クライアントの扱いをキープする、買い切りを埋める、イベントを全員総出で行うとか、いろいろなノルマがあるんです。

会社で雇われている以上以上、ノルマは仕方がありません。
会社員であることの最低条件といえます。

確かに最低限のノルマはやって後はプライベートを充実するという「静かな退職」の選択肢はありますが、仕事に好きなことを上乗せすれば、充実感は増すはずです。
しかも、それで会社も儲かるというWIN WINだったら給与もよくなります。
私の場合も年俸アップしてもらっていました。

会社もWINなのに、報酬がよくならなしい好きな部署に移れないとならば、その会社に交渉するか、転職を考えた方がよいでしょう。

7.VMDをやりがいに変えた売場塾生

売場塾生の中には、今まで述べたようにVMDをやりがいにして成果を出し、会社に認められて昇進した人たちがいます。

例えば、メーカーに所属してお得意先周りをしている営業マンの方は、売場のプチコンサルをして回っています。
VMDインストラクターということでお店の方に重宝がられて、パイプは太くなり営業成績もよくなり、社長賞をもらいました。
VMDの研修もするようになると、お得意先を減らしてもらって営業の傍ら半分の時間はVMD業務をするという理想的な環境になりました。

またあるメーカーの研究員の方は、VMD好きが高じてショールームのディスプレイを自主的に作っていました。
展示会では季節や新商品のディスプレイレシピを配付し、特約店に売場づくりをアドバイスしていました。
やがて、その方は研究所から本社商品企画部に転勤となりVMD業務も担当することになったのです。

こんな感じで、VMDを好きになり、仕事のやりがいにして働き方を変え、自立していく人たちは売場塾では多くいます。
もちろん私のように会社員辞めてVMDで起業した人もいます。

来週末売場塾交流会を開催するので、ぜひ個性的な方々と交わってみましょう。

●第17回売場塾交流会「VMD Cafe」10/12(土)

8.VMDに関しては「仕事を好きにする」だった

だいたいわかりましたでしょうか、好きを仕事にするコツ。
まとめてみると、下記です。

  • 計画を立て行動してみる
  • 1人何役でもやる
  • 自分で責任を負う
  • 会社のノルマを優先した上で行う

これを徹底すれば、運は必ずついてきます。
なぜなら、前いた会社をクビにならなかったし、つくった会社もつぶれていないからです。(^^)

会社では自分の好きなことができない、というあなた。
あなたにとって好きなこととは何か、まずは考えてみましょう。
それを整理した上で、計画を立て社内で実現してみるんです。

ぜひ自主的に動いて自分の可能性を探って見てください。
あるときにクライアントの社長が言った言葉が思い出されます。

「言ったことを実行する、それだけだ」

さて、ここで、
どうして私は映像一筋できたのに、いまVMDやっているの?
と疑問に思う方、いるかもしれません。

いいところに気がつきました。(笑)
VMDに関しては、「好きを仕事にする」のではなくて、「仕事を好きにする」だったんです。
これを機会あるときにお話ししようと思っています。

それまでしばしお待ちください。~

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

インストラクターって必要なの?

インストラクター

VMDインストラクターの学校「売場塾」をつくってはや18年。
940人以上のVMDインストラクターを輩出していますが、今日は逆説的に「インストラクターってそもそも必要なの?」という観点からお話ししていきます。

まずは私の高校時代のエピソードから。

1.ひたすらリピートすれば成就する

それは、高校生の時でした。
映画研究同好会というサークルに入っていて映画を作っていたんですが、前々からスポーツ部にあこがれていました。
はつらつとした野球部員やバスケ部員を見ると、運動苦手な私はなぜか劣等感が。

そこで思いついたのは、「毎日ジョギングしたら、走ることだけはうまくなれるかも」ということでした。
校内で誰にも負けない長距ランナーになったら、「文化部でもスポーツダメ男にならないだろう」と単純に考えました。

思い立ったら吉日。その日から毎日20分位帰宅後に家の近くを走ることにしました。

ただ、「毎日20分走れば長距離で1位になれる」という単純な発想で、うまくいくかどうかまったくわかりませんでした。
しかしながら、なんとかなるだろう、と楽観的な気持ちでもくもくと雨の日も風の日も走っていました。
なんか映画のロッキーみたいで気持ちよかったです。

1年が経ち、体育祭のクラス対抗1500m走に出場してみたら、1位になれました。
ここで「なるほど毎日コツコツやれば成就できるんだ」と実感したんです。

次に思いついたのは、「みんなが苦手な歴史で学年で一番とれば目立つかも」でした。
そこで、中間試験も期末試験も数学や国語など他教科はあまりテスト準備はせず、ひたすら歴史のテキストや参考書を丸暗記してみました。

ジョギングと同じように、同じことをリピートして毎日やればなんとか1位になれるだろう、というシンプルな考えでした。

最初の中間試験の歴史テストの結果は2位でした。
次の旺文社試験は静岡県内で4位でした。
残念ながら1位ではありませんでした。

しかしながら、ここで、
●何かを目標に掲げひたすらリピートすれば、なんとか成就できる
という定義めいたものが生まれます。

2.足りなかったもの。それはインストラクター

この定義はもしかしたら、恋愛や将来の職業にも応用できるかも。
と、したたかな思惑がアタマを出します。

とはいえ、ウブで将来についてあまり興味なかった私は、そちらの方向に舵を取りませんでした。
とりあえず1月の10kmマラソン大会で1位を目指すことにしました。

相変わらず毎日走り続けていましたので、ある程度はいい成績を残せるだろうと高をくくっていました。
しかし結果は79位。
なぜかこの数字、今でも覚えています。
それは「泣く」と読めるからです。

この結末を友人に話すと、バレーボール部員の彼はこう言いました。
「そりゃあ、そうだよ。20分繰り返し走っているだけでは、10kmマラソンは持たないよ」
「距離を次第に長くしたトレーニングに変えなければいけない」
と諭してくれました。

私はこの時、「なるほど」と思いました。
そう、私に足りなかったのは彼のように指南してくれるインストラクターでした。

3.プチインストラクターとの出会い

他人に頼りたくない性格、自分のやり方でコツコツ続ける性格。
そんな私の性格にはメリットとデメリットがありました。

メリットは三日坊主で終わらないこと。
そしてある程度は成就するということ。

デメリットはある程度まで行ったらそれ以上は進化しないこと。
つまり壁にぶち当たること。

でした。

やがて社会人になり広告代理店に勤務しました。
その広告代理店もインストラクターはいませんでした。

商店やビル群を片っ端から飛び込み訪問するスタイルのその会社は、100軒飛び込み訪問・100件電話追い込み、ということを標語にしていました。
しかし、誰もそんなことをする人はいませんでした。
そう、上司でさえも。

中小広告代理店ではよくあることですが、億単位の売上のクライアントを持つ営業は、決して広告主を手離さない。
他人に譲ったり引継ぎせずに、ずっと社内商店経営している人が多いんです。

なので、飛び込み新規開拓する必要もなく、部下には「1日100軒飛び込め」というものの、自分は何もしない人が多かったです。

100軒飛び込み訪問・100件電追い込みが苦にならない私は、試しに毎日やってみました。
そのやりかたは誰も教えてくれないので、自己流で工夫を加えながらやっていくうちに、新規客が集まりだしてきました。

縁とは不思議なもので、私を見込みのある営業マンだと思ったクライアント1人が、「君は見込みがある」ということで、会うたびに「明日のための10か条」をメモして私に教えてくれたのです。

このプチインストラクターは「あしたのジョー」の丹部段平みたいな人でした。
「あしたのための10か条」は営業のトークの仕方がメインでした。
・値引き強要された時の会話
・お茶の飲み方
(あと、すみません。忘れました)

毎回、おもしろいように新規が開拓できると、ふと気がついたことは、小口クライアントはたくさん集まるけど、何千万や億のクライアントは集まらないということでした。
大手企業でも零細でも、静岡県をAからD地区に分けて自転車でルート営業していたのですが、それが限界でした。

私に足りなかったのは、数千万から1億の新規開拓を指南してくれるインストラクターでした。

4.パーソナルインストラクター時代

限界を知った私は人の推薦もあり、二社目の大手広告代理店に転職しました。

飛び込み営業がスタイルではないその会社では、直属の上司はつきませんでした。
その代わり、私を入れてくれた部門長が手取り足取り、新規客へのアプローチの仕方やプレゼンの仕方を教えてくれました。

そして飛び込み中心の面の新規開拓から、点の新規開拓に変わったのです。
つまり、クライアントターゲットを絞って、集中的にそこだけアタックするというやり方です。

その部門長はOJTで教えてくれるので、私のパーソナルインストラクターという感じでした。
前の会社と大きく違うところは「すべての仕事の成果は私に戻ってくる」ことでした。
前の会社は下働きの弟子みたなもので、上司のクライアントへの仕事を手伝っても給料に反映することはありませんでした。
前の会社では、上司のクライアントの売上はすべて上司の成果だったからです。

2軒目の会社では、新規はすべて私の客となり私の成果としてくれました。
もちろん、1社数千万から億のクライアントになりました。
おかげで、2度社長賞を取ることができました。
アカウントエグゼクティブ(責任広告代理店制)という広告スタイルを身につけたのもこの会社でした。

その部門長が転勤した後、私に直属の上司がつき、その方も手取り足取り企画の仕方や書き方、プレゼンの仕方など教えてくれました。
プレゼンもすべて立会いしてくれたのでうまくいきました。
こちらも、前の上司と同様、手柄や成果を私に帰結してくれる上司でした。

こんな感じで、インストラクターとしてぴったり寄り添って仕事のノウハウを教えてくれる人がいたのはとても幸運でした。
20年もの間の広告代理店勤務の中で、合計3年くらいトレーニングいただいたのですが、これは貴重な価値となりました。

こんな感じで、仕事で自分を高めるためには、ノウハウを持っている社内の人材をうまくインストラクターにするとよいです。
もちろん、ただ利用するのではなく、下記の条件が必要です。

●自分のためになるし、会社のためになる

これを詳しく見ていきましょう。

5.社内で自分を高める条件とは

社員個人も含めて会社の持つノウハウって、さすがハンパじゃないですよね。
あなたはただがむしゃらに仕事をしているけど、実は会社の持っている知識資産をいただいているんです。

いただいていない方は、積極的にノウハウを掴みに行った方がいいです。
そして、

●自分のためになり、会社のためになることをする

これを私が会社に社員として居続ける理念にしました。
サラリーマンである以上、会社に貢献しなければいけないのは定めです。
そしてノウハウをいただいていることに感謝すべきです。
私の場合は新規開拓、売上で貢献しました。

それが

●会社のためになるけど、自分のためになっていない

場合は、ノウハウがあるワンランク上の会社を目指すか、ノウハウを持っている部門に移った方がいいと思います。
やっぱり仕事ってお互いにWIN WINじゃないと成り立たないからです。

私はそんな考えでサラリーマンをしてきました。
だから3回くらい転職、部門転換したんです。

で、もうひとつのパターンもありますよね。

●自分のためになるけど、会社のためにならない

そんな場合は、残念ながらリストラか左遷の憂き目に会うかもしれません。
私も一度経験ありました。

6.インストラクターはどこで探すか

さて、自分のためになるインストラクターはどこで探すか、なんですが、社内の「これだ」という人を頼るといいでしょう。
部が違っても、遠くの支店にいても会いに行くべきです。
私は新幹線を使って会いに行きました。
「弟子にしてくれ」ということではなくて、話を聞いてみるという目的です。
まずは話を聞いてみる、相談してみる事が肝心です。
その上で得るものはありました。
それが今後どうするか、の道しるべを描けます。

実は最初の会社で、「会ってみたい」という人がいました。
その方は、山のふもとに家があり、電話も通っていない家に住んでいました。
玄米を食べているというマクロビオテックな人ですが、快く会ってくれました。

その他、相撲の記者をやっている先輩に会いに国技館に行ったり、交流会で知り合った海外広告会社勤務の方に会いに行ったりと、「この人に会えば何か得られるかも」という気持ちで軽く行動に移していました。

メンターみたいな人を探していたかもしれません。
とにかく躊躇しないで即行動に移すといいです。
意外と人は初対面でも会ってくれるものです。

7.自らがインストラクターになる

月日は流れ、私はやがてVMDの会社をつくることになります。
しかし、VMDの知識はそれほどありません。
やはりここで、VMDを教えてくれるインストラクターが必要になります。

どうしたかというと、やはりパーソナルインストラクターを探していっしょに仕事をするようになりました。
2年くらいは、自ら新規開拓した仕事をインストラクターに頼んで、OJTしていただきながらVMDを実施させていきました。

VMDの仕事をすべてそのインストラクターとやりながら、VMDの極意を覚えていったのです。
仕事はすべてお渡しするので利益率は半分しかありませんでしたが、貴重な経験になりました。
今でもそのインストラクターに大変感謝しています。

そんなことで短期間でVMDのノウハウを身に着けた私は、アパレルや百貨店のVMDというよりも、電気や化粧品、車などいろいろな業種・業態のVMD理論構築が急務だと考えるようになりました。

そこで業界を絞ってクライアントを発掘し、頼みもしないのにいろいろな分析やプランを提出しては、その仕事を遂行してきました。
要は実験に実験を重ねていきました。そうしてノウハウを構築していったのです。

同時にビジネス誌の編集委員になり、新聞記事等でVMDに熱心な会社を選出、取材し論文を書いていきました。
その数100社くらいです。
そのおかげで、業種・業態・取り扱い商品を問わないVMD理論が構築でき、それを「55のフレームワーク」としてまとめました。

よかったら、どのくらいの論文を書いているか下記を見てください。

●深沢泰秀 論文

そして起業してから3年目で売場塾をつくったという次第です。
ニッポンにはインストラクターが少ないので、インストラクター自体を作りたいというのが、私の狙いでした。
VMDを教えてもらったけれど、逆に教える立場となり、今はインストラクターを育成している、ということです。

8.インストラクターはどこでも必要

私はそんなわけで、VMDインストラクターという資格制度をつくったんですが、実はこんなことはどこの業界でも当たり前になりました。

●鮨アカデミー
寿司職人になるには10年は親方の見習いにならなければいけないというのは昔の話。
いまや鮨アカデミーに通えば、2か月で寿司職人になれる。
インストラクターが仕込みから寿司の握り方や開店の仕方まで教えてくれる。

●ライザップ
これもう言わずもがな。
パーソナルトレーナーが筋トレだけでなく食事や生活管理まで教えてくれる。

●プログリット
英語のパーソナルトレーニング会社。
あなたに合った学習法で英語を教えてくれる。

上記のような授業料が高い学校に通わずとも、You Tubeでタダで勉強できる、とあなたは思うでしょう。
でも、やっぱり手っ取り早くノウハウを身につけるには、インストラクターに指導してもらうのが一番いいと思います。
究極はパーソナルインストラクターを起用するといいでしょう。

ということで、VMDインストラクターはいま全国に943名。
下記のような、いろいろな方がいます。

●VMDインストラクターにお聞きしました

またネットで「VMDインストラクター」と検索すると、たくさんの人が出てきます。
だれに依頼するか迷ったら、VMDインストラクター協会にお問い合わせください。
「VMDパートナー」という制度があり、VMDインストラクターを紹介したり、派遣することができます。

●VMDインストラクター協会 お問い合わせ

そしてもちろん、あなた自身がインストラクターになりたい場合は、ぜひ売場塾をご利用ください。(^^)

●売場塾

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

働き方改革で週休3日制にしてみたら

バリ島のネコの休日

こんにちは。
みなさんお盆休み中だと思います。
地震の影響で旅行中止にした人も多いとか。

私はのんびり家で過ごしています。

休みついでにお話しすると、当社は今年から週休3日制を敷いています。
もう7か月経ちました。
今日は、週休3日にするとどうなるか、働き方改革の観点から、会社経営の観点からお話しします。

1.どうやって週休3日制を維持しているか

今年1月から始めた週休3日制、もう7か月経ちますが1度も休みを削ったことはありません。
思ったよりスムーズに行っています。

実は昨年10月から試しに週休2日と半ドンにしていました
難なく維持できたので、今年から週休3日制にしました。

会社経営しているのに大丈夫か?という向きもあるかもしれないのですが、まったく大丈夫です。
現に会社は元気に回っています。

忙しく働かなければ売上は上がらない。
忙しく働かなければ、会社に貢献しているとは言えない。
他の方が休みを取らないから自分も休みを取らない。取れない。

などと思っている人がいると思います。

私も広告マン時代はその一人でした。
20年連続勤務した人は、無条件で2週間休みが取れるという制度が当時勤めていた会社にありましたが、だれも申告する人はいませんでした。
そんな雰囲気なので、私も申告せず20年勤務の記念のペンをただもらっただけでした。

話を元に戻します。
今の週休3日制の決め方はこうです。

  • いつ休むかその都度、週の初めに社員と話し合って決める
  • 売場塾が(土)にあった時は、その分を週中に振り替える。つまり、週中2日と日曜を休む
  • 急にクライアントの打合せが入った時は休みをズラす
  • 祝日が平日に入った時は、週休2日制にする
  • 年末年始・GW・お盆休みは連続で1週間~10日休む

この法則をつくったおかげで難なく週休3日を維持できています。
ただ、これは当社のしくみによるところ大だと思います。
当社が仕事をパッケージ化しているからこそ、週休3日制が維持できていると思います。

2.仕事のパッケージ化

当社は数人でやっている会社なので、ほぼ自営に近いです。
自営というイメージは、クライアントの下請けとして毎日が忙しく、急な仕事も入るため休みもななまらない。
徹夜も多く、心身共に疲れている・・・。
というイメージがあると思います。

それに私のように株主がいる株式会社の場合、のほほんと会社運営するわけにはいきません。
収支報告もするし、配当もしなければいけません。
ではどうやって休みを増やしても仕事が回り、収益を維持できるようにするか?

それは仕事をパッケージ化するということです。
旅行代理店のようにパッケージ商品をつくるということです。
顧客に合わせてメニューをつくるというよりも、顧客に3つのパッケージ商品の中から選んでいただく、ということです。

「ハワイ旅行は3つのコースがあります。どれにしますか?」
というような感じです。

コースが決まったら、後はトッピングするだけ。
ワイキキコースに、イルカ体験ツアーとポリネシアン文化村ツアーを加えればよいのと同じです。

パッケージ商品は定価があるので、トッピング分をオプション追加すればよいのです。

当社のパッケージ商品はズバリ次の3つです。

  • 売場塾
  • リバイス
  • 店舗診断

当社のサービスはたったこれだけ。
これをベースにトッピングして、ディスプレイコンテストを加えたり、プランニングを加えたりして7つ位のバリエーションメニューにしています。

じゃあ、パッケージと全く別の仕事が来たらどうするの?
ということですが、それは売場塾生に回しています。

例えば、デコレーターのような仕事。
確かに装飾関係も当社はしていますが、それはコンサルタントとして。
プロップスを購入して店内をクリスマスに飾り付けし対価をいただく、という仕事に関してはデコレーターにバトンタッチ。
売場塾には多くのデコレーターが来ていますので、彼女たちにお任せしています。

そもそも「仕入れがある仕事は一切しない」という鉄則が当社にはあるので、クリスマスツリーを買ったり、キラキラを仕入れて天井に飾るということはしていないんです。

やるとしても、「クリスマスのインスタレーションを教える」というコンサル業務ならばOK。
クライアントにクリスマスのインスタレーションマニュアルを納品して、それで対価を得ています。
企業は全国展開しているチェーン店が多いので、マニュアルを配布して店員さんにつくっていただく。その方が効率的というわけです。
マニュアルの中にどこでどんなプロップスを仕入れるかが一覧表で書いてあります。

そんなワケでサービスがパッケージになっているので、問い合わせ→資料送付→説明→実績サンプルなども定型化してあり、クライアントに合わせてその都度つくる・・・という業務もなくなります。

サービスのプレゼンツールは問い合わせ先の業種・業態・取扱商品に合わせてバリエーションが用意してあります。
私の公にしている論文は100以上の事例があり、アパレル、雑貨、化粧品、自動車など数々のビジネス誌に公開している論文があり、それを「月刊VMD」という広報誌にしてクライアントに提供したりなどしています。

後は、サービスを定価で販売するということ。
「いくらでもいいです」というフリーランスもいますが、私はあまり好みません。
あくまでも定価で販売し、予算が足りない時はパッケージのうちのこれとこれを省く・・・というようなスタイルにしています。
つまりパッケージサービスを小分けにモジュール化しているということ。
そうすると、余分な労力を得ず、拘束時間に合った対価を受け取ることができます。

小さな会社は業務を絞り込み、パッケージ化し営業も自動化する、これに尽きると思います。

3.その他の工夫

その他の工夫として、当社が昔からやっている慣行を紹介します。

●営業はほぼ100%ネット

ここ10年くらいの新規クライアントの獲得状況を振り返ったことがあります。
新規はどこから獲得しているか?
それはインターネットでした。
ほぼ100%のお客様がインターネット経由で来ています。

これも、無駄な飛び込みや電話営業の時間を回避できる秘訣の一つです。

さらに、コロナ禍の時から資料請求はすべて郵送せず、PDFをダウンロードするす添付してお客様に送信するようになりました。
なので、パンフレットを製本する、郵送する作業はなくなりました。
請求書や見積書、契約書で郵送することもなくなりました。
契約書に関してはアクロバットのサインシステムを活用しています。

●テレワーク

これもコロナ禍からやっていますが、会社に来ていただき打合せをすることは少なくなりました。
売場塾にしても、授業や説明会、セミナーもネット併用にしたり、自室をキープせずに東京都の会議室を借り、銀座に教材用の倉庫を設けるなど、固定化を避け流動的にしました。
通勤の手間、教室のメンテナンスが省けることも時間節約の大きな利点です。

4.週休3日になって生活はどう変わったか?

さて、週休3日になって、私の生活はどう変わったか?について言及します。
だいたい以下2つのことが多くなりました。

  • 本をたくさん読むようになった
  • 英語の勉強時間が増えた

本はもともと好きでビジネス本中心に読んでいますが、加えて下記の本が多くなりました。

・小説
・エッセー
・美術本
・英語本

月に3冊のペース。
そのおかげで長期休暇のたびにBOOK OFFの集配便にご厄介になっています。

特に美術本はディスプレイとの関りが大きいので、最近注目しています。
英語本は、英語を習っているからでキンドル本を読んでいます。

英語に関しては、ここ10年はほぼ毎日勉強していましたが、今年からは1日2時間はやるようになりました。
レアジョブに加え、パタプラも並行することに。

この英語学習、最近気づいたことですが、勉強時間を増やせばペラペラになるかというとそうでもないのがわかりました。(笑)
いま新しい勉強法を探っています。

睡眠時間はというと、きちんと7時間半はキープしています。
これは以前と変わらないです。

広告マン時代は2.3時間睡眠が続いていた時代がありましたが、睡眠時間を削れば成績が上がるかというとそうではなく、逆にマイナスになって降格・転勤の憂き目に会いました。
この会社員時代の辛いストーリーは下記をお読みください。

●君たちはどう生かすか

休みが増えたので、空いた時間に仕事をする。
こんな選択肢もありますが、それだと今までとあまり変わらないかな、と思います。

私はアイドリングタイムと言って、空いた時間に仕事以外のことをするのがいいと思います。
つまり日常の仕事の延長ではなく、未来への投資として有効に時間を活用するというやり方です。

売場塾卒業生は実に勤勉な方が多くて、アイドリングタイムを利用して資格の勉強をしたり、本を書いたり、コンサートをしたり、旅行をしたりという方が多いです。
そのおかげで個性が磨かれ、人間性が厚くなりユニークな存在になっている方がいます。

もちろん副業も流行っている人もいますが、それはいつもの仕事ではなく自分の才能を試すという体験のようなもので、これも未来への投資だと思います。

5.一日の生活時間はどう変わったか

最後に一日の労働時間はどう変わったか?について話します。

ズバリ、1日8時間の労働時間になりました。
実はこれ自体はあまり変わりません。

「えー、会社やっているのに1日8時間しか働いていないの?」
と皆さんは驚くかもしれないのですが、そうです。

主な日課は下記の通りです。

  • 09:00 起床
  • 10:00 仕事開始 (テレワーク)
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 仕事再開
  • 18:00 夕食
  • 18:30 英語
  • 21:00 風呂
  • 23:00 仕事
  • 01:30 就寝

というような感じ。
なんだか雑誌社のような勤務時間です。

これをここ2週間下記に改めました。
実験的に早く寝る朝型にしました。

  • 08:00 起床
  • 09:00 仕事開始 (テレワーク)
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 仕事再開
  • 18:00 夕食
  • 18:30 英語
  • 21:00 風呂
  • 24:00 就寝

この生活の利点はというと、風呂に入ったらあとは寝るだけ。
たまたま風呂上りはオリンピックやっていたからかもしれませんが、いい生活していると思いました。(笑)

ただ、毎週筋トレやジョギングを仕事時間内にやっているので、その日は実質7時間から6.5時間しか働いていません。

もちろん、これはクライアントとの打ち合わせや研修・セミナーがない日の日課です。
ほとんどテレワークしていて銀座のオフィスに行っている回数は少ないです。

ちなみにどんな忙しい日でもここ数年は睡眠時間7時間を切ったことはないです。
必死に夜も寝ないで働く、というのは時代に合わなくなっていると思います。

私の座右の銘は昔から「仕事より健康」優先です。
体を壊すまで仕事しないのが現代人の務めだと思います。

とまあ、ここまで書いて最後にオチです。
最近胃を壊し、アルコールやお菓子を控えています。
はっきり言って食べ過ぎ・飲みすぎでした。。。。
休日が増えたおかげで、量が増えてしまいました。

みなさん、時間に余裕があるからと言って飲み過ぎに注意してくださいね。
テレワークの方は特に注意しましょう~。

また、働き方改革のことは、毎月開催している「VMDインストラクターで起業・副業相談会」でも相談できます
VMDの仕事しているけど、なんか空回りしていると思う方、VMDで効率的に仕事したい方など、ぜひ相談に来てくださいね。
オンラインでもやっています。無料です。(^^)

●VMDインストラクターで起業・副業相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMD理論のつくり方と活用の仕方

VMD理論を書いたビジネス誌

0.プロローグ

今回は理論のつくり方をお話しします。
私は広告代理店時代から多くのプレゼンをしてきました。

特に新規開拓がメインな私はプレゼンは必須で、競合からクライアントを奪取するには新しいアイデアによる提案業務が欠かせませんでした。

ある日、テレビCMのプレゼンを控えている中、同僚にこんなことを言われました。
「●●と同じようなCMを提案したらどうだろう」
「●●の企画書を少し改編して提案しよう」

非常につまらない考えだな~と思いました。
他人の考えや作品をコピペするのが嫌いな私は、
「いやいや、こういう方がおもしろいだろう」
と拒絶しました。

しかし、私担当のクライアントを同僚に引き継ぐ最中だったため、私は折れてそのコピペ案でプレゼンに臨みました。

結果は思った通り、
「よくあるパターンだね」と一蹴されました。

次回に代わりに私の案を提案したら、とても感激されて案は通り、予算もたくさんいただきました。

そんなわけで、私は自分オリジナルな考えがとても好きなんです。
他人の考えをコピペしてどこがおもしろいのでしょうか。

それは広告業務だけでなく、美術作品をつくったり、本を書いたりすることもいっしょです。
やっぱり自分オリジナルな考えがクライアント、ひいては世の中に認められたらうれしいと思います。

VMD講師としてたくさんのブランドVMDに授業をしている私ですが、実はアメリカのVMD理論をそのまま話しているわけではないんです。
売場塾の授業にしても2/3はオリジナル理論です。
例えば、「VMD4分野」にしても「IP・PPテーブル」にしても独自理論です。
たくさんのオリジナル用語もつくりました。

いまみんなが普通に使っている、
●オーケストレーション
●リレーション
●POP編集

なども私がつくった用語です。

オリジナル理論をつくると、他者と差別化できますし、新しいお客様も開拓できます。
なにより、あなたのファンになってくれるのです。

昨今、AIなど他人の考えをそのまま使う流れも加速していて問題にもなっていますが、効率を追及すると誰もが同じ理論になってしまいます。
それだと面白くないし、個性というものも発揮できません。
業界としての発展もないでしょう。

いろいろな理論がぶつかりあい、加工したりそぎ落としたりして新しい理論に発展させ、VMD業界も進化していく。
そして日本が先進のVMDを唱えていくことにより、世界のVMDをリードしていく。
そんな未来を信じてやみません。

それではオリジナル理論をつくる秘訣をお話ししましょう。

1. 普通のことに疑問を持つ

テレビのニュースを見ている時や、新聞を読んでいる時、「なんでこんなことになるのかな」とか疑問を感じたことはないですか。

例えば、

「どうしてインバウンドが増えているのに、海外旅行部門は赤字なのか」
「なんで最近は記憶喪失のドラマが多いのか」
「なんで昭和が若者に受けているのか」

など、?を感じる部分は多いと思います。
答えは新聞やテレビに出た評論家が言うケースが多いのですが、
その答えをそのまま鵜呑みにしてないですか?

例えば、「なんで最近は記憶喪失のドラマが多いのか」に対して、専門家はこう答えています。

「コロナ禍が長かったせいで、自分探しをする人が多くなった。記憶喪失とは一度自分をリセットすることだから」
という人もいれば、
「冬のソナタのように、記憶喪失は世界ヒット作には欠かせない要素。全局ドラマ輸出を見据えているから」
など。

私は「単なる偶然」だと思っています。
そういう理論もあるね、と留まりそのまま鵜呑みにすることはないです。

VMD理論もそうで、例えば「三角構成のディスプレイはいい」という考えがあります。
これも最初は疑問でした。

なんで三角形がよいのか、心にしっくりくる理由がなかったからです。
あるデパートのVMD担当はこう言っていました。

「古代の人間は狩猟が生き残る上で必要だった。高原の獲物を狙う時、密集した動物を狙うのがてっとりばやかった」

「なので、バッファローがバラバラにいる高原に矢を放っても効率は悪く、バッファローが固まって密集しているところに矢を放つ方が効率いい」

だから、人間は三角形にタイトに展示されているディスプレイを思わず見る習性がある、と唱えます。

確かにその通りです。
しかし、それなら三角形でなくて、団子のように丸くてもいいはず。
そんな疑問を感じていました。

そこ、VMD本ではなく、いろいろな美術本を読み三角構成の理論にたどり着きました。
絵画や写真の構図に近い方が自分自身が納得するなと思って、下記の理論を打ち立てました。

●なぜディスプレイは三角形がよいのか

さらに三角形の疑問は続きます。
「なぜ上から見ても三角形にしなければいけないのか」

そこで、オフィスでコップを使っていろいろ実験してみました。
そこで導き出した答えは下記でした。

●ディスプレイ、どうして上から見ても三角形にするのか?

こんな感じで、人から聞いた、メディアで見聞きしたものでも、自分なりに疑問を持ち、その答えを探すとよいです。
すると、新しい発見があります。

その発見が唯一無二の理論構築の土台になるんです。

2. 日頃からテーマを持つ

これからVMDで自分を伸ばしていきたい方は、日ごろからテーマを持つといいです。

テーマはなんでもいいです。

  • 道の駅が観光地化しているけど、どこが魅力なのだろうか
  • NTTドコモが店舗数を半減すると言うけれど、これからのケータイショップはどうあるべきか
  • イケアが都市型店補をたくさんつくっているけれど、郊外型と比べてどこが違うんだろう

など、テーマを持ったら、それを探求するとよいです。
関連本を買って読んでもいいし、店舗に足を運んでもいい。
知り合いがいるならお茶して疑問を尋ねてもいいし、電話して聞いてもいい。

とにかく行動に移して自分なりに解を見つけるといいと思います。
すると、何かが発見できます。

私は広告マン時代からテーマがあると下記の事をしています。

  1. お店に行ってみる
  2. 関連本を2.3冊は読んでみる
  3. 人に聞いてみる
  4. 理論を書いてみる

3と4を詳しく話しましょう。

3.人に聞いてみる

例えば、「本屋がすたれる中、TSUTAYAはどのような店舗を目指しているのか」というテーマが過去ありました。

どのようにしたかというと、直接CCCに電話し、取材をさせてもらいました。
そうすると、テーマが一気に深堀りできますよね。
CCC広報から六本木TSUTAYAの店長を紹介してもらい、いろいろそのテーマに対して聞くんです。

なぜ色々聞けるかというと、私は雑誌や本を執筆しているからなんです。
お店にとっては宣伝みたいなものなので、内容を詳しく教えてもらえます。
そういう知識が私の中に入ってくるので、テーマも深堀しやすい。

広告マン時代はどうしていたかというと、直接飛び込みをしていました。
関心がある店や会社に直接訪問し担当者を出してもらい、根掘り葉掘り聞くんです。
訪問する理由は適当に作りました。

「新聞広告の料金表をお持ちしました」
「今こういうテレビ番組を考えいるので協力してくれませんか」
「インターネット広告の情報を持ってきました」

など、理由は何でもいいんです。

こういう昭和時代の飛び込みは今でも続けていて、担当者をネットで探し当て電話1本で飛び込みをしています。
こういうやり方は、コールドコールと言います。
悪い言い方をすれば証券会社や保健会社の押し売りコールになりますが、私の場合は物売りをするわけではないので、割と気軽にやっています。

いまや売場塾生も1,000名以上になったし、社会人経験長いのでアウトルックの名簿を検索してまずはメールをし、必要に応じては電話をしています。
意外と人は対応してくれるものです。
対応してくれている売場塾生の皆様、たいへんありがとうございます。(^^)

皆さんもコールドコール、一回やってみてください。
もちろん私に対してでもいいですよ。(笑)

4.理論を書いてみる

こうしていろいろ本を読んだり人に聞いたりしながら、つらづらと理論を書いていくんです。
最初はツイッターを利用し、徒然なるままに書いています。

ツイッターのテキストは、ノートパッドに書いていますから書き終わったら全文が残ります。

今度はそれをブログに書いています。
起承転結にまとめるために、いつもマインドマップをつくっています。
●マインドマップとは

マインドマップで文章構成を整理したら、名とは何日かかけてブログの長さに作成します。
チャート図や写真も入れてみて完成です。

例えば、この前「オンスクの法則」というアイデアをブログにまとめました。
●オンスクの法則

セミナーでも2回くらい話して受講生の様子をみました。
もちろんまだ固まっていない理論なので、余談として話しました。
受講生の様子を見たらある程度よさそうなので、正式な理論にするかもしれません。

さて、こんな感じでブログにした後も、悶々と時間あるごとに理論を書き換えていき、これだ!という論文を完成させます。
それがとてもよい出来だったら、ビジネス誌の編集長に連絡をし、ビジネス誌に掲載し、読者の反応や編集委員会の感想を聞きます。

流通ネットワーキングに掲載したVMD理論

それが好印象だったら何か月か寝かせて、最終的には売場塾のテキストに組み込むか、本を出版するという流れになります。
そこまでしなくてもその理論を中心としたオープンセミナーをやって考えを披露したりしています。

例えば、昨年「バーチャルマーチャンダイジング」という理論を考えて、講演会で披露し、その理論を月刊VMDにまとめたものを視聴者プレゼントとして配付しました。
ネットのレスポンスを見ると悪くはないかな~という感じです。

●バーチャルマーチャンダイジング

とはいえ、理論には当たりはずれがあります。
そんな中、最近「これはとてもよくできている理論だ」と納得する理論がありました。
それが「POP活用体系」というものです。

「POPには6つの種類があり、それぞれに役割が違い、仕様も表現方法も設置方法も違う」という「POP活用体系」理論です。

この理論の出発は点、「POPには種類があるのではないか」という疑問から始まり、上記1から3の活動をしつつ、まとめた理論です。
理論化期間は3カ月くらい。

これ、自分でもよくできた理論だと思っています。
来月セミナーをしますので、ぜひご参加下さい。(^^)

●POP活用体系

5.理論を応用する

さて、理論はできたものの、これをどうやって会社や自分の収益にするかなんですが、広告マン時代は飛び込みで得た人脈で、テレビ番組やイベント提案をして媒体を獲得し収益にしていました。

今はVMDコンサルタントをしているので、下記のようにしています。

  • VMDプランにその理論を入れてみる
  • 研修プログラムにその理論を入れてみる
  • 場塾のテキストに入れて授業で講義する
  • VMDガイドラインに入れてみる
  • 専用のサービスをつくる

などです。
これをマッシュアップといいます。
もともとは音楽用語ですが、実用書を書いている人がよく行う手法です。

例えば、先ほどの「POP活用体系」理論は、もう何回もクライアントにてPOPセミナーを開催していますし、売場塾のテキストにも載せました。
クライアントにPOPデザイン案をプレゼンした時には、その理論を2.3ページに渡って挿入しました。

専用のサービス活用としては、ディスプレイプレイコンテストの中の項目にPOPコンテストをオプションで入れ込んでいます。
すでに家電店やケータイショップのPOPコンテストにも応用しました。

●ディスプレイコンテスト企画局

6.理論は本によって大成する

そうやって出来上がった理論はやはり、本として出版するのが最終ゴールだと思います。
売場塾の卒業生は、たくさん本を書いていますので、ここに紹介します。

●VMDインストラクターの書いた本

私は卒業生の書いた本はすべて読んでいます。
よくできているなと思います。
中には売場塾のノウハウを応用・発展したものもあり、売場塾が役に立っていてうれしいです。

ブログやインスタと違い、本こそオリジナル理論を1冊に凝縮し詳しく丁寧にまとめたものとして最高のメディアでしょう。
全国の書店に並んでたくさんの方に伝えられますし、印税として収益が出てきます。

私の場合、私の書いた本を千冊以上まとめてお買い上げいただいたクライアントもいますし、中国語に訳されて海外でも販売されました。

●オーバルリンクのVMD本

本を出すと箔がつきますし、クライアントへのPRにもなります。
自社の強力なPRにもなるので、おススメします。

出版の本の出し方は自費出版だと100万以上かかりますので、出版社に企画書を持ち込むとよいです。
下記の最初の本は企画を出版社に持ち込みました。

●「魅せて買わせる陳列と展示の法則」

書籍化に当たり多くの売場塾卒業生に協力をいただき、誠に感謝します。
この本、2,000冊くらいはいろいろな法人様にまとめてお買い上げいただきました。

7.まとめ

だいたいわかりましたでしょうか。
理論のつくり方。

アメリカの理論そのものをコピペするよりも自分独自のVMDを構築した方がよいというのがわかったと思います。
日本に合ったVMD、自分の業種・業態・取扱商品・ブランドに沿ったVMD理論を確立するのです。
起業している方は自分独自の理論をつくりましょう。

ヒントはお稽古ごとの守破離をベースにしている、フレームワーキングという考え方です。
大いに参考にしてください。
●フレームワーキング

さて問題は理論ってどうやってアイデアを捻出したらいいか、だと思います。
それは最初言った通り、常に疑問を抱いたり、テーマを持ち探求することです。

じゃあ、どうやって疑問を抱いたりテーマをつくればいいのか、それはまたの機会にお話しします。

それではみなさん、独自のVMD理論、お互いに構築していきましょう~。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

マーケティングしなきゃ会社は始まらない

グラフ分析

1.自宅開業できるVMDインストラクター

今回はマーケティングについて話しましょう。
もちろんVMDインストラクターとして会社をつくり経営を軌道に乗せるためのマーケティングです。(^^)

VMDインストラクターはコンサルタントの部類に入りますので、実質仕入れがなく、一人でもできます。
自宅で開業することもできますので、資本金がなくてもできます。

ただ、業務机やインターネットや電話など通信環境、パソコンやケータイなどのデバイスは最低限必要です。

そして下記の営業ツールは必要です。

  • ホームページ
  • 会社案内
  • サービス案内
  • 名刺
  • 封筒

売場塾でVMDインストラクターの資格を取って、すぐに起業する人は多いです。
なぜかというと資本がかからなく自宅で簡単に開業できるからです。

打合せのほとんどはクライアント先で行われます。
リモート会議も盛んになっているので、自宅開業の追い風になっています。

コンサルや研修もクライアントの会議室か研修室、リバイス(売場の改善)はお店で行われますので、VMDインストラクターは自宅から行けばいいのです。

女性の方でプライベートな家の所在地を教えたくない場合は、バーチャルオフィスを使えば、数千円後の家賃で済みます。
その利用金内で郵便ポスト代行もしてくれます。
例えばこちら。
https://www.gmo-office.com/

2.開業の落とし穴

簡単に開業できる反面、落とし穴もあります。
それは「営業しないとクライアントを獲得できない」ということです。

営業はどんな会社でも必要な営みです。
ホームページやブログを開設したからといって、仕事がバンバン舞い込むことはありません。
しかも独立したてのあなたは、知名度も認知度もなく、ただ電話を待っていても誰もかけてこないでしょう。

かといって、人材派遣会社やIT企業のように電話をかけまくったり、商店街を片っ端から飛び込みしたりしても、すぐに仕事に結びつくことはありません。
ましてや、多くの人は飛び込み営業や電話営業はできないでしょう。

ではどうすればいいか。
それはマーケティングをすればいいんです。
営業はマーケティングの一部なんです。

3.マーケティングとは

VMDインストラクターとして開業することだけが優先になってしまい、マーケティングをおろそかにしている人は案外いるのではないかと思います。

マーケティングとは、広告とか調査という意味合いがありますがそれだけではないんです。

会社を運営し、サービスをつくり、顧客をつくり永続的に売っていく。
そして最終的に利益をいただく。


という一連の流れがマーケティングなんです。
上記の文を分解すると下記になります。

  • 会社を運営する
  • サービスをつくる
  • 顧客をつくる
  • 永続的にサービスを売っていく
  • 利益をいただく

マーケティングをすると、現状や予測分析ができて、対策を打つことができます。
一番上のグラフは、あるリアル公開セミナーのグラフ分析です。
コロナ禍でセミナー集客が厳しかったとき、マーケティングをした結果、対策が立てることができ、立てなかった場合と比べると、格段に集客できています。
2020年を特に比較するとわかると思います。

マーケは事業維持・拡大の重要な武器になります。
ひとつひとつ、解説していきます。

4.会社を運営する

たとえ、株式会社でなくても何かしらの屋号は必要です。
もちろん、自分の名前がそのまま会社の看板になっても問題ありません。

ただ、自分がバラが好きだからといって、「ローズエレガント」みたいな社名にしないほうがいいです。
会社はブランドそのものですので、あまり軽く考えない方がよいと思います。

確かに「刀」「サムライ」のように単語をそのまま会社名にした会社もありますが、これらは創業者の意思が反映され、きちんとしたコンセプトも持っています。
しかも会社の存在意義やビジョンも併せ持っていて、ホームページを見るとそれがわかります。

オーバルリンクのロゴ

例えば、これは当社のマークです。

生活者と企業を「快場」で結ぶ

というキャッチがあります。
どういう意味かというと、中央の楕円が売場で、この周りを衛星のように回っているのが、生活者と企業です。

企業とは、売場を介して生活者に商品を提供する流通企業です。
メーカー、卸、小売店などがそう。

「快場」とは、買い物が心地よい売場という意味です。
流通企業が快場をつくることによって、製菓者の支持を得、円滑に売場を回すことができます。

そして、衛星同士が円滑な関係でいられるように、「快場」を中心に生活者と企業を公転させることがわが社の使命なんです。

それが、オーバル(楕円)リンクとわが社を命名した所以なんです。

その他、当社のブランドロゴの由来を知りたい方は下記を参考にどうぞ。
●ネーミングによるブランディング戦略

5.会社のコアコンピタンス(強み)をつくる

オーバルリンクのポジショニング

さて、社名は社名で終わってはいけません。
どんな会社なのかを定義しなければいけません。

上記チャートは当社の事業フレームです。
どんな事業を行っているかを定義したシートです。

VMD業界でオンリーワンとなるために創業したころ策定した事業計画書です。

あなたは

「ディスプレイができます」
「POPが書けます」
「デザインができます」

だけで営業してないですか。

そんな人はたくさんいます。
コアコンピタンスをつくりましょう。
コアコンピタンスとは、他社がまねできないあなたの魅力を定義したものです。
数あるVMD会社や自営業者の中で、自分だけしかできなものは何なのか、自問自答する必要があります。

100人の中で自社が選ばれるためにはどうしたらよいのか、じっくり考えるんです。

さて、オーバルリンクの事業フレームを見ていきましょう。
「PLAN DO SEE」を中心に実践と理論を回しており、その中からいろいろなサービスを開発している会社ということがわかります。

今度はチャート図の下部分に注目してください。

当社は売場づくりを販売促進の一手法としてノウハウ化している

とあります。
要するに当社は販促会社という立ち位置なんです。
実際に当社は広告会社として登記しています。

なぜ当社に衣料品店や雑貨店といったクライアントだけでなく、ドラッグストアや車ディーラーが多いのか。

なぜ、アパレルメーカーだけでなく、おもちゃメーカーやタイヤメーカーの売場づくり支援をしているのか。
その理由が上記チャートから見て取れるでしょう。

製紙メーカーや風邪薬メーカーから売場づくりのコンサルが来た時とします。
あなたはクリネッシュティッシュ売場やベンザエース売場のVMDを構築しなければいけません。
このように消費財の売場VMDを行って対価を得ているVMDコンサルは少ないでしょう。
そこが当社の強みなんです。

次は、

当社は、そのノウハウを、誰もが、わかりやすく学習できる、コンテンツに加工している

というところを説明します。

これはもう、売場塾というVMDの学校を運営している理由そのものです。

先にいったアパレルでもトイレットペーパーでも、車でもタイヤでも、すべての業種・業態・取扱商品に関わる方に共通のコンテンツを持っているということ。
これが強みです。

具体的に言うと、

・売場づくりの型を55型に分けて教えている
・論文を書くために取材した店やメーカーが100以上
・ワークショップの種類が60以上
・テキストが800ページ以上

などなど、当社はコンテンツメーカーと言っても過言ではありません。
こうした他社にマネできないコンテンツをたくさん持っていることが強みなんです。

最後は下記を説明します。

当社は、そのコンテンツを、伝授する専門スタッフを1000人以上育成・請負派遣している

これも当社をよく知っている方はご存じです。
ズバリVMDインストラクターのことです。
この構想、創業したころプランしたものなので、実際今VMDインストラクターは930名になっています。
企業は継続力がないといけません。

残念なことは、インストラクターの87%が企業に勤めていて、フリーランスの方は13%しかいません。
なので仕事を頼める方は、121名しかいません。

しかし、今までVMDインストラクターを活用して、全国チェーンの小売店に多数講師派遣したり、ディスプレイコンテストの作品を手分けして評価・採点してもらうなど「VMDインストラクターを生かしたビジネスモデル」を開発してきました。
商空間スタイリストFCもその一環です。

●商空間スタイリストFC

普通ならば、独立起業したVMDの方は「私がやります!」ということで他人に仕事を紹介しないでしょう。
本来ならライバルの方に、

・仕事を請負でやってもらう
・仕事を斡旋する
・仕事のノウハウを教える
・就職の手伝いをする

などはしないはずです。

「なんでライバルつくっているの?」
とよく聞かれますが、そこが他社にマネができないコアな部分なんです。

それは「売場塾」というVMDの先生を育成する学校をやっているから。
卒業生からVMDインストラクターとして

・VMDの仕事がもらえた
・会社でよい地位が得られた
・VMDとして転職できた

という声を聞くとやっぱり「売場塾」としてうれしいです。

多くのVMD学校が今まで出現しても長続きしないのは、このようなコアコンピタンスが欠けているからなんです。

御自分のコアコンピタンス持つと、面接でも強くなれます。
下記も参考になります。(^^)
●VMDで転職するときの経歴書の書き方

6.顧客をつくる

どんな客をターゲットにするか?
を言い換えると、「どんな市場があるか」ということなんてす。

市場がないところに物やサービスは売れません。
日本に炭鉱が栄えているころは、そこに市場が生まれます。
炭鉱労働者とその家族がこぞって住みますから、住宅や学校、商店街ができます。
クリーニング屋や居酒屋、床屋などの付随サービスもできます。

しかし、いったん炭鉱が衰え、人がいなくなるとそれら産業も衰退し、最後は市場自体がなくなります。

VMD市場がわからないまま、惰性で起業する方も多いと思います。
残念ながら、自分がやっていこうとする仕事に市場はあるのか考える人は少ないと思います。

  • →どんな業界が市場になるのか
  • →どんな会社の
  • →どんな部署の
  • →どんな職位の 人がターゲットになるのか?

考えてみてください。

次にその人たちにどんなサービスが必要か具体的に考えるんです。

  • →セミナーを売り込むのか
  • →コンサルを売り込むのか
  • →リバイスを売り込むのか
  • →デザインを売り込むのか

売り込むターゲットによってサービスは変わり、逆も真なりで、サービスによって売り込むターゲットが変わります。

例えば、当社のサービスを見てみましょう。

オーバルリンクのVMDサービス

当社のすべてのサービスの土台は、当社のVMDメソッド「フレームワーキング」です。
全てと言ってもサービスは売場塾・店舗診断・リバイスの3つしかありません。
それをターゲットにより刺さるようにするために6つのサービスに加工しているだけなんです。

6つそれぞれにターゲットが違うんです。
あまり細かくは言えませんが、例えばあるサービスでは下記のように設定しています。

●大企業向け
・メーカー系インショップブランド・ショップブランド
・担当者は販促部・商品部・販売支援部
・企業名

●中小企業向け
・中小小売系オーナー企業
・担当者は社長~常務
・企業名

コンタクトの仕方とPR方法、そして仕事を得るまでのフローを事業計画書に明記しています。

私は広告代理店時代、オール新規営業の「個人商店」でした。
オリジナルサービスをつくって営業したときは今と変わらず、ターゲットを設定していました。
ただ、営業の手段は変わりました。
昭和時代の新入社員時代は飛び込みと電話追い込みで獲得してきましたが、今は21世紀。
リアルとオンラインで囲みこまなければいけません。
このハイブリッド営業の方法に関しては別の機会にお話しします。

7.市場を把握しよう

といろいろ話してきましたが、最後に一つ。
自分の目指す市場はどんな市場か、具体的に数字や固有名詞で表すとぐっと現実味が出てきます。

例えば、皆さんはVMDの市場規模を数字で考えたことはありますか。
私は事業をするにあたって、狙った市場がどのくらいか数字で表記しました。
パワポで自社の3カ年計画をつくっていた時のことです。
下記のマーケットを抽出してみました。。

●VMDの法人市場は975社
・メーカー300社
・商社100社
・百貨店30社
・GMS5社
・HC10社
・DS30社 ・・・

●VMDの周辺業界は700社
・施工会社50社
・設計会社300社
・デザイン・ファッション学校50校
・コンサル会社100社
・広告・SP会社100社 ・・・

●女性ワークスタイル市場 5.64万人
・ワーキングシングル 37%
・DINKS 3.2%
・復職層 20%
・継続就業層 17% ・・・

●VMD資格市場 88,620人
・母数は明かせないですが、母数853,039人に変数を掛けています。

VMD学習市場を考えた場合、ある特定の層でどのくらいいるかな、といろいろ調べてざっくり計算したものです。

これを見てどう思いますか?
私はすごく少ない、という印象でした。

当時は
カラーコーディネーター56万人、
インテリアコーディネーター4万5千人

だったので他の資格と比較すると8万8千人は低く感じました。
しかし少ない市場だからこそ独占できるのだろうな、と逆の発想をしました。

これをもっと具体的なサービスレベルの市場に落とし込む場合、ペルソナを設定した方がいいです。
どんな人がわが社のお客さんになるのか、その人たちはどこに住んていてどんな職業について、どんな趣味と将来の希望を持っているのか・・・という感じにどんどん具体化していきます。

参考に、売場塾の受講生はどの企業のどの部署から来ている方が多いのか見てみましょう。上図がそうです。

販促部の方が35%と多いですよね。
これらは、先ほど言った「当社のVMDは販促である」ことを反映していることがわかります。
実際に売場塾の54%が会社清算で来ていますので、いかに当社と販促部が結びついているかというのがわかります。
下記をご覧ください。

売場塾生分析

さて、ここで余談です。(^^)
大企業の販促部はVMDだけでなく、日頃顧客調査やペルソナ設定、マーケット調査などしています。

そして自社商品を市場に出して効果測定もしています。
広告と連動したキャンペーンもお手の物でしょう。

なのに、販促プロの方がいざ会社をやめてVMDで起業するときに、市場規模を想定しないで事業を進めるのは面白い現象です。(^^)
あれほどマーケティングや広報やってきたのに・・・。

例えばあなたが地元にかえって広島県で開業するにしても、

・広島市に本社がある小売店やメーカーはどのくらいあるか
・広島から中国四国地方ではどのくらいか
・地元の菓子店で50億以上の売上企業はどのくらいあるか
・お好み焼き市場ともみじ饅頭の市場規模と、それを置いている小売りはどのくらいあるか

これは広島の老舗企業をターゲットにした場合なんですが、ざっくりでいいので数字を拾ってみましょう。
市場把握って意外と楽しいもんなんです。

最後に私が薦めるマーケティングの本を紹介します。
これ、ためになるので何回も読んでいます。

●ストーリーとしての競争戦略
著者/楠木健 出版社/東洋経済新報社 出版年/2010.5
●イシューからはじめよ
著者/安宅和人 出版社/英知出版 出版年/2010.12

ということで、起業してきちっとマーケティングしたい方、ぜひ下記の相談会にお越しください。
無料です。(^^)
●VMDインストラクターで起業・副業 相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)