PPとインテリアディスプレイの見分け方


この写真をみてください。
ABCストアの酒売場です。
すごくきれいですね。

くくりはわかりやすいし、ハーモニゼーションもいいです。
(くくりとハーモニゼーション、忘れた方はこちら)

さて、クエスチョンです。

●最上段のディスプレイは、AまたはBのどちらでしょう。
A PP
B インテリアディスプレイ

答えは、「B」。

そう、最上段のボトルは単なるインテリアディスプレイなんです
PPと言っても間違いではないのですが、厳密に言うと、インテリアディスプレイなんです。

改めて、PPとインテリアディスプレイの定義を振り返りましょう。

●PP
ポイント・プレゼンテーションと言い、売場の商品ディスプレイのこと。
IP(陳列のこと)の商品を紹介するための展示物で、IPの上部の棚につくることが多い。
役割は、店内のお客様を回遊させるためにある。


●インテリアディスプレイ
店舗・売場・商品の世界観を醸成するために設えたディスプレイ。
商品や店舗ブランドのイメージを増幅させる働きがある。


もうひとつ、別のABCストアを見てみます。
この最上段にあるディスプレイは、PPでしょうか。

いいえ違います。
これもインテリアディスプレイなんです。

PPのルールを振り返ってみましょう。
IP(陳列のこと)の商品を紹介するための展示物で、IPの近くにつくる。
特に売場の最上部につくることが多い。

あなたはこう思うかもしれません。

いいや確かに、PPだ。
最上段のボトルはIP部分にもあるよ。
しかも什器の最上段にあるし。
だからこれはPPだ。

でも、PPの定義を振り返りましょう。
「役割は、店内のお客様を回遊させるためにある」

そう、PPは店内を歩いているお客様を売場に引き寄せる力がないとダメなんです。
さっきのお酒売場から8mは離れて撮影した写真を見てみましょう。

離れてPPを見てみると・・・。
そうだな~、びんがあるのはわかるけど、何が置いているかわからない・・・。
酒を売っている売場というのはわかるけど。

そう、このPPは遠くから見てもわからないんです。
原因は、商品が小さすぎることにありました。
だから、このPPはPP足りえないんです。

下の写真を見てください。
今度はこのPPをズームアップしました。

これでも何の商品を訴求しているか、わからないですよね。
それでいいんです。
これはインテリアディスプレイなので、お酒を飲んでいる楽しいシーンが感じられればいいんです。

このように、小さな商品はPPにそもそも不向きなんです。
8m離れてPPを見ても商品がよくわからないので。
酒、メガネ、スマホ、ジュエリー、目覚まし時計、カメラ、ワイングラス、化粧品・・・。
このような商品は小さいのでPPに不向きな商品なんです。

じゃあ、PPに向いている大きな商品て何なの?
その質問にお答えします。
今度は、別のABCストアのTシャツ売場のPPを見てみましょう。


このPPを6m離れてみてみます。

こちらはTシャツのPPが6m離れても、デザインとか色はわかりやいですよね。

わかりましたか。
ボトルとTシャツの違いは、商品の大きさです。
Tシャツの方がボトルより断然大きいので、遠目から見ても商品がわかりやすいんです。

なので、ボトルをPPとして最上段においても、遠目から何が置いてあるのかわからないため、インテリアディスプレイにしているんです。

今度はインテリアディスプレイの利点を見てみましょう。

1. 売場の商品の世界観を醸成する
2. 店舗デザインの一部にすることができる


ひとつひとつ、事例を挙げて説明します。

1. 売場の商品の世界観を醸成するインテリアディススプレイ

例えば、このお菓子のガラスケースのディスプレイ。
「ショコラ・オ・ウィスキー 」という、ウイスキーが素材として入っている生チョコのインテリアディスプレイです。


ガラスケースの中に、ショコラ・オ・ウィスキーの商品が展示されています。
でも目立つのは、商品よりも本とウイスキーボトル。
ジャムのびんのようなものが「ショコラ・オ・ウィスキー」なのですが、ほとんどディスプレイの主役になっていません。

そう、これはインテリアディスプレイなので、商品が目立たなくてもいいんです。
書斎でひとりゆっくり読書を飲みながらウイスキーを飲むシーンのような世界観を醸し出しています。
大人男子のチョコと言うことですね。

もしこの商品のPPを正しく作るならば、生チョコを主役にし、下記の商品特徴をディスプレイ表現しなければいけません。

●アルコール分の高いガナッシュ(生チョコ)
●世界の有名ウイスキーが素材として入っている
●スプーンですくって食べる


そのために、ガナッシュのソフトなペースト感が感じられるサンプル展示、または演出POPが必要ですし、商品が主役になるように、たくさん並べて商品ボリュームを出すことが必要でしょう。

しかし、この展示を見る限りでは、前出した3つの特徴はまったくわかりません。
「ウイスキーを販売しているのかな」「ウイスキー会社とタイアップしているのかな」
と思ってしまうのがオチです。

しかし、インテリアディスプレイと捉えるならば、これでよいのです。
なぜならインテリアディスプレイはイメージ訴求のためにあるからです。



これは「ファウンドリー」というお菓子屋さんですが、りんごが並んでいますよね
その下にフルーツを漬けてあるびんが並んでいます。

これは別にりんごを売っているわけではないです。
フルーツポンチを売っているわけでもないです。
そう、アップルパイをイメージしたインテリアディスプレイなんです。
このお店、この時期はアップルパイを看板商品にしているんですね。

このりんごとびんは、文字通り店内インテリアディスプレイになっています。


2. 店舗デザインの一部にすることができるインテリアディススプレイ


これは、タリーズコーヒーのインテリアディスプレイ。
これならインテリアディスプレイとわかると思います。
喫茶スペースの落ち着いていてノーブルなイメージを醸し出しているインテリア的なディスプレイです。

文字通り、店舗デザインの一部になっています。
店内の販売商品は絡んでいないので、純粋なインテリアディスプレイですね。


これはPP、それてもインテリアディスプレイ??



これはハワイのディーンアンドデルーカですが、このディスプレイ、微妙ですね。
一見、インテリアディスプレイぽいのですが、しっかりハワイ特製のオリジナルバックを訴求しています。

そう、これはPPなんです。
商品が主役になっていて、「HAWAII DEAN & DELUCA」という文字がばっちりわかります。
これはトートーバックのPPでした。

私もハワイに行ったときに、これゲットしました。
このトートー、お土産として人気高いです。


今回はインテリアディスプレイとPPの違いをお話ししました。
PPをつくる前に、本当にPPにするのか、インテリアディスプレイをつくるのか、はっきり決めて制作してくださいね。
あやふやなディスプレイは、お客様にその意図が伝わりにくいです。

関連ブログはこちら

●PPの役割

●PPは写真で代用もできる


(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

センスってどうやれば高められるの?

ゴジラ

私ってセンスない~と嘆いているあなた、センスアップするコツを伝授します。
センスがないということは、あなたの中に基準というものがないということだと思ってください。

基準を0ゼロと仮定すると、プラスはいい方向、マイナスは悪い方向になります。
当然、センスはいいというのはプラス、センスは悪いというのはマイナスです。

だから歌のセンスがないというのは、歌を歌う基準に到達していない。
少なくともマイナスということになります。
料理のセンスがないというのは、料理をおいしく作る基準に達していない。
少なくともマイナスということになります。

だから、「ディスプレイのセンスがない」というのは、うまいディスプレイをつくる基準に達していない。
少なくともマイナスということになります。

ちょっとこのディスプレイを見てください。
網にかかったゴジラです。

罠にはまったゴジラ1

ディスプレイテーマは「罠にはまったゴジラ」です。(^^)
軍艦みたいなコーヒーカップがゴジラを包囲しています。

で、このテーブルディスプレイは「センスがあるなー」と感じるところは2つあります。

●ひとつは、ゴジラを中心にテーブルが3つに割れているという点
●二つ目は、すべての「軍艦」が放射状にゴジラに向かっている点

つまりこのディスプレイをつくった人は、少なくとも「うまいディスプレイ」の基準を二つ知っているということになります。
その基準とは下記です。

●等分割のマスターパターンというディスプレイ構図を知っている
→だから、ゴジラを中心にテーブルを3つに分けた
●放射状のリニアスキームというディスプレイ構図を知っている
→だから、「軍艦」を放射状にゴジラに向けた

なーるほど、そうなっていますね。

罠にはまったゴジラ1-2

今度はこの基準以下の「罠にはまったゴジラ」を見てみましょう。

罠にはまったゴジラ2

ただゴジラが網にかかっているだけですよね。
言われてみれば、確かに「罠にはまったゴジラ」にはなっているけど、センスはないなあ・・・ということになります。

今度は「罠にはまったゴジラを一斉砲撃」というテーマでつくってみましょう。
例えば、あなたの子供にディスプレイ材料を渡して「「罠にはまったゴジラを一斉砲撃」という感じでディスプレイをつくってごらん」と指示してみます。

男の子は喜んでディスプレイをつくるでしょう。
でも出来上がったディスプレイはこんな感じ。
うーーん。センスがいいとは言えないかな・・・。

罠にはまったゴジラ一斉砲撃1

センスのいい子供なら、「できた!!」と言ってこんな感じに作ります。

罠にはまったゴジラ一斉砲撃2

コーヒーカップ軍艦から、一斉砲撃している感じはしますよね。
そう、この子供はセンスがあるんです。

改めてセンスある「ゴジラを一斉砲撃」とセンスない「ゴジラを一斉砲撃」を見てみましょう。

罠にかかったゴジラ対比

一目瞭然です。
センスのあるなしは、今回も下記になります。


●等分割のマスターパターンというディスプレイ構図を知っている
→だから、ゴジラを中心にテーブルを3つに分けた
●放射状のリニアスキームというディスプレイ構図を知っている
→だから、「軍艦」を放射状にゴジラに向けた

ゴジラさん、実験お疲れさまでした。(^^)

だいたいわかりましたか。
センスがある人は、基準を知っている人です。

基準はどこにでもあります。
料理をつくる基準、ヨガをする基準、歩く基準、プレゼンをする基準・・・。

で、「基準を掴むにはどうすればよいのか」なんですが、答えは簡単。
「型」を学べばいいんです。
料理の型、ヨガをする型、歩く型、プレゼンをする型・・・。

例えば、歩く型をあなたが学ぶとします。
「今までウォーキングしてきたけど、なんか歩き方センスないなあ」というあなたは、本読んでもいいし、ウォーキングの先生についてもいいし、とにかく歩く型を学ぶことが先決です。

型がわかって、毎日型に沿った歩き方をまじめに重ねていくと・・・・3か月たてば上手に歩くことができるんです。
そこで、他人からも「なんか最近カッコよくなったね、スタイルもよくなったよ」と言われます。

あなたは、歩く型を身に着けることで、歩きのセンス以上のものを得たのです

もうわかりますよね。
そう、ディスプレイのセンスを磨くには、ディスプレイの型を学ぶことです。


売場塾が伝授しているディスプレイの方はなんと、107あるんです。
107覚えれば、もう鬼に金棒。
ディスプレイのセンスある人になって、VMDインストラクターになって他の人もプラスにすることができます。
最後は売場塾の宣伝でした~。(笑)

●売場塾の講座

宣伝次いでですが、ディスプレイの型を少しでも知りたい方は、5/20のディスプレイセミナーに気軽に来てください。
お待ちしております。(^^)

●ディスプレイセミナー

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

顧客目線にパラダイムシフトしよう

パラダイムシフト

この絵をじっと見てください。何が見えるでしょうか。

美人の後ろ姿。毛皮のコートを羽織っている。
ベールとネックチーフをつけている。
とてもおしゃれな女性だと思うかもしれません。

今度は、別の角度から見てみましょう。
何が見えるでしょうか。

あらら、今度は老婆の顔に見える!!?
そう、鼻が大きく顎が突き出た容姿の老婆の姿がに見えます。

あまりにも有名なこの絵を書いてみました。(^^)
心理学の本で出てきます。
ビジネス本が好きなあなたは、マーケの本で見たかもしれません。
パラダイムシフトの説明に出てくる絵なんです。

去年のVMDセミナーでこの絵を見せたら、知らない人もいて思ったよりウケました。

さて、パラダイムシフトとはなんでしょう?
パラダイムシフトとは、今までの見方を変えることで既成の概念が劇的に変化することをいいます。

パラダイムシフトは、売場づくりをしている方に重要なキーワードです。
今度はディスプレイの写真で解説します。
この写真を見てください。

ハワイ空港のディスプレイ

このディスプレイは、私がハワイのホノルル空港に降り立った時、通路にありました。
何に見えるでしょうか。

「なんかのディスプレイだな」
「お菓子のディスプレイなのかな」

と見える人は、あなたでしょう。
または空港関係者かもしれません。

しかし、旅行者である私には
「持ち込み禁止の食品のサンプルを置いているんだな」、
「なにかのあまりものを一時的に置いているのかな」

と見えました。

そして、改めてVMDインスタラクターの目線でこれを見てみました。
1分じっと眺めました。そしてわかりました。
そう、これはディスプレイだったのです。

どうしてこれがディスプレイだとわかったというと、下記の点でした。

ディスプレイ上部にポスターが掲示されていて
「Look for the seal of Ouality and Take Home Best」
と書かれていました。
日本語で、「このシールを見て。ハワイ州が公認しているハワイのお土産だよ」
ということでした。

そうなんです。
これはハワイのお土産を紹介するディスプレイだったんです。

たぶん、このディスプレイをつくった人は、素敵なハワイのお土産PRコーナーをつくった!!
と満足だったのでしょう。

しかしながら、ハワイに降り立った私のような旅行客には、ディスプレイには見えなかったんです。

これは先ほどの老婆の絵と同じ。
自分ではきれいに書いたつもりの美人の横顔が、お客様には醜い老婆にみえてしまったんです。
ダニエル・ホノルル空港のVMD担当の方、早いとこ、パラダイムシフトしてください。
だれもが美人顔に見えるディスプレイに直す必要があります。

今言ったことをフリップに書いて要約します。
必要なことは、お店目線を顧客目線にパラダイムシフトすることです。

売場づくりのパラダイムシフト

パラダイムシフトがなんたるかわかったら、VMDインストラクタートレーニングしてみます。
今度は生の売場を見てみましょう。用意はいいですか。

ここは大阪の老舗鰹節店「丸与」さんのお店。
256年の歴史を持つ由緒あるお店です。
外観レトロの素敵な門構え、素敵ですね。
●店舗外観

店の中に入ってみましょう。
昭和レトロな雰囲気がなんか心地よい!!
●店内

オーケストレーション(壁面のディスプレイ)はこれです。
●オーケストレーション

さて、あなたにクエスチョン!
これを見ているあなたはお客様だと仮定します。
あなたは、壁面のディスプレイをどう見ていますか。

顧客目線で見ているあなたはこう思うでしょう。
「ここの店主、NHKのどーもくんが好きなんだな」
「昔のそろばんと木箱が置いてあるな」

と。
「ほのぼのしてていいな、個人商店って感じがするな」
とも思うかもしれません。

しかし、店主のパラダイムは違いました。
もう一度、拡大した壁面のディスプレイをて見てください。
●壁面ディスプレイ

今度はお店目線で見てください。

実は、店主のパラダイムはこうでした。

左棚のディスプレイは、
「歴史的な重みを出すために、昔のそろばんと鰹節削り器を展示した。
古い台帳も展示したから、老舗感が感じるだろう」

右棚のディスプレイは、
「うちは老舗の有名店なので、NHKや民放がたくさん取材に来ている。
有名なタレントもよく来ている。なので、PRとして記念写真を置きました」

そう、これはお店のブランディングの一巻のディスプレイだったんです。

あなたがVMDインストラクターなら、お店目線・顧客目線のパラダイム両方を理解できます。
そして、下記のように行動を移します。

お店目線と顧客目線とパラダイムのギャップがあるな。
お店は美人画をつくったつもりだけど、醜い老婆になっている。
下記を改善してディスプレイをきちんと美人に見せないといけないな。

そして、下記のようにフレームワーキングを駆使して改善指導をします。

  • テーマ
  • フェイシング
  • ディスプレイ用品
  • 構成
  • POP編集
  • サイン編集

すると、店内のディスプレイは美人になりました。
めでたし、めでたし・・・。

わかりましたでしょうか。パラダイムシフト。
あなたが店主や店舗スタッフなら、顧客目線にパラダイムシフトしなければいけません。
なぜなら、今のままの店づくりなら、あながどう美人に売場づくりをしても、顧客には老婆にしか見えないからです。

丸与さん、VMDがんばってくださいね。
何かあったら、VMDインストラクターを呼んでください。(^^)
大阪にはたくさんのVMDインストラクターがいます。

ちなみにフレームワーキングとは、当社のVMDメソッドです。
●フレームワーキング(R)

パラダイムシフトに役立つ手法です。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMDインストラクターのビジネスモデル

今回は、VMDインストラクターのビジネスモデルを話します。
フリーランスのVMDとして頑張っている方や、会社員だけど副業したい方のためになると思います。

まずは私の言葉から。

VMDインストラクターのビジネスモデル1 もう5年間、ディスプレイをつくっていない

「もう5年間、ディスプレイをつくっていない」

VMDの会社を初めて18年経ちますが、最近ディスプレイをつくっていません。
5年と書きましたが、もしかしたら7年かもしれません。

かといって、VMDの仕事がないということではないんです。
オーバルリンクはこの18年黒字・無借金経営です。
(去年は厳しかったです)

なぜ、5年もディスプレイ作っていないかというと、
私が行っているVMDの仕事は、ディスプレイをつくる仕事ではないからです。

このチャートを見てください。

VMDインストラクターのビジネスモデル2 ディスプレイ作る人とつくらない人

私たちVMDインストラクターの仕事は右なんです。

●ディスプレイをつくって収益を得ている人の特徴

  • ディスプレイをつくらないとお金がもらえない
  • お店に行かないとお金がもらえない
  • ディスプレイ用品を仕入れないとディスプレイがつくれない

●教えることで収益を得ている人の特徴

  • ディスプレイをつくらなくてもお金がもらえる
  • お店に行かなくてもお金がもらえる
  • ディスプレイ用品を仕入れなくてもディスプレイはつくれる

ディスプレイは、クライアントに指導してクライアントにつくっていただきます。
私たちはそれを見ているだけなんです。

VMDインストラクターのビジネスモデル3 クライアントにつくってもらう

あなたはVMDを指導すると称して、
「私はこのディスプレイをつくるから、あなたはあちらをつくってください」
などとクライアントに指示していませんか。
VMDインストラクターはディスプレイ制作スタッフではないのです。
文字通り、先生なんです。

オーバルリンクのこのページを見てください。
リバイスと言って、数時間で売場を直すサービスなのです。

●リバイス

このページの下部分の「リバイス(売場改善)の風景」の写真を見てください。
VMDインストラクターが活躍していますよね。
そして、同じページの「リバイス(売場改善) Before After」を見てください。

これはVMDインストラクターが、まだVMDを知らない方たちに売場の作り方を教えて、作っていただいたディスプレイ写真なんです。

端的にいうと、私たちVMDインストラクターは売場をつくっているクライアントスタッフの後ろで見守っているだけ。
まあ時には、クライアントのタイプにより手伝いする場合がありますが・・・。

そして、「先生、わかりませーん」「教えてくださいー」という声があったら、そこへ飛んでいき、生徒の作っているディスプレイをコーチしたり、自らかっこいいディスプレイを見本としてつくって見せるんです。
それが本当の先生というものでしょう。

次にこれを見てください。

VMDインストラクターのビジネスモデル4 18年変わらないチャート図

この図式は、オーバルリンク創業時から変わっていません。
創業当初のチャートですので、VMDインストラクターという言葉は存在せず、VMDディレクターになっているし、売場ドッと混むも売場ドッと混むMXになっています。

わかりやすい言葉に直すとこれです。

VMDインストラクターのビジネスモデル5 集合研修・現場研修・ガイドライン

集合研修・現場研修・ガイドライン制作、この3つをプロジェクトで回してこそ、真のVMDインストラクターと言えるでしょう。
残念ながら1年に1回セミナーをやったくらいでは、クライアントのVMD能力は向上しません。
(社員の福利厚生としてのセミナーはOKです)
VMDは年間プロジェクトにしないとダメなんです。

とはいえ、VMDインストラクターは現在825名います。
フリーランスでVMD事業をやっている人はその16%の132名なので、VMDセミナー講師の人もたくさんいます。
ちょっと下の写真見てください。

VMD講座コップワークショップ

売場塾の名物ワークショップでコップでディスプレイをつくってもらう場面がありますが、実にこれをセミナー講師として取り入れているインストラクターが多いです。
それはそれでよくて生徒も喜ぶし、マネしてもまったくOKですが、セミナー講師のままでとどまっていないでください。
VMDインストラクターのビジネスはもっと広いのです。

VMDインストラクターのビジネスモデル6 本質をマネする

フリーランスでVMD事業がうまくいっているインストラクターは、売場塾の本質をマネしているから、うまくいっているんです。
本質とはこれなんです。

●フレームワーキング(R)

これをぜひマネしてほしいです。

繰り返し言いますが、売場塾のコップワークショップをまねるのは大いにけっこう。
ぜひやってください。
ただ、それだけだとあなたのVMDの差別化にはなりません。

フレームワーキングとは、明確な言語で売場づくりを教えることです。
この明確な言語とは、フレームワークと呼ばれる55のVMD用語なのです。

VMDインストラクターのビジネスモデル7 店舗診断集計表

上の表を見てください。
これはお店の店舗診断シートの中のネガティブ要因集計表です。
これを見ると、たちまち自店の悪いところがわかります。

表は左から右に見てください。
一番左は店舗の改善点の概要、一番右側は売場部分の細かい指摘です。
すべてVMD用語を駆使して書かれています。

店の改善点をアドバイスするときに「なんとなくいい」「なんとなく悪い」では、店舗スタッフはどう直していいのか、わかりません。
このように改善点をフレームにしてやるとことによって、店舗スタッフが理解でき、売場も直しやすくなるのです。

しかもこのフレームワーク、重なりや漏れはありません。
改善点が縦横にきちんと整理されているからです。

VMDインストラクターの方は、ぜひこの売場塾の本質「フレームワーキング」をビジネスに活用してください。
活用している方は、このコロナ禍でもコロナ以前同様、活躍しています。
言葉だけ明確に発すればよいコンサルなので、リモートでVMD指導できるからです。
現場に行く必要はありません。

先ほどは、店舗診断をサービス事例にしましたが、OJTにしてもいいし、セミナーにしてもいいんです。
現に売場塾はこの春からリアル講座とオンライン講座の2本立てになっていますし、店舗診断は写真を送ってもらって指導しています。

だいたいイメージできたでしょうか。
ディスプレイをつくらないVMDのビジネスモデル。
それがVMDインストラクターの仕事なんです。

もっと詳しく聞きたい~という方は、下記の無料セミナーにお越しください。
リアルとオンラインで毎月開催しています。
お待ちしております~。(^^)

●VMDインストラクターで起業・副業 相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

2021年こそ売場を快場に

VMDの学校 売場塾の今年の標語

明けましておめでとうございます。
今年のオーバルリンクのスローガンは引き続き、RO RAIN, NO RAINBOW
これはどう意味かというと、「雨が降った後には必ず虹が出る」という意味です。
これ、私の好きなハワイの方言なんです。

日本式に言うと、「災い転じて福となす」「雨降って地固まる」みたいな感じですが、もう一つ意味があります。
それは、「努力しないと道は開けない」ということです。
売場に人が来ないからと言って、待っているだけではだめということです。

昨年、化粧品メーカーの方から下記の言葉がありました。
「今のままでは売場はビニルで覆われ、理想の快場とだいぶ違う」。

確かに。
なるべく売場に行かない。
なるべく長く店に滞在しない。
なるべく人と接しない。

こんな世の中になっています。

でも、VMDの技術を駆使して、
なるべく売場に行く。
なるべく長く店に滞在する。
なるべく人と接する。

こともできるはず。

考え方を転換すれば、
お客様がわざわざ売場に来てくれる
ことは可能になるでしょう。

ビジュアル・マーチャンダイジングはまだまだ伸びしろがあるんです。

売場づくりに関っている皆さん、知恵を絞って、ぜひ今年はお客様を売場に呼び戻しましょう~。
今年もよろしくお願いします。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMDはACTive女性が要

アクティブ女性とは

年末、商空間スタイリスト認定講師の方と話をしていたら、ディスプレイを習いに来ている人たちは、アクティブな女性が多い、という話になりました。

話は戻りますが、アクティブな女性とは、ACTiveと書き、
A(アドバイザー)、
C(コーディネーター)、
T(トレーナー)

という頭文字を表しています。

ディスプレイをつくるというそのものよりも、ディスプレイがうまくできるリクツを知りたい、そしてそのリクツを人に教えたい、というのが彼女たちの意図のようです。

「ディスプレイはうまくできるけど、それを人に伝えられない」

「このディスプレイ、なんかヘンだと思ったけれど、どこがどうヘンか言えない」

「ディスプレイがうまくできるロジックが知りたい」

ということなのでした。

このような方は、
●自分のスキルを常に磨きたい。
●自身のセンスを上げたい。
●何かを作るのが好き。習い事も大好き。

という性格なので、文字通りアクティブ女性なのです。
ACTive女性は以下のような形で、ディスプレイの先生になる指向を持っています。

(A)アドバイザー
売場づくりをアドバイスすることによって、店内を魅力的に見せ、モノが売れるようにアドバイスする。
ディスプレイのリクツを知っているので、何が正しいのかアドバイスできる。

(C)コーディネーター
ディスプレイの店内空間を魅力的にコーディネートできる。
改装することなしに、ディスプレイ、什器レイアウト、POP等の販促物を改善することにより、店のたたずまいを魅力的にすることができる。
装飾中心のデコレーターとは少し違う。

(T)トレーナー
チェーン店舗を巡回して、ショップスタッフをトレーニングする。
自らディスプレイをつくることもあるが、基本的にはショップスタッフに指導してつくってもらう。

ACTive女性、自分で言うのもなんですが、いい響きです。
これからはVMDのマーケティング用語になるといいですね。~

VMDスキルを身に着けることによって、世の中の女性がアクティブになる。
自ら起業したり、副業にすることにより、社会貢献できる・・・というわけです。

これが、コロナ禍で社会的苦境に陥っている女性パワーを支える用語になってくれたら、オーバルリンクもVMDインストラクター事業をやってきた甲斐があるというものです。

コロナ禍の2020年でしたが、来年はみんながアクティブな年になりますように。
大みそかの願いです。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

顧客戦略「インテリジェント・コンシューマー」とは

顧客戦略マトリクス

コロナ禍で百貨店や専門店が取るべき道は、ズバリ顧客のインテリジェント化です。
消費者を賢くし、結果生活が豊かになるインテリジェント・コンシューマーにしましょう。

インテリジェント・コンシューマー戦略は、顧客をいつまでもお店につなぎとめておける策なんです。
そのためには、百貨店・専門店は上図の「自己満足客」を育成し、まずは「レビュワー」に成長させ、チューターに導かなければいけません。
上図はそれを表しています。

今回は、ワインをよく飲んでいる私が顧客モデルになりました。(笑)
ワイン専門店における顧客4つのクラスターについて解説していきます。

●自己満足客
接客を伴う専門店・百貨店で買い物をすることが満足という客。
ワインを買いに行くのはスーパーやコンビニだったけれども、ヴィノス山崎に行ったり、百貨店のエノテカコーナーで買ったりした客。
専門性の高い店員がいるので、安心して買えるとともに、勧められたワインがおいしので、とても満足!!という客。

ここでおいしいワインを提供された客は、次もその店にいくかもしれません。
価格はいつもより高いけど行くだけの価値はあるので、ハレの日(誕生日やクリスマス)だけ行ってもいいなと思うようになります。
しかし、まだスーパーや通販で買う比率が高く、そちらにドロップアウトしてしまうかもしれません。

この客をキープされてリピート率を高めるには、レビュワーに客を昇華させなければいけません。
自己充実客でもいいのですが、レビュワーにした方がお店の宣伝になるからです。
自己充実客はクローズド、つまり店や商品の情報を公にするということはしません。

●レビュワー
買い物行動や買った商品、店内体験などを発信してくれる客。
ツイッターやfacebbok、ブログなどでレビューしてくれる。

  • おいしいワインを買った!と言ってSNSで商品や店を紹介する
  • 友達や知り合いとの会話の話題に、商品や店を出す
  • グーグルマップやぐるなびに投稿し店を紹介してくれる

ただ、すべての顧客が情報を発信するわけではありません。
SNSは見るだけという人もいるし、今まで通りスーパーのワインで十分という人は、何かのきっかけがない限り店に訪れるということはないでしょう。
ドロップアウト、つまり全く行かなくなる、ということもあり得ます。

●自己充実客
店が顧客管理を怠らない限り、自己満足顧客のワイン生活はますます充実していきます。

  • ワインに合ったつまみをペアリングするのも覚えたし、甘い・辛いなどその日の気分で味をセレクトもできるようになった
  • クリスマスワインとして食卓に出すといつも家族に喜ばれる
  • ワインブックを作って記録している

など、ワインに関して自己充実している客。

お店や商品の情報はまったくオープンにしないけれど、店や商品との関係において充実している客です。
この場合、店は顧客がますます充実できるサービスや情報、体験を提供すればよいのです。

●チューター
インテリジェント・コンシューマー戦略のゴールはここです。
客がワインのにわか先生になって他の客を集め、ワインの楽しさを教示してくれます。

  • パーティをするときにワインの由来や産地の豆知識を教えたり、ワインの買い方を参加者に教える
  • お茶会など何かの集いの時に、店の話題を出していいワインを教えてくれる
  • 店主宰のワインセミナーに、友人をたくさん集めて参加してくれる

チューターとは、ちょっといいことを教えてくれるにわか先生のことです。
チューターは店のPRを担ってくれる上に集客してくれるので、最重要顧客に位置します。

このような客は、店内体験を主宰する側に回らせるとよいです。
つまり顧客の代表として発表の機会を与え、インテリジェントな気分にさせてあげる、そうすることで店とチューター客は太いパイプで結ばれるのです。

顧客戦略マトリクス2

とはいえ、上図を見てください。
チューター層はごくわずかな客なんです。
すべての客が、にわか先生になりたいと思ってないからです。
顧客は自己満足・自己充実客が大半を占めると思って過言ではないでしょう。

なので、お店はすべてのお客様をチューターに導く意識はあっても、強制的に導くことはできないのです。
客の性格は人それぞれだからです。
店は、獲得した顧客をこの4つのクラスターのどこに落とすか、客と付き合いながら考えていかなければなりません。

さて、余談です。
ここで私が通っている、私の家の近くのワイン店の店内体験を紹介します。
私はどのクラスターに属すでしょうか。

●ヴィノス山崎
生産地・生産者・品種、味と香りなどこと細かに書かれた「持ち帰り商品POP」を商品棚に設置している。
接客も丁寧、ときどきワイン試飲会をしており、顧客のレビュワー化、チューター化に余念がない。
例えば、このPOPでワインブックを作っている私は、おいしいワインをツイッターにアップしている。
私はヴィノス山崎のレビュワーだった。

●成城石井
種類が豊富で、コスパのいいワインが多く、商品切れが少ない。
成城石井はスーパーだが、私の中ではワイン専門店の部類に入っている。
ただしこの店での接客はまったくなく、環境的にスーパー。
成城店や麻布十番店くらいに行かないと、接客する人はいないし、ワインを持ち込めるバーもない。(グローサラント形式)
私は自己満足客である。
私が麻布十番店の顧客だったら、レビュワーになったかもしれない。

●信濃屋
ここも種類が豊富で、コスパのいいワインが多く、商品切れが少ない。
ただ店内の雰囲気は昔の酒屋のよう。
販促用のマネキンスペースは大きく取られていて、いつも行くとワイン通でない人がマネキンや店員をしている。
10年の間、ここで店員と話したのは1回くらいしかない。(笑)
ただ、コスパのいいワインは8種類くらいあり、その常連客になっている。
私は店をレビューするよりも、商品をレビューする方が多いレビュワーである。

●柳屋
うちの日本橋オフィスの近くにあるワイン店。
カリフォルニアとニュージーランド産ワインに特化している。
定期的にワイン飲み会を2階で開いており、近くのOLもよく参加をしている。
売場塾の生徒になにかと話題にしているので、ここのレビュワーになっているかもしれない。
ただ一元さんの店ぽいので、ワイン飲み会に参加するのに勇気が必要で、まだ参加していない。

まとめです。
顧客を自己満足客からチューターまで進化させることによって、より顧客をつなぎとめることができ、店の売上も安泰になります。

どこの専門店も自己満足まではキープできているものの、レビュワーやチューターへ客を進化させるには、いろいろな策がいるということです。
そのためには、店内買い物体験を企画・実施することです。
企画の仕方はこちらを振り返ってみましょう。

●オリジナル買い物体験企画の仕方
https://vmd-blog.oval-link.co.jp/archives/1171

いかがですか、インテリジェント・コンシューマー戦略。
今日はワイン店を例にとりましたが、ワインが紅茶・お茶・化粧品・時計・文具・メガネ・食器・・・などなど別の専門店になっても活用できます。
ぜひ考えてみてください。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

オリジナルな店舗体験をつくろう

買い物体験のつくり方 バーチャルマーチャンダイジングの図

先々月は、リアル店内体験のタイプについてお話ししました。
さて、ここで皆さんが知りたいのは、店内体験ってどうやって企画すればいいのか。
お金かけずにできる体験はどのタイプか。
どのタイプの体験が自店に相性がいいのか、などだと思います。
順を追って話しましょう。

●●●● 体験は空間体験が前提 ●●●●

上図を見てください。
店舗の中には「空間体験」「ナレッジ体験」「コミュニティ体験」があります
「空間体験」というのは、店舗というハコで売っている小売店が顧客に提供する必須の体験です。

空間体験は、ハコをどのようにデザイン演出するかがキーとなります。
いくら商品に人気あるからと言って、蛍光灯の天井下に会議机を並べて売っているような店は気を付けた方がよいです。
自店のブランド感とは何なのか、いま一度考え直してみましょう。

ただ、勘違いしてはいけないのが「改装にカネをかけてハコをカッコよくつくればいい」という安直な考え方です。
それに、店舗デザイナーや施工会社に外注する金銭的余裕がない店舗もたくさんあります。

コストをかけずにハコを変えるにはどうすればいいか。
それは、ある程度のキレイさは保ちつつ、ディスプレイと組み合わせてハコのたたずまいをきれいにするということです。
床・壁・天井・什器・照明の5大大道具のうち、壁と什器に注目し、それにディスプレイを加えます。

  • 壁・・・壁紙を変える
  • 什器・・・什器デザインを変える
  • ディスプレイ・・・オーケストレーション(壁面の集合ディスプレイ)を設計する

これだけで空間は見違えるようになります。
かかるのは什器代くらいで、あとはDIYでできます。
オーケストレーション設計の仕方はこちらを読んでください。

●オーケストレーション設計

●●●● ナレッジ体験 ●●●●

再び上図を見てください。
「空間体験」がなんとかできたら、残りは「ナレッジ体験」「コミュニティ体験」です。
しかし、あとは「ナレッジ体験」だけを考えればけっこうです。

「コミュニティ体験」は顧客を店内に一堂に集めなければできないので、スペースが必要でコストがかかります。
しかも、前回言った通りデジタルと相性がいいので、バーチャルマーチャンダイジングに任せるといいです。

さて、「ナレッジ体験」とは、お酒やお茶、化粧品やカー用品など、暮らしや健康、趣味といった自己に役立つ知識を得られるという体験です。
特に専門店は商品を売るだけでなく、商品を通してどんな暮らしができるかというソリューションを提供する店なので重要です。

ナレッジ体験を推進するためには、ずばりプロフェッショナルプロモーターが必要です。
ただのプロでなくて、プロプロです。

化粧品は美容部員、お茶はお茶インストラクター、ワインはソムリエ、カー用品はエンジニア・・・とプロのプロモーターをお店に駐在、あるいは定期駐在させることが必要です。
これらの人がいないと、ナレッジ体験施策はできません。
ナレッジ体験を来店客にさせたい小売店の方は、自分か従業員をプロプロにすることが必要です。

例えばあなたが酒店店主でクラフトビールに関してのナレッジ体験を作りたかったら、最低一人のプロプロが必要です。
クラフトビールを100種飲んで自分なりに理屈をつくるとか、クラフトビールテイスターの資格を取るとか、プロプロになることが必要です。
単に「俺はビールを飲んでる」だけじゃダメなんです。

プロプロの例は前回の100社調査でもたくさんあって、例えば下記のような感じです。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ヤマダ電機/LABI LIFE SELECT/立川/ヤマダ電機の体験型店舗業態。デジタルサポートステーションと称したカウンタがありデジタル機器の相談や修理を行う。近隣に訪問するコンシェルジュ訪問サービスも試験的に導入していて、電気に詳しいプロがコンサルしてくれる。
●ウイングドドウイール/ウイングドドウイール/表参道/1000種類ある紙を試すことができる。ガラスケースの中に標本のように紙が並ぶ。ウエディング需要が8割だったが、大切な手紙を書くという需要に応じている。
●東急ハンズ/東急ハンズ/新宿店4F/4階コーヒー器具売場に販促ブースを設置。向井さんというスタッフがコーヒーのプロプロになっていて、定期的にコーヒーの淹れ方を披露している。おいしいコーヒーも堪能できる。

ナレッジ体験のキーワードは、体験スペースをつくること、そして座らせることです。
店内の空いたスペース、例えば90cm幅の通路でスタッフと顧客が立ち話・・・というのでは、ナレッジを伝えることができません。
他の客の迷惑になるし、あまり長話になると「ここは一元さんだめなのかな」と他のお客様は思ってしまいます。

体験するのに、相談カウンタを置く、洗顔用シンクを設置する、ミニセミナーコーナーをつく・・・などのスペースの確保が必要ですし、パーテーションをつくる、やぐらを設置する、ブース化する・・・などの体験スペースらしい見た目の工夫が必要です。

例えばこんな感じです。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ロフテー/ピローウイーカフェ/東武百貨店池袋店/スイーツみたいなピンク色の売場。まくらがさながらお菓子のように陳列されていて見るだけで楽しい。
●インク/インクのコーナー/港北TOKYUショッピングセンター/シャープペンやホチキス、消しゴム、紙などお試しできる。その数10万点。「各社のボールペン験し書き」などイベントも行う。
●ファンケル/ファンケル/銀座スクエア/血管測定で血管内の健康状況を教えてくれる。体力測定ができるフロアもあり、健康ドリンクも有料で飲むことができる休憩スペースもあり。

早い話が、体験を「見える化」するということです。
私が以前企画したインテリアショップは、「すわり心地」というテーマで体験できるスペースをつくりました。

●すわり心地体験

ラフィネリビングさんの場合は、座り心地のプロを店内に配置し、ソファの中身のバネや緩衝材、間取り、ファブリックのデザイン、足の種類を選べるようにオーケイストレーション設計しました。

さて、社内プロをつくって体験を見える化できるスペースをつくったら、あとはプロモーション化するだけです。
ナレッジ体験をなんとなく行うのではダメで、台本をつくらなければいけません。

●企画する ●シナリオをつくる ●セリフをつくる ●小道具を用意する ●回数と時間、参加人数などのKPIを決める

あなたが一商店主でも、企業のプロモーション部長のように企画書を作り、台本をつくってください。

●●●● オリジナルな体験のつくり方 ●●●●

ナレッジ体験のつくり方がわかったら、いよいよ貴店独自のナレッジ体験を立案する番です。
それには、ブランドの7ポジショニングを整理するといいです。
それは、
①企業 ②商品 ③販売チャネル ④サービス ⑤財務 ⑥人材 ⑦広告 です。

ブランドの7ポジショニングはショップコンセプトをつくる際のフレームワークなんですが、体験企画を考える時にも使えます。

早い話、これを自店オリジナル体験のリソース項目として使うんです。
自店の7つのリソースをまず書き出すといいでしょう。
そこが出発点になります。

この7つのリソースの活用例は、店ではなくホテルの例を挙げて話します。

「一泊二日でねぶた祭りを体験できる」というナレッジ体験を施している星野リゾート「青森屋」の例が一番わかりやすいと思います。

この体験企画のリソースは、7ポジショニングのうち、①企業 から来ています。
星野リゾートは、「その立地にある文化と伝承を使って旅人を魅了する」という企業ですから、当然発想は、青森にある立地からして「ねぶた祭」に行きつきます。
これは④のサービスにもリンクしていて、「文化を体験する」という星野リゾートのサービスに帰結しています。

次に⑤財務と⑥人材なんですが、「人件費をかけずにイベントを行う」ということから、当然ホテルスタッフが直接祭を執り行うこととなり、黒子としてではなく、自ら踊ったり唄ったりしています。
これは星野リゾートの⑤の人材の「マルチタスク」という理念がベースになっているからできることなんです。
他のホテルなら踊り子を雇うところなんでしょうが、星野リゾートは一人が複数の役割を兼務しています。

体験のつくり方、だいたいわかりましたか。
このように、ブランドの7ポジショニングを企画のリソースに使えばいいんです。
安易に、「縁日の金魚すくい」や「塗り絵をして遊ぼう」なんて企画しないでくださいね。
体験は、あなたのお店だからこそできるオリジナル企画ではないと意味はないですから。

今日は、店内体験を同企画するかについてお話ししました。
キーワードは下記です。

  • 空間体験
  • ナレッジ体験
  • プロモーション化
  • プロプロ
  • 体験7つのリソース

ぜひ、あなたのブランドならではの体験を企画してみてください。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

売場づくりにおける多能工人材戦略とは

今日は、以前書いた未公開論文を披露します。
文体が論文調ですが、ぜひお読みください。

星のやに見る多能工型人材

多能工とは、早い話、歌って踊れる人材ということだ。
ひとつの役割だけでなく、二つ以上の役割を担う人材のことである。
この言葉を使っているのは(株)星野リゾートが有名で、星のやの人材育成イコール多能工型人材育成となっている。

従来の旅館業は、中居、料理人、掃除人、売店販売員など仕事によって人材も分けられていたが、非効率だった。
各人が専業だと稼働時間がそれぞれ違い、暇な時間ができてしまう。
時間が空いた人は、忙しい部門の仕事を手伝うことで、人材の時間効率がよくなり、作業もスムーズにいく。
しかも人的コストが浮く。
これが多能工の考え方だ。

私は毎年星のや軽井沢に泊まっているが、確かにそうだ。
中居が部屋に案内したと思ったら、夕食を持ってきたのは違う人だった。
ところが次の日にタクシーで近くのレストランまで送ってくれたのは、中居だった人だ。

星のやは確かに一人三役以上をこなしている。
星のやは、多能工制を取り入れて、時間を効率的に管理している。その中居らしき人は、毎日の私たちのスケジュールを詳しく私に訊く。いつ、部屋を留守にして、いつごろ戻るのか、夕食は何時ころかなど・・・。
このわけは、時間別人材配置をスケジュール化している表れである。
なるほどと思った。

さて、私の専門はVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)なので、今回は売場づくりの人材について話したい。
VMDとは、アメリカから来た売場づくりのノウハウのことだ。
VMDをプランしたり実施したりする人のことをビジュアルマーチャンダイザーという。
アパレルブランドに必要な専門職だが、最近は、雑貨店はもとより、惣菜店舗やカーディーラーなどVMDを担当する人は多くなってきている。

昔のビジュアル・マーチャンダイジング

もともと、日本のビジュアルマーチャンダイジングの仕事は、ディスプレイ制作業務が多かった。
VMDは1970年代に日本に入ってきて1980年に広まっていったのだが、これがデパート全盛の時代に合致する。
つまり、デパートのウインドウの演出の仕方にVMDの手法が生かされてきたわけであり、VMD担当はウインドウのディスプレイを作ったり、ショーケースの商品インスタレーションが主な業務だった。

ところがGAPやZARAなどのファストファッションが日本中に拡散していった1990年代、VMDはウインドウだけにとどまらず、店内のすべてのディスプレイ演出を行うスキルにグレードアップした。
ファストファッション各社は、社員が店内すべてのディスプレイ制作・管理を担うようになっていた。
店舗のVMDスペシャリストとして、本部の発信した売場づくりのガイドラインに従い、それを店内で実行するという職種が社内に出来上がった。
これが店舗VMDという担当者である。
(本部にいてガイドラインを作る係は本部VMDという)

もうひとつは、ウインドウ重視の時代は去り、ラックやパイプハンガー、テーブルやキャビネットなどのシステム什器を使った売場面積の効率化と、商品の展開と個性的な陳列方法によるブランドの世界観演出が重視され、ウインドウは売場構成の一部になった。
ウインドウで人を引き寄せるというよりも、店舗全体で人を引き寄せるトータルディスプレイ戦略が、ウインドウ需要を降下させたのである。
また、買い物の主軸が百貨店からショッピングモールに移ったため、ほとんどの店はそもそもウインドウがない。
雨が降っても大丈夫な全天候型フロアのテナントだからだ。

社内人材をVMD担当に仕立て上げる

そんなわけで、VMDの担い手はディスプレイをつくる専門職から一般社員に移ってきた。
いまや美大卒でも服飾専門学校卒でもない、普通のOLがアパレルメーカーに入社して、見よう見まねでVMD担当になっているのだ。
先輩社員の教える売場づくりのスキルを吸収して一人前になっていくのだが、手っ取り早く、VMD学校に行くケースも目立つ。
実際のところ、当社はVMD学校「売場塾」を開催しているのだが、多くのアパレルメーカーの指定校になっていて、毎年新人OLが当校の門をたたく。

もともとメーカーでも小売店でも、何かのノウハウの伝承というものは先輩社員が担ってきた。
営業、接客、企画、提案、そして売場づくり・・・と、会社のノウハウはベテラン社員が持っていて、それを新人に教えていくという流れだった。
ところが、終身雇用制の崩れた今、データ化、マニュアル化が進み、いつ何時誰が辞めても後任に支障がないような仕組みが社内に出来上がった。
そこで売場づくりのナレッジ化が各企業で推進され、VMDのガイドラインづくりが定型化した。
VMDの集合教育・現場教育は、ガイドラインを更新して教えるための役目をしている。

今やディスプレイだけ美しくしてもモノは売れないことは、昨今の百貨店から見て取れるだろう。
ディスプレイに加えて、ショップデザイン、品ぞろえ、店頭販促までも含めて日々調整し、ガイドライン化するのがVMD担当の役目になった。
VMD担当の多能工時代の始まりなのである

多能工型のVMD

日本のメーカーや小売店のVMD担当は多能工だ。
大抵のVMD担当は起業の販促部にいてVMDを兼業としている。
日々、販促活動をやりながら、VMDの仕事をこなしている。
企業の販促活動というのは、主に下記から成り立っている。

  • 新商品の年間販促・広告プランニングと実施
  • 新商品の展示会の企画立案、実施
  • 百貨店やGMSなど商業施設内店舗の営業支援

これに加えて、前述の集合教育・現場教育・ガイドラインの更新業務が加わる。
この3つを販促の立場から解釈するとエデュケーショナル販促ということになろう。

エデュケーションナル販促とは、売場づくりを教育すること自体をメーカーの販売促進にするということである。
どういうことかというと、メーカーのVMD担当が、お得意先である百貨店やGMS、専門店に対して売場づくりの研修を行うということである。
過去にいろいろなエデュケーションナル販促を事例として掲げてきたが、もう一度ひも解くと下記のようになる。

  • 家電メーカーのVMD担当はGMSや時計専門店などのチェーン店に時計の売場づくりを教えている。
  • スポーツ用品メーカーのVMD担当は、スポーツ用品専門店にお店づくりを教えている。
  • 学生服メーカーのVMD担当は、学生服専門店に対してお店づくりを教えている。

いずれも自社商品の売場づくりを兼ねて行う。

そうして、メーカーは店内の売場の拡大を図ることができるのだ。

VMDの教育を行う人のことをVMDインストラクターという。
VMDインストラクターは独立したフリーランスの人だけでなく、メーカーや小売店の社員に多い。
メーカーや小売店の社内先生をつくることにより、自社のガイドラインをもとにテキストが作れる。
または日々の売場改善報告書からケーススタディを作って、それを蓄積しガイドラインとして後輩に教えることができるのである。
このように、ここ15年の間で、VMD担当は販促やディスプレイ業務だけでなく、教育者としての業務もこなす多能工となってきたのである。

ますます増えていく多能工

多能工が増えていく原因に、IT化がある。
VMDを空間のデザインと捉えると、ITの進化で、平面と立体のデザインが取り崩されてきている。
平面はPOPやサイン、立体は床・壁・天井デザインであるが、POPが壁に組み込まれて壁紙になったり、床がPOPになったりしている。
POPデザイナーは立体デザインもやらないと自己を伸長することができなくなってきている。

事務職や管理作業がコンピュータで誰でもできるようになった今、事務職、管理職という人種もそれほどいらなくなっているに違いない。
だから、事務もできて営業もこなす人材がこれからは重宝されていくかもしれない。
会社は、社内人材を器用な人材に養成していく時代なのである。

当社もそんな歌って踊れるVMDの人材を育成することをサービスとしてやっていきたいと思っている。
今後の売場塾に期待してほしい。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

買い物体験のつくり方

今回はダブルVMDの続編です。
リアルな体験とバーチャルな体験はどうやってつくったらよいかについて触れます。

そもそも体験とは何でしょうか。

当社の保持している日経MJの2013年から今日までの記事スクラップの中で、個性的な体験施策をしている店舗を100社抜粋してみました。
そしてこれらを、空間体験・ナレッジ体験・コミュニティ体験・プロモーション体験という4タイプに分けてみました。
これは前回の買う・学ぶ・交わるという体験行為をより整理しやすくしたものです。

買い物体験4タイプ

それでは体験をタイプ別にみてみましょう。

●●●● 空間体験 ●●●●

100社の中ではこれが一番多く、全体の66%、つまり3/2でした。
店舗デザインやMDP(ディスプレイ)を変えることによって、ブランドの世界観に浸れたり、テーマパークのような楽しさを味わうことができます。

    ・店舗デザインを堪能する

床・壁・天井・什器・照明・通路などの大道具が店舗デザインの構成要因になる。
これが変わることによって、劇場的な効果を得られ非日常の世界を味わうことができる。

    ・MDPを楽しむ

カラフルな陳列や美しいショーイングなど、ディスプレイを楽しむことができる。
スーパーやコンビニなどで見慣れた陳列ではなくて、ディスプレイ自体を見て楽しむ。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●カインズ/スタイルファクトリー/ららぽーと海老名店/内装テーマは「ライフスタイルDIYショップ」。アイテム別ではなく、例えば「楽カジ」テーマの売場があり、家事を楽にできる道具が、リビングや庭を模したスペースに展開されている。同社のPB商品の見せ方を変えた店舗。
●Sparty/メデュラ/有楽町マルイ1階/オーダーメイドシャンプーブランド「メデュラ」が体験できる店舗をマルイ1階に設置。個人の髪に合ったシャンプーを配合してくれる。物販は二の次という。店内中央に大きなシンクがあり、モノトーンの店内と調和している。
●オートバックスセブン/A PIT/オートバックス東雲/オートバックスの、家族を対象としたトキ消費店。旅と車、スポーツと車、自然と車、家族と車、安心と車、キレイと車、ガレージと車のゾーンに分かれている。ウッディなラックとミドリの人工芝に囲まれたアウトドア的なスペースの中でお茶を飲むこともできる。

●●●● ナレッジ体験 ●●●●

ナレッジとは知識のことで、ナレッジ体験は知識を得る行為と定義します。
これは全体の49%の会社が行っていました。
ナレッジ体験の傾向としては接客の延長線上にあるのが大半で、下記二つの見方があります。

●店舗側からだと

    ・カウンセリング
    ・コンサルティング
    ・アドバイス
    ・レクチャー

●顧客側だと

    ・相談する
    ・質問する
    ・勉強する
    ・知識を得る
    ・商品を試す

などになります。
通常の接客と違うところは、単なるお客様の応対ではなく、会社としてシステム化・シナリオ化しているところです。
お客様が店内に入ってから出るまでをカスタマージャーニー設計していて、その中に組み込んでいます。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ロフテー/ロフテー枕工房/本社/SF映画「コクーン」の宇宙船のような場所で1時間位いろいろな枕を試せる。睡眠改善インストラクターが最適の眠りを提案してくれる。
●そごう・西武/きれいステーション/池袋店/化粧品・化粧品雑貨・美容飲料・パナソニック美顔器などを置いた、美と健康の自主編集売場。THREEなど人気のブランドがセルフで試せる。予約をすればショートコースの無料カウンセリングやお験しを体験させてくれる。
●ヤオコー/クッキングサポート/東大和市/時短を求める主婦を対象に手軽に作れる料理法を提案。手作りギョーザキットを使った調理実演では、思わずギョーザを手に取る主婦がたくさん出現。

●●●● コミュニティ体験 ●●●●

顧客同士が店頭で交流するということです。
バイク店やディーラーの試乗会、酒店の試飲会は顧客同士を一堂に会するのでこれに当てはまります。
書店での作家のトークショーなどはファンは集まるのですが、ファン同士の交わる構成ではありません。
その場合はこれにあてはまらず、そういう意味での顧客交流は全体の6%しかなく、意外と少なかったです。
やはり見ず知らずの人といきなり店頭で交わるのは抵抗があるのでしょう。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ル・クルーゼジャポン/ル・クルーゼ/ホーロー鍋をカレーで販促。カレー教室をスタジオ併設店舗で開く。参加者同士、楽しみながらクッキングできる。
●クラフティ/蔦屋書店・フライングタイガーなど/ものづくり体験サイトのクラフティが、工芸家に体験講師の場を提供。アクセサリー工芸や革小物工芸などが好きな人が集まり、ワークショップにいそしむ。
●ラッシュジャパン/LUSH/原宿表参道店/一人2.3千円のパーティ券を購入してグループで90分間、ソープ体験ができる。泡ぶろのつくり方や顔や手足の手入れ方法などをプランナーから受講できる。

このコミュニティ体験ですが、事例を見返してみてデジタルの方が適していると思いました。
一堂に顔が見られ、話をするのが恥ずかしい人もチャットは参加してくれるので、デジタルの方がよりコミュニティが深まりそうな気がします。
ただコミュニティ体験は、プロモーショナル体験やナレッジ体験とリンクできます。
トークショーが終わったら顧客同士の交流を促すとか、チームでワークショップをさせるとか、店側が積極的に他の店内体験に仕込めばよいでしょう。

●●●● プロモーショナル体験 ●●●●

店側が販促的に行う体験のことで、イベント、キャンペーン的な要素があるものととらえてください。
店側がイベントとして仕掛ける体験です。
これは全体の38%でした

    ・ディーラーで、家族で塗り絵をするなど、商品と関係ない参加型のワークショップ
    ・VRで工場での製造工程を見る、体験スペースで音と光を堪能する、などのエキビジョン
    ・クイズに答える、アンケートに答えるなどのアトラクション

などがあります。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●旭化成/へーベルハウス/展示場/アウトドアリビングフェア。展示場にアウトドアライフスタイルを提案。屋上のキャンプサイトでハンモックに揺られることもできる。
●ABCマート/グランドステージ/原宿店/スニーカーを試着し、そのまま記念写真が撮れる「Try On & Show It」。その場にない商品を取り寄せできるロッカー完備。ゾーンも「CENTER STAGE」「BACK STAGE」など個性的。
●イオン/イオンリカー/自由が丘/サイネージを駆使してワインの情報を発信する。ワインボトルをテーブルに置くと、持ち込み可能な付近の店を案内してくれる。

4つの体験をグラフにしてみました。

企業における買い物体験の企画頻度

頻度は空間体験→ナレッジ体験→プロモーショナル体験→コミュニティ体験の順でした。
やはりコミュニティ体験は少ないです。
店頭では限界あるのでしょう。

リアル体験はそのままバーチャル体験に応用できるか

次に、これらリアル体験はそのままバーチャル体験に移行できるか探ってみました。
すると、空間体験以外は33%がバーチャルでも移行可能ととらえました。
つまりリアル体験は、工夫すればデジタルで家にいながらも体験可能なのです。
例えば、下記の事例はデジタル化できるでしょう。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●サミット/総菜総選挙/「総菜総選挙」は各部門が開発したメニューを、選挙ポスターのようなスタイルで、部門担当者がチラシに登場して訴求する人気企画。
●GU/GUスタイルスタジオ/原宿店/サイネージを駆使して好きな服を試着できる。画面に自分のアバターを設定して着せ替えが可能。GU独自のVRサービス。
●JR東日本/のもの/上野店/地域の生産者が3週間店頭に立つ。新鮮な情報が得られる。方言で接客など臨場感のある面白いシーンに出くわせる。

確かに空間体験はそこに行かなくては体験できないけれど、残り3つの体験は工夫をすれば、オンラインでできそうです。
となると、今後はリアル体験を企画する際は、リアル・バーチャル2方向を見据えたほうが効率的と言えるでしょう。
実際に、ライブコマースやオンライン試飲会などはもう普通になってきています。
今行っている店内体験がデジタルでも可能かどうか、今後は企画しといた方がよさそうです。

空間体験はバーチャルに置き換えられない

さて、バーチャルに置き換えられない体験は、空間体験となりました。
空間体験は、床・壁・天井・什器・照明・通路などの舞台大道具が構成要因になるので、劇場の中にお客様はいるようなものです。

グーグルインドアビューという手がありますが、店内をパソコンで見たくらいでは臨場感がありません。
まあ、VRの精度がディズニーランドのスターツアーズ並みになったらそうではないかもしれませんが。

例えば、売場塾のグーグルインドアビューを見てみましょう。

●売場塾のインドアビュー

どうですか。そんなに臨場感はないですよね。(笑)

今日論じたことを図でまとめます。

買い物体験の4つのタイプの図式化

これからのVMDには二つのVMDがあり、それはビジュアルマーチャンダイジングとバーチャルマーチャンダイジングでした。
空間体験・ナレッジ体験・コミュニティ体験・プロモーショナル体験の4タイプはこんなポジションになります。
空間体験は店舗のみ。
コミュティ体験はバーチャルの方が効率がよさそう。
ナレッジ体験とプロモーショナル体験は工夫すれば、リアル・バーチャルどちらでもできそう、ということです。

VMD担当はどのように買い物体験に関わるべきか

ここであなたはこう思うでしょう。
なんだか面倒くさいな、VMD担当は店頭販促も考えなければいけないの?

もしあなたがVMD専門部署にいるなら、販促部か広告会社に任せてもよいでしよう。
VMD専門部署がやることは、体験スペースを店内に組み込むという作業です。
「店内の空いたところで何かイベントやる!」という業務ではないのです。
体験をショップデザインに組み込んで視覚化することがVMD担当の役目なのです。

ただ「店内の空いたところでイベントをやる」という店は多いです。
プロモーショナル体験を行った38社のうち19社が空間体験とリンクしていませんでした。
つまり、半分の会社が「店の空いたところで何かやる」という状況に陥ってました。
これではもったいないです。
施工会社に空間デザインを丸投げせずに、来店客を体験させる場所への導線を考え、場所もゾーンに組み込み、場所のデザインも特別なものにする・・・ということをVMD担当は考え、施工会社といっしょに行うべきです。

日本のVMD担当者はほとんど販促部の中にいるので、もしかしたら体験そのものを考えるのもVMDの役目でありましょう。
空間デザインを変えてその中に他の3つの体験、ナレッジ・コミュニティ・プロモーションを組み込んだ店舗の方がより私の印象に残りました。。
集計するとその数は37社あり、うまく体験をビジュアル化させて顧客を楽しませていました。

なぜ当社のVMDは、MDP、ショップデザイン、MD、販促体験の4分野になっているのか、これで分かったと思います。

●VMDの4つの分野

「体験自体をビジュアル化する」。
これについては、また機会ある時にお話ししまょう。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)