小さい店の什器グリッドライン

最近、小さい店は、什器のグリッドライン揃えない方がいいかな、
と思っています。
什器のグリッドラインとは、通路についている丸い点線のことです。
あれから先に通路に什器が出てはダメなんですね。
通路は避難経路にもなる重要な場所ですので、
デパートやGMSにはだいたいあります。

あと、量販店にも多いです。家電店やドラッグストアなど。
ただ、雑貨店や100円ショップ、楽器店や食器店などは、
グリッドを外してもいいかな、と思います。
要はランダムに什器を並べるんです。
玩具店はよくやってます。

グリッドラインを外したらどうなるかというと、
お客様の突き当たりにワゴンのエンドが見えるんです。
グリッドライン外しているから、
奥の壁ではなくて、ワゴンが見えるんです。

エンドはシーズナル売場になっていることが多く
、季節の商品や特売、コレクションやブランド売場が多いです。
この佇まいがお客様の進行方向に見えるんですね。

その方が、お客様が売場から売場に買い歩きする、
菜の花ルートができるんですね。
菜の花とは、蝶が菜の花にフワリフワリと飛んで行くように、
買い歩きすることをいうんですが、
ランダムグリッドラインは、その効果が発揮できます。
特にインショップで壁を持っていないお店にオススメです。

というのは、什器のグリッドラインがあっていると、
通路が通り抜けてしまい、進行方向の奥の他人のお店が見えるからです。
これでは意味がない。

だから、わざとグリッドラインをズラして
エンドが見えるように仕向けるわけです。

家電店や本屋ならまだしも、
雑貨店は目的買いが少ないから、
そのようにしてもいいです。

グリッドラインをずらすもう一つの利点は、
売場がマルシェ化することですね。

什器は縦方向の高低をつけ、デコボコにして、
床へもデコボコに置くわけです。
商品陳列も投げ込み陳列と、タイト陳列を併用すれば、
マルシェ売場の完成です。

これ、MUJIラボがよく食品売場でやってますね。
特に什器の床置きはすごいです。
20cmの差でグリッドラインをズラしています。
うねるように置いていますよ。(^-^)

試しにルミネを歩いてみました。
ABC、ディズニーストア、プラザ、MUJIなどは
グリッドラインはランダムグリッドラインでした。

エンドがきれいに見えてましたよ。(^^)
ユニクロ、ピットイン、グリーンレーベルなど
はグリッドラインがあっていました。
らしいです。
いや、ピットインはランダムラインの方がらしいかな。。

今後、ゾーニングする際は、カテゴリーにより
ランダムグリッドラインを採用してはどうでしょう。
例えば、本屋でもアニメや雑貨のカテゴリーはランダムにするとか。
スーパーでも、お子様のおやつ売場はそうするんです。

振り返ると、グリッドラインが揃っていて、
端まで見える売場はシンブルですがなんか味気ないですね。
倉庫か図書館というイメージ。まあ、それが似合う店は多々ありますが。

VMD担当は、とにかく四角しばった
什器レイアウトはしないように心がけましょう。(^-^)

同品番陳列順序とゴールデンゾーンの勘違い

今日の勘違いは、同品番陳列順序とゴールデンゾーン。

さて、同品番陳列順序とは、棚への同品番のサイズ違いの並べ方です。
左から右に、小→大。
手前から奥に、小→大。
上から下に、小→大。

これが基本ですが、上から下に、はとても例外が多いんです。

というのは、ゴールデンゾーンという考え方があり、
女性伸長160cmの方が取りやすい棚は70cmから120cmです。
そこに、店側の思惑商品を置くケースが多いからです。

思惑商品とは、売れ残り、処分品、新商品、色が目立つ商品、
キャンペーン商品、お店のひいきの商品、ブランドもの・・・など
いろいろです。

確かに、棚の上の商品は小さくて、だんだん下に行くほど大きくなる
のは見た感じがいいのですが、それだけでは棚割り判断できないということです。

お客様がとりやすいところに、思惑商品を置くので、
たまたまそれが大きかったりする場合があるんです。
これ、肝に銘じないと、なんでもかんでも、上が小さくて下が大きいのがよくて、
そうじゃないとダメ!!ということはないんです。

あと、上段は、遠くから目につきやすいので、大きくてシルエットが
分かりやすい方が、来店客の回遊性を高めます。

こんなわけで、同品番の陳列順序を指導するときは、
ヨコ、オクユキはいいですが、タテの指導をするときは
気をつけてください。

さて、ゴールデンゾーンの話ですが、よくある勘違いは、
お客様の目線でよく見える棚にあるものじゃないんです。
お客様の手でよくものがつかめて戻しやすいののが
ゴールデンゾーンです。

お客様の視覚的によく見える棚は、棚手前で、高さ120cmから高さ170cm位です。
つまり視野角の範囲内です。

これは確かに物は自然に見えますが、実はとりにくいんです。
腕を曲げて、上に向けて大きく振って取らないと取れないんです。
逆にゴールデンの70cmから12cmつて、大きく体を動かさなくても取れます。
つまり、「商品が見やすい」のがゴールデンではなくて、
「商品が取れて戻しやすい」のがゴールデンなんです。

商品は目立つけど、取りにくい・・・
だから、PPの位置は170cmより上にあるんですね。
展示棚としては、ちょうどいい高さです。(^^)

わかりましたでしょうか。
本日は、VMD指導、ああ勘違い、でした!!

ああ勘違いシリーズ2

さあ、今日も、ああ勘違いシリーズ行きますか。
VMD分類からです。

VMD分類のコーナー階梯を言うときに、
大分類/色、中分類/サイズ、小分類/柄、形 などと
いうとアウトになります。というのは、小分類で、柄と形、
どちらが優先かはっきりしないので、
販売スタッフもIPつくるのに困ってしまうからです。

その場合は、こういうんです。

大分類/色、中分類/サイズ、小分類/柄、小々分類/形 です。

VMD分類ツリーの左から順に言っていくことが大事です。
ただ、枝で並列になってしまう場合は、こう言います。

大分類/色、中分類/サイズ、小分類/柄、
花柄に関しては、小々分類/形、
水玉に関しては、小々分類/パイピングあり・なし です。

だから、これを
大分類/色、中分類/サイズ、小分類/柄、
小々分類/形、パイピングあり・なし 
とスタッフに指示してしまうと、棚割りどうやっていいか
わからなくなってしまいます。
VMD分類の指示は「正確」が必要なんです。

ただ、コーナー階梯がすごく複雑になった場合は、
小々分類、小々々分類、小々々々分類・・・と続けていくと
舌がもつれるので、この場合は下記にしましょう。

第1分類→第分類→第3分類→第4分類→第5分類。

その次。
PPの勘違い、いきますか。

棚の最上段にあるものは、なんでもかんでも
PPというのはやめてください。
これ、大きい勘違いです。

そもそも、PPの定義は、「IPの見本展示」になりますから、
例えば、バッグ売場の壁面展開の最上段にあるものはPPでないことが
多いんです。
IPの延長なんですね。
だから、コーチやヴィトンの売場に行き、あれはPPだというのは間違いでしょう。
あれはIPなんです。

それから、VMD指導する際に、「PPは必ずなくてはダメ」ということはないんです。
あれば越したことがないんですが、PPつくることはマストではありません。

これ、売場塾卒業生の中でときどきいるんですが、
PPの代用品ってたくさんあるんです。
例えば、ポスター。
例えば、ブランドサイン。
例えば、ウオーターフォール陳列。
例えば、固定オブジェ棚。

古い商業施設に入ると高さ2.4mしかないフロアなんてざら。
そんな時に無理してPPつくることもないし、
ケータイ電話や洗濯機など物理的にPPつくるのが難しいです。
そんな時は、代用するモノはいくらでもあるし、遠くからの誘客を
することもできるんです。

今日の勘違いシリーズはこの辺で。
それではまた。(^^)

ああ勘違いシリーズ 「定数・定量」「テーマ」

今日は、「勘違い」シリーズです。

売場がきれいになっていることイコール定数・定量ではないです。
VMDインストラクターが初歩的に勘違いしているのは、
棚の陳列点数が少なくて、きれいに佇んでいる売場を
「定数定量になっている」と言うことです。

まずは定数定量というVMD用語の使い方。
定数定量とは
●標準的な店舗面積に、何台の什器が望ましいかという定量ルール
●VMD分類による、主にグレードによる棚への商品点数のルール
をいいます。

だから、「定数・定量がしっかりしているブランド」
「定数定量を守っている売場やフロア」とはいいますが、
「きれいな売場、商品量が少ない売場」のことではないです。

ましてや、定数とは什器の数のことですから、
棚の佇まいを見て「定数があっている」というのは、
ほとんどギリシャ語です。

VMD用語の正しい使い方をしてください。(^^)

次は、テーマのネーミング。
「このウインドウのテーマは冬です」
うーん、それでは答えになっていません。

本部が支店に「ウインドウを冬というテーマでつくってくれ」
とは言わないのです。

言うなら、
「ウインドウを、週末夫婦のゆっくり過ごすあったかリビングナイト」
というべきです。

つまり、テーマとは、ウインドウディスプレイスタッフが
ディスプレイをつくる際に、出来上がりがイメージしやすい
ネーミングが必要なんです。

本部からディスプレイの指示書を出すときに、
「冬服で冬というテーマでウインドウをつくってくれ」という
指示はないのです。

ディスプレイテーマのネーミングには、
4W1Hがないとダメなんです。
どんなときに、どんな人が、どんな方法で、どんな場所で
なんのために・・・というものなんです。

わかりましたでしょうか。
また、勘違いシリーズやりますね。
楽しみにしておいてください。