シニアVMDインストラクター資格始まりました


昨年、VMDインストラクターは、526人になりました。
おかげさまで、秋口に500名の大台を越すことができました。
これもひとえに売場塾受講生の皆様のおかげです。
ありがとうございます。

この春から売場塾は、VMDインストラクターの上の資格、シニアVMDインストラクターを発足させました。
ワンランク上を目指す方のための資格です。
VMD基本コースのVMD基本講座を受講された方はVMDインストラクター資格にトライアルしていただき、最低下記の3つの業務ができるように教授しています。
それは、下記です。

  • 店舗診断
  • 現場教育
  • 集合教育

この3つは、VMD担当者にとって大切なもので、チェーン店や得意先に対して教育したり提案したりする仕事になります。
VMDインストラクターとして起業した場合は、サービスメニューに入れたい御三家です。

さて、シニアVMDインストラクターになったら何ができるか。
それは下記VMD指導コースを見れば一目瞭然です。

●VMD指導コース

  • VMD教育指導講座で、自分オリジナルの教育カリキュラムをつくることができる。
  • ディスプレイ指導講座でディスプレイ指導や社内デコレーターを教育することができる。
  • POP指導講座で、POPのルールブックをつくることができる。

と各講座の目的が明確になっています。

シニアVMDインストラクターになったら、VMDインストラクター以上に具体的に深くVMD指導ができるということです。
よりVMDプロを目指す人に必須の資格です。

さて、シニアVMDインストラクターになると、さらに特典があります。
それは、商空間スタイリストの認定講師になれるということです。

●商空間スタイリスト講師養成講座

この講座はオーバルリンクで人気のショップスタッフ向き法人講座で、カリキュラムは、3科目9講座になっています。1講座1.5時間~2時間です。現場のVMD作業に特化しているので、販売スタッフは学んで即使えるようになっています。MDP、つまりディスプレイを主体とした研修なので、時間の6割から7割はディスプレイ実習です。楽しく学べる研修として人気です。
これがそっくり認定講師は活用できるということです。教科書の支給はもちろん、ワークショップレシピも提供するので、自宅や駅近くでVMD教室を開業したり、法人研修をすることができます。

新しくなった売場塾の新制度。
売場塾卒業生の方はもちろん、これからVMDを本格的に習いたい人もぜひ活用してください。
詳しくは、説明会や資料請求をしてみてください。
お待ちしております。

●売場塾&VMDインストラクター説明会

●売場塾資料請求

VMDを知れば、家の中もきれいになる


VMDを知るということは、空間そのものをデザインするというノウハウを得ることになります。
例えば、陳列を覚えると、食器棚やワードローブの整理ができるだけでなく、見やすくわかりやすくモノを置くことができます。
展示を覚えると、出窓やキッチンカウンターの商品を店頭のディスプレイのように飾ることができます。クリスマスやハロウインの飾りつけもバッチリ美しく飾ることができます。
テーブルのコーディネートもそう。友達との家カフェでも、喫茶店で飲んでいるようなテーブルコーデにすることができます。

VMDを身に着けるとどうして家の中がきれいになるのか、下記にまとめました。

●家具選びは什器を選ぶのと同じ
VMD担当は、ショップの什器を選ぶ時、店内のテイストに合わせます。
モダンな雑貨を扱っている店なら、モダンで都会的なテイストのする什器を選びますし、かわいい婦人服を扱っているお店なら、ガーリーでロマンチックなテイストの什器を選びます。
それと同じ感覚で、居間なら居間の、寝室なら寝室のテイストに合わせて家具を選べばよいのです。
例えば、私の家の居間はシンプルなテイストをモットーしているので、色は白、木目はメイプル、メタルならシルバーかブラック、などを条件にして、家具や家電品を選んでいます。

●食器棚やワードローブの整理は、IPと同じ
食器棚やワードローブの整理は、IPをするのと同じです。
モノを置くのに、色、サイズ、素材、アイテムなどを区分けして置くようにできます。
例えば、シャツをカジュアル、フォーマル、その中間・・・と分けて引き出しに入れ、シャツの型崩れがしないようにフォールデッド幅を合わせて互い違いに置きます。
食器棚に関しては、コーヒー茶碗を置くにしても、ヨーロッパ調と和風の棚に分け、モダン、ナチュラル、ポップなとのテイスト別に分けて置きます。
パイプにハンガーを通すときでも、高級なジャケットは5cm間隔で吊るすようにし、パーカーやデニムシャツなどカジュアルなものは3cm間隔で吊るすなど、ある程度、定量を決めて置くとよいです。

●パントリーの整理は、フェイシングやくくりを応用する
食材や化粧品などを収納するラックやキャビネットは、フェイシングやハーモニゼーションを応用するとよいです。
ハーブティや風邪薬を棚に置くときにフェイスを整え、くくりを付けると、どこになにがあるのかすぐにわかります。
基本はフェイスをまっすぐ目線に向けることです。するとラベルがよく見え、何の薬かすぐにわかります。薬も、目、鼻、口などと部位別にくくって置けば、家族にわかりやすくなります。

●テーブルプレゼンテーションで、食卓を彩ることができる
テーブルコーディネートを難しく考えず、にきれいに作ることができます。
プロップのマテリアルが、ランチョンマットに変わったと思えばよいのです。
ランチョンマットはひとつではなく複数枚を用意してレイヤードやドレープなどを駆使します。その際それに載せる食器はランチョンマットのテイストに合わせるとキレイです。
テーブルプレゼンテーションをつくる感覚で行えばうまくいきます。

●出窓やキッチンに魅力的なディスプレイをつくることができる

出窓やキッチンに、季節の到来を感じるディスプレイを作るのは、PPを制作することとなんら変わりません。タイト、ネガティブスペース、そしてトライアングルなど、MDPのディスプレイ構成を使えば、キレイで美しいディスプレイになるでしょう。
オブジェやオーナメントの選び方もほとんどPPと変わらないでしょう。
季節のテーマを決めて、それに沿ったプロップスを飾り付け、色も2.3色に絞ると魅力的なディスプレイになり、来客も微笑みます。

●キッチン壁面や書棚はオーケストレーションと同じ
キッチンの壁にフライパンやレードルを吊るしたりして、見せる壁にすることができます。
コーヒーが好きな人なら、サーバー、ドリッパー、ミルやサイフォンなどーヒー器具を使い、カフェのカウンターバックのようにディスプレイすることができます。
書斎の書棚もそうです。
書棚をシンメトリーにキャッピングして、背表紙の色別に分けて置いたり、棚に植物などのインサートオブジェを置いたりすれば、無印BOOKのような壁面にすることができます。

いかがですか、VMDを知っていると家の中も片付き、きれいになります。

店舗視察の仕方

普段、皆さんは新しい商業施設や店舗を見に行きますよね。
その時、どのようにお店を見ればよいのかについてお話します。

それには二つあり、

  1. フレームワーキング型店舗視察
  2. テーマハンティング型店舗視察
  3. 1と2の併用

があります。

順を追って説明します。

1.フレームワーキング型店舗視察

これは、買い物客目線でお店を視察し、買い物客目線で考えること。
そして売場を見てフレームワーク用語(VMD用語)を想起することです。

★フレームワーキングとは

例えばこの間、品川駅の「FOOD & TIME ISETAN」リモデル店舗に視察に行きましたが、私の好きな売り場はビールとワインです。ここは買い物客目線になります。
実際に自分が客として買い物をする場合、他店と何が違い、何がメリットなのかについて考えるのです。
例えば、昨日は下記のようなことが分かりました。

○品揃え
商品は半分以上が伊勢丹オリジナル入荷の商品。したがって他にない品揃えがある。品川にはマルエツがあるがナショナル商品と伊勢丹商品と分けて買う客が多そう。店頭FKUは減ったので、見た目のボリュームは以前の半分だが個性的な品ぞろえとリーズナブルな価格なので独身女性にも買いやすく、旅行者にもいい。
特に、書籍やアロマ、バス用品などを入口に入れて、食べて美しくなる、健やかになるなどいうテーマ売場を自然に設けたこと。これらがリレーショナルにオープンな形で続いていること。

○体験型店舗
その場で試飲試食、店員との触れ合いばかりか人と出会ったりその場にいておしゃべりなども弾むので、居心地のいいスーパーになっているということ。よくあるSCのフードコートのようになっていないこと。
ところどころでイベントをしているので、場を盛り上げたり楽しめること。ヌーボーの試飲、外国牛のハンバーガーなど、エンドを利用していろいろなイベントをしていること。
クラフトビールのバーはアメリカクラフトビールが圧巻でその場で食事をすることもできる。

こんな感じです。
もちろん、FOOD & TIME ISETAのフロアはくまなくざっと歩きますが、気になる売り場、好きな売場は長くいて、それ以外はサッと見ます。

さて、次は腰を落ち着けてどこかで、ためになったフレームワーク用語をメモします。
昨日は下記のようにメモしました。
ショップデザイン、見通し、MD、分類サイン、体験、照明、インテリアディスプレイ、フェイシング、くくり、導線、フォーカルポイント・・・。

この用語ごとに写真を撮るといいです。
文字より写真の方がモノを言います。
気を付けるのはカシャカシャ撮らないことです。
ここでは6枚くらいしか撮りませんでしたが、それで十分です。

フレームワーク用語と写真を紐づけると記録すると、復習にもなり、事例として勉強や研修もできます。

2.テーマハンティング型店舗視察

私は毎年アメリカ視察に行っていますが、こちらはほとんどテーマハンティング型視察です。毎回定点観測に行っているので、同じ商業施設を見ることが多いです。そこで、下記のように売場を見て写真を撮るテーマを決めています。
例えば昨年は下記でした。

○撮影テーマ

  • GP ・・・とくにメーカーのもの 特別売場のもの
  • マグネット売場 ・・・研究用
  • VP,PP,IPが一直線で見えるもの。VPテーマを反映している売り場
  • モザイク陳列
  • コンセントレーション
  • 核バリエーションスタイル売場
  • AP 
  • GP 
  • ツインシンメトリー
  • コントラスト配色

こんな感じです。
これは日ごろ事例を探したり、深く研究したい分野なので、どんな施設でも勤めてこの売場を探しています。
とはいえ、探偵のようにしらみつぶしにフロアを回ることはしません。
マグネット売場はMacysに多いですし、コントラスト配色はアントロポロジーに多そうだとか見当が付くので、だいたい見て回るルートは決めています。

施設ではなくお店の場合では、下記のようにテーマを決めて見学に行きます。

  • ウイリアムソノマ →テーブルプレゼンテーションとビルボードを見る
  • ブルーミングデール →ブランドコーナーの世界観の要素を見る
  • ウオールグリーン →衣食住密接のリレーションを見る

このようにある程度テーマを決めないと、時間の無駄が多いことに留意しましょう。

1と2を話してきましたが、店舗視察に慣れてきたら、3に移行するといいです。つまり、テーマを持ちながらフレームワーキングするということです。
3が私の日常の視察スタイルです。

さて、このフレームワーキング、インスタグラムでは、こちらでトレーニングできます。

●VMDインストラクター協会インスタグラム

IDはshop_space_stylistです。
スマホでトレーニングてきます。
美しいアメリカのディスプレイを見ながらVMDを鍛えてください。