普段、皆さんは新しい商業施設や店舗を見に行きますよね。
その時、どのようにお店を見ればよいのかについてお話します。
それには二つあり、
- フレームワーキング型店舗視察
- テーマハンティング型店舗視察
- 1と2の併用
があります。
順を追って説明します。
1.フレームワーキング型店舗視察
これは、買い物客目線でお店を視察し、買い物客目線で考えること。
そして売場を見てフレームワーク用語(VMD用語)を想起することです。
例えばこの間、品川駅の「FOOD & TIME ISETAN」リモデル店舗に視察に行きましたが、私の好きな売り場はビールとワインです。ここは買い物客目線になります。
実際に自分が客として買い物をする場合、他店と何が違い、何がメリットなのかについて考えるのです。
例えば、昨日は下記のようなことが分かりました。
○品揃え
商品は半分以上が伊勢丹オリジナル入荷の商品。したがって他にない品揃えがある。品川にはマルエツがあるがナショナル商品と伊勢丹商品と分けて買う客が多そう。店頭FKUは減ったので、見た目のボリュームは以前の半分だが個性的な品ぞろえとリーズナブルな価格なので独身女性にも買いやすく、旅行者にもいい。
特に、書籍やアロマ、バス用品などを入口に入れて、食べて美しくなる、健やかになるなどいうテーマ売場を自然に設けたこと。これらがリレーショナルにオープンな形で続いていること。
○体験型店舗
その場で試飲試食、店員との触れ合いばかりか人と出会ったりその場にいておしゃべりなども弾むので、居心地のいいスーパーになっているということ。よくあるSCのフードコートのようになっていないこと。
ところどころでイベントをしているので、場を盛り上げたり楽しめること。ヌーボーの試飲、外国牛のハンバーガーなど、エンドを利用していろいろなイベントをしていること。
クラフトビールのバーはアメリカクラフトビールが圧巻でその場で食事をすることもできる。
こんな感じです。
もちろん、FOOD & TIME ISETAのフロアはくまなくざっと歩きますが、気になる売り場、好きな売場は長くいて、それ以外はサッと見ます。
さて、次は腰を落ち着けてどこかで、ためになったフレームワーク用語をメモします。
昨日は下記のようにメモしました。
ショップデザイン、見通し、MD、分類サイン、体験、照明、インテリアディスプレイ、フェイシング、くくり、導線、フォーカルポイント・・・。
この用語ごとに写真を撮るといいです。
文字より写真の方がモノを言います。
気を付けるのはカシャカシャ撮らないことです。
ここでは6枚くらいしか撮りませんでしたが、それで十分です。
フレームワーク用語と写真を紐づけると記録すると、復習にもなり、事例として勉強や研修もできます。
2.テーマハンティング型店舗視察
私は毎年アメリカ視察に行っていますが、こちらはほとんどテーマハンティング型視察です。毎回定点観測に行っているので、同じ商業施設を見ることが多いです。そこで、下記のように売場を見て写真を撮るテーマを決めています。
例えば昨年は下記でした。
○撮影テーマ
- GP ・・・とくにメーカーのもの 特別売場のもの
- マグネット売場 ・・・研究用
- VP,PP,IPが一直線で見えるもの。VPテーマを反映している売り場
- モザイク陳列
- コンセントレーション
- 核バリエーションスタイル売場
- AP
- GP
- ツインシンメトリー
- コントラスト配色
こんな感じです。
これは日ごろ事例を探したり、深く研究したい分野なので、どんな施設でも勤めてこの売場を探しています。
とはいえ、探偵のようにしらみつぶしにフロアを回ることはしません。
マグネット売場はMacysに多いですし、コントラスト配色はアントロポロジーに多そうだとか見当が付くので、だいたい見て回るルートは決めています。
施設ではなくお店の場合では、下記のようにテーマを決めて見学に行きます。
- ウイリアムソノマ →テーブルプレゼンテーションとビルボードを見る
- ブルーミングデール →ブランドコーナーの世界観の要素を見る
- ウオールグリーン →衣食住密接のリレーションを見る
このようにある程度テーマを決めないと、時間の無駄が多いことに留意しましょう。
1と2を話してきましたが、店舗視察に慣れてきたら、3に移行するといいです。つまり、テーマを持ちながらフレームワーキングするということです。
3が私の日常の視察スタイルです。
さて、このフレームワーキング、インスタグラムでは、こちらでトレーニングできます。
IDはshop_space_stylistです。
スマホでトレーニングてきます。
美しいアメリカのディスプレイを見ながらVMDを鍛えてください。