売場づくりにツカエル!「閉合」の法則

「閉合」という言葉をご存じでしょうか。
群化の法則7のうちの一つの法則です。
●群化の7つの法則

閉合とは、上図のように何かを閉じるということです。
インターネットで検索すると、グラフィックの事例が多く出てきます。
ホームページのボタンをデザインするときや、文章をまとめる際に役に立つ法則です。

しかし、この閉合、売場づくりにツカエルこと多大です。
下記の様に使うことができます。

  1. 特設コーナーを作るときに使える
  2. ブランドのインショップを作るときに使える
  3. 待合スペースを作るときに使える
  4. 商品展示の整理に使える
  5. フォーカルポイントを作るときに使える

ひとつひとつお話ししていきます。

1.特設コーナーを作るときに使える

母の日コーナーやバレンタインコーナーを小売店が作るとします。
しかし、ただ単純にお菓子の什器の上に「バレンタインコーナー」とPOPを掲げるだけでは、閉じたコーナーになりません。
什器をコーナーにしなければいけないのです。
まずはL字型の什器配置にしましょう。
いわゆる入隅(いりすみ)という什器配置です。
そうすることによって、2方向からお客様が来るので、角でぶつかり客だまりができやすくなります。

上図のようにコーナーは閉じています。
これが本当のコーナー(かど)です。
さらに、コーナーの前にテーブルを置きます。
すると、コーナーはエアポケットのようにますます閉じてきます。

これに通り化を加えましょう。(上図)
奥に向かって浅草の境内通りのように、左右に什器が並んで閉じていますよね。

このように、什器配置を閉合することによって、特設コーナーを際立たせることができるんです。

2.ブランドのインショップを作るときに使える

ブランドの店内店は、ABCマートなどでよく見ると思います。
ナイキの売場、アディダスの売場はショップインショップになっています。

メーカーは、小売店のフロア内のショップインショップをつくるときに、デザインエレメンツで売場を閉じればよいのです。
サインやPOP等のデザインを統一し、それらで売場を囲えば閉合になります。

上図を見てください。

「ビタミンワッキー」のキャラクターラインを柱や什器にデザインします。

すると、柱周りの売場は「ビタミンワッキー」の店内店になりました。

3.待合スペースを作るときに使える

クリニックやコンタクトレンズの待合い、カーディーラーやヘアサロンの待合いスペースは、オープンよりもクローズした方が人目にはばかることなく、落ち着きます。

そこで、

  • 観葉植物で閉合する
  • 置物ラックで閉合する
  • ついたてで閉合する

などした方が、閉合された空間となり、他と区別ができます。

4.商品展示の整理に使える

商品陳列を棚で閉合すると、商品のVMD分類がわかりやすくなります。

下の写真を見るとわかります。
木のボックスで壁面売場をつくっています。
商品が区画整理されているので選びやすいです。

また、商品ディスプレイを閉合することによって、商品分類を明確にできます。
下の写真を見てください。

丸いランチョンマットでディスプレイが閉合されているので、とてもメリハリがついています。
特にテーブルの上の商品展示を整理するのにおススメです。

5.フォーカルポイントを作るときに使える

自動販売機で「ぜひこの商品に目を留めてほしい」という依頼があった場合、あなたはどうしますか。

下の写真のように閉合してしまえばよいです。
「ほっとあたたかーい」という帯POPで、温かいドリンクが閉合されています。
遠くから自販機を見たときに、このくくりがとても目立つフォーカルポイントになります。

フォーカルポイントとは、客の目をある一点に引き付けることを言います。
●フォーカルポイントとは

まとめ

閉合の使い方、だいたいわかりましたでしょうか。
群化の法則って便利ですね。

今後も追及していきたいと思っています。

なお、群化の法則セミナーは、年に2回センスアップセミナーで行っています。
タイミングありましたら、ぜひお越しください。
●センスアップセミナー 群化の法則

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

よいディスプレイ構図の見分け方

今回はディスプレイの構図についてお話しします。
まず写真から行きますね。
上の二つの写真について、どちらの構図が優れていると思いますか。
最初の写真をA、2枚目の写真をBとします。

答えは~、Aです。

なぜAの構図がいいのか、それは下記の要素が関係しています。

  • 等分割パターン
  • 構造線
  • リーディングライン
  • ストッパー

各要素を詳しく解説します。

等分割パターンとは

等分割パターンとは、写真や絵を等分割に区切って、その間に人物や静物、背景などのエレメンツを配置していく手法です。
等分割になっていると、人は安心します。
誰でもバームクーヘン切るとき、当分使に切りますよね?
それはバランスがよく安定しているからなんです。

同じように、ディスプレイや絵や写真も、構成要因が等分割になっていると、バランスは安定するので、見る人は気持ちよく鑑賞できるんです

例えば、このゴジラのディスプレイ、安定して見えるのは等分割になっているからなんです。
線を入れてみます。

下記を見てください。正確に言うと、縦6分割・横3分割になっているディスプレイでした。
テーマは「ゴジラ砲撃開始」。

さて、先ほどの写真に等分割線を入れてみます。
下の写真2枚を比べてください。どちらも縦4分割・横5分割です。

上の1枚目Aの写真を解説します。
カレンダーが縦2/3、そして上半分にほぼ収まっています。
手帳は中央の縦3枠、そして下半分に収まっています。
グラスはちょうど縦1/5に収まっていますね。つまりバランスがいいということです。

2枚目のBはどうでしょうか。
カレンダーは、縦4枠・横4/3の中に納まっています。手帳は全体が見えませんが、縦4枠・横1/4に収まっているのがわかります。
グラスはAと同じく縦1/5に収まっています。
つまりこちらもバランスがいいです。

A,Bとも等分割に関してはイーブンでした。

構造線とは

今度は構造線について解説します。構造線とは、ディスプレイのエレメンツ(構成物)に線を感じることです。
線がほどよく配分されていると、そのディスプレイはバランスよく安定して見えます。
構造線を配分することをリニアスキームといって、ディスプレイ構成のテクニックひとつです。

リニアスキーム、忘れた方はこちらをご覧ください。
●リニアスキームとは

さて、Aに構造線を書き込んでみました。線が赤いグラスに向かっていくのがわかりますか。
カレンダーの有色のラインが斜め下に落ちていくのがわかります。
手帳の上部分とカレンダーの裾の線もグラスに注がれています。
そしてペンもグラスに向かっていますよね。

この写真は構造線のバランス、とてもいいです。

今度はB。
構造線はAと同じようなラインを保っているのがわかります。
つまり、これも赤いグラスが帰結点になっています。

構造線に関しても二つともよくて、今度も引き分けです。

リーディングラインについて

今度はリーディングライン(視線をリードする線)で比較します。
こちらも忘れた方は下記をご覧ください。
リーディングライン

実はAの写真の中には、グラスよりも大きなフォーカルポイントがあります。
それは、カレンダーです。背景が暗いのに、カレンダーは日光を浴びて明るく、コントラストがついています。
しかも、2という数字が大きく目立ちます。
だから人の目は、最初にこの2の部分を含めたカレンダーに行くんです。

そして、リーディングラインが注がれていく赤いグラスに視線は移動します。
すると、今度はグラスの下からニョキッと突き出ているペンに気づきます。
人の視線は思わず、斜め左下に動きます。

さて、この後、視線はどこに行くのか?
手帳のふちが上に跳ね上がっていますよね。
だから、人の目も上に跳ね上がって行きます。

そしてどこに行くかというと、観葉植物の葉っぱに行くんです。
そしてその葉はカレンダーを向いています。
ここで人の目はディスプレイを一周したことになります。

お客様がこれだけディスプレイを見てくれたら、ディスプレイ制作者はうれしいですよね。

写真Aはとてもよいリーディングラインを持っています。
人の目を、時間をかけてディスプレイをなめるように誘導するからです。

今度はBを見てみましょう。
Aと同じように、カレンダー→グラス→ペン・・・と視線はリードされているんですが、ストッパーがないために写真の外に視線は逃げてしまいます

つまり、ディスプレイを見る時間がAよりも短くなってしまうんです。
観葉植物も陰になっていて目立たないですよね。

つまり、リーディングラインに関して言うと、BよりもAの方が優れていたんです。
結果、Aの方に軍配が上がるのでした。

まとめ

今日は、構図についてお話ししました。
このような構図の配置は、ショーウインドウでディスプレイを制作する際に非常に役に立ちます。
構図をうまく作れば、お客様の視線を長い間くぎ付けできるからです。

この続きは、「センスアップセミナー ディスプレイ構成4」で詳しく語ります。興味ある方は、ぜひお越しください。オンライン開催です。(^^)

●センスアップセミナー ディスプレイ構成4

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

テイストミックスが個性をつくる

ルックアンドテイストとは、着た時に他人が見た服の感じ方です。ルックは正統派のスタイル、テイストはルックの一部を取り入れた〇〇ぽいという感じをいいます。

例えば、サファリルックとは、下記です。

  • 色は茶色・カーキ・サンド
  • 柄はゼブラ、レパードなどアニマル柄
  • パッチポケット付きジャケット
  • キュロット(半ズボン)
  • ハンチングシューズ

サファリテイストは、サファリぽいという感じですので、着ている服の中に上記の要素がいくつか入っている状態を指します。

あなたが服を買う時、リビングルームの家具を選ぶとき、ポスターのデザインをするとき、意識するしないに関わらず、何らかのテイストを持っていることでしょう。

テイストとは感じ方をいいます。

それは別に

  • ストリート
  • マリン
  • カントリー
  • ガーリー

みたいなファッション用語のような感じ方でなくても、

  • ホテルぽい
  • 野性味のある
  • 鉄のように冷たい
  • 人工的な

みたいに、感覚的な感じ方でもいいです。

私たちVMDインストラクターは、こうしたルック言葉やテイスト言葉を企画書やディスプレイ指示書、あるいは店舗改装パースなどに使って、どんな広告にするのか、どんなコーディネートにするのか、どんな店にするのかプレゼンしています。

その方が、クライアントにデザイン意図が伝わりやすいからです。

売場づくりをする際にテイストを統一した方がいいということは以前に下記で述べました。
●わかりやすいアパレルショップとは

しかしながら、単一ルックや単一テイストだけだと個性がありません。

そこで、テイストミックスという手法を使って、出来上がりをより個性的にするとよいです。

例えば、マリン一つとっても、いろいろなマリンがつくれます。

  • ストリート・マリン
  • エレガント・マリン
  • スポーティ・マリン
  • トラッド・マリン など。

どういう風に作るかというと、各々のテイストパーツをミックスすればいいんです。
テイストパーツとは、テイストを構成する部品という意味です。

例えば、マリンとストリートのテイストパーツは下記です。

●マリンのテイストパーツ

  • 色はネイビーと白
  • 柄はボーダー
  • ピージャケット
  • デッキシューズ
  • パーカー
  • キャンバス地

ストリートのテイストパーツ

  • 色はカーキ、モスグリーン
  • デニム生地
  • カーゴパンツ
  • スタジャン
  • ジャージー

上記パーツをそれぞれミックスします。

●ストリート・マリン

  • 水色とモスグリーンのボーダーTシャツ
  • 白いカーゴパンツ
  • カーキのパーカー
  • ダンガリーシャツ

すると、見た目はストリート・マリンというミックススタイルになります。
要は各々のテイストのパーツを上手に足していけばいいんです。

例えばこれは、エレガントとナチュラルのミックス。
ピンクのエレガント柄の食器に、コルクや枝という自然素材を使っています。

これはエレガントとマリンです。
グラデのある和紙と青と白のシンプルなボーダーの組み合わせです。

これはクラシックとモダン。
柄はすべてクラシックですが、アクリルプレートがモダンになっています。

このように、色や柄、素材やカタチのそれぞれテイストが違うものを組み合わせれば、あなたオリジナルのデザインテイストになります。
テイストミックスをしていけば、きっとセンスアップすること間違いなし!!

さらに成長したい方はセンスアップセミナーにお越しください。~(^^)
●オンライン・センスアップセミナー

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

コロナ禍の売場づくりはマップラバーが有利

分類サイン

■マップラバーとヘイターとは

maploverは、地図を好む人と言う意味です。
お店に入ったら、店頭のフロアレイアウトでだいたい行く売場を決めて、お目当ての売場に行き、モノを買う。
時間をかけて店内を回遊するよりも、短時間で効率的に買い物したい人のことを言います。

maphaterとは、地図が嫌いな人、と書きます。
とりあえず、お店に入っていろいろな売場を物色し、ゆったりともの探しをして、買って帰る人のことを言います。



■マップラバーに対しての売場づくり

マップラバーに対しての売場づくりは、店内案内板や売場インデックスをしっかりつくることです。
天井から下がっている大分類サインや、什器上の中分類サイン、棚の中の仕切り版の小分類サインが文字通り、目的の売場への道しるべになりますので、これら案内POP・サインのフロア設置がとても重要になります。

什器レイアウトもわかりやすくします。
什器がまっすぐ整列されていて、主通路・副通路が見ただけでわかり、分類サインも高低差・前後のグリッドが合っていて、売場の番地を探しやすくします。

■マップヘイターに対しての売場づくり

一方、マップへイターは、店内案内板や売場の分類サイン・POPに目もくれずに我が道を行きます。サインやPOPを見るのが面倒で、カンや雰囲気で歩いているのですが、最後にはちゃんと目的のものを見つけます。

こういう人は、雑貨店やクラフトショップなど、売場がきれいに整列していないお店でも大丈夫です。なんとなく、行きたい方向に行ってなんとなくモノを探します。
マップへイターにとって重要なのはリレーションになります。

つまり、売場と売場のつながり、モノとモノのつながりです。ワイン売場の横に食器売り場がある、食器売り場の横にレシピ本やグルメ本がある・・・・そんな売場配置です。


■コロナ禍の売場づくりはマップラバーが有利か

さて、コロナ禍の今、お客様の店内滞在時間が下がっています。
凸版印刷の調査では、買い物客の滞在時間は下記の様に変化しています。

数値は コロナ前 → コロナ後
・20分未満の客の割合 ・・・32% → 46%
・30分以上の客の割合 ・・・32% → 21%
・毎日買い物する割合 ・・・22% → 12%

コロナ禍においては、なるべく買い物に行かない、行ってもあまり店内に長居したくないようです。

さっと店に入ってさっと帰るという購買形態では、やはりマップラバー型の売場づくりが有利。
当社のフレームワークでは下記を有効に活用するといいです。

・見通しの良い店内
・通路はまっすぐ
・PPや分類サインが目につく
・商品の陳列くくりが明確
・導線は単純に
・商品フェイスを多くする


などです。

あなたのお店の来店客はマップラバー、マップへイター、どちらですか?
買い物客を考察して、どちらを取りこんだら自店に有利か、一度考えてみましょう。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

PPとインテリアディスプレイの見分け方


この写真をみてください。
ABCストアの酒売場です。
すごくきれいですね。

くくりはわかりやすいし、ハーモニゼーションもいいです。
(くくりとハーモニゼーション、忘れた方はこちら)

さて、クエスチョンです。

●最上段のディスプレイは、AまたはBのどちらでしょう。
A PP
B インテリアディスプレイ

答えは、「B」。

そう、最上段のボトルは単なるインテリアディスプレイなんです
PPと言っても間違いではないのですが、厳密に言うと、インテリアディスプレイなんです。

改めて、PPとインテリアディスプレイの定義を振り返りましょう。

●PP
ポイント・プレゼンテーションと言い、売場の商品ディスプレイのこと。
IP(陳列のこと)の商品を紹介するための展示物で、IPの上部の棚につくることが多い。
役割は、店内のお客様を回遊させるためにある。


●インテリアディスプレイ
店舗・売場・商品の世界観を醸成するために設えたディスプレイ。
商品や店舗ブランドのイメージを増幅させる働きがある。


もうひとつ、別のABCストアを見てみます。
この最上段にあるディスプレイは、PPでしょうか。

いいえ違います。
これもインテリアディスプレイなんです。

PPのルールを振り返ってみましょう。
IP(陳列のこと)の商品を紹介するための展示物で、IPの近くにつくる。
特に売場の最上部につくることが多い。

あなたはこう思うかもしれません。

いいや確かに、PPだ。
最上段のボトルはIP部分にもあるよ。
しかも什器の最上段にあるし。
だからこれはPPだ。

でも、PPの定義を振り返りましょう。
「役割は、店内のお客様を回遊させるためにある」

そう、PPは店内を歩いているお客様を売場に引き寄せる力がないとダメなんです。
さっきのお酒売場から8mは離れて撮影した写真を見てみましょう。

離れてPPを見てみると・・・。
そうだな~、びんがあるのはわかるけど、何が置いているかわからない・・・。
酒を売っている売場というのはわかるけど。

そう、このPPは遠くから見てもわからないんです。
原因は、商品が小さすぎることにありました。
だから、このPPはPP足りえないんです。

下の写真を見てください。
今度はこのPPをズームアップしました。

これでも何の商品を訴求しているか、わからないですよね。
それでいいんです。
これはインテリアディスプレイなので、お酒を飲んでいる楽しいシーンが感じられればいいんです。

このように、小さな商品はPPにそもそも不向きなんです。
8m離れてPPを見ても商品がよくわからないので。
酒、メガネ、スマホ、ジュエリー、目覚まし時計、カメラ、ワイングラス、化粧品・・・。
このような商品は小さいのでPPに不向きな商品なんです。

じゃあ、PPに向いている大きな商品て何なの?
その質問にお答えします。
今度は、別のABCストアのTシャツ売場のPPを見てみましょう。


このPPを6m離れてみてみます。

こちらはTシャツのPPが6m離れても、デザインとか色はわかりやいですよね。

わかりましたか。
ボトルとTシャツの違いは、商品の大きさです。
Tシャツの方がボトルより断然大きいので、遠目から見ても商品がわかりやすいんです。

なので、ボトルをPPとして最上段においても、遠目から何が置いてあるのかわからないため、インテリアディスプレイにしているんです。

今度はインテリアディスプレイの利点を見てみましょう。

1. 売場の商品の世界観を醸成する
2. 店舗デザインの一部にすることができる


ひとつひとつ、事例を挙げて説明します。

1. 売場の商品の世界観を醸成するインテリアディススプレイ

例えば、このお菓子のガラスケースのディスプレイ。
「ショコラ・オ・ウィスキー 」という、ウイスキーが素材として入っている生チョコのインテリアディスプレイです。


ガラスケースの中に、ショコラ・オ・ウィスキーの商品が展示されています。
でも目立つのは、商品よりも本とウイスキーボトル。
ジャムのびんのようなものが「ショコラ・オ・ウィスキー」なのですが、ほとんどディスプレイの主役になっていません。

そう、これはインテリアディスプレイなので、商品が目立たなくてもいいんです。
書斎でひとりゆっくり読書を飲みながらウイスキーを飲むシーンのような世界観を醸し出しています。
大人男子のチョコと言うことですね。

もしこの商品のPPを正しく作るならば、生チョコを主役にし、下記の商品特徴をディスプレイ表現しなければいけません。

●アルコール分の高いガナッシュ(生チョコ)
●世界の有名ウイスキーが素材として入っている
●スプーンですくって食べる


そのために、ガナッシュのソフトなペースト感が感じられるサンプル展示、または演出POPが必要ですし、商品が主役になるように、たくさん並べて商品ボリュームを出すことが必要でしょう。

しかし、この展示を見る限りでは、前出した3つの特徴はまったくわかりません。
「ウイスキーを販売しているのかな」「ウイスキー会社とタイアップしているのかな」
と思ってしまうのがオチです。

しかし、インテリアディスプレイと捉えるならば、これでよいのです。
なぜならインテリアディスプレイはイメージ訴求のためにあるからです。



これは「ファウンドリー」というお菓子屋さんですが、りんごが並んでいますよね
その下にフルーツを漬けてあるびんが並んでいます。

これは別にりんごを売っているわけではないです。
フルーツポンチを売っているわけでもないです。
そう、アップルパイをイメージしたインテリアディスプレイなんです。
このお店、この時期はアップルパイを看板商品にしているんですね。

このりんごとびんは、文字通り店内インテリアディスプレイになっています。


2. 店舗デザインの一部にすることができるインテリアディススプレイ


これは、タリーズコーヒーのインテリアディスプレイ。
これならインテリアディスプレイとわかると思います。
喫茶スペースの落ち着いていてノーブルなイメージを醸し出しているインテリア的なディスプレイです。

文字通り、店舗デザインの一部になっています。
店内の販売商品は絡んでいないので、純粋なインテリアディスプレイですね。


これはPP、それてもインテリアディスプレイ??



これはハワイのディーンアンドデルーカですが、このディスプレイ、微妙ですね。
一見、インテリアディスプレイぽいのですが、しっかりハワイ特製のオリジナルバックを訴求しています。

そう、これはPPなんです。
商品が主役になっていて、「HAWAII DEAN & DELUCA」という文字がばっちりわかります。
これはトートーバックのPPでした。

私もハワイに行ったときに、これゲットしました。
このトートー、お土産として人気高いです。


今回はインテリアディスプレイとPPの違いをお話ししました。
PPをつくる前に、本当にPPにするのか、インテリアディスプレイをつくるのか、はっきり決めて制作してくださいね。
あやふやなディスプレイは、お客様にその意図が伝わりにくいです。

関連ブログはこちら

●PPの役割

●PPは写真で代用もできる


(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

顧客目線にパラダイムシフトしよう

パラダイムシフト

この絵をじっと見てください。何が見えるでしょうか。

美人の後ろ姿。毛皮のコートを羽織っている。
ベールとネックチーフをつけている。
とてもおしゃれな女性だと思うかもしれません。

今度は、別の角度から見てみましょう。
何が見えるでしょうか。

あらら、今度は老婆の顔に見える!!?
そう、鼻が大きく顎が突き出た容姿の老婆の姿がに見えます。

あまりにも有名なこの絵を書いてみました。(^^)
心理学の本で出てきます。
ビジネス本が好きなあなたは、マーケの本で見たかもしれません。
パラダイムシフトの説明に出てくる絵なんです。

去年のVMDセミナーでこの絵を見せたら、知らない人もいて思ったよりウケました。

さて、パラダイムシフトとはなんでしょう?
パラダイムシフトとは、今までの見方を変えることで既成の概念が劇的に変化することをいいます。

パラダイムシフトは、売場づくりをしている方に重要なキーワードです。
今度はディスプレイの写真で解説します。
この写真を見てください。

ハワイ空港のディスプレイ

このディスプレイは、私がハワイのホノルル空港に降り立った時、通路にありました。
何に見えるでしょうか。

「なんかのディスプレイだな」
「お菓子のディスプレイなのかな」

と見える人は、あなたでしょう。
または空港関係者かもしれません。

しかし、旅行者である私には
「持ち込み禁止の食品のサンプルを置いているんだな」、
「なにかのあまりものを一時的に置いているのかな」

と見えました。

そして、改めてVMDインスタラクターの目線でこれを見てみました。
1分じっと眺めました。そしてわかりました。
そう、これはディスプレイだったのです。

どうしてこれがディスプレイだとわかったというと、下記の点でした。

ディスプレイ上部にポスターが掲示されていて
「Look for the seal of Ouality and Take Home Best」
と書かれていました。
日本語で、「このシールを見て。ハワイ州が公認しているハワイのお土産だよ」
ということでした。

そうなんです。
これはハワイのお土産を紹介するディスプレイだったんです。

たぶん、このディスプレイをつくった人は、素敵なハワイのお土産PRコーナーをつくった!!
と満足だったのでしょう。

しかしながら、ハワイに降り立った私のような旅行客には、ディスプレイには見えなかったんです。

これは先ほどの老婆の絵と同じ。
自分ではきれいに書いたつもりの美人の横顔が、お客様には醜い老婆にみえてしまったんです。
ダニエル・ホノルル空港のVMD担当の方、早いとこ、パラダイムシフトしてください。
だれもが美人顔に見えるディスプレイに直す必要があります。

今言ったことをフリップに書いて要約します。
必要なことは、お店目線を顧客目線にパラダイムシフトすることです。

売場づくりのパラダイムシフト

パラダイムシフトがなんたるかわかったら、VMDインストラクタートレーニングしてみます。
今度は生の売場を見てみましょう。用意はいいですか。

ここは大阪の老舗鰹節店「丸与」さんのお店。
256年の歴史を持つ由緒あるお店です。
外観レトロの素敵な門構え、素敵ですね。
●店舗外観

店の中に入ってみましょう。
昭和レトロな雰囲気がなんか心地よい!!
●店内

オーケストレーション(壁面のディスプレイ)はこれです。
●オーケストレーション

さて、あなたにクエスチョン!
これを見ているあなたはお客様だと仮定します。
あなたは、壁面のディスプレイをどう見ていますか。

顧客目線で見ているあなたはこう思うでしょう。
「ここの店主、NHKのどーもくんが好きなんだな」
「昔のそろばんと木箱が置いてあるな」

と。
「ほのぼのしてていいな、個人商店って感じがするな」
とも思うかもしれません。

しかし、店主のパラダイムは違いました。
もう一度、拡大した壁面のディスプレイをて見てください。
●壁面ディスプレイ

今度はお店目線で見てください。

実は、店主のパラダイムはこうでした。

左棚のディスプレイは、
「歴史的な重みを出すために、昔のそろばんと鰹節削り器を展示した。
古い台帳も展示したから、老舗感が感じるだろう」

右棚のディスプレイは、
「うちは老舗の有名店なので、NHKや民放がたくさん取材に来ている。
有名なタレントもよく来ている。なので、PRとして記念写真を置きました」

そう、これはお店のブランディングの一巻のディスプレイだったんです。

あなたがVMDインストラクターなら、お店目線・顧客目線のパラダイム両方を理解できます。
そして、下記のように行動を移します。

お店目線と顧客目線とパラダイムのギャップがあるな。
お店は美人画をつくったつもりだけど、醜い老婆になっている。
下記を改善してディスプレイをきちんと美人に見せないといけないな。

そして、下記のようにフレームワーキングを駆使して改善指導をします。

  • テーマ
  • フェイシング
  • ディスプレイ用品
  • 構成
  • POP編集
  • サイン編集

すると、店内のディスプレイは美人になりました。
めでたし、めでたし・・・。

わかりましたでしょうか。パラダイムシフト。
あなたが店主や店舗スタッフなら、顧客目線にパラダイムシフトしなければいけません。
なぜなら、今のままの店づくりなら、あながどう美人に売場づくりをしても、顧客には老婆にしか見えないからです。

丸与さん、VMDがんばってくださいね。
何かあったら、VMDインストラクターを呼んでください。(^^)
大阪にはたくさんのVMDインストラクターがいます。

ちなみにフレームワーキングとは、当社のVMDメソッドです。
●フレームワーキング(R)

パラダイムシフトに役立つ手法です。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

顧客戦略「インテリジェント・コンシューマー」とは

顧客戦略マトリクス

コロナ禍で百貨店や専門店が取るべき道は、ズバリ顧客のインテリジェント化です。
消費者を賢くし、結果生活が豊かになるインテリジェント・コンシューマーにしましょう。

インテリジェント・コンシューマー戦略は、顧客をいつまでもお店につなぎとめておける策なんです。
そのためには、百貨店・専門店は上図の「自己満足客」を育成し、まずは「レビュワー」に成長させ、チューターに導かなければいけません。
上図はそれを表しています。

今回は、ワインをよく飲んでいる私が顧客モデルになりました。(笑)
ワイン専門店における顧客4つのクラスターについて解説していきます。

●自己満足客
接客を伴う専門店・百貨店で買い物をすることが満足という客。
ワインを買いに行くのはスーパーやコンビニだったけれども、ヴィノス山崎に行ったり、百貨店のエノテカコーナーで買ったりした客。
専門性の高い店員がいるので、安心して買えるとともに、勧められたワインがおいしので、とても満足!!という客。

ここでおいしいワインを提供された客は、次もその店にいくかもしれません。
価格はいつもより高いけど行くだけの価値はあるので、ハレの日(誕生日やクリスマス)だけ行ってもいいなと思うようになります。
しかし、まだスーパーや通販で買う比率が高く、そちらにドロップアウトしてしまうかもしれません。

この客をキープされてリピート率を高めるには、レビュワーに客を昇華させなければいけません。
自己充実客でもいいのですが、レビュワーにした方がお店の宣伝になるからです。
自己充実客はクローズド、つまり店や商品の情報を公にするということはしません。

●レビュワー
買い物行動や買った商品、店内体験などを発信してくれる客。
ツイッターやfacebbok、ブログなどでレビューしてくれる。

  • おいしいワインを買った!と言ってSNSで商品や店を紹介する
  • 友達や知り合いとの会話の話題に、商品や店を出す
  • グーグルマップやぐるなびに投稿し店を紹介してくれる

ただ、すべての顧客が情報を発信するわけではありません。
SNSは見るだけという人もいるし、今まで通りスーパーのワインで十分という人は、何かのきっかけがない限り店に訪れるということはないでしょう。
ドロップアウト、つまり全く行かなくなる、ということもあり得ます。

●自己充実客
店が顧客管理を怠らない限り、自己満足顧客のワイン生活はますます充実していきます。

  • ワインに合ったつまみをペアリングするのも覚えたし、甘い・辛いなどその日の気分で味をセレクトもできるようになった
  • クリスマスワインとして食卓に出すといつも家族に喜ばれる
  • ワインブックを作って記録している

など、ワインに関して自己充実している客。

お店や商品の情報はまったくオープンにしないけれど、店や商品との関係において充実している客です。
この場合、店は顧客がますます充実できるサービスや情報、体験を提供すればよいのです。

●チューター
インテリジェント・コンシューマー戦略のゴールはここです。
客がワインのにわか先生になって他の客を集め、ワインの楽しさを教示してくれます。

  • パーティをするときにワインの由来や産地の豆知識を教えたり、ワインの買い方を参加者に教える
  • お茶会など何かの集いの時に、店の話題を出していいワインを教えてくれる
  • 店主宰のワインセミナーに、友人をたくさん集めて参加してくれる

チューターとは、ちょっといいことを教えてくれるにわか先生のことです。
チューターは店のPRを担ってくれる上に集客してくれるので、最重要顧客に位置します。

このような客は、店内体験を主宰する側に回らせるとよいです。
つまり顧客の代表として発表の機会を与え、インテリジェントな気分にさせてあげる、そうすることで店とチューター客は太いパイプで結ばれるのです。

顧客戦略マトリクス2

とはいえ、上図を見てください。
チューター層はごくわずかな客なんです。
すべての客が、にわか先生になりたいと思ってないからです。
顧客は自己満足・自己充実客が大半を占めると思って過言ではないでしょう。

なので、お店はすべてのお客様をチューターに導く意識はあっても、強制的に導くことはできないのです。
客の性格は人それぞれだからです。
店は、獲得した顧客をこの4つのクラスターのどこに落とすか、客と付き合いながら考えていかなければなりません。

さて、余談です。
ここで私が通っている、私の家の近くのワイン店の店内体験を紹介します。
私はどのクラスターに属すでしょうか。

●ヴィノス山崎
生産地・生産者・品種、味と香りなどこと細かに書かれた「持ち帰り商品POP」を商品棚に設置している。
接客も丁寧、ときどきワイン試飲会をしており、顧客のレビュワー化、チューター化に余念がない。
例えば、このPOPでワインブックを作っている私は、おいしいワインをツイッターにアップしている。
私はヴィノス山崎のレビュワーだった。

●成城石井
種類が豊富で、コスパのいいワインが多く、商品切れが少ない。
成城石井はスーパーだが、私の中ではワイン専門店の部類に入っている。
ただしこの店での接客はまったくなく、環境的にスーパー。
成城店や麻布十番店くらいに行かないと、接客する人はいないし、ワインを持ち込めるバーもない。(グローサラント形式)
私は自己満足客である。
私が麻布十番店の顧客だったら、レビュワーになったかもしれない。

●信濃屋
ここも種類が豊富で、コスパのいいワインが多く、商品切れが少ない。
ただ店内の雰囲気は昔の酒屋のよう。
販促用のマネキンスペースは大きく取られていて、いつも行くとワイン通でない人がマネキンや店員をしている。
10年の間、ここで店員と話したのは1回くらいしかない。(笑)
ただ、コスパのいいワインは8種類くらいあり、その常連客になっている。
私は店をレビューするよりも、商品をレビューする方が多いレビュワーである。

●柳屋
うちの日本橋オフィスの近くにあるワイン店。
カリフォルニアとニュージーランド産ワインに特化している。
定期的にワイン飲み会を2階で開いており、近くのOLもよく参加をしている。
売場塾の生徒になにかと話題にしているので、ここのレビュワーになっているかもしれない。
ただ一元さんの店ぽいので、ワイン飲み会に参加するのに勇気が必要で、まだ参加していない。

まとめです。
顧客を自己満足客からチューターまで進化させることによって、より顧客をつなぎとめることができ、店の売上も安泰になります。

どこの専門店も自己満足まではキープできているものの、レビュワーやチューターへ客を進化させるには、いろいろな策がいるということです。
そのためには、店内買い物体験を企画・実施することです。
企画の仕方はこちらを振り返ってみましょう。

●オリジナル買い物体験企画の仕方
https://vmd-blog.oval-link.co.jp/archives/1171

いかがですか、インテリジェント・コンシューマー戦略。
今日はワイン店を例にとりましたが、ワインが紅茶・お茶・化粧品・時計・文具・メガネ・食器・・・などなど別の専門店になっても活用できます。
ぜひ考えてみてください。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

オリジナルな店舗体験をつくろう

買い物体験のつくり方 バーチャルマーチャンダイジングの図

先々月は、リアル店内体験のタイプについてお話ししました。
さて、ここで皆さんが知りたいのは、店内体験ってどうやって企画すればいいのか。
お金かけずにできる体験はどのタイプか。
どのタイプの体験が自店に相性がいいのか、などだと思います。
順を追って話しましょう。

●●●● 体験は空間体験が前提 ●●●●

上図を見てください。
店舗の中には「空間体験」「ナレッジ体験」「コミュニティ体験」があります
「空間体験」というのは、店舗というハコで売っている小売店が顧客に提供する必須の体験です。

空間体験は、ハコをどのようにデザイン演出するかがキーとなります。
いくら商品に人気あるからと言って、蛍光灯の天井下に会議机を並べて売っているような店は気を付けた方がよいです。
自店のブランド感とは何なのか、いま一度考え直してみましょう。

ただ、勘違いしてはいけないのが「改装にカネをかけてハコをカッコよくつくればいい」という安直な考え方です。
それに、店舗デザイナーや施工会社に外注する金銭的余裕がない店舗もたくさんあります。

コストをかけずにハコを変えるにはどうすればいいか。
それは、ある程度のキレイさは保ちつつ、ディスプレイと組み合わせてハコのたたずまいをきれいにするということです。
床・壁・天井・什器・照明の5大大道具のうち、壁と什器に注目し、それにディスプレイを加えます。

  • 壁・・・壁紙を変える
  • 什器・・・什器デザインを変える
  • ディスプレイ・・・オーケストレーション(壁面の集合ディスプレイ)を設計する

これだけで空間は見違えるようになります。
かかるのは什器代くらいで、あとはDIYでできます。
オーケストレーション設計の仕方はこちらを読んでください。

●オーケストレーション設計

●●●● ナレッジ体験 ●●●●

再び上図を見てください。
「空間体験」がなんとかできたら、残りは「ナレッジ体験」「コミュニティ体験」です。
しかし、あとは「ナレッジ体験」だけを考えればけっこうです。

「コミュニティ体験」は顧客を店内に一堂に集めなければできないので、スペースが必要でコストがかかります。
しかも、前回言った通りデジタルと相性がいいので、バーチャルマーチャンダイジングに任せるといいです。

さて、「ナレッジ体験」とは、お酒やお茶、化粧品やカー用品など、暮らしや健康、趣味といった自己に役立つ知識を得られるという体験です。
特に専門店は商品を売るだけでなく、商品を通してどんな暮らしができるかというソリューションを提供する店なので重要です。

ナレッジ体験を推進するためには、ずばりプロフェッショナルプロモーターが必要です。
ただのプロでなくて、プロプロです。

化粧品は美容部員、お茶はお茶インストラクター、ワインはソムリエ、カー用品はエンジニア・・・とプロのプロモーターをお店に駐在、あるいは定期駐在させることが必要です。
これらの人がいないと、ナレッジ体験施策はできません。
ナレッジ体験を来店客にさせたい小売店の方は、自分か従業員をプロプロにすることが必要です。

例えばあなたが酒店店主でクラフトビールに関してのナレッジ体験を作りたかったら、最低一人のプロプロが必要です。
クラフトビールを100種飲んで自分なりに理屈をつくるとか、クラフトビールテイスターの資格を取るとか、プロプロになることが必要です。
単に「俺はビールを飲んでる」だけじゃダメなんです。

プロプロの例は前回の100社調査でもたくさんあって、例えば下記のような感じです。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ヤマダ電機/LABI LIFE SELECT/立川/ヤマダ電機の体験型店舗業態。デジタルサポートステーションと称したカウンタがありデジタル機器の相談や修理を行う。近隣に訪問するコンシェルジュ訪問サービスも試験的に導入していて、電気に詳しいプロがコンサルしてくれる。
●ウイングドドウイール/ウイングドドウイール/表参道/1000種類ある紙を試すことができる。ガラスケースの中に標本のように紙が並ぶ。ウエディング需要が8割だったが、大切な手紙を書くという需要に応じている。
●東急ハンズ/東急ハンズ/新宿店4F/4階コーヒー器具売場に販促ブースを設置。向井さんというスタッフがコーヒーのプロプロになっていて、定期的にコーヒーの淹れ方を披露している。おいしいコーヒーも堪能できる。

ナレッジ体験のキーワードは、体験スペースをつくること、そして座らせることです。
店内の空いたスペース、例えば90cm幅の通路でスタッフと顧客が立ち話・・・というのでは、ナレッジを伝えることができません。
他の客の迷惑になるし、あまり長話になると「ここは一元さんだめなのかな」と他のお客様は思ってしまいます。

体験するのに、相談カウンタを置く、洗顔用シンクを設置する、ミニセミナーコーナーをつく・・・などのスペースの確保が必要ですし、パーテーションをつくる、やぐらを設置する、ブース化する・・・などの体験スペースらしい見た目の工夫が必要です。

例えばこんな感じです。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ロフテー/ピローウイーカフェ/東武百貨店池袋店/スイーツみたいなピンク色の売場。まくらがさながらお菓子のように陳列されていて見るだけで楽しい。
●インク/インクのコーナー/港北TOKYUショッピングセンター/シャープペンやホチキス、消しゴム、紙などお試しできる。その数10万点。「各社のボールペン験し書き」などイベントも行う。
●ファンケル/ファンケル/銀座スクエア/血管測定で血管内の健康状況を教えてくれる。体力測定ができるフロアもあり、健康ドリンクも有料で飲むことができる休憩スペースもあり。

早い話が、体験を「見える化」するということです。
私が以前企画したインテリアショップは、「すわり心地」というテーマで体験できるスペースをつくりました。

●すわり心地体験

ラフィネリビングさんの場合は、座り心地のプロを店内に配置し、ソファの中身のバネや緩衝材、間取り、ファブリックのデザイン、足の種類を選べるようにオーケイストレーション設計しました。

さて、社内プロをつくって体験を見える化できるスペースをつくったら、あとはプロモーション化するだけです。
ナレッジ体験をなんとなく行うのではダメで、台本をつくらなければいけません。

●企画する ●シナリオをつくる ●セリフをつくる ●小道具を用意する ●回数と時間、参加人数などのKPIを決める

あなたが一商店主でも、企業のプロモーション部長のように企画書を作り、台本をつくってください。

●●●● オリジナルな体験のつくり方 ●●●●

ナレッジ体験のつくり方がわかったら、いよいよ貴店独自のナレッジ体験を立案する番です。
それには、ブランドの7ポジショニングを整理するといいです。
それは、
①企業 ②商品 ③販売チャネル ④サービス ⑤財務 ⑥人材 ⑦広告 です。

ブランドの7ポジショニングはショップコンセプトをつくる際のフレームワークなんですが、体験企画を考える時にも使えます。

早い話、これを自店オリジナル体験のリソース項目として使うんです。
自店の7つのリソースをまず書き出すといいでしょう。
そこが出発点になります。

この7つのリソースの活用例は、店ではなくホテルの例を挙げて話します。

「一泊二日でねぶた祭りを体験できる」というナレッジ体験を施している星野リゾート「青森屋」の例が一番わかりやすいと思います。

この体験企画のリソースは、7ポジショニングのうち、①企業 から来ています。
星野リゾートは、「その立地にある文化と伝承を使って旅人を魅了する」という企業ですから、当然発想は、青森にある立地からして「ねぶた祭」に行きつきます。
これは④のサービスにもリンクしていて、「文化を体験する」という星野リゾートのサービスに帰結しています。

次に⑤財務と⑥人材なんですが、「人件費をかけずにイベントを行う」ということから、当然ホテルスタッフが直接祭を執り行うこととなり、黒子としてではなく、自ら踊ったり唄ったりしています。
これは星野リゾートの⑤の人材の「マルチタスク」という理念がベースになっているからできることなんです。
他のホテルなら踊り子を雇うところなんでしょうが、星野リゾートは一人が複数の役割を兼務しています。

体験のつくり方、だいたいわかりましたか。
このように、ブランドの7ポジショニングを企画のリソースに使えばいいんです。
安易に、「縁日の金魚すくい」や「塗り絵をして遊ぼう」なんて企画しないでくださいね。
体験は、あなたのお店だからこそできるオリジナル企画ではないと意味はないですから。

今日は、店内体験を同企画するかについてお話ししました。
キーワードは下記です。

  • 空間体験
  • ナレッジ体験
  • プロモーション化
  • プロプロ
  • 体験7つのリソース

ぜひ、あなたのブランドならではの体験を企画してみてください。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

買い物体験のつくり方

今回はダブルVMDの続編です。
リアルな体験とバーチャルな体験はどうやってつくったらよいかについて触れます。

そもそも体験とは何でしょうか。

当社の保持している日経MJの2013年から今日までの記事スクラップの中で、個性的な体験施策をしている店舗を100社抜粋してみました。
そしてこれらを、空間体験・ナレッジ体験・コミュニティ体験・プロモーション体験という4タイプに分けてみました。
これは前回の買う・学ぶ・交わるという体験行為をより整理しやすくしたものです。

買い物体験4タイプ

それでは体験をタイプ別にみてみましょう。

●●●● 空間体験 ●●●●

100社の中ではこれが一番多く、全体の66%、つまり3/2でした。
店舗デザインやMDP(ディスプレイ)を変えることによって、ブランドの世界観に浸れたり、テーマパークのような楽しさを味わうことができます。

    ・店舗デザインを堪能する

床・壁・天井・什器・照明・通路などの大道具が店舗デザインの構成要因になる。
これが変わることによって、劇場的な効果を得られ非日常の世界を味わうことができる。

    ・MDPを楽しむ

カラフルな陳列や美しいショーイングなど、ディスプレイを楽しむことができる。
スーパーやコンビニなどで見慣れた陳列ではなくて、ディスプレイ自体を見て楽しむ。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●カインズ/スタイルファクトリー/ららぽーと海老名店/内装テーマは「ライフスタイルDIYショップ」。アイテム別ではなく、例えば「楽カジ」テーマの売場があり、家事を楽にできる道具が、リビングや庭を模したスペースに展開されている。同社のPB商品の見せ方を変えた店舗。
●Sparty/メデュラ/有楽町マルイ1階/オーダーメイドシャンプーブランド「メデュラ」が体験できる店舗をマルイ1階に設置。個人の髪に合ったシャンプーを配合してくれる。物販は二の次という。店内中央に大きなシンクがあり、モノトーンの店内と調和している。
●オートバックスセブン/A PIT/オートバックス東雲/オートバックスの、家族を対象としたトキ消費店。旅と車、スポーツと車、自然と車、家族と車、安心と車、キレイと車、ガレージと車のゾーンに分かれている。ウッディなラックとミドリの人工芝に囲まれたアウトドア的なスペースの中でお茶を飲むこともできる。

●●●● ナレッジ体験 ●●●●

ナレッジとは知識のことで、ナレッジ体験は知識を得る行為と定義します。
これは全体の49%の会社が行っていました。
ナレッジ体験の傾向としては接客の延長線上にあるのが大半で、下記二つの見方があります。

●店舗側からだと

    ・カウンセリング
    ・コンサルティング
    ・アドバイス
    ・レクチャー

●顧客側だと

    ・相談する
    ・質問する
    ・勉強する
    ・知識を得る
    ・商品を試す

などになります。
通常の接客と違うところは、単なるお客様の応対ではなく、会社としてシステム化・シナリオ化しているところです。
お客様が店内に入ってから出るまでをカスタマージャーニー設計していて、その中に組み込んでいます。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ロフテー/ロフテー枕工房/本社/SF映画「コクーン」の宇宙船のような場所で1時間位いろいろな枕を試せる。睡眠改善インストラクターが最適の眠りを提案してくれる。
●そごう・西武/きれいステーション/池袋店/化粧品・化粧品雑貨・美容飲料・パナソニック美顔器などを置いた、美と健康の自主編集売場。THREEなど人気のブランドがセルフで試せる。予約をすればショートコースの無料カウンセリングやお験しを体験させてくれる。
●ヤオコー/クッキングサポート/東大和市/時短を求める主婦を対象に手軽に作れる料理法を提案。手作りギョーザキットを使った調理実演では、思わずギョーザを手に取る主婦がたくさん出現。

●●●● コミュニティ体験 ●●●●

顧客同士が店頭で交流するということです。
バイク店やディーラーの試乗会、酒店の試飲会は顧客同士を一堂に会するのでこれに当てはまります。
書店での作家のトークショーなどはファンは集まるのですが、ファン同士の交わる構成ではありません。
その場合はこれにあてはまらず、そういう意味での顧客交流は全体の6%しかなく、意外と少なかったです。
やはり見ず知らずの人といきなり店頭で交わるのは抵抗があるのでしょう。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●ル・クルーゼジャポン/ル・クルーゼ/ホーロー鍋をカレーで販促。カレー教室をスタジオ併設店舗で開く。参加者同士、楽しみながらクッキングできる。
●クラフティ/蔦屋書店・フライングタイガーなど/ものづくり体験サイトのクラフティが、工芸家に体験講師の場を提供。アクセサリー工芸や革小物工芸などが好きな人が集まり、ワークショップにいそしむ。
●ラッシュジャパン/LUSH/原宿表参道店/一人2.3千円のパーティ券を購入してグループで90分間、ソープ体験ができる。泡ぶろのつくり方や顔や手足の手入れ方法などをプランナーから受講できる。

このコミュニティ体験ですが、事例を見返してみてデジタルの方が適していると思いました。
一堂に顔が見られ、話をするのが恥ずかしい人もチャットは参加してくれるので、デジタルの方がよりコミュニティが深まりそうな気がします。
ただコミュニティ体験は、プロモーショナル体験やナレッジ体験とリンクできます。
トークショーが終わったら顧客同士の交流を促すとか、チームでワークショップをさせるとか、店側が積極的に他の店内体験に仕込めばよいでしょう。

●●●● プロモーショナル体験 ●●●●

店側が販促的に行う体験のことで、イベント、キャンペーン的な要素があるものととらえてください。
店側がイベントとして仕掛ける体験です。
これは全体の38%でした

    ・ディーラーで、家族で塗り絵をするなど、商品と関係ない参加型のワークショップ
    ・VRで工場での製造工程を見る、体験スペースで音と光を堪能する、などのエキビジョン
    ・クイズに答える、アンケートに答えるなどのアトラクション

などがあります。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●旭化成/へーベルハウス/展示場/アウトドアリビングフェア。展示場にアウトドアライフスタイルを提案。屋上のキャンプサイトでハンモックに揺られることもできる。
●ABCマート/グランドステージ/原宿店/スニーカーを試着し、そのまま記念写真が撮れる「Try On & Show It」。その場にない商品を取り寄せできるロッカー完備。ゾーンも「CENTER STAGE」「BACK STAGE」など個性的。
●イオン/イオンリカー/自由が丘/サイネージを駆使してワインの情報を発信する。ワインボトルをテーブルに置くと、持ち込み可能な付近の店を案内してくれる。

4つの体験をグラフにしてみました。

企業における買い物体験の企画頻度

頻度は空間体験→ナレッジ体験→プロモーショナル体験→コミュニティ体験の順でした。
やはりコミュニティ体験は少ないです。
店頭では限界あるのでしょう。

リアル体験はそのままバーチャル体験に応用できるか

次に、これらリアル体験はそのままバーチャル体験に移行できるか探ってみました。
すると、空間体験以外は33%がバーチャルでも移行可能ととらえました。
つまりリアル体験は、工夫すればデジタルで家にいながらも体験可能なのです。
例えば、下記の事例はデジタル化できるでしょう。

事例(企業名/店名/店舗名/内容) =========================

●サミット/総菜総選挙/「総菜総選挙」は各部門が開発したメニューを、選挙ポスターのようなスタイルで、部門担当者がチラシに登場して訴求する人気企画。
●GU/GUスタイルスタジオ/原宿店/サイネージを駆使して好きな服を試着できる。画面に自分のアバターを設定して着せ替えが可能。GU独自のVRサービス。
●JR東日本/のもの/上野店/地域の生産者が3週間店頭に立つ。新鮮な情報が得られる。方言で接客など臨場感のある面白いシーンに出くわせる。

確かに空間体験はそこに行かなくては体験できないけれど、残り3つの体験は工夫をすれば、オンラインでできそうです。
となると、今後はリアル体験を企画する際は、リアル・バーチャル2方向を見据えたほうが効率的と言えるでしょう。
実際に、ライブコマースやオンライン試飲会などはもう普通になってきています。
今行っている店内体験がデジタルでも可能かどうか、今後は企画しといた方がよさそうです。

空間体験はバーチャルに置き換えられない

さて、バーチャルに置き換えられない体験は、空間体験となりました。
空間体験は、床・壁・天井・什器・照明・通路などの舞台大道具が構成要因になるので、劇場の中にお客様はいるようなものです。

グーグルインドアビューという手がありますが、店内をパソコンで見たくらいでは臨場感がありません。
まあ、VRの精度がディズニーランドのスターツアーズ並みになったらそうではないかもしれませんが。

例えば、売場塾のグーグルインドアビューを見てみましょう。

●売場塾のインドアビュー

どうですか。そんなに臨場感はないですよね。(笑)

今日論じたことを図でまとめます。

買い物体験の4つのタイプの図式化

これからのVMDには二つのVMDがあり、それはビジュアルマーチャンダイジングとバーチャルマーチャンダイジングでした。
空間体験・ナレッジ体験・コミュニティ体験・プロモーショナル体験の4タイプはこんなポジションになります。
空間体験は店舗のみ。
コミュティ体験はバーチャルの方が効率がよさそう。
ナレッジ体験とプロモーショナル体験は工夫すれば、リアル・バーチャルどちらでもできそう、ということです。

VMD担当はどのように買い物体験に関わるべきか

ここであなたはこう思うでしょう。
なんだか面倒くさいな、VMD担当は店頭販促も考えなければいけないの?

もしあなたがVMD専門部署にいるなら、販促部か広告会社に任せてもよいでしよう。
VMD専門部署がやることは、体験スペースを店内に組み込むという作業です。
「店内の空いたところで何かイベントやる!」という業務ではないのです。
体験をショップデザインに組み込んで視覚化することがVMD担当の役目なのです。

ただ「店内の空いたところでイベントをやる」という店は多いです。
プロモーショナル体験を行った38社のうち19社が空間体験とリンクしていませんでした。
つまり、半分の会社が「店の空いたところで何かやる」という状況に陥ってました。
これではもったいないです。
施工会社に空間デザインを丸投げせずに、来店客を体験させる場所への導線を考え、場所もゾーンに組み込み、場所のデザインも特別なものにする・・・ということをVMD担当は考え、施工会社といっしょに行うべきです。

日本のVMD担当者はほとんど販促部の中にいるので、もしかしたら体験そのものを考えるのもVMDの役目でありましょう。
空間デザインを変えてその中に他の3つの体験、ナレッジ・コミュニティ・プロモーションを組み込んだ店舗の方がより私の印象に残りました。。
集計するとその数は37社あり、うまく体験をビジュアル化させて顧客を楽しませていました。

なぜ当社のVMDは、MDP、ショップデザイン、MD、販促体験の4分野になっているのか、これで分かったと思います。

●VMDの4つの分野

「体験自体をビジュアル化する」。
これについては、また機会ある時にお話ししまょう。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

コロナ後のVMDはバーチャルマーチャンダイジングとの併用

アフターコロナの新しい生活様式が模索される中、今日はコロナ後の売場づくりはどうなるかについてお話しします。

私が書いているVMDの書籍では冒頭で、「体験はリアルな売場でしかできない」と述べていました。
セミナーの冒頭でもよく口にする言葉でした。

●オーバルリンクのVMD書籍

最近は同じ様な体験が家でもバーチャルにできるようになってきました。
すなわち、バーチャルマーチャンダイジングの登場です。

体験はリアル、バーチャルどちらでしても顧客は「買う行為」はできるようになってきました。
今後は二つのVMDが両立するようになるでしょう。
買い物は下記のような構造になると考えます。

●VMD=ビジュアルマーチャンダイジング
場所/ 店舗
体験/ リアル体験
体験の3要素/
・買う
・交わる
・学ぶ

●VMD=バーチャルマーチャンダイジング
場所/ 店舗以外・主に家
体験/ バーチャル体験
体験の3要素/
・買う
・交わる
・学ぶ

チャートにすると上記になります。

ビジュアルマーチャンダイジング、バーチャルマーチャンダイジング、この二つのVMDを両立させることがこれからのVMDの在り方だといえます。
店舗で何かを買うことは体験そのものですが、体験はリアル体験とバーチャル体験のタイプがあり、両方とも3つの体験の要素があります。
まず、リアル体験から述べていきます。

●●●● リアル体験の買う・交わる・学ぶ ●●●●

買う Pharchase Experimece

買うというのは、単に金を払うだけでなく、店内を歩いていろいろな売場に接し、たくさんの種類の中から好きな商品を選ぶという行為で、それはまさに体験です。
例えば下記のようなものです。

  • 心地よいBGMをバックに店内をそぞろ歩く
  • 素敵なディスプレイに目を見張る。
  • いろいろな柄の中から自分の好きなものを選ぶ

交わる Communication Experience

交わるというのは、ショップスタッフの接客もありますし、顧客同士が交わるということもあります。
交わることによって商品のよさがわかったり、使い勝手も理解でき、ファンの育成・持続にもなります。

  • ショップスタッフから説明を聞く (通常の接客)
  • サロンに通されて話をじっくり聞く (VIPな接客)
  • 生産者・設計者から話を聞く (専門家のトークショー)
  • 顧客同士の交流 (ファンの集い・試食イベント)

例えば、酒店はワイン試飲会を店舗のカウンターで行っていて、たくさんの顧客の交流を促進しています。
バイク店は試乗会を開いてバイク好きなファンの交流と育成を行っています。

学ぶ Knowledge Experience

学ぶというのは、商品と商品を取り巻くものについて学ぶということです。
コーヒーひとつ、アロマひとつとっても、学ぶことによって知識を深め、商品を使ってよりよい生活に結び付けていくというのは現代人の買い方と言えます。
学ぶとは、StudyというよりもKnowledge、つまり知識を得るための行為と考えてみてください。

  • グローサラント化したスーパー店内の料理人からレシピを学べる
  • 美容部員を通じて自分の健康増進策を化粧品店美容カウンターで学べる
  • コーヒー淹れ方POPパネルで、コーヒーの抽出法を学べる

これらリアル体験の3要素、買う・交わる・学ぶは、コロナ下の昨今、店外のバーチャル空間に引っ張ることが必要になってきています。
今度はバーチャル体験の3要素を見ていきます。

●●●● バーチャル体験の買う・交わる・学ぶ ●●●●

買う Pharchase Experimece

アマゾンや楽天などを利用して最初からネットで買う行為とは別に、店とネットで連動する買い方とは下記のようなものがあります。

  • 店内で試着・試飲して、専門店サイトで後で買う (ショールーミング)
  • 持ち帰りのものと、重いもの・かさばるものは分けて買う (ネットスーパー)
  • 店頭で興味が沸いた商品のQRコードをスマホに記録して、後で検討して買う (家電店のQR・POP)

交わる Communication Experience

コロナ下で、ZoomやMeetsを使ってショップスタッフとやり取りしたり、ファン同士を集いが交わる機会が加速しています。

  • 店頭での肌のお手入れプロモーションをネットで中継する (ライブコマース)
  • ソムリエと顧客同士のワイン試飲会 (Zoomによるウエブミーティング)
  • 車メーカー設計者によるネット交流会 (Meetsによるウエビナー)

学ぶ Knowledge Experience

上記の「交わる」には「学ぶ」要素も含まれており、買う・交わる・学ぶはリンクするものと考えてください。
いろいろな業態のうち、専門店は特にこれら体験の3つの要素を深く用いていますが、コンビニでさえも、RFIDやQRコードで商品情報をゲットできるので、店を出た後でゆっくりスマホで閲覧して商品を学ぶことができます。
しかもわからないころがあれば、ライン等で店とすぐにつながり面と向かって質問もできるようになりました。

買う場は、リアル・バーチャルどちらでもよい

ビジュアルマーチャンダイジングでは、いかに通行人を店内に導きモノを買わせるかに重点を置いてきました。
買わせることがVMDの最終目的だったわけですが、必ずしも店内で買わなくてもよい時代になりつつあります。
これからは買うスペースはリアル・バーチャルどちらでもいいのです。
こんな時代、VMDインストラクターはどのように売場づくりを行えばよいのでしょうか。
デジタルの専門知識も携えなければダメなのでしょうか。

答えはNOです。
あくまでビジュアルマーチャンダイジングはリアル店舗のノウハウなので、バーチャルの方は別の担当・専門部署に任せればよいでしよう。
ただし、ある程度の知識を身につれることと、別の担当や専門部署との連携は必要です。

大事なのはバーチャル部署との連携

リアルはリアル部署、バーチャルはバーチャル部署だけで販売業務を行うよりも、それらをリンクさせた方が相乗効果が期待できます。
いわゆる、OMOやオムニチャネルの考え方ですが、二つのVMD理論は、二つの担当部署あるいは担当者の連携という、ヒューマンリソースを土台にした理論だと思ってください。

つまり、今まではオンラインはIT部、またはCRM部に任せきりで、店舗はそれの販促をちょっとやるというスタンスでしたが、リアルVMD←→バーチャルVMDは担当者同士、相互依存の形で進まないといけないです。
例えば、今後考えられる施策を二者がどのように連携したらよいか、下記に述べてみます。

例1 グーグルストリートビューによる連携
インドアビューで店内を見ることができる昨今、店舗に行く前または後で店内商品を吟味することができるようになります。
アプリFlic360を使用すれば、ビュー内の写真をクリックすればそのまま買うことが出ます。
この場合のリアルVMD・バーチャルVMD担当の連携の仕方は下記になります。

・リアルVMD担当は、インドアビュー店内の導線・マグネット売場・オーケストレーションをプランし、打ち出し商品に目が行くように店内インスタレーションを行う。
・バーチャルVMD担当は、画面の商品クリックから自社の購買サイトにシームレスに移行する軌道をつくり、効果測定をする。
ビュー内歩行距離とクリック数、コンバージョン数などの測定を図り、効果が薄い時はVMD担当と話し合い、導線や什器レイアウト、ディスプレイなどを変えていく。

例2 facebookとインスタグラムのShops機能による連携
アメリカでは今年、facebookとインスタグラムにて店舗オーナーが無料で販売サイトをつくることができるようになります。
機能アプリ「Shops」をダウンロードして、売りたい商品写真を画面上に自由にレイアウトし、そこから自社の販売サイトに導くことができます。
この場合のリアルVMD・バーチャルVMD担当の連携の仕方は下記になります。

・リアルVMD担当は、打ち出し商品をVP,PP,テーブルプレゼンテーションに展示し、そこに「Shops対応商品」という名目でShopsカタログ商品掲載ページののQRコードを設置する。
・バーチャルVMD担当は、自社のfacebook、インスタグラムで店の展示を紹介するとともに、画面下に「Shopsカタログボタン」を設置し、クリックすることにより商品ページにジャンプでき購入できるようにする。
店頭QRコードからの購買率とバーチャルのみの購買率を比較することによる効果測定をし検証する。

このように、コロナ後の世の中は、二つのVMD、ビジュアルマーチャンダイジングとバーチャルマーチャンダイジングをセットで考えて行くことが必要になってきます。
VMDインストラクターの皆さん~、そんな世の中に対応できるように情報武装していきましょう!!

来週行われる「オンライン大阪売場塾VMDなるため説明会」では、これからのビジュアルマーチャンダイザーはどうあるべきか?も語ります。
興味ある方はぜひご参加ください。

●オンライン大阪売場塾VMDなるため説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)