MDグループが売場で来店客にウケないときはどうしたらいいか

今日は、MDグループが売場で来店客にウケないときは
どうしたらいいか、お話しします。

MDグループとは、売場のカタマリと思ってください。
ゾーンやカテゴリーという大きなくくりではなく、コーナー展開くらいの
カタマリと考えてください。
さて、皆さんは店内にいろいろなコーナーを
つくられていることと思います。

●デニムコーナー
●リゾートコーナー
●パーティコーナー
●ニューカマーコーナー
●ワンピを中心としたコーデコーナー
●カラーを押さえたきれいめカジュアルコーナー
●麻混素材とストレッチのセットアップコーナー

・・・・と、
MD(お店の自慢の品揃え)グルーブを週ごとに七変化させて、
お客様を魅了するコーナーをつくっていることと思います。

しかしながら、ウケないコーナーも存在します。
せっかく、トレンド・来店客の声・本部の指示・自分なりの組み立て
をしつつ、苦労して作ったコーナーがお客様に
ウケないケースも多々あります。
そのままでは、その売場だけブラックホールになるどころか、
店内回遊を途切れさせ、フォーカル売場を消滅させ、
暗い店舗になってしまいます。
ダークサイドがじわじわ店内に広がっていくような感じですね。

「お客様のこのコーナーへの立寄りがないな」
「このコーナーの商品の売上が全然ない」
などと思ったら、黄信号。
黄信号がともったら、コーナーの再編成に着手しなければいけません。
とはいえ、ゾーン全体を引っ掻き回したら、徹夜か半日かかるほど
の大仕事となり、お店に与えるリスクは大。
リスクがない、手軽にできるコーナーの再編成で、
手っ取り早いのは下記です。

●早めに打ち切る ●他といっしょに混ぜる 
●他に追加する ●他を追加する。

ひとつひとつ解説します。

●早めに打ち切る 
すごく単純な答えですが、コーナーをばらす、消滅させるしかありません。
空間の無駄を素早く省くんです。

●他といっしょに混ぜる
他のアイテムをコーナーに持ってきてしまいます。
例えば、リゾートカジュアルのコーナーをつくっても、
1週間なんか商品が売れないとなった時、
→リゾートカジュアルにプレッピーアイテムを加えて
上品リゾートカジュアルにする
→リゾートカジュアルにデニムアイテムを加えて
ゆったりデニムリゾートカジュアルにする
などします。

●他に追加する
リゾートカジュアルを他のコーナーと合併することにより、
テイストを変えて見せます。
例えば、アロハコーナーがあったとしたら、そこに加えて
リゾートカジュアルをトロビカル・リゾートカジュアルにする
などします。

●他を追加する
これは異アイテムを追加するということです。
異アイテムとは、服ではありません。
ベルト・サングラス・バッグなどの服飾雑貨がやりやすいです。
雑貨ゾーンかのW陳列をすればよいでしょう。

いかがでしたでしょうか。

この4つ以外にも、コーナー変革の方法はいくらでも考えられます。
あなたのお店が商業施設に入っていたら、フロアまわりのコーナーのテーマが
何か受けているか見てみましょう。

お客様にウケているコーナーにヒントが隠されていると思いますよ。
増税後初めて迎えている大型セール週間、GW商戦、
がんばってくださいね。

VMDインストラクターのモニター期間

最近は、VMDインストラクターの資格を取って独立される方が
多くなってきました。

日本に、売場づくりという職業人をたくさんつくることが
当社の狙いなので、それはうれしいです。

でも、VMDインストラクターになったからと行って
即仕事がうまくいくとは限りません。
独立した方のVMDの収益は、クライアントあってのことですので、
まずはクライアントを探すこと。
そして仕事を請け負い、クライアントに満足していただくこと。
そして最後にお金が入ってくるのです。

クライアント満足、
これが大事です。
「先生に来てもらってよかった~」とか
「先生のおかげで売り上げが伸びた!」
となると、お金をもらってお客様も満足して
頂けるという、ダブルのうれしさがみなぎるでしょう。

それがVMD独立後の糧となり、さらに成長していくきっかけになると
思います。

ただ、お金をすぐもらえるのは、VMDの経験が豊富か、以前流通で
売り場づくりに関わっていた方が多いと思います。
VMD未経験で一から独立して仕事をされる方は、最初のお金を取ることが
とても難しいかな、と思います。
そんな時はやっぱりモニター期間が必要ではないかな、と思います。

モニター期間とは、「先生になるための助走期間」です。
VMDインストラクターになって、名刺にその肩書をつければ、
仕事がうまくいことは限らず、やっぱりVMD経験がある人の方が
スムーズに仕事をこなしていきます。

VMDコンサルになって、現場指導や会議室でプレゼンしたり
企画書を書いたりするのは慣れが必要だと思います。
企画書をかけなかったり、プレゼンしたことのない方は
結構いるのではないでしょうか。
本部VMDの方だったら、そういう経験はいくらでもありますが、
販売員だった方や主婦を長くやっている方は、慣れるのに大変だと思います。

その慣れる期間は1年くらいだと思いますが、この期間、
仕事の金額より、「慣れるための時間投資」と考えた方がいいです。

VMDコンサル料を高めに設定して、何も仕事が来ないよりも、
無料にしてどんどん仕事をとって、プランをして、コンサルをして
・・・とどんどん経験を積んでいく。
つまり、時間投資をされた方がいいかな、という感じです。

VMDのお仕事初心者の方、
特に「おうち起業」されているような方は、おススメします。

最初は「見習い価格」で行っている期間だということを
クライアントに言えば、それで失敗しても無料ならクライアントは
文句を言わないはずです。
そのうちに、仕事にだんだん慣れて、それからお金を取った方がいいです。

かくゆう私も創業したての頃は、「無料店舗診断」をよくしていましたよ。
その後、力をつけていき、普通に料金を取るようになったのです。
(今は無料はまったくやっていません、すみません~)

昔はVMDというと、デコレーターの先生に見習いとして入り、徐々に
力をつけていったもの。
今は、デコレーター=VMDではなく、どちらかというと売場づくりの
コンサルタントになりますので、誰かの弟子になる・・・と
いうのが難しい時代です。

だとしたら、自ら「モニターキャンペーン」をして、修行価格を
つけ安くしてたくさんのクライアントを獲得し、たくさんの経験をしていって、
本当のプロになっていけばいいでしょう。

独立している、VMDインストラクターの皆さん、最初はとにかく経験です。
お金は二の次にして、時間を買いましょう。1年二年、モニター期間を設けて
力をつけていくのです。
そしたら、きっとプロのVMD職業人になって大成すると思います。(^^)

頑張ってください。~

VMDインストラクターが使う、売り場作りの言葉

VMDインストラクターがやってはいけないことの中に
「専門用語を使いすぎる」というのがあります。

VMD用語ばかりを使ってスタッフへの現場教育をするケースは
ほとんど、VMDインストラクターが何を言っているのか、
スタッフは思います。

VMD用語は、プロ用語ですので、VMDインストラクターは
VMDを伝える相手のレベルに合わせなくてはいけません。
VMDを知らない方にVMD用語を使っても、相手にとって
ギリシャ語になります。

例えば、
「IPをバーチカルループにして、
色相環順に商品をフェイスアウトして並べてください。
ネガティブスペースは2cmです」
といってもスタッフはわからないでしょう。

専門用語というのは、実はその用語を普段使いしている人にしか
わかりません。
例えば、釣り用語を使った会話を言ってみます。

「ミドルレンジにフローティングしているバスを、サスペンダーで
ツイッチ、バイトさせましょう」と釣りの先生が、釣り初心者に
言っても何のことかわかりません。

この場合、
「池の水面と底の、ちょうど真ん中を泳いでいるブラックバスを
中層を泳がせる疑似餌を使って、糸を急速に引っ張ったり
離したりしましょう。すると、魚が疑似餌を食べてくれますよ」
と言わなければ初心者にはわかりません。

さて、先ほどの「IPをバーチカルループにして、
色相環順に商品をフェイスアウトして並べてください。
ネガティブスペースは2cmです」を
意訳してみます。

「商品の種類ごとに、タテの陳列にくくって、虹色の順番に、商品を
表を前にして並べましょう。商品と商品の間は2cm開けてください」
これが正解です。

わかりましたか。
VMDインストラクターの方は、専門用語を使えばプロ、
と思わないでください。
どんなスタッフ、それが主婦でも学生のスタッフでも、売場づくりを
わかりやすく伝えるのがプロなんです。
専門用語は、プロとプロが会話する場合、スタッフが高度なVMD教育を
受けていている場合以外は、普通の言葉に変換してください。

例えば、現場スタッフを集めた集合教育では、プロ用語はご法度です。
VMD用語を普通の言葉に置き換えて講義します。

講義のレジメもそうです。
よくディスプレイセミナーに使われている、この本も
実はVMD用語はまったくありません。
VP,PP,IPという言葉すらありません。
すべて「陳列」「展示」という言葉で書いています。(^^)

売場塾はVMDプロを目指す方の学校なので、
この専門用語を使いこなす授業が多いです。
専門用語は55以上でてきます。
最初は初心者として売場塾に入ったけれど、
卒業時にはたくさんのVMD用語を知っていて、
それが使いこなせるようになれます。

専門用語を使いこなすことにより、VMDという学問を深く知り、
そのうえで、相手のレベルに合わせて用語を使い分けるように
しましょう。