月刊メルマガ200号になりました


2004年から続いている、オーバルリンクの月刊メルマガ「売場のブランディング」が今月で200号になりました。
読者の皆様、ありがとうございます。

200という区切り、よいですね。
何かを続けるという言葉いいものです。
オーバルリンクもVMDの事業を続けて来年度、なんと15周年になるんです。
2003年7月にVMD専門の会社として創業して以来、今年の7月で15年目になるんです。

続けるっていいですね。~
昨年は、売場塾というVMDの学校を続けて50期になり、生徒はのべ600名になり、VMDインストラクター資格取得者は500名になりました。
数字でひとつの区切りをつけるというのは、一里塚みたいで達成感があります。
これからも、オーバルリンクは「生活者と企業を快場で結ぶ」会社として、社会に貢献したいと思います。

さて、メルマガの第200号は、「APで商品をわかりやすく展示する」です。
あなたは、タイヤ店からVMDコンサルの依頼があったら、タイヤのディスプレイ、どのようにアドバイスしますか。
または、デジカメ売場やネズミ捕り(レーダー)探知機売場のディスプレイは、どうやってアドバイスしたらよいでしょう。
こんなとき、AP(アーチクル・プレゼンテーション)という手法を知れば、誰にでもわかるディスプレイがつくれるようになります。

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VMDのディスプレイ、PPの勘違い

 

MDPの基本、VP,PP,IP。
セミナーを聴いてわかったつもりでも、PPを間違って解釈している人多いです。

どんな間違いなのか、下記に列記してみます。

  1. ポスターやビルボードをPPと勘違いしている
  2. サンプルをPPと勘違いしている
  3. インテリアディスプレイをPPと勘違いしている
  4. タイト陳列をPPと勘違いしている
  5. AP(アーティクルプレゼンテーション)をPPと勘違いしている
  6. キャンペーン告知展示をPPと勘違いしている

などです。
ひとつひとつ解説していきます。

1.ポスターやビルボードをPPと勘違いしている

例えば、ユニクロ店内の壁面上部の大きなポスターをPPと思っている人多いです。
あれはただのPOPです。
PPは商品が展示していないといけません。

同じように、ドラッグストアの雪肌精のガッキーのポスターはPPじゃないです。

2.サンプルをPPと勘違いしている

洋菓子店のガラスケースに入っているお菓子のサンプル。
ちょこんとお菓子箱の上に載っているサンプルはPPじゃないんです。
お菓子は小包装のため、生身のお菓子が見えません。
そのため、サンプルというお菓子の模型を、箱の上に置いています。
これをPPと勘違いしている人多いです。
同様に、雑貨店で陳列のフェイスの前に置かれているサンプルもPPではありません。

3.インテリアディスプレイをPPと勘違いしている

インテリアディスプレイは、お店の装飾品です。
例えば、レストランに花や壷が壁の棚に飾られていますよね。
同じように、物販店でも棚の上に装飾品が飾られているケースがあります。
これをPPと勘違いする人多いです。
これは単なる飾りです。
PPは商品が伴わなくてはいけません。

このインテリアディスプレイ、実は曲者で、装飾品の中にちょこんと商品が入っている場合があります。
例えば、フルーツビール売場の什器最上段に、りんごやパインなどを盛り付けたボールがあり、その中にフルーツビールのびんが1本刺さっている場合。

これをPPというのでしょうか。
残念ながらこれはインテリアディスプレイです。

PPは商品自体が目だっていなくてはならず、最低、商品ラベルやデザインがお客様に認知されなくてはいけません。
この場合、ビールの瓶は商品ですがオブジェのような役割をしているので、PPじゃないんです。

このような、商品を少し混ぜただけのインテリアディスプレイはいたるところで見受けられます。
キッチン212の壁の上、R・1/Fのカウンターの背後など、商業施設で見かけることは多いです。

インテリアディスプレイは、ディスプレイをショップデザインの一環として配置しているため、MDP(マーチャンダイズプレゼンテーション)としてではなく、SD(ショップデザイン)の役割を担っています。

特に小さく細かい商品は、PPとして展示しても遠目からわかりにくいため、プロップスと混ぜて作るケースが多いです。
商品展示を確信犯的にPPとしてではなく、インテリアディスプレイとしてつくっているケースが多いことに留意しましょう。

4.タイト陳列をPPと勘違いしている

バッグや財布など、タイトに商品を寄せて陳列している売場は多いです。
これをPPと勘違いしている人多いです。

特にラックの最上段に置いてあるバッグをPPと勘違いしている人がいるんですが、これもIPなんですね。
PP的なIPといえましょう。

5.AP(アーティクルプレゼンテーション)をPPと勘違いしている

アーティクルプレゼンテーションとは、商品と展示台とPOPが一体化されたディスプレイのことで、デジカメ売場や化粧品売場などたくさんあります。

デジカメは、展示台にモックや実機が置かれていて、そこにPOPがあって商品を詳しく説明しています。

化粧品は、メイベリン売場のように、リップをたくさん展示台に指して、その下にPOPを置いて商品を説明し、その上にモデルのポスターを置いてブランドイメージを醸し出しています。

これらはPPではありません。IPです。
化粧品や家電のような、商品説明が必要な難しい商品は、AP方式で陳列されているんです。
靴でも説明が必要な機能靴なら、AP方式で置かれています。
展示の様に見えますが、IPと心得ましょう。

6.キャンペーン告知展示をPPと勘違いしている

試供品やノベルティを伴うキャンペーン告知は、棚の上で行われることが多いです。
例えば、2,000円以上買えばトートーバッグがもらえるとか、キーホルダーがおまけでついているとか、そんなキャンペーンがあるとします。
その告知は、POPとノベルティと装飾品とで、棚の上に大きく作られています。

これらはPPではありません。
ただのノベルティ告知ディスプレイです。

・・・と、ここまで書いてきましたが、短時間のVMDセミナーでPPというものは、さらっとわかっても、深く会得するというのは難しいです。
物事は、自分で見て知って体験して、深く知るようになるもの。
社内社外でいろんなケーススタディを知って知見を蓄積していけば、半年経ってPPとはどんなものか本当に理解できるでしょう。

最近はこんなことをしています。
セミナー会場近くに専門店があったら、生徒と見に行きます。
実際に売場に行ってあれがPPだ、これはIPだと、現場で教えています。

MUJIやアフタヌーンティーなどのチェーン店は、PPがわかりやすいので見学に利用するといいです。
その後、ユニクロに行き、あれはPPでなくてただのポスター、プラザに行き、あれはPPでなくてただのPOP・・・と説明していきます。
すると、生徒はだんだんわかってきます。

私が使うスライドやイラストは、IPやPPのわかりやすい売場が多いので、それで生徒はわかったつもりになっていますが、いざ商業施設に行ってみるとPPか何かわからないディスプレイは無数にあります。

だから、実際にみんなで売場見学に行って、ディスプレイがどうなっているのか、論じるのもいいです。
「百聞は一見に如かず」というわけです。

正しいVMD用語を知ることは、VMDを正しく他の方に伝えるのに役立ちます。
間違っていると、間違ったまま伝わります。
VMD用語、きちっと理解して人に伝えましょう。

Do It Yourself VMD

今日は、Do It Yourself VMD
VMDについて話します。

店舗のウインドウやテーブルなどの主要ディスプレイは、四季折々に変化し、通行人や来店者を楽しませてくれます。

このディスプレイの制作について外部のスペシャリストに毎度依頼すると、コストがかかってしまう場合があります。

そのため、社内のVMD担当自らがディスプレイをプランし、デザインし、造作し、インスタするという方法があります。
これがDo It Yourself VMDです。

売場塾では、多くの企業のVMD担当者が来校していますが、Do It Yourself VMDを遂行する人もいます。

これは自らが

・プランナー
・デザイナー
・クリエイター
・インスタレーター

を担うということです。

これら各々の専門家に依頼せずに、完璧ではないけれど、来店客に違和感のない水準で
ディスプレイを制作しています。

具体的なDo It Yourself VMDの手順を見ていきましょう。

●プランニング
MDPシート、いわゆるディスプレイ指示書を書くということです。
テーマを決め、ディスプレイ用品を決め、ディスプレイの構成を考えます。
図案はスケッチ程度でよく、社内稟議やクライアント提出の場合は、フェルトペンで清書して色を塗るくらいはしたほうがいいでしょう。
あとは、ディスプレイ用品調達表も書けるといいです。
これはディスプレイに使用するプロップスや陳列用品、展示用品をどこで調達するかを表にしたものです。
調達先の店名、用品のサイズと価格、カタログならページと品番も明記します。

●デザイン
これはグラフィックデザインを指します。
多くのDo It Yourself VMDerは、イラストレーターとフォトショップを駆使してグラフィックデザインを描きます。
デザインの対象物は、POPとプロップスです。
大きいPOPはパラペットや腰巻、タペストリーなどの媒体になりますので、ディスプレイの世界観を醸し出すツールになります。
また、平面デザインを立体的に組み立ててオブジェにすることもありますので、基本はグラフィックデザインができることが第一になります。
企業本部のVMD担当にグラフィックデザイナーを起用している理由はここにあります。

●クリエイト
金属加工、木工彫刻、陶磁器制作などは専門家にゆだねられますが、それ以外のやさしい素材(紙など)を使って、DIY器具を用いてディスプレイを造作します。
DIY器具で重宝できるのがグルーガンで、ディスプレイ用品の接合と固定に使います。
その他ガンタッカー、はと目プレス、プライヤーなど日曜大工で使う程度のDIY器具があれば十分です。
プロップスや展示用品は、装飾品を専門のディスプレイ店で購入することがありますが、コモディティ品と言って、雑貨店で市販されているものを使用することも多いです。
また食品店などは商品パッケージそのものをプロップスに加工して使うこともあります。

●インスタレーション
ウインドウやテーブルに、ディスプレイをセッティングするというものです。
クリエイトされたディスプレイ用品をウインドウやテーブルという空間にアレンジしていきます。
商品を魅力的に見せるためのフェイスを調整し、テーマやキーカラーがわかるように作っていきます。
ディスプレイに高さをつけるためのライザーの組み方も事前チェックするとよいでしょう。

プランニング、デザイン、クリエイト、インスタレーション。
さて、この中で一番持つとオトクな専門性は何でしょう。
それは、デザインです。
グラフィックデザインができれば、万能なVMDに近づきます。

プランニングは日々のビジネスで養われています。
パワポでプレゼンするとか、エクセルで表をつくるとか。
あなたが普通のビジネスマン、ビジネスウーマンでしたら、プランニング、つまりディスプレイの指示書を書くのは難しくないはずです。

クリエイトもそうですね。
これは小学高の図工、中学・高校の美術・技術などを覚えていればなんとかなります。
あとは経験を積んでいけば技能を鍛えられます。

インスタレーションに関しては売場塾でばっちり教えています。
または銀座のディスプレイセミナーでコツがわかります。(^^)
ディスプレイの本を見てもよいですね。

とこが、デザイン、つまりグラフィックデザインだけは感性の仕事。
センスと美術的感覚が必要なんです。
これは、美大を出たり、制作会社で仕込まれた方が強いです。

だから、Do It Yourself VMDをする場合、完成度の差が出てくるのはデザイン。
VMDとして独立してクライアントのティスプレイを作ろうとする方は、この技術をなんとか取り込まなくてはいけません。
独立起業する人はなるべく自分でデザインできるようにするにするのがベストでしょう。
(ただ、独立してセミナー講師のみやりたいという人は必要ないです)

このように、Do It Yourself VMDを推進したい方は、なるべくこの4つのスキルを取り込むといいです。
組織の場合は、商品部や販促部などのデザイナーをチームに入れるといいでしょう。

Do It Yourself VMDを駆使して低コストですばらしいMDPをつくっていきましょう。

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

オーバルリンクは1月6日から営業いたします。

新春の売場塾の日程は下記です。

 

1/21(土)から

 

 

1/10(火)から

 

 

1/30(月)