VMDインストラクターは手直しと解説を同時に行う


リバイス(売場の再編集)の際に、VMDインストラクター自らが、受講者(店舗スタッフ)のつくったディスプレイを直す作業があります。
その時は、必ず解説を入れながら直すようにしてください。

VMDインストラクターはVMDの先生のなので、受講者の作ったディスプレイを手直しするのは当然ですが、黙々とやっていては意味がありません。
声に出して解説しながら手直しをするようにしてください。

これを方式に書くと下記になります。

受講者インスタ → 受講者発表 → VMDインストラクターの評価 → 手直し+解説

現場OJTでは、受講者は店舗スタッフが多いです。
店舗スタッフで、たとえ事前にVMD研修を受けている人でも、インストラクターは声を高々と上げて、解説しながら手直しをします。
「研修で知っているはず」ということはまったくありませんので、必ずそうしてください。

例えばVPでガーランドの巻き方がおかしかったら、下記のようにします。

「ガーランドが商品と商品に巻き付いていないので、少し中途半端になっています」

(ガーランドと展示商品を指さす)

「ガーランドは、商品と商品を巻き付けることにより、テーマの世界観を醸成させますので、このように商品と商品を巻き付けてください」

(ここで、ガーランドをテーブルから取って、商品と商品の間に巻き直す)

「巻き付けるとき、こんな風に商品を隠さないようにしてください。商品名のラベルが見えないとディスプレイの意味はないので、ガーランドを巻きつつも商品はしっかり見せます」

(ガーランドで商品ラベルを隠したり隠さなかったりという動作を加える)

「ほら、こんな感じになりました。以前よりも商品は見やすく、ガーランドも展示商品の左右前後に這わせることにより、テーマの情景が広がりました」

(ディスプレイ全体を指さして言う)

ここまで来て、このやり方って「なんかに似ているな」と思いませんか。
そう、キユーピー3分クッキングの先生の解説に似ているんです。

料理の先生は、下ごしらえから始まって、煮たり焼いたりするところを、作業を行いながら説明していますよね。
それと同じなんです。

料理の先生が何も解説せずに黙々と料理を作っていたら、生徒は何の足しにもなりません。
生徒は料理の作り方を知りたいんです。
同じように店舗スタッフは、ディスプレイのつくり方を知りたいんですね。

なので、VMDインストラクターが禁句なのは、
「私はここを直すから、あなたはあっちをやって」
では、まったく先生がいる意味がないんです。
VMDインストラクターは作業者ではありません。
スタッフに売場のつくり方を教えてナンボなんです。

全国のVMDインストラクターの皆さん、ぜひ下記の方式でVMDを現場に教えてくださいね。(^^)

受講者インスタ → 受講者発表 → VMDインストラクターの評価 → 手直し+解説

なお上記の仕方は、今度のVMDセミナーで体験できます。
●ディスプレイセミナー 9月26日(水)

実際に受講者のつくったディスプレイを私が解説しながら手直しします。
お気軽にお越しください。(^^)

VMD学習のために店内写真を撮ろう

何年か前のメルマガで、売場の写真は撮りづらい、と書きましたが、今はそんなことはなくなりました。
インスタグラムなどSNS全盛の時代、店内撮影に遠慮している人はいなくなりました。

ヨドバシカメラは、全面的に店内撮影OK。
茅場町にある、オサレな家具店、リグナも全面解禁になったそうです。

あの伊勢丹でさえも店内VPの写真撮影OKです。
各フロアのVPにはディスプレイの写真撮影OKのサインがあります。インスタグラムのアイコンがVP下の床にあって、「アートフレームは撮影OK」となっています。

あのヨドバシさんが撮影OKというのは驚きました。
当社は電気メーカーのクライアントが多いんですが、クライアントの売場をつくっても
ほとんど写真を撮れませんでした。
今は撮れるんですね~。

ストアコンパリゾンやフレームワーキングのために店舗視察をする場合、隠し撮りをすることはありますが、それは余裕がある場合。ほとんどスケッチやメモでした。
それはそれでいいのですが、ビジュアル・マーチャンダイジングの場合、ビジュアルに勝つ情報はありません。写真は撮れたら撮れたにこしたことはありません。

今までは、店舗やフロアをざっと回遊して、それから外に出て喫茶店などでメモ書きをしていたのですが、今そんな必要はなくなったかもしれません。
店内でパチリと写真を撮って終わり。情報の取得、とても早そうです。

とはいえ、写真撮影OKの理由は、SNSでお客様がわが店、わが商品を拡散してくれること。プライスカードや品揃えなど、販売や商品を競合店舗に撮られたら、やっぱりそこはいやな気がするでしょう。
ビジュアルマーチャンダイザーによる店舗視察は、売場自体の撮影なのでやっぱりそこはお客様ではなく、業者の隠し撮りの域を越えないことは確か。
相変わらず、撮影しにくいお店はスケッチ、メモの日々です。

ともあれ、スマホでカシャがOKとなった昨今、店内写真は撮りやすくなってきたことは確かです。
VMDの勉強をしている皆さん、写真を撮ったら必ず家で見直して、フレームワーキングしてくださいね。

●フレームワーキングの仕方
https://vmd-blog.oval-link.co.jp/archives/825