最近の読者からのお便り

まず一つ目。「大学生なのですが、VMD担当になりたいです。
どうしたらいいですか」についてです。

新卒でいきなりVMD担当になることはありますよ。
例えば、ある有名アパレルでは新卒含めた多くの新人が
VMD担当になっています。
日本では、企業の販促部に入ってVMD担当になるパターンと、
VMD部という部署にいきなり入るパターンがあります。
前者は面接時に販促部所属を希望するしかありません。
アパレル以外は、VMD専門部署が少ないからです。
アパレルの場合は、VMD部があるのでそれを目指して
就職するのが近道です。
ただ、最初に販売職を経験しないとダメだったり、
ある程度VMDの経験がないとダメだったりします。
売場塾卒業生にも大学生いるんですが、アパレル以外は、
まずは販促部に入ってじっくり待つ人が多いかも。
中にはアパレルのいいところに入った人もいますよ。
その他には、マネキンメーカーや店舗施工会社に入るという手が
あります。
ここは、施工や展示会を通してウインドウDPしているので、
ディスプレイ制作が好きだったら、こちらに行くといいです。
その時、売場塾卒業した、といえばいいかも。(笑)

次は、「接客重視のジュエリー店やアパレルでは、
商品説明POPはいらないでしょうか」です。

接客重視の売場は、商品説明POPはあまりいらないでしょう。
ただ、VI(ビジュアルアイデンティティ)としてのロゴやマークの訴求は
POPで必要です。最低、商品名はないとダメですね。
接客重視の売場のPOPは説明よりも演出POPがよくつかわれます。
イメージ写真やモデルの写真をPOPにしたのがそうです。
ただ、接客でも人がたくさん押し寄せてくる催事などは、売場が
セルフ状態になるので、商品説明POPを置いた方がいいです。

次は、「お土産店にVMDアドバイスに行くと、ごちゃごちゃの売場があります。
店主に言うと、「いちげんさんが多いので、たくさんの種類置かないと売れない」
といわれます。どうアドバイスしたらいいですか」です。

お土産店でごちゃごちゃしている売場は「打ち出し商品」が
わからないですね。お客様に「この店の売り物は何かな」というのが
わからないということです。
よくあるのが、フェイス数が少なく種類が多いというやつです。
こうなると、お客様が商品を選択する理由がわからなくなるので、
やっぱり、理由を与えるために、同品番でフェイスを多くとり、
商品POPを大きく掲げたほうが「打ち出し商品」がわかります。

次は「売場塾の教科書は毎回更新していると聞きます。
教科書だけ新しいの買えますか」です。

これ、卒業生からよく聞かれるんですが、売場塾のテキスト
受講者以外に販売していないですよ。

フレームワーキングの第一段階

今日は、フレームワーキングのやり方を説明します。
これを習慣化すれば、店舗診断をメキメキ上達させることができます。

●フレームワーキング

まずは売場塾に入って、VMDの型55を頭の中に入れます。

この頭の中の引き出しの入れ方なんですが、
教科書の最初の見開きの表に書いてある55のフレームワーク用語を
とにかく丸暗記すればいいです。

VMD分類、IP、オーケストレーション、ハーモニゼーション、
ゾーニング、什器レイアウト、、、
ほら、丸暗記すればいいから、カンタンでしょ。

まずは、英語の単語を覚えるように、
フレームワーク用語を丸暗記してください。

丸暗記したら、とにかく売場に行ってください
。自分の店でもいいし、買い物でもいいです。
お店の業種、業態、取り扱い商品は問いません。

なるべく売場は毎日行くこと。
通勤ついでに寄るだけだから、誰でも出来ますね。^_^

お店に行ったら、お店をぐるっと回ってください。
できれば、教科書の、写真の撮り方 に沿って回るのがいいんですが、
普通に回っても構いません。

そして、売場をじっくり見てください。
見ているときに、どんな売場になっているか、
フレームワークに沿って考えてみてください。

例えば、IPというフレームワーク用語に焦点をあてて売場を見ます
。すると、くくり、グリッドライン、MDテーマという
VMD専門用語が思い出されます。

この売場はタテにグリッドラインが整っているな
と思ったら、垂直くくり、色優先のVMD分類という
VMD専門用語が出てきます。

今度は、斜めから同じ売場を見てみます
。すると、フェイシング、什器レイアウト、リレーション
というVMD専門用語が思い出されます。

つまり、フレームワークを意識して売場を見ると、
自然に用語が思い起こされるようになってきます。
これが、フレームワーキングの第一段階なんです。

これを売場を変えて何度も繰り返します。
今日はスーバーで、明日はドラッグストアで、
その次はコンビニで試していきます。

これを100軒続けてみてください。

1日3軒として1ヶ月で、毎日1軒でも3ヶ月で終わります。

100軒くらいを過ぎたあたりから、スラスラとフレームワーク用語が
出てくるようになります。
そのあたりから、フレームワーク用語を使って
人に話をする訓練をしてください。

このとき、相手のVMDレベルを見て、豊かな表現ができるよう
に訓練していきます。例えば、素人に
、この売場は色優先のVMD分類で、垂直くくりでくくられており、
フェイシングはラベルが見えるようにライザーを使っている。
と言っても相手はわかりません

ここで、フレームワーク用語の翻訳をします
。垂直くくりをタテに揃えている、ライザーを陳列台、
フェイシングを商品の置き方、などと、
フレームワーク用語を相手にわかるように言葉を変えます。

先ほどの翻訳をしてみます。

この売場を見てごらん。色を気にする人が多いんだね。
ピンク、赤、緑とタテに商品がくくられていますね。
商品のラベルが見やすいように、陳列台を使って
斜めに商品を傾けています。
見やすいですね。

こんな感じです。要は、発想はフレームワーク用語で、
解説は翻訳してやるんです。

そして、VMDを教える相手のリテラシーが上がってきたら
、次第に専門用語を使っていくのです。
これがフレームワーキングの想起法による学習方法です。

売場塾のVMDインストラクターコースでは
、この想起法によるロールプレイングを繰り返します。

●VMDインストラクターコース

想起法に慣れてくると、VMDのプロとしての表現力が備わってきます。
興味ある方は、ぜひVMDインストラクター説明会で
訊いてくださいね。

●売場塾&VMDインストラクター説明会