今日は、Do It Yourself VMD
VMDについて話します。
店舗のウインドウやテーブルなどの主要ディスプレイは、四季折々に変化し、通行人や来店者を楽しませてくれます。
このディスプレイの制作について外部のスペシャリストに毎度依頼すると、コストがかかってしまう場合があります。
そのため、社内のVMD担当自らがディスプレイをプランし、デザインし、造作し、インスタするという方法があります。
これがDo It Yourself VMDです。
売場塾では、多くの企業のVMD担当者が来校していますが、Do It Yourself VMDを遂行する人もいます。
これは自らが
・プランナー
・デザイナー
・クリエイター
・インスタレーター
を担うということです。
これら各々の専門家に依頼せずに、完璧ではないけれど、来店客に違和感のない水準で
ディスプレイを制作しています。
具体的なDo It Yourself VMDの手順を見ていきましょう。
●プランニング
MDPシート、いわゆるディスプレイ指示書を書くということです。
テーマを決め、ディスプレイ用品を決め、ディスプレイの構成を考えます。
図案はスケッチ程度でよく、社内稟議やクライアント提出の場合は、フェルトペンで清書して色を塗るくらいはしたほうがいいでしょう。
あとは、ディスプレイ用品調達表も書けるといいです。
これはディスプレイに使用するプロップスや陳列用品、展示用品をどこで調達するかを表にしたものです。
調達先の店名、用品のサイズと価格、カタログならページと品番も明記します。
●デザイン
これはグラフィックデザインを指します。
多くのDo It Yourself VMDerは、イラストレーターとフォトショップを駆使してグラフィックデザインを描きます。
デザインの対象物は、POPとプロップスです。
大きいPOPはパラペットや腰巻、タペストリーなどの媒体になりますので、ディスプレイの世界観を醸し出すツールになります。
また、平面デザインを立体的に組み立ててオブジェにすることもありますので、基本はグラフィックデザインができることが第一になります。
企業本部のVMD担当にグラフィックデザイナーを起用している理由はここにあります。
●クリエイト
金属加工、木工彫刻、陶磁器制作などは専門家にゆだねられますが、それ以外のやさしい素材(紙など)を使って、DIY器具を用いてディスプレイを造作します。
DIY器具で重宝できるのがグルーガンで、ディスプレイ用品の接合と固定に使います。
その他ガンタッカー、はと目プレス、プライヤーなど日曜大工で使う程度のDIY器具があれば十分です。
プロップスや展示用品は、装飾品を専門のディスプレイ店で購入することがありますが、コモディティ品と言って、雑貨店で市販されているものを使用することも多いです。
また食品店などは商品パッケージそのものをプロップスに加工して使うこともあります。
●インスタレーション
ウインドウやテーブルに、ディスプレイをセッティングするというものです。
クリエイトされたディスプレイ用品をウインドウやテーブルという空間にアレンジしていきます。
商品を魅力的に見せるためのフェイスを調整し、テーマやキーカラーがわかるように作っていきます。
ディスプレイに高さをつけるためのライザーの組み方も事前チェックするとよいでしょう。
プランニング、デザイン、クリエイト、インスタレーション。
さて、この中で一番持つとオトクな専門性は何でしょう。
それは、デザインです。
グラフィックデザインができれば、万能なVMDに近づきます。
プランニングは日々のビジネスで養われています。
パワポでプレゼンするとか、エクセルで表をつくるとか。
あなたが普通のビジネスマン、ビジネスウーマンでしたら、プランニング、つまりディスプレイの指示書を書くのは難しくないはずです。
クリエイトもそうですね。
これは小学高の図工、中学・高校の美術・技術などを覚えていればなんとかなります。
あとは経験を積んでいけば技能を鍛えられます。
インスタレーションに関しては売場塾でばっちり教えています。
または銀座のディスプレイセミナーでコツがわかります。(^^)
ディスプレイの本を見てもよいですね。
とこが、デザイン、つまりグラフィックデザインだけは感性の仕事。
センスと美術的感覚が必要なんです。
これは、美大を出たり、制作会社で仕込まれた方が強いです。
だから、Do It Yourself VMDをする場合、完成度の差が出てくるのはデザイン。
VMDとして独立してクライアントのティスプレイを作ろうとする方は、この技術をなんとか取り込まなくてはいけません。
独立起業する人はなるべく自分でデザインできるようにするにするのがベストでしょう。
(ただ、独立してセミナー講師のみやりたいという人は必要ないです)
このように、Do It Yourself VMDを推進したい方は、なるべくこの4つのスキルを取り込むといいです。
組織の場合は、商品部や販促部などのデザイナーをチームに入れるといいでしょう。
Do It Yourself VMDを駆使して低コストですばらしいMDPをつくっていきましょう。