英語ペラペラにならないワケとVMD

0.リスキリングとは

リスキリングとは「新しい業務や職種に対応するために、新たなスキルや知識を習得すること」と定義されています、
DXに関するリスキリングが多いのですが、英語やVMDも立派なリスキリングです。
VMDの学校「売場塾」には、多くの社会人がリスキリングをしに通学しています。

さて、今回なんで英語とVMDを並列して話しているかというと、英会話学習とVMD学習は似ているところがあるからです。
まずは、英語の話から話していきます。

1.なぜほとんどの人は英語を挫折してしまうのか

今年になってオンライン英会話のCMが目につきます。
スピークとかスピークバディとかDMM英会話などがオンエアされています。
スマホでいつでもどこでも英会話学習できる世の中になりました。

英語は小3からの必須課目になったし、ビジネスのグローバル化による需要、インバウンド対応のため、などが英会話学習熱の高まりの原因です。

そのため、英語がビジネス上必要になり勉強している社会人が増えています。
実は私もここ10年以上続けて英語を勉強しています。

なぜ英語を学んでいるかというと、それは下記を読んでください。(^^)
私の英会話全経歴が掲載されています。
●英語アプリ「パタプラ」インタビュー

私が現在利用しているオンライン英会話は、パタプラ、レアジョブ、エルサ。
昔はNOVA、LADOなどのリアル英会話学校を利用していました。
いろいろな学校やアプリの経験上、気がついたことがありました。

それは英会話けっこう続かない人が多かったことです。
感覚的にリアル学校は生徒の50%くらいしか受講契約期間を全うしないのではないかと思います。
月謝制の学校は1年続かずフェードアウトする人多いです。

英会話アプリに関しては、1年経って95%は継続していないみたいです。
つまり5%しか1年以上続かないということ。
これは、「みんちゃれ」のチーム内会話でも明らかだし、AIに訊いてもそんな回答が返ってきます。

レアジョブ12年やっている私には考えられないんですが、学習とはそういうものなのでしょう。

なぜ英語学習をやめてしまうのか?
理由は簡単!
学習をやめても困らないからです。
正直、たまの海外旅行や趣味で英会話をたしなむ人は、気軽に勉強をやめてもまったく困らないでしょう。
私の身の回りでもスピードラーニングやめた人いました。

困るのは、海外赴任の方やTOEIC点数が昇進に義務付けられているような人です。
楽天やユニクロのように社内で日本語禁止になっている会社に所属している人も、学習は避けて通れないです。

ところが、そういう英語が必須の立場にいても続かない人もいます。
それはやってもやっても効果が出ないから。
そのうちに挫折してしまうのです。
つまり、効果が出ないことがやる気をそいでいるということなんです。
LADOに通っていたころ、子供に英会話教えている同期の先生もやめてしまいました。

2.なぜ、英会話学習を続けても効果が出ない?その1

それはズバリ、英会話学校のポジショニングが間違っているからです。
まずはこれに尽きると思います。

これは私の経験からも明白です。

英会話学習を始めた方は、みんなこう思うでしょう。
「毎日オンライン英会話やっていれば、5年でペラペラになるだろう」

大丈夫、ペラペラになることはまったくありません。

「週2で英会話学校に行っている。1年後はすごく上達しているだろう」

大丈夫、まったく上達しないでしょう。
このカギカッコは英会話学習を始めた私の最初の思い、そのものだからです。

例えば、あなたが駅前の英会話学校に通ったとします。
週2で1時間ずつグループレッスンを楽しみました。
そして1年が経ち、ハワイ旅行に行きました。
あれれ、あんまり上達してないな?と気づくはず。
相変わらず、しどろもどろだからです。

なぜかというと、ただ週1時間だけグループレッスンに加わっても、ただ外国人のことをうつろに聴いているだけで、身になっていなかったからです。

おススメするのはマンツーマンレッスンで、しかも予習と復習を授業時間の5倍はやらないと身につきません。
英会話学校に行ったり、アプリを利用するのはいいのですが、その利用時間の5倍は自己学習しないと身につかないということです。
これは私の経験からわかりました。

つまり英会話学校のポジショニングを変える必要があります。
メインは学校ではないんです。

●学校やアプリはサブで、メインは自己学習である

これはLADOとNOVAに通っているうちにわかりました。
そして自己学習を取り入れることにしました。
当時サラリーマンだった私は、毎朝出勤前にミスドに行き、「CNN ENGLISH EXPRESS」の付録CDを聴くことにしました。
また、日曜日はサザエさん見終わった後に1時間、書斎で勉強することにしました。
ディクテーションと言って、好きなハリウッド映画を聴きながらセリフを英字で書く勉強法です。
「スクリーンイングリッシュ」という映画を題材にした学習方があり、スターウオーズ、ワーキングウーマン、バックツゥザフューチャーなど5本はこなしました。
1映画1年で5年間やりました。

それでやっとTOEIC740点取れて会社から月々1.5万円資格手当を支給されるようになったんです。

2.なぜ、英会話学習を続けても効果が出ないのか?その2

ズバリ一言アドバイスの形でいうと下記になります。

●学習の方法が間違っているから

自分に合った学習法になっていないと、英会話は成長しません。
これはサラリーマンも末期の頃わかりました。
しかも原因はふたつあります。

1.学校や講師の選び方が間違っている
2.自己学習の仕方が間違っている

この2つです。

まず1ですが、学校から言うと、本当に英会話モノにしたいならカルチャーぽい学校や、グループのフリー英会話スクールはおススメしません。
趣味や外国人との交流が目的だったらいいのですが、ゴールまでの道のりが長くなります。

選ぶとしたら、自分の苦手な部分を分析し、それを克服できるような弱点補強を目的に選ぶといいです。
例えば、リスニングが不得手なら、シャドーイングをメソッドにしているベルリッツみたいな学校がいいし、クイックレスポンスが苦手ならパタプラのようにリピーティングをメソッドとしている英会話アプリがいいです。

つまり、フリー英会話やAI英会話でただ1時間しゃべって終わりだけの学習にすると失敗するということです。
英語は、読み・書き・聴く・話すの4分野あるし、「話す」にしても発話や発音、クイックレスポンス、語彙などいろいろな要素があります。

これはVMDと同じで、ただディスプレイができるだけではVMDのプロ足りえないということと同じです。
VMDでさえ、店舗デザイン、品揃えと展開、ディスプレイ、体験販促の4分野があるし、科目だけでも7分野、その下の課目は55あるんです。
私は、コンサルの依頼があるクライアントは、必ず店舗を見せていただき、売場のどこがダメなのか弱点を見つけて一覧表にし、その弱点を補うようなコンサルや研修をしています。

なので、VMDの専門家や学校も数あると思いますが、自分や自分の店の弱点を補強し、強くしてくれる個人や学校を選ぶとよいです。
そういう意味では、VMDインストラクターはVMD4分野をきちっと会得しているので頼りになりますよ。(^^)

同じように、オンライン英会話で気を付けたいのは先生選び。
たくさんの外国人がチューターとして登録してますが、プロの先生ばかりではありません。
テキストを遂行せずにほとんどダベリングで終わってしまう先生もいます。
私の方で「授業に戻ってほしい!」と言えればいいんですが、外国人に弱い日本人の悲しい性。
きちんと授業してくれる先生に代えて早めに予約しています。

さて先ほど、シャドーイングとかリピーティングとか言いましたが、これ実は最近知った言葉なんです。

長い間、私を含め人々は「英語にはメソッドがある」というのを知りませんでした。
メソッドとは何かというと学習法のことなんです。
シャドーイングは、話者の言っていることをそのままテキストを見ずに同時にしゃべる学習法。
リスニングが上達します。
リピーティングというのは、話者の言ったことを一呼吸置いてからソラで言ってみる学習法です。
チャンクが身につきます。

ということで、もうわかりましたね。
自分に合ったメソッドを選ぶことが大事です。

●苦手分野を知り、それを補強するメソッドで学習する

これが一番プロになる近道です。
これは2の自己学習にも共通することです。

前述の通り、LADOとNOVAに通っていた時は、「CNN ENGLISH EXPRESS」と「スクリーンイングリッシュ」5年自己学習していましたが、これがちょっと間違っていました。
ディクテーションにまるまる5年かける必要はなかったんです。

好きな映画を教材にすることはいいように感じるかもしれないのですが、TOEICには役に立たなかったです。
それよりも、きちんとしたビジネス用教材でリピーティングをした方がよかったと後から気がつきました。

なお、売場塾のVMD学習のメソッドはフレームワーキング(R)です。
興味ある方は下記をクリックしてください。
●フレームワーキング(R)

3.どうやったら苦手分野がわかるのか?

とはいえ、英語学習は奥深いです。
自分のどこが弱点かわからないですよね。
どうしたら細かく分析できるか?
おススメは下記があります。

1.テストを定期的に受けてみる
2.アドバイザーかインストラクターを付ける

1.はTOEICや英検でもいいですし、「EF SET」「CEFR」みたいな指標もあります。
「EF SET」はアプリで無料のテストが受けられますし、「CEFR」はレアジョブの会社が会員には無料でテストをしています。

ただ、私はCEFR何度か受けていてB1なんですが、分析結果を見るだけだと腑に落ちないです。
単に自分の現在位置を知るにはいいのですが物足りません。
そこで定期的にレアジョブの日本人チューターに勉強法をチェックいただいたり、パタプラにマンツーマン相談するなどして半年に一度は学習法これでいいのか、見直しています。
これが、上記2に当たります。

一番いいのが、プログリッドやライザップイングリッシュみたいな伴走型マンツーマンでゴールまで行くのが一番いいのですが、問題点があります。

それは、1期間50万以上と高額なこと、そして1日3時間は学習しなければいけないことです。
このままペラペラにならなかったら受けようかなと思ってはいますが、今後のTOEICの点数次第です。(^^)

4.売場塾は今までのVMD学校の弱点を補っている

私の広告代理店時代のクライアントはとにかく学校が多かったです。

  • 英会話学校
  • 簿記学校
  • 予備校
  • カルチャースクール

など生徒募集のマーケティングを20年以上やってきました。
テレビ局と組んでスクールフェアも企画・実施しました。

これの活動は売場塾の生徒募集や経営にとても役に立っています。
そして自らが英会話学習やってきた経験は、売場塾のサービスやカリキュラムに活かしています。
とにかく売場塾の卒業生にはVMDのスーパーサイヤ人になってほしいからです。

特に学校運営に大事なのは、VMDでも英会話でも伴走だと思います。
売場塾に入る人は、単にディスプレイうまくなりたい、という動機ではなく下記の思いを持っている人がいます。

  • ブランドVMD担当として会社に貢献したい
  • 商品や店の売上を上げて人に認められたい
  • 独立して起業し成功したい
  • 就職・転職に有利な手に職を持ちたい
  • 出世したい

もちろん、センスをよくしたい、という軽い動機もあるでしょうが

VMDで何をしたいか?
VMDでどうなりたいか?

の方向を持つのも大事だと思います。
そんな方のよき伴走者に売場塾はなりたいと思っています。
だから、売場塾卒業後もお仕事の相談を受けたり、VMDの学問で分からないことの相談も無料でいつでも受け付けています。
VMDでうまくいく、成功する、そんな人が増えるほど、売場塾は社会貢献になるからです。

英会話学校のように、売場塾は毎週説明会を開いております。(^^)

無料ですので、お気軽にお越しください。
●売場塾&VMDインストラクター説明会

またVMDで起業したい方、起業しても悩んでいる方はぜひ相談会にお越しください。
●VMDインストラクターで起業・副業相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

大阪万博で見る、わかりやすい表現とは

大阪万博 パビリオン

0.大阪万博に行ってきた

子供の頃、大阪万博に行ったとき三菱未来館に感動したのを覚えていて、今回も
張り切っていきました。
月日が経っても「映像中心の万博」は変わっていなかったです。
残念だったのは昔は奇抜な装いのパビリオンが多かったけど、今回はそんなでもないこと。
ただ大屋根リングは圧巻で、太陽の塔に匹敵するくらいの崇高な建築物でした。

また、待ち時間がほとんどないことはよかったです。
1970年の暑い夏日の下、1時間以上三菱未来館に入るのを待っていたのを覚えていたからです。
帰りの地下鉄も空いていてゆっくり座れました。

1.アースマーケットのわかりやすい展示

さて、観光とは言ってどうしてもVMD目線で見てしまう各国のパビリオン内展示。
今日は、わかりやすい表現とは何かについて振り返ることができました。

表現とはディスプレイや映像、パネルグラフィックスなど全般的なデザインを指します。
普段、私たちは商品やサービス、ブランドというものをデサインを介してなるべくわかりやすく消費者に伝えています。
今回はその参考になればと思います。

A.世界の人々はどのくらい卵を食べているか

下の写真はシグネチャーパビリオン「アースマーケット」の内部。
未来の食を考える視覚型・体験型のパビリオンで、世界の食事情が理解できます。
まずは卵のシャンデリアを見てみましょう。

アースマーケット- 卵のシャンデリア1

卵のシャンデリア、とてもおもしろいです。
上から吊るされた卵が下の目玉焼きにじょうごのように降り注いでいます。
じょうごの落ちる先に目をやると、巨大な目玉焼きに着きつきます。
この目玉焼き、日本人1人が一生食べる卵の量で、なんと24,000個だそうです!!
そこのフライパンには、各国の1年間の卵の消費量がディスプレイされていました。
シャンデリアは24,000個の卵からできていると想像がつくでしょう。

アースマーケット 卵の消費量

上のフライパンを見て感じるのは、日本って中国の次に卵食べているんですね。
アメリカの人口は日本の2.7倍なのに、日本人の方が米国人より卵食べているんですね。

AIで調べると、日本はすきやきや卵がけご飯など生卵を食べたり、弁当文化がある国民からだとか。
納得です。

B.世界の家庭の食量

アースマーケツト 世界の世帯食品消費量

上は、世界の世帯食品消費量を表したパネル写真群。
標準的な1世帯の1週間の食料をディスプレイしています。

アースマーケット 中国

これは中国のある世帯。

アースマーケット イギリス

これはイギリスのある世帯。

アースマーケット-チャド

これはチャド。

す・すくな!!
少なすぎるのが一目瞭然です。

AIで調べると、チャドは日本の3.4倍の国土面積ですが、最貧国のひとつになっていました。
紛争・難民・気候変動・教育不足などが影響しているようです。

中国はヘルシーな気がしました。
野菜がたくさん見えるからです。
イギリスは、もうスーパーマーケットと密接に関わっているという感じ。
中国と比べて野菜が少なく、加工食品多いですね。

アースマーケット カゴ

これは、1人の日本人が食べる10年分の食量
ねぶた仕様のスーパーのカゴで表現しています。

これは各国の1人が食べる10年分食量のカゴ比較。
中国人は、日本人二人分は食べているのがわかります。
だから太った人多いんですかね。
コンパニオンさんが「中国人は食べ残しが多いから」と言っていました。
もったいないです。

エチオピアは日本人の半分の量。
AIで調べてみると下記でした。やはり栄養が不足しています。

●一人当たり年間食品消費量(カロリー)
・日本 約 2,700~3,000 kcal
・エチオピア 約 1,300~1,500 kcal

理由は、経済水準、農業中心、食文化、インフラ流通など。

食文化の中に「テフ」という穀物があり日本のコメと同じく主食だそうです。
●世界の発酵食探訪

知らなかったです。
勉強になりました!

アースマーケット レシート

これは一週間分の世帯の食料の品目別サイズ。
スーパーのレシートさながらに各国を比較展示しています。
手前はスーダン。
紛争国の一つなんですが、ファバ豆をよく食べているみたいです。
AIで調べたらギリシャ料理で有名らしいです。

左から4つ目はメキシコ。レシート短いです。
やっぱハラペーニュ、つまり唐辛子入っていました。

このように、料理の原材料に何を使っているのか、各国の買い物詳細がわかりました。

C.食卓のイワシの希少性

アースマーケット ぐるぐるイワシ

上写真はイワシの大群のディスプレイ。

キラキラしていて素敵なディスプレイですね。
天井にたくさん渦を巻いて吊るしてあります。
イワシは日本人の食卓の人気者。

アースマーケツト イワシ2

上の写真を見てください。
そのイワシが生まれてから、食卓に上がるまでの一生を展示しています。

まず、1匹のイワシが10万個の卵を産みます。ここからスタート。
卵から稚魚が孵り、成長魚になり、人間に捕まえられて流通に載り、スーパーに陳列され、家庭の食卓に上がるまでの数量の変遷が展示されています。

結論から言うと、10万個の卵のうち3匹しか食卓に上がらないです。
こ・これはスゴイ!!たったの3匹です。
下の写真でイワシの数を比較してください。

これはわかりやすい!!
なんでこんなにイワシが死ぬのか、コンパニオンが説明してくれました。

・孵化率で10万が5万に
10万個のうち半分は孵らない。そのまま死ぬか、孵化直後に他の魚に食べられる。
・稚魚の生存率5万が千匹に
魚の他にクジラや鳥に食べられる。病気や栄養不良になるのもいる。
・成魚へ成長するのは1000匹のうち10匹
・漁獲・加工後の収穫で10匹が5匹に

この時点で稚魚5万のうち5匹しか捕れない。
港でアジ釣りをしているおじさんは貴重なのか?。
・5匹のうち食卓へは3匹

つまりイワシの卵が産み落とされてから0.003%しか食卓に載らないということになります!!!

もうこれを見たお子さんは、「魚きらーい」と言ってられないですね。
食卓にイワシがいても食べない場合は、貴重な0.003%を捨てるということになります。
これは、日本人でなくても「もったいない」精神が再び体内に沸き起こりますね。

アースマーケット イワシ4

このディスプレイはグッドアイデア。
イワシのシルエットにもうぜんと襲い掛かる海鳥の姿が光で表現。

アースマーケット イワシ5

ディスプレイ素材としての工夫は、反射板をくりぬいてつくってありました。
室内クーラーの風にゆらゆら揺れています。
グッドアイデアですね。

2.お店のディスプレイもわかりやすくしよう

ヨドバシカメラのシュレッダー売場

さあー、それでは実際の売場のディスプレイを見てみましょう。
上はヨドバシカメラのシュレッダー売場。
裁断くずが宙に浮いています。
実際に紙を展示品で裁断したものを袋に入れて見せています。

これ、わかりやすいです。
ただ、万博ディスプレイのように細かく数値化するとなおいいでしょう。
各製品ごとのくずボックス容量と同じサイズのビニル袋を吊るすとよかったです。

これはノジマのPOP。
下のティファールのクッカーで実際に作った料理を写真で見せています。
ノジマのスタッフが作りました、とのことなので説得力はあると思います。
材料用意してクッカーに入れれば、こんな料理ができるということです。
わかりやすい!!

万博ディスプレイのように、細かく数値化するとなおいいでしょう。
作ったノジマスタッフの料理歴を提示するとなおよいでしょう。
料理初心者でもできるんだー、というのがわかります。

3.わかりやすい店舗診断シートとは

わかりやすさとは、ディスプレイやPOPだけの問題ではありません。
普段私たちが読む新聞や雑誌、社内企画書、プレゼン資料は、数字をいかにわかりやすく伝えるかにあります。
イラストや写真、グラフやチャートなどを駆使して分かりやすく伝えましょう。

日韓正常化のチャート

上は日韓国交正常化60年における国民の意識調査。
朝日新聞がつくったグラフです。
各国のアンケートの数字が拮抗しているのがわかります。
「心の距離」、確かに近づいてますね。タイトルにあるように。

店舗診断報告書1

当社も「わかりやすい店舗診断書」とは何かを追及してきました。
上の写真を見てください。
最初はこんな感じでした。テキストのみ。
日報みたいな書き方で、店のどこがどう悪いのかじっくり読まなければ分かりませんでした。

次に改良したのはこれ。
店舗の写真を撮って悪いところが映っている写真をピックアップし、それを表とグラフにまとめていました。

この場合、こちらが口頭で説明するとわかりやすいのですが、表がグラフとどうリンクしているのかわかりづらかったです。

店舗診断シート サンプル

そして改良版。
上のタイプになりました。

先ほどの店舗診断シートは色分けがされていないのと、表の大・中・小分類が見にくかったです。
表をフレームワーク用語でソートして色分けして、分類ごとにフォントの強弱をつけてわかりやすくしました。
人間ドックの健診診断表のようにしたので、「お店の健診表」と読んでいます。

表を左から右に読んでください。
一発でお店のどこがどう悪いかがわかります。

表の左を見れば、「このお店の半分はIPが悪いんだ」、
「残りの半分は「POP・サイン」「PP,VP」そして「ゾーニング」が悪いんだ・・・」
ということがすぐにわかります。

そして、今度は右に目を移すと、
「IPは「フェイシング」「くくり」が主に悪いんだ」
「POPは「POPの編集」つまり、POPの置き方が悪いんだ」
「PP,VPは、「テーマ設定」「ディスプレイ用品」「ディスプレイ構成」などが複合的に悪いんだ」

こんなことが表を見ると一目瞭然になります。

※店舗診断サービスはこちらを参考にしてください。
●店舗診断

簡易店舗診断シート

さらに最近は、上図のような「簡易店舗診断シート」をクライアントに配付しています。
4店舗の土産店売場写真2532枚のうち、悪い売場写真が281枚あり、それをフレームワーク別の写真枚数に置き換えています。

これを見ると、「フェイス」の改善が一番優先的な直しというのがわかるでしょう。
なんせ65枚も悪い写真が上がっているからです。
ゾーニングの直しは34枚で、リレーション(売場のつながり)を直す箇所が16箇所というのもわかります。

実はこれはスタッフ研修用につくったもので、研修前にスタッフに渡して「これらのフレームワークを今日覚えれば、店舗の悪い個所はすべて直すことができます」ということを表しています。
店舗診断シートが研修のゴールをも示しているのです。

こんなわけでわが社も、店舗診断シートにしろ、ガイドらラインにしろ、マニュアルにしろ、わかりやすい表現を心がけて、日々更新しています。

4.わかりやすい表現 5つのポイント

今までのことを整理してみましょう。
分かりやすい表現とは、下記のポイントになります。

a.グラフで比較する
棒グラフや円グラフだけでなく、グラフを絵になぞらえた表現にする。
たとえば、イワシの漁獲高グラフの棒をイワシの絵にする。

b.ディスプレイに造形する
家庭の食量を買い物カゴのディスプレイで表現したように、グラフを立体的なものに展示造作して、分かりやすく表現する。

d.写真比較する
同じアングル、同じトリミングの写真を左右・前後にリピートさせることにより、比較がわかりやすいように表現する。
VMDセミナーのリバイス事例もBefore Afterで比較させると効果的。

e.色分けをする
当社の店舗診断シートのように表や文字を色分けして、パッと見、わかりやすいようにする。
当社の場合は陳列はオレンジ、展示はブルーなどと明確に色を決めている。

d.まんがや動画にする
つまりストーリー仕立てにする。これに関しては下記を参照のこと。
●マンガで見るVMDの手法

VMD担当のみなさーん、ディスプレイもPOPも、報告書も店舗診断シートも、見る人がわかりやすいように制作してくださいね。
大阪万博の展示会なみにわかりやすいデザインを心がけましょう。

そうすれば、部下や上司、店舗スタッフに伝わりやすくなり、プレゼンやセミナーでも相手がすぐに理解してくれます。

ちなみに、
当社はわかりやすい公開VMDセミナーを、オンラインは毎月、リアルは3か月に1回、開催していますので、ぜひお越しください。(^^)

●わかりやすいVMDセミナー

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

売場塾の受講、リアルとオンラインどちらがいいの?

売場塾VMD研修の様子

こんにちは。
売場塾の受講はリアルとオンラインとどちらがいいの?
という質問が時々あります。

売場塾塾長としてリアルとオンラインどちらがおススメかというと、やっぱりリアルかなと思います。
リアル、どこらへんがいいかというと下記です。

●コミュニケーションができる

  • 他の受講生と会話や名刺交換できる。
  • ふとした立ち話ができる。
  • 質問は休み時間にじっくり聞ける。
  • チームでつくるワークショップがあり、他者と交わりながら実習できる。

●ディスプレイ実習が違う

  • リアルはバイキング方式なので、自分の好きなディスプレイ用品が選べる。
  • オンラインはディスプレイ用品が決まっていて所属会社(架空)も決まっている。
  • オンラインで受講生の作ったディスプレイ作品は評価はするが手直しはできない。
  • リアルでは受講生の作ったディスプレイ作品はその場で講師が手直しする。

●フィールドワークが違う

  • リアルは銀座のブランド旗艦店を視察する。
  • オンラインはアメリカの商業施設をグーグルインドアビューで視察する。

●土曜日にやっている

  • 平日は何かと忙しいので、仕事がない土曜日はじっくり授業に没頭できる。
  • 平日と比べてスケジュールが立てやすい。

こんなところでしょうか。
ただ、オンラインのいいところもあります。

●コストがかからない

  • 5,500円教材費が余分にかかるが、交通費や宿泊費がかからない。
  • 自宅でやれば、10時に始まり5時に終わる。タイパになる。

●フレームワーク55はきっちり覚えられる

  • 売場塾の目的であるフレームワーク55の売場づくりの型は、リアルとそん色なく覚えられる。
  • したがって、オンラインだから試験の合格率が低いということはない。

●月曜日にやっている

  • 土曜日に売場塾に出ても休日出勤に該当しない社会人は、手当や代休がもらえないケースがある。月曜日だったら社内研修ということで、勤務に相当するので便利だし会社の空いたスペースで受講できる。
  • もちろん、リモートワーク可の会社ならそのまま勤務扱いで自宅で受講できる。

という感じです。
オンライン、もともとはコロナ禍で始めたコースなんですが、コロナ禍終わった今でも一定の需要があり、リアルよりオンラインの方が出席者多い、なんて期もあります。

いずれにせよ、公私に合わせてコースを選ぶことができますし、どうしても行けなくなった日は無料補講制度も利用できます。
詳しくは下記ご覧ください。

●売場塾Q&A

また、説明会は毎週開催していますので、お気軽にお越しください。(^^)

●売場塾&VMDインストラクター説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

オーバルリンクは創業23年

オーバルリンク創業23年

来月でオーバルリンクは23期に突入。
VMD専門会社をつくってから22年の歳月が経ちました。

あと2年で四半世紀に達します。
1世紀の1/4というのもいいですね。
創業後20年続く会社は0.4%しか残らないと言われています。
私共の会社は生き残り組です。(^^)
これも皆々様のおかげと感謝します!

オーバルリンクはできれば100年続く社にしたいと思います。
売場がある限り、VMDの需要は存続するとはずです。
ただし、100年後、いや5年後も10年後も売場という形態は変わっていくでしょう。

ましてや100年後なんて「買う」行為そのものも大きく変わっていることでしょう。
その時、VMD専門会社はどうあるべきか?
私たちはVMDの概念をも変えるパラダイムシフトを繰り返さなければいけません。

ただ、ひとつ言えることは当社のコンセプト「売場を買場に、そして快場にする」は100年経ってもゆるぎないものと考えます。

100%国民配給制になることはありえず、このずっと先も生活者は買い物をしなければいけません。
楽しく買い物できる、買い物が快い!そんな環境をずっとずっと大事にしていきたいと私は思ってやみません。

※快場についてのコンセプトはこちら。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

2025年 年賀

明けましておめでとうございます。

今年の年賀は食器で獅子舞いディスプレイ作ってみました。(^^)
メイキングはこちら。

今年も今月から、いろいろな催しスタートです!
どなた様もお待ちしております。

株式会社オーバルリンク  代表取締役 深沢泰秀

🔶売場塾 2025新春開講日程

売場塾は一昨年から銀座にて開催しています。
【リアル講座】
●VMD基本講座 1月18日(土)開講
●アパレル基本講座 2月8日(土)開講
●VMD教育指導講座 2月15日(土)開講
●ディスプレイ指導講座 3月1日(土)開講
●POP指導講座 3月8日(月)開講
【オンライン講座】
●VMD基本講座 2月17日(月)開講
●VMD教育指導講座 3月17日(月)開講
●ディスプレイ指導講座 3月24日(月)開講
●POP指導講座 3月31日(月)開講

→各講座詳細
→売場塾説明会・プレセミナー

🔶銀座リアルセミナー開催中

VMDを学ぶ入門セミナー。3ヶ月に1回月開催しています。
●「VMD売場づくりの基礎セミナー」
1月23日(木) 10:00開催
●歩いてVMDを知る!銀座フィールドワーク同時開催。

🔶オンライン センスアップセミナー開催中

ディスプレイセンスをアップするセミナー。毎月開催しています。
●オンライン「センスアップセミナー」ディスプレイ構成PART4
1月30日(木) 11:00開催

ディスプレイすれば生活は潤いになる

今年もあとわずかになりました。
皆さん、今年はどんな年でしたか。

パリオリンピックや大谷選手の活躍があったとはいえ、世の中は混乱を極めています。
私が驚いたのは、SNSによる影響大の選挙でした。

クリスマスの朝、コーヒーを飲んでいるときにふと思いました。

「クリスマスの朝なのになんかパッとしないな・・・」

テーブルの上はこんな感じでした。

ティッシュとリモコンが中央に鎮座している、物足りない食卓。
日差しは気持ちいいのに、よどんでいました。

もっと華やかにしたいなと思い、100円ショップで買ったプロップスでテーブルを3分で飾りました。
ほとんどテキトーです。

でも経った3分で下記のような食卓になりました。

赤いランチョンマットを黒い物の上に載せて、中央にダイソーのポインセチアをセット。
それでも、物足りないのでにせものの果物と棚からワイングラスを出して飾りました。

これがBefore After。

これだけで、クリスマスの朝らしくなりました。
とても気持ちいいです。

私たちはふだんVMDという仕事をしていて、いろんなブランドの店や売場を「快場」に変えています。
快場とは、ショッピンクが快い売場という意味です。

●快場とは

思えば、自分の空間、つまり家も快場にしないといけないですね。
積水ハウスではないけれど、「家に帰れば~快場~」。

ほっとする空間、らしい空間、家族が集える空間、創造的な空間。
あなたらしい快場がちょっとディスプレイを変えるだけで出現するんです。

黒と白のコースター・ランチョンを使えば、あなたの好きなパンダになるし。

青いつぶつぶ置けば、ツリーになるし。

大掃除でいらなくなったコードを使ってもいいです。

ゴミになるはずのネスレの箱を使って花時計をつくってもいいです。

私の書斎の書棚は、怪獣が大暴れしています。(^^)

書斎に入ると楽しくなります。

ということで、世の中いいことも悪いことも来年も起こると思います。
憂鬱な日もあるかもしれませんが、生活のうるおいは保ちましょう。
それが心の余裕を与えてくれます。

ほんの小さなディスプレイ、生活の中につくってみませんか。
お仕事忙しいみなさーん、来年もこれからもぜひ心の余裕を持ってくださいね。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

きゃー!!な話と売場塾

0.プロローグ

週休3日制にしてもうすぐ1年が経ちます。
●働き方改革で週休3日制にしてみたら

今のところ、業務に支障は全く問題ないです。
というか、当社売上も倍増し効率よく回っています。
独自の「モジュール業務改革」が功を奏しています。
この経営の仕方はいずれブログに書きますね。

プライベートなことを言うと、温泉旅行はよく行くようになりました。
そしておもしろい体験もしてみました。

この間、新聞チラシに入っていた格安の温泉旅行に行ってきました。
広告で格安と謳っている旅行とはどんなものか実験的に行ってきました。

すると、「きゃあーーー」というような宿でした。
やっぱり安いだけのことはあるね、ということがわかりました。

今回はそこから売場塾経営へと話をつなげます。(^^)
さて、はじまりはじまり~。

1.新聞折込の格安ツアーにノッてみた

毎日、新聞をじっくり読んでいます。
コロナ禍の頃から折込チラシをよく見るようになりました。
多角経営を考えているので何かヒントはないかな~とチラシから広報・タウン誌の類も見ています。

コロナ後、旅行代理店のチラシが毎週のように入ってきます。
「1泊7,500円でバイキング付き・酒も飲み放題付」というチラシは毎週のように見かけています。

いつもホテルや宿は間違いのないブランドを選んでいて、特に海外旅行は100%JTBのパックツアー。
安心・安全な快適旅行を心がけています。

しかし、その時ばかりは「こういう安いツアーってどんなものだろう」と実験的に予約したのです。
これも週休3日制という「余裕」が生まれたおかげです。
例えばこの春は「ハトバスツアーで東京タワー」というのに予約して乗ってみました。
未知の体験ってホントいいもんですね。(^^)

話を戻して今年9月、チラシのおススメする温泉パック宿に泊まってみました。
そこから「きゃー!!」が始まったのでした。

※ちなみに冒頭のチラシはイメージです。
その旅行パックのチラシではないので注意ください。

2.きゃーその1

サフィール踊り子号に乗っていざ旅館に。

旅館につきました。
和風の庭園が広がっていました。
「うん、悪くない」

そして、部屋に着いた時、やけに暗いのに気がつきました。
「3時なのに暗いな」

広縁から外を見てみます。
「1階なのに外がない!」

そう、広縁から外の景色は見えませんでした。
なぜなら外は衝立で覆われており、日の光がほとんど入ってこないからです。

暗闇の中に木風呂が怪しく光っていました。

「うーん、暗い・・・」
気分が晴れ晴れしないので、JBLのスピーカーでジャズをかけたかったのです、が持ってくるのを忘れました・・・。
仕方がないので、スマホの小さなスピーカーからソニーロリンズの音を絞り出しました。

日中ならアールクルーの心地よいストリングの音を出すべきなのですが、まるで夜みたいなのでテナーサックスの曲にするしかありませんでした。

荷物を入れようとした部屋のキャビネットもボロボロ・・・。

翌朝も当然部屋は暗かったので、今度はマイルスデイビスを流しました。
朝なのに夜のような暗さに、マイルスデイビスの「So What」は合っていました。
この曲名、日本語にすると「だから何だ」。
なんか暗示してますね。(^^)

3.きゃー、その2

1日目の夜、木風呂に入っていると、連れが「きゃーー」と金切声を上げます。
大きいイエグモが広縁に出たのでした。

虫が大嫌いな私の妻は、以前会社に「虫を取って」と私に電話をかけてきました。
私は勤務中だというのに、わざわざ家に戻って窓にくっついている小さいヤモリを取ったのを覚えています。

この時も同様で、風呂につかったばかりなのに裸でクモを捕まえなければなりません。
イエグモに対して心やさしい私はいつも手で捕まえて外に逃がしているんですが、この時ばかりは苦心し、冷蔵庫の後ろに逃がしてしまいました。

「出てくるまで待とう」と言いましたが、妻は「待てない」とのことでした。
仕方がないので、ハンガーを使ってガシャガシャ冷蔵庫の後ろを探りました。

しばらくするとクモは出てきました。
「きゃーーーーー」
と、同時に妻の格段と高い金切声!
それを聞いて失敗は許されないと思い、この時ばかりはハンガーで一刀両断にしてしまいした。
クモさんごめんなさい。

その夜彼女は、2匹目・3匹が出て来やしないか、ずっとハラハラしていました。
私と言えば、部屋の暖房が強すぎて暑くてグッスリ眠れませんでした。

4.失敗もたまにはいい?

ということで、「チラシの格安ツアーに参加するとどうなるか」を実体験できました。
思った通りでしたが、案外楽しかったです。

言葉は悪いがおとりっぽい広告と知りつつもあえてやってみる。
そんなわけで失敗も予想でき、なんかおもしろかったです。
もちろん、エステや不動産みたいなおとり広告はあぶないけど、このくらいは許容範囲です。

私は広告代理店20年勤めていたので、こういうおとりっぽい広告は慣れています。
実は苦い経験があるんです。その話をしまょう。

新卒で広告代理店に入社したその月、初めて新聞広告をつくりました。
それは入社した会社がよく接待で使っている和食亭「南町大名」(仮称)の広告でした。

そのお店は、伊勢海老の天ぷらが名物でした。
当然ぷりっぷりの海老を広告のアイキャッチとし、「初日は1,000円で提供」のコピーを広告上段にでかでかと入れました。

新聞広告が出たその日はちょうど初任給の日でした。
今でこそ銀行振り込みが主流ですが、昭和時代当時は現金封筒渡し。

10万円が入った封筒は心地よく、さっそく新社会人の同僚に「伊勢海老食べに行こう!」と誘います。
何せ、1匹1,000円。お酒を頼んだとしても5,000円で済むだろう・・・と思いました。
みんな嬉々として伊勢海老料理を平らげました。

そして「お勘定~」
出て来た伝票にみんなびっくり。

伊勢海老の単価が6,000円になっていました。
「なんで・・・」
目が点になりました。

レジ前には自らが作った広告のおとりに引っかかってしまった、あわれな新入社員がいました。
会社幹部の大事なクライアントでもあるのでクレームが言えませんでした。

旅館の失敗はおもしろかったんですが、この失敗はよくなかったです。
おかげで全員初任給はスッカラカンになりました。

5.売場塾開設時のこと

おとり広告と言えば、美容外科、各種教室、株式投資、不動産、キッチン用品などいろいろありますね。
以前私も、英会話教材販売の方から執拗に迫られたことがあります。

英会話学校にかなりの額を投資している私は、JTBのような大手学校ブランドを選ぶ傾向がありました。
それは安心だからです。

しかしながら、雑居ビル・マンションでやっている英会話教室もかなりあります。
この間、フリースペースで使用した銀座の古いマンションビルにも、自営で行っていそうなエステや不動産屋、アクセ教室などが入居していました。

大手と比べるとちょっと不安。
ドアを開けるのも勇気がいります。

しかし、金のない大学時代は、こういう雑居ビル・マンションに入っている英会話喫茶に通学していました。
最初は入るのに勇気がいりましたが、いざ入った後はまったく問題ありませんでした。
まじめな社会人の生徒が多く、毎回楽しく学習ができました。

実は、売場塾も最初はそうでした。
19年前、三田の中古マンションの地下から始まりました。

上の写真が地下の会議室です。
売場塾は最初は少人数でしたので、ここで始めました。
2006年のことです。

この写真を見ると雰囲気はいいんですが、なにせ中古マンションの地下。
外から地下に入るので雰囲気は暗かったです。
秘密のアジトに入るような感じでした。

ここで売場塾説明会も行っていました。
夜の説明会もあったので、あたりは暗くなり入るのに勇気がいるような雰囲気でした。

そこで、私はいつもマンションのエンタランスで説明会参加者を待待つようにしました。
ホテルのベルボーイみたいにエスコートすることにしました。
「売場塾」のサインを掲げて待っていて、参加者そうな人に声をかけていたのです。

地下はともかく、エンタランスの雰囲気は悪くなかったです。
受付カウンターがあるのが救いでした。
また、社名プレートがたくさんインフォメーションボードにディスプレイされているので、ビジネスビルみたいでオシャレでした。

そんなことで、オーバルリンクという会社を作つくって3年目開始した売場塾事業は、予算もなにもないところから始まりました。

当時からほぼ100%インターネットで生徒募集していたため、おとり広告のように「だまされた!」と説明会参加者や受講生に思われてはいけません。
とにかく不安を抱かせないように、明るく親切丁寧に接客していました。
地下にお通しする時、よく言っていたセリフが「虎の穴へようこそ~」でした。
タイガーマスク知らない世代には通用しないとは思いましたが、洒落としてはウケました。(笑)

売場塾初期はこんな感じでした。
三田時代に売場塾にお越しになった説明会参加者の皆さん、売場塾生の皆さん、大変感謝します。

今はこんなビルで説明会をやっています。
銀座一等地のビルの広いエンタランス。
最上階のアントレサロンというスペースでやっています。

こんな感じで会場も広ぴーろ。
地下と違い、「閉じ込められて逃げられない」というイメージはまったくありません。(^^)

ひとけは常時ありますので、夜でも昼でも安心して気軽に相談できます。
説明会、いつでもお越しください~。

●売場塾&VMDインストラクター説明会

ということで、商空間スタイリスト認定講師の皆さん、初めて開設するVMD教室は雑居ビルでもマンションの一室でも、コストをかけずにスタートしましょう。
恥じることは何もないです。

かの旅行会社HISも渋谷の雑居ビルの小さい部屋から始まりました。
期待を胸に来年も邁進してまいりましょう~。

ホームページのデザインが立派で、説明会参加者が現地に来てがっくりしても、それは「おとり広告」ではないです。
ためになる楽しいレッスンを通じて、「このスクールに来てよかった」と受講生に思わせましょう!

当社のディスプレイ教室「商空間スタイリスト講座」の認定講師の方は、雑居ビルやマンション1室から始める方もいます。
これからもがんばりましょう~!

なお、「商空間スタイリスト講座」認定講師になりたい方はオンラインで説明会を開いていますのでいつでもご参加下さい。
無料です。

●商空間スタイリスト講座 開業説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

マーケティング戦略で売れるVMD本を出版しよう

VMDの教科書

今日は本の出版の仕方についてお話しします。
単なる本の出し方ではなくて、あなた個人や会社のビジネス戦略としてどう本を企画するか?についてお話しします。

起業した方なら誰しも「本を出したい」と思ったはずです。
売場塾生も個人として、会社として本を出版している方がいます。
それはこの間のブログでも紹介しました。
●VMDインストラクターの書いた本

私自身も本を出版していて市販本は3冊、自費出版1冊になります。
私の場合、売場塾をやっているので圧倒的にテキストが多くてこちらは9冊。
こちらはこの19年途切れることなく改訂し、出版し続けています

0.本を出す目的と手順

まず本を出したい方は目的を明確にした方がよいです。
単に本を出したいなら自費出版で十分だと思います。

以前ある出版社の自費出版説明会に行ったことがあるんですが、参加者は熱気むんむん、すぐに出版したいという方が多く集まっていました。
占い本を出したい人、旅行記を出したい人など、いろいろな方がいて、次々に出版社と契約されていました。

自費出版というものの、書店の流通に載り小売店に自分の本が置かれ、国立国会図書館にて永遠に保存されるという特典付きです。

ただ、ほとんどの方が、本で儲けるというよりは自分の証を世に出してみたいという動機が多いような感じがしました。
難しいイラストや写真などがないテキストだけの本なら100万円台で出版出来るということで、本を出したい人の夢をかなえてくれる、そんな出版社のシステムでした。

こんなわけで、単純に「本を出す」という既成事実を作りたい方ならこれで十分。
自費出版と言わなければ、「著名な出版社から本を出した!!」ということになるので、人に誇れます。

しかし、自費出版会社も今や大なり小なり出現しているので油断は禁物、準備金や制作費まで取る出版社もあって最終的には高くなる危険性もあります。
そこは十分気をつけてください。

VMD本企画書表紙

さて、今回は私の本「展示と陳列の法則」を題材にして、本の出版をどのように進めたらいいか、手順をお教えします。

  1. 出版社に企画を持ち込む
  2. 競合本を研究する・・・「企画の前提」
  3. コンセプトを決める・・・「本書の内容」
  4. 読者モデルを決める・・・「本の対象」
  5. ポジショニングを決める・・・「ターゲット別シリーズ企画」
  6. コンテンツを決める・・・「構成案」
  7. コンテンツを作る・・・「体裁と要望」
  8. 出版社に入稿する

実はこの順番、書籍企画書を出版社にプレゼンした企画書のページタイトルに準じています。(上の写真は企画書の表紙です)
この項目を見てあなたは「なんか、マーケティングみたい」と思ったことでしょう。
そう、本を出版することはまさにマーケティングなんです。

ほとんどの方が「本を出したい」と思っても、あまり企画を錬らずに出版しているのではないでしょうか。
そして出したことに満足して、ホームページやSNSで紹介しそれで終わり、なんて感じになっていると思います。

それではもったいない。
本を出すことは、下記の効果があるんです。

  • 会社や自分の広報になる
  • 商品やサービスのPRになる
  • 本が商品になる
  • 本が広告媒体になる
  • 本が論文発表の場になる

本を出す前に、これらを念頭に入れてじっくり企画を練りましょう。
そうすれば、「出して終わり」にならずに上記の効果を十二分に獲得できます。

それでは前述の手順通りに解説していきます。

1.出版社に企画を持ち込む

上記手順1~7のタイトルで構成された28ページの企画書を持って、出版社に提案しました。
出版社の選定について、私の場合は知り合いを通じましたが、好きな出版社に飛び込みでもいいと思います。
電話でアポを取ったり、事前に企画書をメール添付するなどしましょう。
私の場合は前職が広告代理店でしたので、出版社に知り合いがある程度いました。
なので、企画書を提案するのは数社に絞り、最後に1社に決めたのでした。

出版社で企画書の説明をした後、編集者からいい返事をもらいました。
出版はすぐに決まりました。
大手出版社の場合、出版の可否は社内稟議になるので、やっぱり精度の高い企画書は作った方がよいです。

2.競合本を研究する・・・「企画の前提」

VMD本「企画の前提」

本を作るにあたって、現状でどんなVMD本が書店やアマゾンで販売されているか調査しました。
普段からVMD本はくまなく読んでいましたので、どの本もだいたい内容は分かっていました。
出版社も「売場づくり」や「ビジュアルマーチャンダイジング」などのキーワードで市場調査してくれるので、だいぶ市場が掴めました。
それには各VMD本の読者モデル別・月別売上推移が提示されているので、どのジャンルの本がどの読者に好まれているかがわかりました。

また、大手書店に行き、どの分類の書棚にどのVMD本が並んでいるか探ってみました。
その結果は、上記の1ページに組み込みました。

VMD本はだいたい次の2つに分類されていました。

●お店・売場づくりの本
  ・・・経営・マーケ・流通業の棚に多く、テキスト中心のカタイ本
●ディスプレイ・VMDの本
  ・・・VMDといってもほとんどディスプレイの本でファッション・趣味的な本

この2つの中間が狙い目だな、と思いました。
そして出す本を下記のように定義しました。

高級店ではない、スーパーや商店のような
 普通の店の売場づくりをオシャレに恰好よく
 アート的に教える本は皆無です。
 当本は、アート・デザインとビジネスの中間
 を行く、新ジャンルの売場づくりの本です。」

つまり、小売りの売上を上げるのが目的のカタイ実務本ではなくて、ビジネス・ノウハウと、アート・スキルを兼ね備えたマルチな書籍を目指しました。

3.コンセプトを決める・・・「企画主旨」「本の内容」

VMD本「企画主旨」

上のページを見てください。
本を出す目的をコンパクトにまとめました。

企画意図)
「売場塾」を本にしたい
企画の背景)
「VMD」はオシャレな職業となりつつある

この企画書って、東日本大震災前に提案した2010年当時でした。
そのころの売場塾生はまだ150名。
今でこそ1,000名近くいるんですが、当時は今の15%。
当然、この本は売場塾のPRのために出しました。

単純な売場塾PRでなく、下記の目的もありました。

  • 会社や自分の広報にする
  • 商品やサービスのPRにする
  • 本自体を商品にする

そこで、切り口を下記のようにしました。

MD本「本書の内容」

そう、VMDインストラクターが教える「VMDの教科書」にしたんです。
つまり、売場塾の卒業生はこの時点で150名しかいないけれど、優秀なブランドのVMD担当が多いので、私というよりも卒業生を取材して売場づくりを語ってもらう本にしました。
シャルマンやエミスフェール、ダッドウエイやダーバンといったブランドVMD担当に協力いただき、たくさんの売場・ディスプレイ写真と共に売場づくりのノウハウを教える教科書としました。

編集者のイメージが湧きやすいように、帯広告のキャッチフレーズを企画書ページに入れました。

それには

「売れる売場をつくり続けているプロ(VMDインストラクター)が教えるVMDの教科書」

とあります。

これがまさに本のコンセプトでした。
最終的にこれらキャッチフレーズをまとめた表紙は下写真のようになりました。

VMD本の表紙

4.読者モデルを決める・・・「本の対象」

VMD本読者モデル

誰を読者にするか?
これは本を出す上でけっこう大事なことです。

皆さんは本を書く時、漠然と「売場づくりに興味がある人」「店員さん」「小売店」などと、対象をしっかり絞らずに内容決めていませんか。

VMDの本を出すから小売店の人、というのはあまりにも対象範囲が広すぎます。

本屋でどの棚に置いてほしいか?そこにはどんな人が来てほしいのか?
アマゾンでは、どのジャンルやページに掲載されるべきか?

を想定しないといけません。

つまり、読者モデルです。
最初、私は上記の企画書ページのように読者モデルを考えました。
それは、小売店、VMD担当者という軸ではありませんでした。

  • ホワイトカラー自分磨き社員
  • ライセンス・カルチャー女性
  • 売上一直線現場販売員
  • こじゃれた店大好き買い物女性

このポジショニングマトリクスを作って、「こじゃれた店大好き買い物女性」以外をターゲットとしました。
「こじゃれた店大好き買い物女性」だと一般女性になってしまい、VMD学校・売場塾とは、ほど遠い縁だと思ったからです。

また、よく考えると「売上一直線現場販売員」も本のコンセプトに合わないと思いました。
前述の通り、売上を上げるのが目的のカタイ実務本ではなくて、ビジネス・ノウハウと、アート・スキルを兼ね備えたマルチな書籍を目指していたからです。

そこで、2次元マトリクスをこのように変えました。

VMD本読者モデル2
  • ホワイトカラー自分磨き社員
  • ヒューマンアカデミー・カルチャー女性

ヒューマンアカデミーというのは、カルチャーセンターというよりも社会人向け各種学校で、読売カルチャーとかNHKカルチャーと違い、深く学びスペシャリストになりたい女性が行く学校です。
なので、少し企画書にその名前を借りました。

こんな感じで対象を絞ってください。
すると、ページ構成やデザインなどのコンテンツの方向性がおのずと出てきます。

5.ポジショニングを決める・・・「ターゲット別シリーズ企画」

VMD本ターゲット別シリーズ企画

次にどんな業界をターゲットにコンテンツを考えるか?をマトリクスに示しました。
やっぱり最初は(1)の「女性」「百貨店・専門店」にしました。
スーパーマーケットやコンビニも流通業界の雄だけど、最初に出すVMD本はやはり百貨店や専門店の売場やディスプレイの方がウケる、と思いました。

確かに売場塾の授業やテキストは、その業界以外にスーパーゃホームセンター、家電量販店、自動車用品店やコンビニなど、業種・業態・取扱商品問わないオムニバスなコンテンツなんですが、企画する本は「アート・デザイン的」という方向性を持っているので、やはり華やかな店の方がよいと思ったわけです。

コンビニやスーパーの方、大変申し訳ありません。
貴社の売場がアート敵ではない、というわけではありませんので、誤解しないでください。

なので、掲載対象にした店はこのように、ブランドショップ、セレクトショップ、百貨店内専門店、になった次第です。

VMDの教科書

さて、上記企画ページを見てお気づきの方は、この企画、シリーズ展開を狙っていることが分かったと思います。(^^)

6.コンテンツを決める・・・「構成案」

次はいよいよ構成案です。
その前にもう一度、コンセプトを整理しましょう。

「当本は、アート・デザインとビジネスの中間を行く、新ジャンルの売場づくりの本」「売れる売場をつくり続けているプロ(VMDインストラクター)が教えるVMDの教科書」

これがコンテンツ全体を覆うフィルターになっています。
冒頭の「快場の章」はまさに当社が目指す売場のあるべき姿。
心地よい売場「快場」とは何かについて語りました。

「陳列の章」と「展示の章」は、大いに売場塾生に協力いただき、売場塾生のブランドショップを取材して、彼ら彼女らのVMDを写真で紹介。
どのように日ごろ売場づくりをしているか語っていただきました。

「ディスプレイの章」は企画書の時点ではあったんですが、陳列と展示とダブるのでやめました。

そして「あなたもVMDインストラクターになれる!」の章では、売場でなくVMDインストラクターその人を取材しました。
売場塾生の皆さん、取材協力ありがとうございました。

7.コンテンツを作る・・・「体裁と要望」

VMD本のページ体裁

具体的にイラストレーターでページをつくってみました。
本のサイズはA4版と大きめのページにしました。
売場写真をふんだんに、なるべく大きく使いたいからです。

この本、VMDのレッスン本という体裁で全部で19レッスンつくりました。
1レッスン4ページとし、最初の見開きが「基本編」、次の見開きを「応用編」としました。
基本編は、売場塾の名物となっているコップ・ワークショップを紹介しました。
コップを使って陳列や展示をつくるというシンプルな表現を採用しました。
コップは、色・柄・サイズ・素材・用途・年齢・季節などいろいろなMD分類要素があるので、万能のVMD教材なんです。
このノウハウを惜しげもなく提供しました。

このページは売場塾の普段やっているワークショップの一部も垣間見えるので、学校のPRにもなりました。
そして売場塾生の所属している会社16社をリストアップして、「基本編」のコップのワークショップで培ったスキルが売場でどのように生かされているか、丁寧に取材し写真をたっぷり使い「応用編」として紹介しました。

企画意図)
「売場塾」を本にしたい
企画の背景)
「VMD」はオシャレな職業となりつつある

つまり前述のこれを具現化したわけです。

8.出版社に入稿する

こんな感じで企画しを練って1年かけて作りました。
とても大変でした。。。。

文章を書くだけならまだいいんですが、

  • カメラマン
  • デザイナー
  • インタビュアー
  • プロモーター

と、すべて1人でやりました。
取材するVMDインストラクターは大手ブランドに所属している人が多いので、まず広報部を通さなければいけません。
その交渉と打合せが大半のページに必要で、本の制作で一番時間がかかりました。

また、本の基本デザインや写真レイアウトも自分で作りました。
広告代理店時代からトコトンやらないと気が済まない性格がよけいな労力を生みました。(笑)

ですので、ページ入稿はすべてイラストレーター、写真のトリミングもフォトショップで調整して入稿しました。
カメラマンもしたので、撮影用にオリンパス一眼レフカメラも買いました。

取材先各社の広報部とやりとりする、取材・写真・本文・色校・ゲラは、私の広告代理店時代を思い出させました。
いい作品を残したいという構えは、起業してからも同じでした。

広告代理店時代のエピソードは下記を読んでください。
●好きなことを仕事にするには

9.本でどんな恩恵を受けたか

VMD本キャンペーンによる売場塾推移

そんなことで本は全国で売り出されました。
結果、下記の目的は「本が広告媒体になる」以外は達成しました。

  • 会社や自分の広報になる
  • 商品やサービスのPRになる
  • 本が商品になる
  • 本が広告媒体になる
  • 本が論文発表の場になる

初回4,500部出版しましたが、2年くらいで売り切れました。
「本が商品になる」機会が多く、1/3は大手ブランドの研修本として売れました。
コンセプトが「VMDの教科書」ということもあり、VMD研修のテキストとして、社員の教養本としてお買い上げいただくケースが続出しました。

この本から売場塾を知り、入学いただく方も多かったです。
売場塾卒業生で起業している方は、自分のセミナーのテキストとして使っていただく方もいました。

上記のグラフは売場塾のコース別生徒数推移です。
緑線がVMD基本コースです。
売場塾サービスが認知され、急激に上昇しているのがわかります。

皆様、大変ありがとうございました。
そして、そして取材に応じていただいたVMDインストラクターに大変感謝します。
クライアントの皆様にもお時間を取っていただいたり、広報へつなげていただいたりと骨を折っていただき厚く御礼申し上げます。

やがてこの本は海外からも出版オファーが入り、中国語に翻訳され、海外出版されました。(下写真)

10.後日談

「シリーズでやっていこう」と意気込んだ私でしたが、あまりにも制作が過酷だったため、2シリーズ目はトーンダウン。。。
とりあえず翌年もう1冊、別の出版社から「商品陳列 最強のルール」を出して、執筆はビジネス誌に戻りました。

最初の本はあまりにも手を入れ過ぎました。。。
通常業務が忙しくなったのもビジネス誌にシフトした理由の一つです。
ビジネス誌執筆は本と違いページ少ないので・・・。

そして今は出版社に頼らない自費出版にシフトしています。
これもなかなかよいですよ。(^^)
自分で製本する自費出版の出し方に関しましては、またの機会にお話ししようと思っています。

ちなみに下記が昨年出した自費出版本です。

●商空間ディスプレイ教本

なお、「陳列と展示の法則」は今は絶版になってしまいましたがアマゾンでは中古で手に入ります。
こちらのリンクから探ってみてください。
●魅せて・買わせる 陳列と展示の法則

ということで、VMDプロの皆さん、本の出し方分かりましたでしょうか。
ぜひ、マーケティング戦略をしっかり立てて出版してくださいね。
すると、自分や自分の会社にプラスになること間違いなしです。
新しい本出したら教えてください~。

最後に、印税がどのくらいあったかお教えします。
印税10%として1,600円の本は160円、×4,500部なので72万なんです。
印税だけで儲けようと思ったら、5万部は最低売れないとダメです。

なので、本を出すのは広告・販促の一種だと思ってください。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

プチコンサルで売れる営業をしよう

プレゼンする女子社員

今回はプチコンサルになるためのノーハウをお話しします。
売上をアップさせたい営業や販売の方、起業してクライアントをゲットしたい方にうってつけです。

1.プチコンサルで他社と差別化する

私はもともと広告代理店の営業でした。
当ブログで語ってきたとおり、まったくの新規開拓営業マンで飛び込み専門でした。
VMDの会社を起業した22年前もほぼ飛び込みで新規クライアントから仕事をいただいていました。

その頃の様子は下記ブログ参照ください。
●VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)専門会社をつくったワケ

さて、静岡の広告代理店に在籍していた私の売り物は「静岡新聞」と「SBS」がメインでした。
当時はマス媒体といって、テレビ・ラジオ・新聞がローカル広告代理店の売り物で、静岡県世帯普及率60%の静岡新聞と、静岡新聞が運営するSBSテレビ・ラジオをどこの代理店も売っていました。

売り物は、どこの広告会社も同じ。
こうなってくると、何か差別化しなければ新規開拓はできません。
他人と同じものを売っても、顧客に違いはわからないからです。
当然、競合広告会社と価格競争になり、20%しかないマージンをどんどん減らす消耗戦が繰り広げられていました。

それを避ける方法の一つに「差別化された商品やサービスを開発する」があり、それは別のブログで詳しく語りました。

●ネーミングによるブランド戦略
●マーケティングしなきゃ会社は始まらない

今回は、フツーの営業がフツーに飛び込みして、どのように他社と差別化を図り顧客をゲットできたのか、そのノウハウを違う角度から話します。

それはズバリ、プチコンサルタントになることでした。

2.顧客は情報が欲しい

「静岡新聞の広告どうですか」
「SBSラジオスポットの提供枠が空いているのでどうですか」

こんな営業をしたところで顧客はゲットできませんでした。
まったく飛び込み経験のない上役は「100軒飛び込みすれば、いつかは当たる」などと部下にハッパを掛けます。

これは今あなたがVMDを売り込むときに

「VMDいかがですか?アパレルはみんなやってます」
「VMDを導入すれば売場カッコよくなりますよ」

と言っているのと同じで、まったく説得力がありません。

広告マンである私はどうしたかというと、毎回飛び込み先に情報を持って行ったのです。
それは自家製「ホワイトペーパー」(ホワイトペーパーとは広報誌のこと)でした。

当時も今も、新聞やビジネス誌から為になる記事を片っ端からスクラップしていた私は、その中から顧客が喜びそうな部分をコピーして持って行きました。
そして、世の中のトレンドや話題をお話ししていました。

ただそれだけでした。
それだけで門前払いになる確率は減りました。
中には応接間に通していただき、じっくり話を聴く社長もいました。
毎回、広告勧誘の話は一切せず、ビジネス的な世間話をして帰っていくだけです。

しかし、それを続けていくとやがて小さい仕事が入りだしてきました。
1年も経つと小さい仕事がだんだん大きくなり、売上は上がっていきました。

「クライアントって、ちょっとした情報に喜んでくれるんだな」
と思い、それがどんなクライアントに対しても習慣になりました。

「東京のトレンディな店舗デザインを知りたい」
というクライアントがあれば、1日かけて渋谷や原宿にいき、店舗の写真を撮って差し上げました。

「商店街の活性化になんか方法はあるんだろうか」
というクライアントがあれば、両国国技館の商店街に行き、レポートを提出しました。

昭和の当時は、情報と言えば新聞や雑誌でしたので、トレンドはそこで掴んでいろいろと研究していました。
「スタバが日本に上陸した」とか「マツキヨが女子高生に流行っている」と聞けば、実際に現地に行っていました。

やがて別の広告会社に転職した時、私の情報量は上がりました。
会社は「日経テレコン」と「ビデオリサーチ・ダイジェスト」の会員でした。
好きに読み放題、データ使い放題になったのです。

●日経テレコン
欲しい情報のキーワードを入力すれば、それに見合う新聞記事をFAXで届けてくれるシステム。
今はオンラインになっている。

●ビデオリサーチ・ダイジェスト
ビデオリサーチとは、テレビやラジオの視聴率を調査している会社。
そこの月刊誌で、マス・OOHメディアの調査情報に長けているところが特長。

ここからも広告主が欲しい情報をピックアップし、チャート図を作って発表していました。
例えば、お茶のメーカーなら最新ドリンクのトレンドや、専門学校なら最近のカルチャー傾向やイチゴ世代のライフスタイル特性など。
(イチゴは今でいうとZ世代)

こうした何気ない日常の情報渡しが、顧客のパイプを太くしていくのでした。
中でもおもしろい話があります。

どこかの英会話学校を顧客にしようと、ベルリッツやらECCに営業で飛び込んでいたことがありました。
静岡に大手の英会話学校がたくさん進出していたころの話です。

各校に飛び込みをすると、広告担当が知りたいのは競合校の情報でした。
当時は「ケイコとマナブ」もないし、インターネットもありません。
私ができたことは客のフリして各校を周り、パンフやヒヤリングをしながら、競校の特徴一覧表を作り、狙った英会話学校に提出することでした。

その情報は重宝され、やがて1校から全面的に広告をもらうようになりました。
別のブログでも述べましたが、その後「マナ坊」という学校キャンペーンを企画展開して、英会話だけでなくほとんど著名な静岡内の各種学校の広告を一手に引き受けるようになりました。

こうして情報が私の強力な新規開拓営業のツールになったのでした。

3.顧客はアイデアが欲しい

もちろん、情報をただ持って行っただけでは単なる運び屋になり、それだけでは、他社から広告を切り替えてもらえません。
話はおもしろくてタメになるんだけど、広告代理店は替えない(というか、しがらみがあって簡単に替えられない)という顧客が多々ありました。

やはり決め手になったのは、プレゼンだったんです。
せっせと企画書を書いてプレゼンし、広告を競合から奪取するという派手なことをしていました。

決め手となった企画書は、ほとんど広告企画書ではありませんでした。
企画書の内容は下記だったんです。

・商品開発
・ブランディング
・ターゲッティング
・コンセプトメイキング

など、静岡新聞やSBSなどメディアを売り込む企画と全く違う経営戦略的な企画でした。

実際、お茶や釣り具メーカーに関しては、商品全体のカテゴリー整理と商品ブランディング、専門学校に関してはコンセプトメイキング、英会話学校に関しては講座開発などを行い、プチコンサルするような形で社長や専務など上層部を巻き込んでいったのです。

広告主、特に経営者は「うちの広告を安く出してくれる広告会社がほしい」わけではなかったんです。

「いかにわが社の商品を売れるようにしてくれるか」アイデアが欲しかったんです。
広告を出すことが目的ではありませんでした。

4.顧客はドリルでなくて穴が欲しい

上記のことは、ビジネス書によく書かれている、

「顧客が欲しいのはドリルでなく、穴である」(ドラッカー)
「顧客は早い馬が欲しいのではなく、早く移動したいのである」(フォード)

と同じことです。

これは私が会社を作って自ら経営者になったことで実感しました。
例えば当社に、印刷会社や販促会社が自社商品を売り込みに来ます。

「印刷費を安くします」
「とてもいい紙を使っているんです」
「早く迅速に印刷できますよ」

などとアピールします。
非常につまらない営業をしているな、と思います。

社長である私が欲しい情報は、例えば

  • 売場塾テキストをいろんな業種・業態に合わせられる、自動製本システム
  • テキスト印刷をデジタルテキストして管理する方法
  • テキストをページごとにバラしてワークシート化する方法
  • テキストをいかに全世界に発展させられるか、の翻訳システム

などです。

つまりテキストを印刷するのではなくて、

  • テキストをどう学校以外に活用できるか?
  • 普段書いている理論をどうテキスト化するか
  • 理論を製本することによってどんなサービスが生まれるのか

が知りたいのです。
早い話、印刷することでどういう風に儲けるか?なんです。

印刷会社が印刷をアピールするのは当たり前、私たちはそれ以上の情報が欲しいのです。

5.VMDアプローチもドリルと同じ

あなたがメーカー社員で、VMDを駆使して売場を活性化したいと考えているとします。
やみくもにVMDを導入すればなんとかなる、と考えない方がいいです。
ただ「VMDを導入する」は、ドリルの法則と同じで穴になりません。

具体的に事例を上げましょう。

あなたが生八つ橋のメーカー「聖護園」の販促担当だとします。
京都のドライブインでインショップを営んでいるが、なかなか売上が上がらない。
隣の別メーカー「夕子」や「おたべ」にやられている。

たまたまVMDセミナーに行き、ディスプレイの仕方を教わりました。
でもキレイなディスプレイを売場につくっても売上は上がらないでしょう。
「キレイなディスプレイをつくる」は穴にならないからです。

もしかしたら、価格戦略が違っているかもしれないし、パッケージや商品戦略が悪いかもしれません。

なので、売場のディスプレイを改善するだけでなく、商品ブランド別くくりに編成するとか、パッケージデザインを見直すとか、低価格帯の商品を除去するとかディスプレイと平行して考えられる手段を投入するといいと思います。

もちろん、あなたは会社員なので、商品ブランド別くくりや商品戦略は商品部に相談し、パッケージデザインは宣伝部と一緒にやるべきです。
他部署を動かすには、それなりの説得材料が必要ですが、それは面倒くさがらずに行えばいいと思います。

また、あなたがVMDプロで起業して顧客を得たいならば、顧客の「してほしいこと」を具体化するといいです。
新規顧客は往々にして「VMDを取り入れたい」と言ってきますが、それに対して「VMD研修を行う」という単純な対応にせず、何を欲しているのか「穴」を見つけるといいです。

例えば、メーカー販促部から当社への問い合わせで、「テレビCMなどマス広告でブランディングしているが、売場はいつも汚いのでなんとかしたい」というのがあります。

「売場はいつも汚いのでなんとかしたい」を鵜呑みにして、「掃除・整理整頓しましょう」というVMDを提案するのはナンセンス。
たぶん、上図のように広告や広報を含めた、顧客最前線のスペースブランディングを確立したいということなので、穴は

「来店前に顧客が抱いているブランドイメージを売場でもキープしたい」
ということになり、化粧品メーカーなら、

1.売場づくりをしている美容部員のVMDリテラシー強化
2.インショップブランドとしての売場デザインの確立
3.小売店と連携した売場の場所と形態の確保

というVMDプランが成り立ち、

1.に関しては
・美容部員のVMD研修
・ブランドガイドライン作成

2.に関しては
・什器デザインとその仕様のルール
・壁面・柱オーケストレーションプラン
・POPデザインと仕様の統一

3.に関しては
・小売店へのVMD提案活動
・小売店フロア担当へのVMD勉強会の実施

みたいな仕事に発展させることができます。
もちろん、全部が全部できない、という人はそれ相応の技術ある人とコラボすればいいでしょう。
または、できない部分は提案だけしてクライアントに委ねるのもいいと思います。

6.顧客にソリューションを提供しよう

ということで、静岡県で広告マンをしていたサラリーマンの私は、ほとんど静岡新聞・SBSを売らずに、クライアントの商品開発に明け暮れていました。
売上のほとんどかパッケージ関連と専門誌への出稿だった年を重ねていました。
しかし私が通常営業の2倍は売上を上げていた理由はここにありました。

もちろん、広告主のソリューションの中に静岡新聞が入っている場合は静岡新聞に出稿していましたし、会社のノルマで静岡新聞を買い切りしていた時は、静岡新聞を売っていました。
それは組織の一員だったからです。

VMD専門のオーバルリンクを経営している今は、私のソリューションはVMDのみとなりますが、VMD以外のアドバイスはよくしています。
店名を替えたり、取扱品目を変えたり、商品デザインを見直したりするお手伝いをする時もあります。

さて、プチコンサルをするコツを下記にまとめます。

●顧客は情報を欲しがっている
どんな情報が顧客のためになるか考えてみよう。
顧客のためになる情報を携えて営業しよう。

●顧客はソリューションを求めている
VMDを提案する前に、顧客の求めている結果を考えよう。
その結果に対して何ができるのか提案してみよう。

●経営者目線でモノを考える
社長になったつもりで考えてみよう。
どうすれば商品やサービスが売れるか考えてみよう。

そして、売場塾はVMDインストラクターという資格を認定・付与していますが、もちろん受講生は「資格がほしくて売場塾に来る」だけではなく、

・VMDプロとしてで起業して成功したい
・VMDプロとして社内で活躍したい
・VMDプロとして競合に勝ちたい

という皆様のソリューションは分かっていますので、どんどんアドバイスしますよ~。(^^)
そんな人のために下記の説明会や相談会、無料でやっています。
お気軽にお越しください。

●VMDインストラクターで起業・副業相談会

●売場塾&VMDインストラクター説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

好きなことを仕事にするには?

映画のパンフレット

会社員であって自分にとって好きな仕事ができる。
これってすごくいいですよね。

先月書いたブログは「いかに自分のためになる仕事をするか」、その方法を書きました。

●インストラクターって必要なの?

今回は一歩進めて「自分の好きなことを仕事にするには」についてお話しします。
いつもながら赤裸々な自分の過去を振り返ります。
昭和時代からの話だから、ビデオやスマホがまだ登場していないので、世相に注意して読んでくださいね。(^^)
では始まり、始まり~。

1.始まりは8mm映画から

富士宮市の街中で過ごした子供時代に懐かしい場所があります。
それは家の近くにある「第一劇場」という映画館でした。

小6の時にテレビで「大脱走」を見て外国映画にハマり、家から歩いて300歩くらいの劇場によく映画を見に行ってました。
その劇場は「第一劇場」といい、燃えよドラゴン、ダーティハリー、未知との遭遇などアクション、SF作品をメインに見ました。
上の写真がそれらのパンフレットです。

高校時代には映画研究同好会に入り、親の8ミリカメラを借りて映画をつくりはじめました。
映画は作るのもおもしろく、見た人が感動するのを見て、いつかこの世界に入りたいと思うようになりました。

やがて月日は経ち、大学3年になりそろそろ就職の準備をしなければ、という時期になりました。
どうやって映画会社に入れるようになるのか、考えてみました。
映画作品を作ってそれをPRしたらどうか?
とりあえず、そのような結論に至りました。

しかし8ミリ映画はフィルム代とカメラのメンテナンスにも金がかかります。
資本金も何もない私は、まず親の仕送りをすべてフィルムに回した結果、毎日インスタントラーメンの日々になりました。

まずは脚本です。
「午後の天使」という題名で警備士の老人とタレント追っかけ少女を出来事にしたシナリオを1本作り友達に回し読みしてもらいました。
しかしあまりウケません。

そこで原作を探すことにしました。
ちょうどルームメイトに作家志向の人がいて、書きおろしを読ませてもらいました。
ホラー映画とコメディが一緒になったようなストーリーでした。
「これなら低予算でできそうだ」と思い、それを脚色しシナリオの形にしてみました。

次に出演者を募りました。
「なんかおもしそう」という理由で比較的時間に余裕のある人が集まりました。
すぐに出演者は決まったものの、なかなか前に進みません。
みんなほとんど遊びで参加してくるので、時間が合わなかったり途中でアキて役を降りたりと、調整するのに苦労しました。

出来上がった20分の短編映画はかなり厳しいものになりました。
「これはとうてい見せられないかも」ということで、就職用にPRするのは諦めて次を考えることにしました。

一番ほっとしたことは、インスタントラーメン生活から逃れられることでした。

2.まずは映画やテレビの裏方をバイトしてみた

これはもう自分ひとりで作るしかないかも、と思った私はドキュメンタリー映画をつくることにしました。
これならば出演者を使わなくて済みます。

ただ、ドキュメンタリーの制作知識はないので、とりあえず映画会社とテレビ局でバイトして、業界を知ろうというということにしました。

東宝舞台という大道具制作の会社にバイトで入り、TBSの番組の大道具を作っていました。
こういう力仕事はまったく私に合っていなかったんですが、仕方がありません。
担当番組は、東芝日曜劇場、クイズダービー、2年B組仙八先生などでした。
超深夜の仕事で夜8時出社の朝6時帰りです。
昼間は大学の授業があるので寝不足の日々が続きました。

もうひとつは、映画やCMのエキストラ。
刑事映画やテレビCMの群衆の一部をやりました。

いずれにしろ分かったことは、映画やドラマは時間をかけて大人数でつくるということでした。
エキストラにしてもロケの準備が遅れて5時間待たされるのは普通。
子役が深夜でもじっと待っているのに、こちらはしびれを切らしているのが恥ずかしくなりました。

床に落ちてゴミになっているシナリオを持ち帰って勉強したり、大道具・小道具などの使い方や美術も参考になりました。
驚いたのは、現場で見ると汚い大道具もブラウン管で見るとすごくキレイに見えるということでした。

シナリオで驚いたのは、ベストテンみたいな歌の番組でも司会のアドリブまで事細かに書かれていたということでした。
もちろんそのまま読んでいるとは思いませんでしたが、どの番組でもセリフがかなり作りこまれていました。

3.竹の子族のドキュメンタリー映画を作ってみた

そんなことで、バイトの日々は過ぎていき、何を題材にドキュメンタリーをつくるかシナリオ作成段階まで行きました。
その時点で大学4年生になっていたので、あと就職解禁まで半年しかありません。
(当時は大学4年生の10月が解禁日でした)

当時、原宿では竹の子族が流行っていたのでこれを取材することにしました。
竹の子族とは、ホコ天の竹下通りでグループで踊りを踊る人たちのことです。
ロックンロールなティーンの集まりでした。

まず親戚の高校生のつてを頼って、竹の子族に潜入レポすることにしました。
ソニーのカセットテープレコーダーと8mmカメラを抱えて現地に行きます。
踊りの輪に入りながら撮影していきます。
それが終わったらインタビューという日々を繰り返していきました。

台風が接近していたある日のこと。
さすがに踊っていた人いないだろうな、と思い現地に行ったところ、ズブ濡れになりながら踊っているツワモノがいました。
濡れているのでややシースルーになり、撮影をためらいましたが背中ならいい、ということになり無事撮影を終えました。

「こういう行動って、外国人はどう思っているのだろう?」と思い、当時通っていた英会話学校の外国人講師にインタビューしたりもしました。
「日本人は個性を発揮しようと思ってやっているだろうが、みんなやりだしてからはそれが没個性になってしまっている」という手厳しい評価でした。

取材したフィルムを切り張りして、それにナレーション・BGを加えて完成です。
友達何人かに見せましたが、好評でした。

3.就職に足りないのはコネだった

その後、就職シーズになり、映画会社やテレビ局を受けます。
結果はどうだったか?
ゼロでした。。。

当時は就職冬の時代で映画会社自体、募集をしていませんでした。
テレビ局に関してはバイトをしたくらいでは何のアドバンテージにもならないこともわかりました。

そして、ドキュメンタリー映画はどうなったか?
「映画を見るにはかんべんしてください」という面接官が多く、20分物のフィルムを見る余裕はない、という理由でことごとく却下されました。
一日何百人もの面接がある人事部にはそんな余裕はないということがわかったのです。

「テレビCMって映画を15秒にしたものだろうな」
こう気持ちを切り替え、広告代理店志望に気持ちを切り替えました。

しかし広告代理店就職も甘くはありません。
だんだん分かってきたのは、「コネがないと入れない」ということでした。
事実、受かった広告代理店2社はコネが功を奏しました。

あまりに業界の慣習がコネだらけだったので嫌気がさし、当時投稿していたしていた朝日ジャーナルにそれをぶちまけました。
私の投稿は内容がおもしろかったらしく、毎回朝日新聞から謝礼をいただきました。
中には反論する読者もいましたが、今にして思えばブログを書いているようなものでした。
昭和時代は新聞や雑誌の投稿欄でしか、他人とコミュニケーションは取れなかったんです。

4.広告代理店で好きなことを仕事にする

そんなことで、広告代理店のラテ課(ラジオ・テレビのこと)に入社した私は、300本はCMを作ったと思います。
当時はカードCMといって動かないCMもたくさんありました。

映画を撮っていた経験が役に立ったのは、言うまでもありません。
上司の仕事で自治体のドキュメンタリー映画をつくることになり、シナリオも書きました。
今度は16ミリ映画でした。
親戚のママさんバレーの様子をネタに練ったシナリオはプレゼンを通過し、映画は完成しました

CM制作の仕事で一番役に立ったのが、CMコンテだったと思います。
大学の時、映画を撮る前にアングルやシチュエーションを決めるため、マンガみたいなものを書いていました。
それをコンテと言います。
ヘタウマですがCMコンテを書く営業はいなかったので、かなり重宝され、他営業の手伝いもしました。

人間国宝とコラボしたCMはACC賞を取ることができ、広告作品のいくつかは業界誌や本に載るようになりました。
私はディレクターではなく営業だったのですが、企画・プロデュースという役割で掲載されました。
優秀なディレクターが周りにいたのも幸いしました。非常に感謝しています。

広告会社変わってからは、番組製作もするようになりました。
バラエティ番組やドキュメンタリーが主でしたが、映画製作の経験が大いに役に立ちました。
大学時代の映画製作よりラクだったのは、会社の信用でスポンサーを募ることができたらからです。
自腹を切ってインスタントラーメン生活をする必要はありません。

こんな感じでいろいろ好きなことをしてきましたが、仕事をする上で厳しい条件がありました。

5.好きなことをするにはリスクを取らないといけない

サラリーマンなので、死ぬほどのリスクはありませんが、番組制作は多少のリスクが伴います。

それは、言い出しっぺが責任を取らないといけないことです。
最初に作った1時間のドキュメンタリー番組は、ある程度スポンサーが想定されたのですんなり行きました。
女性の活躍を題材にした企業ドキュメンタリー番組でした。

2回目と3回目はラジオ番組でしかも、3カ月から1年のロング番組。
4月の改編に合わせて企画するので、2月にはスポンサーが決まっていなければいけません。

以前と違い、まったく新しい試みの番組でしたので、まったくスポンサーのアテはありませんでした。
次のような番組です。

●アースデザイン・マインドミュージック
野鳥の声など自然の音とフュージョンをリミックスする30分の環境番組

●ラジオインターネットマニア
インターネットの面白ネタを紹介・コメントしていく番組

この二つの番組企画はすんなりラジオ局に通ったものの、スポンサー探しは難航しました。
番組放映時間は押さえているのでやらないわけにはいきません。
ギブアップはできないんです。

しかも私は「またあいつが何かやっている」という風変わりなポジションを社内で確立していたので、誰も相手にしてくれません。
1人でやるしかないのです。

思ったのは、「映画のプロデューサーってこうなんだろうな」ということでした。
優れた映画企画を作っても資金提供者が集まらないと映画はできないのと同じなんです。

とにかく日々、いろいろな企業に飛び込みをしては、断られの連続でした。
しかし、仕事とはなんとかなるもの。
「これはおもしろいから協力します」と言ってくれるスポンサーが現れるものなんです。

失敗したら会社を辞めようと思っていた私は運がいいことに、そのあと何回か番組・イベント企画を作っては実施することができました。

そしてこれは会社をつくる時に資本金を募って株主を探すことと似ていました。
株主もおもしろそうな事業を考えている若者に出資してくれるもんなんです。

6.会社のノルマは最低条件

最後にもうひとつ、リスクではないのですが、好きなことをするには会社のノルマを優先した上で行う、ということが大事です。

広告代理店で言うと、担当クライアントの扱いをキープする、買い切りを埋める、イベントを全員総出で行うとか、いろいろなノルマがあるんです。

会社で雇われている以上以上、ノルマは仕方がありません。
会社員であることの最低条件といえます。

確かに最低限のノルマはやって後はプライベートを充実するという「静かな退職」の選択肢はありますが、仕事に好きなことを上乗せすれば、充実感は増すはずです。
しかも、それで会社も儲かるというWIN WINだったら給与もよくなります。
私の場合も年俸アップしてもらっていました。

会社もWINなのに、報酬がよくならなしい好きな部署に移れないとならば、その会社に交渉するか、転職を考えた方がよいでしょう。

7.VMDをやりがいに変えた売場塾生

売場塾生の中には、今まで述べたようにVMDをやりがいにして成果を出し、会社に認められて昇進した人たちがいます。

例えば、メーカーに所属してお得意先周りをしている営業マンの方は、売場のプチコンサルをして回っています。
VMDインストラクターということでお店の方に重宝がられて、パイプは太くなり営業成績もよくなり、社長賞をもらいました。
VMDの研修もするようになると、お得意先を減らしてもらって営業の傍ら半分の時間はVMD業務をするという理想的な環境になりました。

またあるメーカーの研究員の方は、VMD好きが高じてショールームのディスプレイを自主的に作っていました。
展示会では季節や新商品のディスプレイレシピを配付し、特約店に売場づくりをアドバイスしていました。
やがて、その方は研究所から本社商品企画部に転勤となりVMD業務も担当することになったのです。

こんな感じで、VMDを好きになり、仕事のやりがいにして働き方を変え、自立していく人たちは売場塾では多くいます。
もちろん私のように会社員辞めてVMDで起業した人もいます。

来週末売場塾交流会を開催するので、ぜひ個性的な方々と交わってみましょう。

●第17回売場塾交流会「VMD Cafe」10/12(土)

8.VMDに関しては「仕事を好きにする」だった

だいたいわかりましたでしょうか、好きを仕事にするコツ。
まとめてみると、下記です。

  • 計画を立て行動してみる
  • 1人何役でもやる
  • 自分で責任を負う
  • 会社のノルマを優先した上で行う

これを徹底すれば、運は必ずついてきます。
なぜなら、前いた会社をクビにならなかったし、つくった会社もつぶれていないからです。(^^)

会社では自分の好きなことができない、というあなた。
あなたにとって好きなこととは何か、まずは考えてみましょう。
それを整理した上で、計画を立て社内で実現してみるんです。

ぜひ自主的に動いて自分の可能性を探って見てください。
あるときにクライアントの社長が言った言葉が思い出されます。

「言ったことを実行する、それだけだ」

さて、ここで、
どうして私は映像一筋できたのに、いまVMDやっているの?
と疑問に思う方、いるかもしれません。

いいところに気がつきました。(笑)
VMDに関しては、「好きを仕事にする」のではなくて、「仕事を好きにする」だったんです。
これを機会あるときにお話ししようと思っています。

それまでしばしお待ちください。~

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)