店頭から見たゾーニングの作り方

今日は、VMDレッスンです。
店頭から見たゾーニングについてお話をします。
アパレル専門店の場合、店頭からの見通しが歩く方向を左右するという
ものです。

よくいういわれに、人は心臓がある方向から歩く。
つまり左回りに通路を設定するといい、といいますが、
それは迷信だと思います。
メイン通路の方向から来る、隣の店との関係、店がT字にあるのか
交差点にあるのか、フロアのはずれにあるのか。
駐車場に近いのか入口に近いのか、など、あらゆる条件下で
回遊動線が違うからです。

店内通路をつくる前に、MDグループによる店舗内ゾーニングが
必要です。
店頭に立ったお客様が、売場をどう見るかですが、これには
色やテイストなど売場のカタマリが明確でないといけません。
色、テイスト、アイテム、サイズなどいろいろな服をバラバラに
配置すると、どこにどんな売場があるのかわからず、お客様は
店奥に行く気が失せるのは間違いないでしょう。

主なMDグループは、下記の様に考えられます。
●アイテムグループ・・・シャツ、パンツ、カットソー、アクセ
など品目で売場のカタマリを構成するタイプ。
ユニクロさんみたいな単品集積の店舗がそうですね。

●テイストグループ・・・プレッピー、マリン、ガーリー、ロックなど
テイストで売場がくくられるタイプ。この中に色やアイテムが入ってきます。
テイストグループは、ヤング向けカジュアル店舗などが多いと思います。

●オケージョングループ・・・ビジネス、フォーマル、カジュアル、オンオフ兼用
など、TPOで分けられるタイプ。セレクトショップや高級婦人服店がこういう売場区分を
しています。
マルニやコントワーデコトニエなどがそうですね。

●マインドグループ・・・年齢層を絞った売場集積です。一つの店舗の中にヤングアダルト、アダルト、
といった想定年齢層を絞ったゾーンが存在します。
ゴルフウエア専門店がそうでしょう。ヤングの中に、ラコステ、プーマ。アダルトの中にキャロウェイや
ゴールデンベアなどブランドメーカー別に存在しているケースが多いです。

ただ、マインド別はエイジ(実年齢)と意味が違うので注意してください。
マインド(年齢の心持)なので、自分が50歳でもヤングだと思っている人は20代の服を買います。
マインド別、本当に意味がなくなってきました。

●サイズグループ・・・LLサイズ、Sサイズなど、大きい・小さいサイズの特設売り場があるケース。
これはブティックでは、フォーマルウエアのお店、つまり青山さんやはるやまさんにあると思います。

●機能グループ・・・これも特設売り場で、今なら「暑さ対策売場」「アウトドアヘビーデューティ売場」
「雨対策売場」などになります。例えば、インデックスさんやSとネーションさんは毎期6月になると、
雨天対策用の服のくくりをしています。

●カラーグループ・・・色で売場を分けるタイプ。ZARAさん、フォーエバー21さんなどSPA系がしています。
グリーンの売場、ベージュの売場と分けられているので、視認性と注目率がとてもいいです。
スポーツは原色、エレガントはベージュなど、オケージョンやテイストはだいたい色で識別できるので、
とても効率いい手法です。すぐにアイテムを供給できるSPAでないとできない売場だと思います。

と、まあいろいろ書きましたが、日々アパレル専門店は売場が変遷していきますが、
要は入口から立って、売場のカタマリがなんとなくわかれば、お客様は行ってみたい売場に
踵を向けます。
なんの売場があるのかごちゃごちゃしてわからない・・・のは厳しく、300のテナントが入っている
巨大SCですと、いちいち店の中に入って調べるなんてお客様はしないでしょう。
ただ通り過ぎるだけです。

私たちはよくテナント店長さん研修をよくやりますが、「どんな売場区分にしているの」と訊くと
ほとんどの方が「フォーマルとカジュアル」としか答えがかえってきません。
これでは、マインドやTPO、そして季節で動いているお客様の心をとらえることはできません。

SCに入っているテナント店長さん、がんばってください。売場は生き物ですよ。
売場区分を店頭から見てすぐわかるように明確化しましょう。
今週は夏バーゲン最後の週ですね。がんばってください。

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