今日は、定数の話をします。
VMやっている方でもあまり馴染みないかもしれませんが、
大事なフレームです。
定数というのは、ある一定面積に配置する什器の数です。
定数は何のためにあるかというと、
本部がチェーンオペレーションしやすくするためです。
チェーン店は、早い話、同じ条件で店舗展開すると、
早く、経済的に出店を重ねるのとができます。
言葉は悪いんですが、金太郎アメのように同じ店舗展開して行けば、
すごく効率いいです。
だから、同じ面積、同じ什器数、同じ商品量、同じ人員でやってけば、
効率いいです。
ただ、ほとんどのチェーン店は、商業施設にスペースを借りています。
また、商業施設でなくてもだいたい地主がいて大家がいて、部屋を
かけて出店しています。
金太郎あめのようにうまくいかないところが、ここです。
何もない土地に店を立てるわけではないので、お店空間は
制限がいつもあります。
面積、天井高、フロアの形、ファーサード、階数、
バックヤードの有無など。
だから、まったく金太郎あめのようにチェーン展開するのは
ほぼ不可能なんです。
ではどうすればいいか。
そこで「定数」の登場です。
面積ごとに割り振る標準什器数を出せば、
だいたいのお店のサイズを測ることができます。
たとえば、アロマショップが10坪のお店を
全国展開したとします。
私たちVMDは、プロトタイピングといって、
プロトタイプ店舗(標準店のコト)をまず最初にプランします。
長方形4対3の店舗、フロア通路は、そのうちの1辺のみに面している
・・・とか、標準的な商業施設の入居条件を仮設定します。
10坪に置くのは、
900ラックが4本
カウンターが2本
応接スペースが1体
ベッドが1本、
1200ワゴンが6台、
ミント試飲ブースが1ブース・
などと決めて、図面を作成します。
その時、大事なのはVMD分類ゾーン階梯と
売場の見通し、通路、リレーションというのは、
いうまでもないですね。
そうして、最初のプロトタイプ店舗をオープンさせて、
本当に定数はそれでいいのか、試してみるんです。
すると3か月くらい経って
ベッドは2本あった方がいい、だとか
カウンター2本よりも1本にして、
応接スペースを2倍にした方がいい・・・
などとオペレーションが現場でだいたいわかってきます。
それをまた図面に書き込んで1号店を改良するか、
2号店をそれでスタートします。
そうして、だんだいプロトタイプは本仕様になっていきます。
これが定数の原理です。
このお店が利益が取れて、いい店だと評判が出てくれば
テナントの10坪対応の標準商業施設を探していけばよいです。
そのうちに、テナントとしてだけでなく、インショップ形態や
コーナー展開、柱展開などいろいろな条件が重なっていきますので、
プロトタイプを基準にしていろいろ図面を作製していけばいいです。
くれぐれも建築家や施工会社に丸投げしないでくださいね。
というのは、定数は「ブランド世界観を統一する」という
目的もあるので、定数が崩れると、売場が狭くなったり
ゴチャゴチャになったり、見にくい店舗が続出します。
VMDインストラクターはそのためにいるのですから、
施工会社と渡り合って、しっかりプランド世界観を醸成するような
スペース配置にするのが本業です。
全国のVMDインストラクターの皆さん、定数きっちり押さえてくださいね。
それではまた~。