VMDガイドラインを使った教育方法


別のブログでマニュアルとガイドラインの違いについて語りましたが、私のブログではガイドラインでスタッフ教育をする方について語ります。

●VMDマニュアルとガイドラインの違い

ガイドラインは、原則をベースとして応用を教えてくれる教科書ですので、文字通りVMDインストラクターはこれを元に教育をしていきます。

原則とは、どんなブランドでもどんな企業でも守らなければならない普遍的な決まりです。
原則は、デパートでも家電店でもホームセンターでもコンビニでも共通している決まりです。
場所が都会だろうが田舎だろうが関係ありません。
お客様が心地よく買い物できる環境にすることが原則が存在する理由なので、それに業種・業態・場所は必要ないのです。

さて、ショップスタッフがガイドラインをベースにしてVMDの応用力を身に着けるためには、OFFJTとOJTという教育が必要です。
OFFJTは、レクチャーとワークショップがあります。
役割は下記です。

・レクチャー 売場づくりの原則を教える。
・ワークショップ 原則の応用シミュレーションをする

また、図を使うと上記のようになります。

VMDインストラクターは、レクチャーでチャート図や写真を使って原則を解き、そのあとにワークショップを行います。
ワークショップは実習のことで、受講者であるスタッフは原則に沿って自分の頭と体をフルに働かせて売場づくりをシミレーションします。
ワークショップでは、VMDインストラクターが評価と手直しをしますので、スタッフは自分の作ったものが応用の範囲外なのか範囲内なのかがわかります。
どこまでがよくて、どこからがダメなのかワークショップで習得できるのです。

売場塾では、40以上のワークショップを行っていますが、いろいろな業種・業態・取扱商品の受講生が来るため、コップや積み木といったわかりやすい教材で行っていますが、社内で行う場合はなるべく自社の事情に合ったワークショップをするといいでしょう。
バック店なら、コップを紙バッグに変えてやってみるとか、電気店なら冷蔵庫のアバターをつくって行うなどです。

OJTは、OFFJTワークショップの実際版と言っていいでしょう。
OFFJTワークショップは研修ルーム内の作業ですので本番を迎えてのリハーサルと言えます。(現場でワークショップを行うこともあります)
OFFJT後、現場で本番というわけです。

OJTにおいては、VMDインストラクターは手は出しません。
文字通り、原則に基づいた応用力をスタッフに発揮してもらう学習の場ですので、売場づくりはスタッフが行わないと意味はありません。
先生は後ろで見守るのが基本です。

そうして、スタッフがどうしてもわからない壁が出できて立ち往生すれば、その時は助け舟を出してやります。
その時もアドバイス位でよいです。
指示になってしまうと「私の言うとおりにやってごらん」または「私のやる通りにやってごらん」になってしまいますので、マニュアルと同じになってしまうのです。

ガイドラインがあると、インストラクターのアドバイスは「この線を越すとNG」が基準になりますから、スタッフは自由に売場づくりができ、応用力を発揮しやすいです。

またOJTの最中で、ガイドラインの線内に入っているけれど何かおかしい・・・という自称にも出くわします。
その場合、VMDインストラクターはその場で解決せず、持ち帰って原則を鑑みて、「セーフかどうか」または「これは例外にして新しい原則をつくるか」決めます。
こうしてガイドラインは更新していき、いつでも現場で活用できるスタッフの教科書になっていくのです

そして、1年の間、OFFJT・OJTを何回もリピートしていき、「ここまで訓練すれば大丈夫」となったところで、スタッフにデリゲーション(権限移譲)すればよいでしょう。
基幹店以外は、報告書なりイントラネットなどで本部VMDが管理すればよいことになります。

デリゲーションがうまくいっているチェーン店は、全国津々浦々どんな店に行っても、スタッフは売場づくりに積極的です。
VMDが社風や文化になっているからです。
それは、「ただ店をきれいにしていればいい」と違います。
ブランド世界観の佇まいをキープしていくのが、ガイドラインの望む成果ですので、「ディスプレイをきれいにつくる」「毎日掃除をする」というレベルのものではありません。

全国のVMDインストラクターのみなさん、ぜひガイドラインをつくってOFFJT、OJTで売場スタッフを教育し、デリゲーションしてくだいね。1年かかると思いますが、それを行っていけば、全国津々浦々どの店もブランドの世界観がキープでき、お店のファンが増えます。

VMD教育について詳しく学びたい方は、こちらの講座で伝授していますので、ぜひお越しください。(^^)

●VMD教育指導講座

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

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