VMDインストラクター、1001人に

人数達成ロゴ vmdインストラクター 1001名

1.祝、1,000名達成!

この夏、VMDインストラクターは1,000名に達しました。
うれしいです~。
ひとえに、売場塾生の皆さん、クライアントの皆さん、社員のおかげです。(^^)
大変感謝します。

VMDインストラクター、2006年秋に第1号を輩出してから、1001名になるまで19年と3ヶ月経ちました。

ビジュアル・マーチャンダイジングのプロを作りたいと思い、起業して3年目に始めたのが、VMDの学校「売場塾」でした。
資格制度を設けたのは2期から。
試験制度を導入したのは5期から。
それまではレポートを提出しその評価をもとに資格を発行していました。

ここまでの道のりを振り返ってみました。
200人達成に7年、400人達成に2年2か月、600人達成に2年、800人達成に2年4カ月、そしてコロナ禍もあって1000人に達するまでに5年5ヶ月かかりました。

「VMDインストラクターとは、お客様に取って快い売場環境を提供する、売場づくりのスペシャリスト」とする当初のコンセプトは今もブレていません。

私は資格をつくるにあたり、単なるディスプレイの資格にはしたくありませんでした。
売場塾を始めた当初から、「ディスプレイ」の他に「ショップデザイン」「品揃えと展開」「体験販促」という4分野をベースにしたビジュアルマーチャンダイジングの理論を確立していたからです。
●VMDの4大要素

せっかくの機会なので、VMDインストラクターの歴史を振り返ることにしました。

2.なぜVMDインストラクターという資格名なのか?

1VMDインストラクター事業企画書
2VMDインストラクターコンセプト1

VMDインストラクターはなぜ誕生したのでしょうか。
そのエピソードを紐解くため、事業企画書を公開します。

事業企画書名はズバリ、「VMDインストラクター事業」でした。
これと並行し売場塾を始めたのは2006年でした。
2006年春から始めた売場塾に対して、遅ればせながらその秋に当社株主に提出したのが、この事業計画書でした。

企画書の表紙、ヘンなイラストが描かれてますよね。
そして、下がそのイラストの説明ページです。

VMDインストラクターの定義

すいません、このアイコン、私がパワポで作りました。(^^)
これ、企画書用に考えたVMDインストラクターのイメージなんです。

ブランドのVMD担当者がガイドラインを携えて各店舗を臨店指導しているイメージなんです。
イラストをよく見てください。
「V」というノートを持って走っていますよね。
Vノートがガイドラインで、走っているのはVMDインストラクターです。

ガイドラインとはブランドガイドラインのことで、ブランドショップを支える売場づくりのルールブックと考えてください。
ガイドラインは売場づくりのナレッジ(知識資産)のひとつでもあります。
詳しくは下記リンク参考にしてください。

●ブランドガイドラインとマニュアルの違い

ではなぜ、この人物は走っているのか?
それは、ガイドラインを携えて全国のチェーン店を臨店指導している姿なのでした。
走らなくてもいいんですけどね。(笑)
でもチェーン店、数多くお店を持っているところ多いですよね。
ユニクロのように800店、セブンイレブンのように2万店ある店もあります。
本部VMDって全国行脚しないといけないので、走らないと回り切れません。
なので、こんな形にしたんです。

(最も今はオンラインも発達しているし、労働改革も進んでいるから歩くくらいがいいかもです)

それはさておき、下図を見てください。

VMDのビジネスモデル図

創業当時から当社のVMD業務モデルとして、集合研修→現場研修→ナレッジというものがありました。
これをそっくり、VMDインストラクターの業務に置き換えたんです。

VMDインストラクターは文字通り教育者ですので、集合研修で教える→現場(店舗)研修で教える→ナレッジをつくる、という役目を持たせました。
実際、本部VMDとして働いている方は、この3つがメイン業務でした。

ナレッジとは、前述した通り知識資産のことです。
ブランドガイドラインテキスト、ケーススタディ集などをいいます。
この図のナレッジとは、VMDの知識資産をつくる、という意味です。

私の創業当時、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)はディスプレイの職人というイメージが大きかったです。
企業にとって何が問題だったかと言うと、VMDの属人化です。

ディスプレイがうまい人がいて、ナレッジを独り占めしています。
この場合のナレッジとはノウハウ、ハウツー、スキルという意味です。
このディスプレイがうまい人が企業を辞めてしまうと、ナレッジはそのままその人に持っていかれて企業内に残りません。

売場づくりはうまいが、それを社内の人たちに伝えることなしに辞めてしまうのです。
そのために、インスタラクター、つまり売場づくりを教える人が必要ではないかと痛感していました。
VMDのノウハウ、ハウツー、スキルといったナレッジを従業員に教える人、それがまさにVMDインストラクターなんです。

そういう理由で、今でもVMDインストラクターはブランドガイドラインを作ることをゴールにしていて、そのための専門コースも用意しています。

●VMD指導コース

下記はどんな人にVMDインストラクターは適しているか、仕事としての役割を記しています。

4VMDインストラクター ポジショニング

3.なぜ日本を代表する企業から選ばれるのか

これは一昨年のデータなのですが、VMDインストラクターのうち54%が企業の社内資格として取得しています。
具体的には54社が売場塾を指名して、資格を取得していただいています。
そのうち上場企業は24社。
いくつかの会社名はホームページで公開しています。
●VMDインストラクターのお仕事取材
●当社の実績
●卒業生インタビュー

売場塾卒業生自体1,089名に達しているので、みなさんの身の回りのブランドVMDの方が売場塾に来ていると言って差し支えありません。
ヨーロッパやアメリカのブランドVMDも多く来ています。

あの有名なブランドが、1からVMDを勉強に来ているなんて不思議だと思いませんか?
いいえ、不思議ではないんです。

前出した通り、今までのVMDはとても属人化していました。
寿司職人や伝統工芸職人のように、デコレーターやVMDという職人も長い間、徒弟制度のような業界環境におり、師匠の背中を見て覚えるという不合理な状況にありました。

考えてみてください。
昔は芸術に長けたクリエイターのような方がVMD担当だったかもしれません。
今は、普通の社会人・OLが企業のVMD担当になっています。
デザイナーでもなければ、美大出身者でもありません。(そういう方もおりますが)
日本ではほとんどのVMD担当は販促部に属していて、日々会社員としてVMD活動を営んでいます。

しかも大企業では人事異動も盛んでいきなりVMD担当になることも多いです。
そんな中で一人前のVMDになるのに数年かかってしまうと、組織も立ちいかないでしょう。
そう、VMDに限らずどんな企業でも部署でも即戦力にならないとダメなんです。

しかし、今はそんな徒弟制度に頼るまでもなく、即戦力ある人材を生み出す学校が世の中にたくさんあります。
寿司職人に寿司アカデミー、英語を話す国際人にプログリッドがあるように、すぐVMDの即戦力になれる売場塾が必要なのでした。

そのため、すぐに社内人材をVMDに長けるようにしたい、という会社が売場塾を勧めてVMDインストラクターの資格を取得いただいているんです。

もちろん、会社の指名ではなしに自主的に資格を取る個人の方も多数います。
会社のVMD担当でなくてもそれに関わる部署、例えば販売部に所属しているショップスタッフ、メーカーの営業や広告代理店の方など、売場づくりに関連した方も来ています。
そして受講生の13%はフリーランスの方が資格を取っています。

資格のポジショニング的には、本部のVMD担当をメイン対象者としていますが、売場づくりのプロになりたい方なら、どんな方でも受講できるのが売場塾です。

4.誰でもすぐにVMDインストラクターになれるのか

では、本当に売場づくりの即戦力になれるのか?
ここでなれる!と言ったらうそっぽいので断言はしないです。(笑)

しかし、VMDインストラクターという言葉通り、資格名は「先生」そのものです。
VMD基本講座は3日間18時間で、その後試験を受けてVMDインストラクター認定証をもらって先生になります。

さすがに、まったくの素人が3日間だけでプロになれるかというと、そうではないです。
たとえVMDの経験が豊富な人でも、「教える」というに関しては素人です。
なので、資格を取ったばかりの先生としては、にわか先生でしょう。

だも、どんな職業でも最初はにわか医師、にわか通訳、にわか税理士のはずです。
にわかVMDインストラクターもありなんです。

もう一度上図を見てください。
VMDスクールを「集合研修」、VMDディレクターOJTを「現場研修」と置き換えてください。
最後の「売場ナレッジ」は売場ドッと混むになっていますが、前述のガイドライン、マニュアルに置き換えてください。

何度もいいますが、VMDインストラクターの業務モデルはこれなんです。
つまり、VMDインストラクターは、「集合研修」「現場研修」「売場ナレッジ」ができる先生と定義しています。
これらが、「集合研修」→「現場研修」→「売場ナレッジ」→と回転していく、VMDインストラクター業務モデルなんです。

上図の左側を見てください。
にわかVMDインストラクターがまずはじめにやることは、集合研修の先生です。
これは、にわか先生でも十分できます。
売場塾の55のフレームワークに沿った教え方をすれば、誰もが研修を成功に導くことができます。

その証拠に「VMDインストラクター」とネット検索して見てください。
当社のページが半分、ところどころにVMDインストラクターで起業・独立した方のホームページが出てきます。
この方たちは、今はVMDバリバリのインストラクターですが、最初は集合研修のにわか先生から始めました。

集合研修なら、例え先生の経験がなくてたどだとしくても、立派に教えることができます。
それは売場塾で、VMDの教え方も教えているからです。
独立・起業するVMDインストラクターは、まずセミナーを開くことをおススメします。
それで度胸をつけたら、次は「現場研修」です。

この「現場研修」が問題です。
いくら人前で教えることがうまくなっても、売場という現場では実際に売場をリバイスして、店舗スタッフに教えなければいけません。
教えることに加えて、正しい売場見本がつくれないといけません。

  • 什器とレイアウトを変更する
  • VMD分類を変更する
  • 展示を変更する
  • 陳列を変更する
  • POPを変更する

など、リバイスを実演してスタッフに見せないと納得されません。
しかも、スタッフに「教えながら」売場改善しないといけません。
なぜなら、教えることがVMDインストラクターの責務だからです。

現場指導はさすがに実践と経験を積むことが必要です。
しかし、どんなにわか先生でも半年・1年と経つうちに覚えていきます。
そして2年目には、にわか先生から脱出して真のVMDインストラクターになります。

なので、VMDインストラクターの資格取得はゴールではなくて、スタートなんです。
役割の最後、ナレッジ構築については、現場研修を数多くこなしながら、VMD知識を蓄積してつくります。
その蓄積を整理整頓して、ガイドラインなどを制作するのがVMDインストラクターのとりあえずのゴールです。

そもそも、VMDインストラクターを必要とする会社は、売場づくりの基準がないために、売場塾に社員を送り込むことが多いです。
売場づくりの基準はガイドラインに他ならないのです。

5.VMDインストラクターの13%はフリーランス

そんなことで、VMDインストラクターは、数多くの流通企業から指示されている資格で、資格取得者の87%は会社員です。
それ以外の13%はフリーランスの方。
VMDインストラクターとして起業される方がいます。
具体的には現在142名のフリーランサーがVMDインストラクターです。

フリーランサーは、最初は自宅でVMDインストラクターをやっているけれど、事務所を持って株式会社化する方も出ています。

そして困ったことに!
近年わが社、オーバルリンクと競合になることがあります。(笑)

新規クライアントが、当社とフリーのVMDインストラクターに同時にコンペ依頼したり、アイミツ取ったりする場合が発生してきています・・・。

しかも売場塾卒業生から、当社と同じ新規客のコンペ対応相談に来ることがあります。
つまり、何も知らずに同じクライアントが当社と卒業生をコンペさせているんです!

もちろん、卒業生に当社の存在は言わないし、クライアントにもVMDインストラクター資格のことは話さないのですが。

でも、安心してください。
私は常日頃から、VMDインストラクター資格者からの問い合わせに対して、いろんなアドバイスをしています。
それが会社員でもフリーランサーでも同じように接しています。
たとえ、コンペになっての相談でも、気軽に相談にのっています。
今まで3回そういうことがありました。

実際のところ、フリーランスの方は、例え当社と競合しても、こちらは競合と思っていなので安心してください。(笑)
VMDに関しての問い合わせだけではなく、クライアントへの対応の仕方、新規の客へのプレゼンの仕方なども余すことなく教えます。

そんな中、当社が負けることもありました。
子弟とは師匠を凌駕するものなのです。
でも、これは多分、私の性格だからできる事なのかもしれません。
VMDインストラクターとして、フリーランスの方は儲けてほしいし、会社員には出世してほしいと思っているからです。

それがVMDインストラクターという資格の価値だからです。
だから資格保持者が当社の競合になることは織り込み済み。まったく問題はありません。

●企業がVMDインストラクターという社内先生を作ることにより、オーバルリンクに仕事が来なくなる
●個人がVMDインストラクターになることによって、オーバルリンクの競合になる

このクリティカルコアは、オーバルリンクだからこそのモデルと言えるでしょう。
しかしこのビジネスモデルなくしては、VMDの真のプロは増えないし、職業として大成していかないでしょう。
流通業、ひいては日本の経済に貢献することもできません。

もう一度、VMDインストラクターのコンセプトを振り返りましょう。

「お客様にとって快い売場塾環境を提供する、売場づくりのスペシャリスト」

これは当社の事業コンセプトと一致します。

それは「日本中の売場を買場に、そして快場にする」

この社会的使命のために、わが社はVMDインストラクター事業を続けていきます。
今後ともよろしくお願いします。

VMDインストラクーに興味ある方は、ぜひ説明会にお越しください。
無料です。
●VMDインストラクター&売場塾説明会 /銀座サロン
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(VMDコンサルタント 深沢泰秀)