オーケストレーション設計の仕方

壁面ディスプレイの作り方
今日は、オーケストレーション設計の仕方について論じます。

銀座の東急プラザに行ってきたのですが、オーケストレーション設計がうまい店が何軒もありました。
売場塾卒業生が関わっている店も何軒かあり、とてもうれしく思いました。

まず、オーケストレーションとは何かということですが、
わかりやすく言えば、「壁面の集合陳列」のことです。

お店で何が一番目立つか知っていますか。
それは壁なんです。
建築用語で鉛直面といい、お客様は売場を見渡すときに
鉛直面、つまり垂直の面に目が行くんです。
垂直の面とはまさに壁なんです。

さて、このオーケストレーションですが、ただ商品を陳列してしまうと、倉庫の在庫置き場になってしまうんです。
「あのお店、なにかごちゃごちゃしているな」と思う理由は、壁の陳列が雑になっていることが多いです。

オーケストレーションをプランすることをオーケストレーション設計といい、VMDインストラクターの重要な仕事でもあります。
ショップデザインの要になりますので、しっかりした棚割りとスケッチで企画書をつくります。

オーケストレーションは下記の3つの要素を企画します。
それは、くくり、ハーモニゼーション、フェイシングです。

○くくり・・・陳列の分類のことです。
これがしっかりしていないと、お客様は商品が選びにくくなります。
くくりにはネガティブスペースとグリッドラインという要素があり、これをつくらないと、くくりがわかりにくくなります。

○ハーモニゼーション・・・商品をどのように置いていくかいうことです。
かっこいい置き方があり、下記の方法に分けられます。

  1. リピート陳列
  2. シンメトリー陳列
  3. ウエーブ型陳列
  4. タイト陳列
  5. 等間隔陳列

このうち、等間隔陳列は必須です。

○フェイシング・・・これは商品のフェイスをどうつくるかというプランです。
シェルビング、スリーブアウト、フェイスアウトがあり、ユニットフェイシングというやり方があります。
日本人が不得意でアメリカ人が得意なのは、このフェイシングという技術です。
アメリカの売場にいくとフェイスが優れているのがよくわかります。

この4つの要素に付け加えるのが、PPやインテリアディスプレイです。
PPは展示のことですが、PP固定棚方式にするかキャッピング方式にするか、決めなくてはいけません。
もしくはまったくPPやインテリアディスプレイを使わない、
ウオーターフォール陳列という方法もあります。

インテリアディスプレイとは、プロップスのみを使用した展示のことです。
プロップスとは小道具のことで、マテリアル(布のようなもの)、オーナメント(ガーランドのようなもの)、オブジェ(置物)があります。
これらは、商品やお店の世界感を醸成する役目があります。

ちょっと今日はVMD用語が多いのですが、お許しください。

オーケストレーションはかなりシステム化できるので、VMD担当の方はMDの期ごとに企画してみてください。
システム化できるということは、指示書にして全店に指導ができるということです。

VMD担当の方は、ぜひ壁面の集合陳列であるオーケストレーションをマスターしてくださいね。

家電メーカーの売り場作りのコツ

ヤマダ電機池袋2
今日はこの間の続き、家電メーカーのVMDのコツをお話します。

家電メーカーは、家電量販店で自分たちの売り場作りをしています。
方法は二つあり、ルート営業または営業支援担当が各店舗を巡回しながら、売場づくりをしていく方法と、ラウンダー会社という営業代行スタッフに売場づくりを任せる方法とがあります。

家電量販店は、メーカーごとに売場を区切ることが多いです。ケータイ電話、洗濯機、カメラ、パソコンなど見ると、わかるでしょう。
ソフトバンクやau、東芝やパナソニック、キヤノンやニコンなどと売場が分かれています。

力のあるメーカーは、ショップインショップをつくります。
これはコーナーのようなもので、例えばソニーのウォークマンだったら、ウォークマンのコーナーをつくるわけです。
このコーナーをどう効果的につくったらいいかをお教えします。
それには下記の売り場作りの基本があります。

●ディスプレイ用品を使ってデザインのカタマリをつくる
●什器レイアウトでお客様が集まりやすく長時間滞在できるようにする
●サインとPOP編集で商品群をわかりやすくする
●体験できる場をつくる

順に解説していきます。

●ディスプレイ用品を使ってデザインのカタマリをつくる
これはVMD用語でグランドプレゼンテーションというのですが、商品または商品パッケージ、POP、展示台、サイン、什器、壁面、天井、床といった売場のパーツを同一デザインにすることです。
例えば、auの売場はオレンジ色に見えます。なぜかというと、壁と什器がオレンジ色のデザインで作られていて、カウンタ背後の在庫のケータイパッケージもオレンジ色になっているからです。さらに使用するPOPや従業員のユニフォームにもオレンジを取り入れることによって、遠くから見てオレンジ色のカタマリにしています。
つまり、グランドプレゼンテーションとは、デザインの色のカタマリにする必要があり、メーカーが群雄割拠しているフロアでは、自社メーカーの色のカタマリにすることによって、遠くのお客様を誘引するわけです。

●什器レイアウトでお客様が集まりやすく長時間滞在できるようにする
床・壁・天井・照明を制作できないメーカーは、基本的に小売店のスペースを借りているにすぎません。
ただ、什器レイアウトを変えることによって、飛躍的に誘客でき、売場内滞在時間を増やすことができます。
メーカーの什器レイアウトのコツは、

    1. アイランド(島)型に什器編成をして、お客様をぐるぐる回っていただく。
    2. 柱を取り、柱周りをぐるぐる回っていただく。効果は1よりも大きく、柱上部にPOPやサインを取り付けられるので有利。
    3. コーナーを取る。いわゆる入隅を取ることにより、2方向からのお客様を引き寄せる。そして入隅は客だまりになりやすい。
    4. 通り化にする。つまり、ソニー通り、パナソニック通りにするわけである。通り化にすれば左右の棚を見ながらお客様は進むわけで、メーカーにとって売り場面積効率がいい。

●サインとPOP編集で商品群をわかりやすくする
サインとは看板のこと、POPとは広告のことです。実はこれらが混とんとしているメーカー売場がほとんどで、ブランドの世界観を瓦解し、商品は一流でも売り場は二流といわれるゆえんがここにあります。
ブランドサインはPOPで隠さない、POPの上にPOPを貼らない。この二つで半分の問題は片付きます。
次にするのは、サインとPOPの配置をしっかり決める。サインは看板であり、POPは広告であるのでこの位置関係(当然サインが上です)を整えることが先決です。
また、POPは種類がありことを知るべきです。演出POPと商品説明POP、告知POPは、機能が違い、貼る位置も違います。

●体験できる場をつくる
現在の家電店はショールーミング化されつつあり、展示物を売場で見てネットで買うお客様が多いです。
これを防ぐためにも、「ネットで買わずにわざわざ来てくれたお客様に体験をさせる」という気構えをメーカーは忘れないでください。
体験スペースを取って、その場で商品を体験させることによってファンをつくり、ヘルパー(メーカーの派遣販売員)とコミュニケーションをとらせるのが肝心です。
実機を置くのは持ちろんのこと、調理器具なら試飲試食、クッキング実習などいろいろな体験が必要です。
洗濯機なら、どのくらい汚れがとれるかを店頭実験したり(東急ハンズでよくやっている窓汚れのやり方みたいなもの)、炊飯器だったら、コメがどのくらいおいしいか調理して食べさせるといった具合です。

だいたいわかりましたでしょうか。
家電メーカーの4つの売り場作りの基本。

家電メーカーの売り場作り事例は、ビジネス誌に掲載していますので、興味がある方は資料請求してください。

ワコム様 パソコン周辺機器

富士通様 パソコン

◎資料請求先

家電店のVMDのコツ

家電店 VMD ウオールマート

今日は家電店とVMDの話をします。
家電店、家電量販店、あるいはパソコン店のVMDはどうあるべきか。
小売店はどのように売場をつくったらいいのか、電気メーカーは自社ブランドの売場にどうやったら
来店客を集めればいいのか、いつも悩んでいると思います。

小売店の場合は、従来のVMDにプラスして以下の点が重要です。
●ゾーニング
●POP
●サイン
●体験

家電商品とは、ケータイ、パソコン、オーディオ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、理美容品など多岐に渡ります。
このような商品は、ブランドの他に機能や効能、価格、サイズなどの選択項目があります。
特に機能や効能は見た目ではわからないので、POPや説明員を配置したり、モックや実機を置いて試用してもらわなければ購入に至りません。

ただ置くだけではダメなんです。

また、フロアが広いため、何処に行けばいいのか、どのあたりに行けば自分の買いたいものがあるのか、道順をある程度わかるようにしなければいけません。

そこでVMDの出番です。まずは広いフロアをうまくまとめてお客様がいろいろな売場にいけるよう、目的の売場にいけるよう、
回遊性を増すことが大切。
例えば、コーヒーメーカーはどこに置いたらいいか勘案します。
キッチン用品のところに置くのか、バー用品(ワインクーラーなど)のところに置くのか、冷蔵庫のところに置くのか?
隣接する売場は電子釜の横か、クッキングヒーターの横か、はたまたオーディオの横か?

売場の配置がどうなっているかで、お客様の回遊性と滞在時間は増減します。
そしてこれと関係あるのがサインです。
サインとは分類サインのことで、この配置の場所とデザインがうまくコントロールされていないと、お客様は容易に売場を見つけることができません。
または、売場に興味をもつ機会を失ってしまいます。

サインには、SONYやiPhoneなどのブランドネームも入ります。
または、「パソコンなんでも相談コーナー」や「書斎でクラシックを聴くためのオーディオ」などのフレーズもサインの仲間に入ります。

だから、洗濯機→斜めドラム→東芝・・・というアイテム分けだけでは済まない売場が存在しますし、ドローンなどの新しいジャンルは、何に使うのかその提案自体をサインにする場合も多々あります。
例えば、「建築会社のドローン活用コーナー」みたいな感じですね。

そしてPOPに関しましては、ほとんど整理の仕方に問題ある売場が多く、POPで埋め尽くされている売場をなんとかしないといけないことが多いです。
POPはメーカー、卸、小売店など他、ラウンダーやヘルパー会社という第三者も入り混じって設置しているので、POPのルールを決めることが必須になっています。

POPには、どこにどう設置したらいいのか、その順序と器具はどうする?や、サイズや色やフォントはどうするのか?書く内容はどうするのか?などのルール決めがあり、前者をPOP編集、後者をPOP制作と呼んで区別しています。

これらをきっちり決めて、正しいPOP運用をしなければいけません。

さて、最後は体験なんですが、売場塾では体験販促と呼んでいます。家電製品は使ってみないと性能や効果がわからないのですが、売場で使っていただいて納得して買っていただく方策が必要でこれも売場づくりの1ジャンルになっています。

ただ、モックと実機を置けばいいというわけでもなく、例えば、コーヒーメーカーだったら、同じコーヒーでも抽出器による味の違いを体験でわかるようにしたり、洗濯機なら、同じ水の量で洗濯ものの容量を重さでわかるようにしたりします。
この場合は、節水のエコの精度がわかるということです。

いかがですか。
家電はアパレルと違って、VMDは難しいです。
単にディスプレイをきれいにするだけではお客様は買いません。

次回は、家電メーカーとVMDについて語ります。

VMD理論に体験販促を組むのは当社だけ

今日は、体験販促の話をします。

大方のVMDコンサルタントは、
SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え
を3つの柱にしているのですが、
オーバルリンクはEP、
エクスペリエンスプロモーション
を取り入れています。

体験販促とは、エクスペリエンスプロモーション
といって
VMDの要になっているものです。

つまり、VMD要素が3つではなく4つなのは
オーバルリンクだけなんです。(^^)

私のVMD範囲はとても広いんです。
VMDはもともとアパレルの理論として成り立ってきました。
いまでも多くのVMDコンサルはアパレルなんですが、
私の場合は、VMDを取り入れる範囲が広く、
家電、化粧品、カー用品、サービス、パソコンなど
あらゆる業種・業態・取扱商品のVMDを理論化しています。

例えば、家電や化粧品の場合

SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え

だけですと、VMDの理論が成り立ちません。
この3つが売場でそろえば売れるかと
いうとそうではありません。

電気炊飯器や掃除機のVMDを考えてみましょう。
家電店にそれらは置かれているはずですから、

SD=ショップデザイン、 つまりお店や売場のデザインがよく、
MDP=ディスプレイディスプレイ、 がきれいに置かれていて、
MD=品揃え、 も有名国内メーカーのものがたくさん置かれています。

ただ、それだけではお客様は買いません。
なぜか?

それは、
売場の見れくれやディスプレイがいくらきれいでも
・本当においしいおコメが食べられるのか
・ゴミをたくさんすってくれるのか
が購入動機の中で重要な地位を占めているからです。

つまり、ブランドがよくて、売場がきれいで
ディスプレイがかっこいいだけでは家電製品は売れないのです。
家電品のような、機能性商品、効果・ 効能が問われる商品は
体験販促が必要なんです。

そこで、小売店やメーカは
売場に訪れるお客様に商品を体験していただき、売れるように
しなければいけません。

キッチンカウンターを設けて、実際にご飯を炊いて食べてみる。
掃除機売場の床ほこりを落として実際に吸引してみる。
こういう体験がないと買わせるのは難しいでしょう。
最低、接客による効果・効能の説明や店員の説得が必要なんです。

なので、私は売るのに難しい電機や化粧品、家具やカー用品の場合は
体験販促をほぼ100%売場に取り入れています。
例えば、コメ兵さんのカメラ売場では、店員と座りながら語り合うことができる
スペースを多用し、お客様や店員がカメラのうんちくを語れる売場にしました。

●コメ兵様VMD事例

例えば、家具店では、座り心地コーナーといって、ソファに座って体験できる
スペースをお店の1/3に設けました。
これがそうですね。

●ラフィネリビング様VMD事例

ぐりこやでは、店内を回ってグリコ製品の歴史を
学べるスペースにしました。
これがそうですね。

●江崎グリコ様VMD事例

このように、元来のVMDの要素、

SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え

だけでは生産性をアップするのが
難しい業種・業態・取扱商品があります。

それが、家電・化粧品・カー用品・携帯電話売場またはお店でした。
それが体験販促を取り入れた理由です。

ただし、それと違い見た目で判断して買うもの、
服やケーキ、帽子や靴下は体験販促はそんなにいらないでしょう。

ただ服でもスポーツ服、機能性下着などは体験がないと売れません。
そのために、店員を配置し、お客様にアドバイスしたり簡易試着したりして
購入を促します。

これからのVMDは、4つの要素、

SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え
EP=体験販促

この4つをうまくあなたの売場に取り入れるようにしてください。

PP不要論

今日はPP不要論を展開します。

PPとはPoint Presentationのことで、
店内ところどころに展開させるディスプレイのことをいいます。
私はPPをお客様を回遊させるディスプレイと言っています。
低い棚に置かれている陳列(これをIPという)よりも
PPの方が目立つので、お客様がそれに惹きつけられて
店内を歩く・・・という構図になっています。

VMDのディスプレイでは、このPPは重要になっています。

ただ、このPPは主にアパレルの服に通用するもの。
メガネやジュエリーなど、小さいものは遠くから
目立たないため、PPを設置してもあまり意味がないです。

つまり、小さいもの、細かいもの、透明物などのシルエットが
わかりにくいものはPPに適しません。
また、いくら大きくても馴染みがないもの、
例えばヨガポールやシェード用ネットなどは、遠くから見ても
何に使うものかわかりません。

それと反対に、DIYフロアのチェーンソーやのこぎりなどは
遠くから見てもわかりますし、キッズフロアの
ベビーカーなどもPPに展開してわかりやすいです。
この場合は、服と違い、コーディネート提案はあまりなく
サインの役割をします。
つまり、「電動ノコがここにある」「ベビーカーがここにある」
という売場案内サインの代わりになります。

私はこれをサインディスプレイと言っています。
モノが売場の看板のかわりになるということです。
こういう使い方なら、服以外でもPPを設置しても効果はあります。

また、サインディスプレイと本来のPPディスプレイの他に
PPの用途としては、インテリアディスプレイというのがあります。

これは、雑貨屋で見られるものなのですが、商品をプロップと
一緒に展示して、空間のインテリアデザインにするというものてず。
例えば、弁当箱売り場で、「楽しいランチピクニック」というテーマで
PPをつくります。
弁当売場のIPに該当するPPとしてカワイイ弁当箱をPPとして使い、
プロップとして芝生やランチョンマット、
キャンプ椅子を使ってピクニックシーンを演出したりします。

この場合のPPは特定の弁当箱のPRというよりも、
たのしいランチシーンという
TPOディスプレイを担っているので、
空間の雰囲気を楽しませるための演出ディスプレイの
役目を果たしています。

さて、これからPPが不要な場合について話します。

それは缶詰や紅茶缶などの小さい商品です。
無理してこのような小さい商品を積み上げてPPとしても
空間をただモノで埋めているだけであって何の効果も
ありません。

だったら、天井までIPとし、ウォーターフォールかモザイク陳列に
してしまえばいいのです。

または、PPの代わりに大きな写真を置くということです。
ロゴ入り商品名入りのビルボードにしてもいいと思います。
それなら缶詰だろうが、ジュエリーだろうが
ケータイだろうが、小さいものでも
ズームアップして展示できます。
ユニクロでさえもあの大きなポスターをPP代わりに貼っています。

さて、先ほど言ったモザイク陳列ですが、コンサル会社の使い方をすれば
PPは不要になります。
モザイクとはトルコの伝統的なデザインですが、幾何学を
細かく配置した模様と考えればいいです。
モザイク陳列はMUJIやイッタラで顕著です。

MUJIはカウンターバックにケースやかご、旅行カバンを
モザイク陳列していますし、イッタラの場合はグラスで
フクロウの顔を描いてしています。
ここまでくるとアートですね。

商品をアート的に陳列するのをオーケストレーションといい、
酒れた店の代名詞になっています。
これは壁面の上から下まで、商品をアート的に陳列することにより、
壁がオーケストラを奏で、遠くのお客様を引き寄せる技なのです。

いろいろ書いてきましたが、まとめてみましょう。

●PPの基本的な役割
店内を歩いているお客様を注目させ、別の売場に誘導させる。
それにより、お客様の店内滞在時間が長くなり、多く歩く。
最終的には買い上げ率が上がり、店の売上アップにつながる。

●PPに適している場合
→服やカバンなどの比較的大きい服飾品
コーディネートやシルエット、色でお客様を惹きつける
売場の顔になり、IPで商品を選択購入させる
→大きいシルエットで、それが何かわかるもの
ベビーカーや珈琲マシンなど、売場のサイン替わりになるもの
→インテリア・日曜雑貨
プロップと合わせて、生活のシーンを演出できる
弁当箱、食器、タオル、寝具

●PPが不要な場合
→細かいもの、小さいもの
缶詰や絵の具、メガネなど細かく小さいものは写真で代用する。
ビルボードやポスターにしてもよい。
または、天井までオーケストレーションをして、
壁の模様として展開する。それだけでもお客様は寄ってくる。
→置くだけでは馴染みのないもの
ヨガポールやシェード用ネットは展示するのみだと
何に使う商品か分からないので、
ヨガポールはそれを使ってヨガをしている写真、
シェード用ネットは、それで朝顔を育てている写真を
展示する。
すると、何を展示しているかわかる。

今日は長々書きましたが以上です。

今日は、PP不要論でした。
なんでもかんでもPPをすればいいというものではないので
注意しまょう。(^^)

自店の商品をストーリー性のある商品にする

商品のストーリー性とはどういうものか。
それは、棚に商品を置くまでのストーリーです。
下記の要素になります。

・商品の開発ストーリー
・それをつくる会社のストーリー
・会社をつくった人物のストーリー
・販路を開拓したストーリー
・モノを売る従業員のストーリー
・財務のストーリー(資本、出資、借金、財政危機など)
・サービス企画のストーリー

・商品の開発ストーリーでは、
コンセプトメイキングから、味や機能などの
他者に負けない部分の絞りだし、
ネーミングやパッケージデザインなどの開発。
つまり、世界に一つだけの花にするための
商品開発話なのです。
男前豆腐、スターバックス、ガリガリ君などがそうですね。

・それをつくる会社のストーリーでは、
どんな会社がその商品をつくっているのかです。
大きな会社がマス商品を大量のテレビCMに金をかけて売っている、
そういうストーリーはありきたりです。
むしろ、下町ロケットみたいなストーリーが買う人を
感動させます。
マークスアンドウエブや中川政七商店などがそうですね。

また、大企業でも日産のように、苦労して会社をV字回復させ
全自動運転自動車を日本で初めて販売する・・・みたいな
ストーリーなら物語性があります。
人々は感動するストーリーがほしいのです。

・会社をつくった人物のストーリーでは、
創業者や社長そのもののストーリーです。
創業者が有名な会社のほとんどは書籍を出しています。
本自体が文字通りストーリーです。
星野やの社長しかり、スープストックの社長しかりです。

・販路を開拓したストーリーでは、
百貨店に卸す、スーパーにテナント入居する・・・と
いうフツーの販路ではなく、ドラマチックな販路が
人々の心を打ちます。
下町工場だけど、銀座に路面店を出したとか、
日本茶の老舗だけどNYに店を出したとか、の
意外なグローバル販路などがおもしろいです。
または、バッグメーカー「フライターグ」のように、
バック店に商品を卸すのではなく、文具店や雑貨店に
引き出しタイプの什器を置き、インショップ化して出店する
というのも特殊なストーリーになります。

・モノを売る従業員のストーリーでは、
どんな従業員が店舗スタッフになっているか、です。
アルバイトで時給1000円の人がたくさん売っているみたいな
ことではストーリー性はないです。
アルバイトでも、その店が好きで好きでしょうがない人しか
雇わないようなコメ兵やヴィレッジヴァンガードなどは
従業員自体がストーリー性があります。

・財務のストーリーでは、
資本、出資、借金、財政危機などが物語性を帯びます。
特に経営危機から脱してV字回復した企業はそれ自体が
ストーリー性になります。
例えば、北海道の「白い恋人」は賞味期限切れで問題を
起こして経営が危うくなりましたが、すぐにV次回復。
管理を一層厳しくしたり、よりよい顧客サービスを
展開したりして、問題起こした後の方がブランド力アップし
売上も急上昇です。

・サービス企画のストーリーでは、
チラシに無料サービスとかノベルティサービスを歌うような
ことではなにもストーリー性はありません。
画期的なサービスストーリーが顧客の心を打ちます。
例えば、夜9時に店を閉めたドラッグストアでも、夜中に
子供の疾患があった家に飛んでいき、事態を修復させたとか、
オリンピック選手に付き添ってみごと金メダルを獲得させた
マッサージ店とか、その物語は人々の感動を呼びます。

この7つは実は、売場塾でお教えしている
ブランドショップの7ポジショニングなんです。
受講生にはピンと来たと思います。

女性も男性も、ストーリーが好きなんです。
いわゆる時計などの「うんちく」とは違います。
大根一本にもストーリーは必要で、味は普通でもストーリーが
あるとおいしく感じます。
または買ったかいが出てくるんです。

あなたのお売りになっている商品にストーリー性はあるはずです。
それを売場に出さない手はありません。
ストーリーの出し方がうまかったら
きっと、あなたのブランドのファンになってくれますよ。

壁面チラシ、パンフはPOP掲示用に編集をし直す

スーパーや家電店、ドラッグストアなどでよく見かけるのが、
チラシやパンフレットの切り抜きをそのままPOPにするというやつです。

旅行代理店などても見かけますね。
パンフレットやチラシの文字を丹念に追いかけている人もいますが、
それは稀でしょう。
余裕があり、目的がある程度ハッキリしている方は
いいかもしれませんが、大半の方は見ていません。

細い文字は近くに寄って丹念に見ないとわからないんです。
実はチラシは新聞に折り込むもの、パンフレットは
家に持ち帰って読むものなので、POPや不向きなんです。

デザイナーもPOPにするためにパンフレット
作っているわけではないですからね。
パンフレット、カタログ、チラシを広告代理店時代に
たくさん作っていた私がいうから間違いないです。(^-^)

では、どうしていたかというと、POPはPOP用のデザインに改訂していました。
つまり、商品の広告コンセプトやトーンアンドマナーは
変えずにPOP広告を作っていたんです。

当たり前といえば当たり前ですが、
チラシやパンフレットをそのままPOPにしている
店の多いことか。(~_~;)

POPはPOP用器具というものがありますから
そのサイズに合わせてつくります。
家電店でしたら、900×150ですし、コンビニなら600×300。
アクリルスタンドならA5、POSレールならタテ450です。

サイズを売場のPOP器具に合わせないと、うまく売場に収まらないんですよね。
そうするとどうなるか?
セロテープで貼らなくてはいけなくなり、
商品や他のPOPを隠しちゃうんです。(~_~;)

つまり、売場は汚くなり、POPは読めないわ、
商品は見えないわ、で客にとっていいことはありません。

今日の教訓。壁面チラシ、パンフは
掲示用POPに編集し直す、でした。(^^)

VMDのバーチャルリアリティ

最近、バーチャルリアリティが流行っていますが、
VMDの世界にもその波が押し寄せています。

例えばこれ。

●仏壇のハセガワ

仏壇の長谷川の店内を歩いてそのまま商品が
買えるという仕掛けです。

東急ハンズの新宿店はグーグルマップを利用して店内を
歩けます。
●東急ハンズ

昔は「店内撮影禁止」の店多かったのですが、
今後はこういうお店増えてくると思います。
販売だけではなく、ブランディングそして
VMDの教育に転用できますね。

マグネットゾーン →マグネット売場 →マグネットポイント

マグネットとは、磁石のことで文字通り、
お客様を引き付ける空間のことをいいます。
お客様を引きつける空間とは、売場やゾーンのことです。
マグネットゾーン →マグネット売場 →マグネットポイント
という順番で解釈するとよいです。

マグネットゾーンは、フロアのゾーンの中で
お客様を引き付けるゾーンのことです。

例えば、家電店のフロアでお客様を引き付けるゾーンというと、
ケータイ電話ゾーン、パソコンゾーン、調理家電ゾーンと
いうような感じです。

マグネット売場はそれよりも小さい売場単位のもので、
調理家電ゾーンだったらコーヒー器具売場、
ケータイ電話ゾーンならiPhone売場のような感じになります。

マグネットポイントとは、目を止める棚を指します。
例えば先ほどのコーヒー器具売場なら、カラフルなパッケージで
目を引くネスレの棚とか、
掃除機売場ならダイソンの棚とかになります。
それらは人気商品または統一デザインされたきれいなPOP等で
目立っていることでしょう。

マグネッポイントについては、フォーカルポイントと
同義語ととらえてかまいません。
ある一点に目線が集中するという点では
フォーカルポイントと同じです。

ただ気を付けなくてはいけないのが、
ガラスケースの中の一点の目立つディスプレイも
フォーカルポイントといいます。
フォーカルポイントは
マグネットポイントより小さい空間も
指すということです。

マグネットゾーン →マグネット売場 →マグネットポイント
ばっちり覚えて単調なフロアレイアウト、
単調な売場からおさらばしましょう。(^^)

素材のrichnessの話

richnessとは高品質、上品、高貴というような意味です。
つまりディスプレイ用品の素材感ですね。

店内にあるディスプレイ用品は、陳列用品、展示用品、
装飾品、POPと多岐に渡りますが、
素材に難があるケースが多いです。

特にPOPです。
POPは紙にたやすく印刷出ますが、
そのままセロテープで棚に貼る人が多いです。
せめてPOSレールかPOPスタンド使ってほしいです。
でないと、それこそrichnessが損なわれます。

POPがくたんくたん、ペロンペロンのケースが多いです。
高級バッグ店や雑貨店でもこのような光景を目の当たりにします。
光る金メッキのPOPスタンドを利用するか、最低アクリルスタンドは
ほしいです。

ライザー、テーブルクロス、ガーランドのようなプロップに至ると
けっこう100円ショップで買われている方多いですが、気を付けないと
お客様に見透かされてしまいます。
商品の質感はいいのに、その近くにあるプロップが貧弱だと
バランス悪いです。

ガーランドなら東京堂あたり、
テーブルクロスならZARA HOMEでしょうか。
ダイソーが悪いということはないのですが、お店のグレードに
プロップを合わせることが必要です。

什器であるラックやテーブルのrichnessが悪かったときは
壁紙やシートでカバーするといいです。
木目やスタッコ柄のシートがたくさん出ています。
それらを什器に貼ればいいのです。
すると質感が出ます。

ライザーもそうですね。
予算がない時はダイソーのを使用していますが
塩ビに近い素材なので少しrichnessが足りない感じします。

せめて、MUJIのアクリルライザーを使うと厚みや透明感が増して
richnessが増えます。

ディスプレイ用品、なんでもかんでも100円ショップで買わないように
気を付けてくださいね。
商品がリッチでもその周りのディスプレイ用品の質感がないと
売場の上質感は低下します。