よいVMDセミナ―講師になるための秘訣

今日はよいVMDセミナー講師になるための秘訣をお教えしましょう。
当社の運営するVMDの学校「売場塾」は文字通りVMDインストラクターを輩出していて、たくさんの方がVMDセミナー講師として活躍しています。
VMDインストラクターは、集合研修・現場研修・ガイドライン制作、この3つの業務をこなすことができる人なのですが、まずは集合研修を成功させましょう。

さて、参加者を満足させるVMDセミナーとはなにか。
その秘訣は下記です。

  1. 弱点克服セミナーであること
  2. 習ったことは持ち帰ってすぐに試せること
  3. レジメが拠り所になっていること
  4. 経験や実績をベースに話が成り立っていること

順に追って話します。

1.弱点克服セミナーであること

VMDセミナーに参加する人は「当社のどこがダメなのか」わからない方が多いです。
売場づくりに悩んでいるが、具体的に何に悩んでいるのかわからない、といった方です。

「うちの売場はダメだ」と思っていても、ぼやっとしていてどこが悪いのかわからない小売店やメーカーの方は多いです。

講師は参加者の受け持つ売場のどこがダメなのかあらかじめ知り、セミナーでその答えやヒントを出さなければいけません。
「どこがダメなのか」それをまず、教えましょう。
次に「どうやってそれを直すのか」ヒントや答えをお教えします。
すると参加者の心の重みが取れ、すっきりするんです。
スッキリ!!というニュース番組がありますが、あれと同じ。
セミナー終わってすっきりした!という、弱点克服セミナーにするんです。

私自体、たくさんのセミナーをこなしていますが、クライアントから依頼があった時はほとんど「売場の写真をたくさん送ってください」といいます。
私たちVMDインストラクターは、写真を5秒見て売場のどこが悪いのかわかりますので、悪い写真をたくさんピックアップして、「どこが悪くてどう改善すべきか」を詳しくお教えしています。

2.習ったことは持ち帰ってすぐに試せるようにすること

残念ながら、セミナーというもの、受講生はその場で納得してもらえるものの、セミナー後は月日が経つにつれ忘れてしまうもの。
これはセミナーの限界といえましょう。
本来ならば、セミナー後に現場研修、つまりOJTがあることが好ましいのですが、これを怠っている、またはできない企業が多いです。

そこでおススメなのがキーワードを残してくれるセミナーです。
長い文章を教えても、受講生は忘れるもの。
短い文章、つまり単語をキーワードとして残すのです。

  • ネガティブスペース
  • トライアングル
  • リピテーション
  • シンメトリー

この辺は受講者がよく覚えてくれる単語です。
単語というのは実に便利なもので、講師の言ったことをギュッと凝縮してくれるんです。
単語さえ記憶に残れば、容易に持ち帰ることができるんです。
メモも取りやすいですね。

だから私共VMDインストラクターは、フレームワーク用語を徹底して覚えていきます。

  • リレーション
  • オーケストレーション
  • MDテーマ
  • くくり

などなと。

これが売場塾では55用意され、単語が何を示すのかテキストに記載しています。
例えば、くくりというのは陳列された商品を色別サイズ別などにくくって、分類をわかりやすくすること、をいいます。
ですので、セミナーで講師が「くくり」を覚えましょう、といってその方法を伝授すると、受講生は「くくり」という単語を持ち帰ることができるのです。

ちなみ下記の13の単語は、ひんぱんにセミナーで話する単語です。
ぜひ読んでみてください。

●VMDに役に立つフレームワーク

VMD初心者が覚えたい13の課目

3.レジメが拠り所になっていること

よいセミナーにはよいレジメがあります。
そして、そのレジメを拠り所にして受講生は復習できます。

逆に拠り所がないとどうなのるか?
それはセミナーが終わってたら、知りえた知識は忘却の彼方になってしまうということです。
セミナーでとても関心したとしても、所詮は人間の脳に一時的に蓄積されるにすぎません。
その知識を繰り返し使わない限り、日が経つにつれ、忘れてしまうのです。
たとえメモを取ったとしても、後でそのメモを見返す方は少ないです。

レジメは文字だけでも有効なのですが、やはりチャートやイラスト、事例写真などの挿絵が載っているレジメがわかりやすく、文字通り教科書になります。
挿絵が用意できない講師は、せめてスライドの中身だけでもレジメに残すとよいでしょう。

こうすることで参加者は後日、売場で何かわからないことがあったら、レジメを振り返って学習できるます。
拠り所としてのレジメをしっかりつくりましょう。

4.経験や実績をベースに話ができること

講師は経験や実績のある人が好印象を受講生に与えます。
もしご自分に実績や経験があれば、それらを積極的に取り上げましょう。

VMDのことをどんなに詳しく話しても、受講生は「実際にうまくいくのか」「本当に結果が出るのか」知りたいのです。

アメリカの売場の写真やウインドウの写真をいくらたくさん見せても、「このディスプレイはどうやって作るのか」「これがどんな結果をもたらしたのか」がないと、ただのレポートになってしまいます。
VMDってすばらしいんです、と100回言うよりも1回成功事例写真見せたほうが早いです。

ただ、自分はまだ新米のセミナー講師で実績がない場合はどうすればいいか?
残念ながら特効薬はありません。
一にも二にも実績をつくるしかないのです。

実は経験がまったくなくてもセミナー講師はできるんですが、それはほとんど口パクの世界になってしまいます。
つまり、本や他の人に教えてもらったことだけをセリフのように繰り返すだけになってしまい、説得力がありません。
セミナー講師はごまんといる、その中で成功するには実績をベースに、自分の言葉でいうことのできる講師が一番信頼されることはいうまでもありません。

だいたいわかりましたか。
よいVMDセミナー講師のなり方。
VMDインストラクターの皆さん、今年も最後になりました。
来年もよりよいVMDセミナーをして、快場つくり方をたくさんの方に教えていきましょう。

なお、VMD集合研修のやり方は売場塾「VMD教育指導講座」でお教えしています。
興味ある方はぜひ説明会にお越しください。

●VMD教育指導講座

●VMDインストラクター& 売場塾説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)