AI時代のデザイナーはどうあるべきか? PART2

ブルーノートジャズ

AI時代のデザイナーはどうあるべきか? PART2です。
まだ、PART1を読んでいない方は、下記をクリックしてください。

●AI時代のデザイナーはどうあるべきか? PART1

1.タレント職人になろう

「タレント職人」とは、私が広告代理店にいたときに使っていた概念です。
「広告デザインの表現は、デザイナーによるところ大だろう」
と思う人は多いと思います。

テレビCMプランナーにしろ、コピーライターにしろ、グラフィックデザイナーにしろ、広告代理店内にはさまざまなクリエイターがいますが、クライアントから直接デザイナーに声がかかるわけではなく、その間に営業がいます。

営業がクライアントから日々オリエンを受けて、社内デザイナーあるいは社外デザイナーに発注します。
しかし広告会社の営業は、単なる御用聞きではありません。
クライアントと打合せし、課題を見出し課題解決を考え、自分なりに咀嚼してクリエイターを選定、発注します。

映画や音楽だったらプロデューサーのようなものです。
プロデューサーによって成功した作品は快挙のいとまがありません。
ジブリの鈴木敏夫しかり、「将軍」の真田広之しかりです。
ジャズでいうと、キースジャレットのアルバム「ケルンコンサート」をプロデュースしたマンフレッド・アイヒャーしかりです。

※ちなみに私がプロデュースした広告作品やテレビ・ラジオ番組は下記を参考にしてください。
●好きなことを仕事にするには

このように、映画や音楽、そして広告を含めたアートデザイン自体はアウトプットの産物なので、インプットが違うとだいぶアウトプットである広告表現が変わってしまいます。
つまりデザインを発注する営業は、インプットをするプロデューサーであることを自覚しなければいけません。

ビジネス本によくある、「デザインはデザイナーに任せた方がいい」というのは間違いで、プロデューサーである営業がしっかりと方向性を伝えなくては課題解決型デザインは生まれません。
そのペースとなるのがコンセプトです。

※コンセプトについて知りたい方は下記をクリックしてください。
●ショップコンセプトがお店の品揃えを決定する

私は広告代理店から現在の会社に至るまで、外部のデザイナーに発注するときはほとんど企画シートを添付していました。
そこには広告コンセプト・空間コンセプトが詳しく書かれています。
分かりやすく、絵や写真、ストーリー的に書くこともありました。

なんで、クライアントから言われたことをそのまま伝えないのか?
そこがプロデューサーというもので、「このようにしたい」「このようなアウトプットをしてほしい」という課題解決の方向性をデザイナーに伝えなければいけなかったからです。

しかも、私のプロデュースでなければ、独創性のあるアウトプットにならないからです。
独創性こそが他社に勝ち、ベネフィットを消費者に伝え、売上を上げる源泉になるものと信じています。

例えば下記をクリックしてください。
私がVMDの本を出版する時の企画書です。
これを見ると、プロデュースがどんなものかわかるでしょう。

●マーケティング戦略で売れるVMD本を出版しよう

そして、数々のクライアントの商品デザインをプロデュースした内容は下記ブログをご覧ください。

●ネーミングによるブランディング戦略

なんか自分の宣伝ばかりですみません。
他人の例を話すのもいいのですが、自分のストーリーを話した方が端的に伝わると思いました。
さて話を戻しましょう。

デザイナーはタレント職人に

上のチャートを見てください。
「タレント職人」とは、デザイナーはタレントにならなければいけないということです。

デザイナーであるあなたは、受動的に仕事していませんか?
流れ作業で仕事していませんか?
自社やクライアントの課題解決に自分なりの独創性で仕事していますか?

それではいけないと思います。

富士山に茶畑


今度は店舗デザインの実例を話しましょう。
ある時、お茶店の店舗デザインをする機会がありました。
当時、私はまだ設計スキルは持っていなかったので、設計士に外注することになり、間接的に知り合いから設計士を紹介してもらいました。

店舗デザイン打ち合わせの時、設計士はこう言いました。
「お茶店だったら、茶畑に富士山の写真をどーんと店内にデザインしましょう」。

どうやらその設計士は「お茶店なら、茶畑と富士山」で決まりのようでした。

翌日、丁寧にお断りして、他の設計士と打合せしました。
すると、その設計士は「クライアントを取材しよう」「お茶の工場見学しよう」と言い出しました。
どんなお茶店か実際に見てみたいということです。
その上で、店舗デザインを考え提案しようということになりました。

その通り私たちは実行しクライアントと何度か接していくうちに、私は「重快感」というデザインコンセプトを考え、それを参考に設計してほしいと設計士に依頼しました。

出来上がった店の一例はこれです。
●株式会社小山園茶舗様

2回目に出会った設計士は「タレント職人」だったのです。
「タレント」とは才能の意味で、「職人」とはこだわりある専門家というような意味を持ちます。
才能ある専門職人、みたいなイメージだと思ってください。

営業にしろ、デザイナーにしろ、「タレント職人」が重要な世の中になったと思います。
端的に言うと、「その人らしい」プロの人、ということです。

タレント職人は、
「その人らしい」店舗デザイン
「その人らしい」VMD
「その人らしい」商品デザイン
「その人らしい」広告デザイン

をつくってくれます。

目立ったものをつくればいいということではなく、その人らしい考え方でデザインを解決に導いていく、ということです。

そのためには、いい仲間とチームを組み、「その人らしい」から「そのチームらしい」ひいては「その会社らしい」デザインに昇華していかなければなりません。

よく、「あんなデザイン、誰でもできる」という人がいます。
それは間違いで、錬りに錬ったデザインが例えありきたりに見えても、そのコンセプトや戦略がしっか加味されていれば、それは成功したデザインなのです。

クルミッ子のリスがヘタウマと評する人がいるかもしれません。
しかし、クルミッ子をブランドにさせた「鎌倉紅谷らしい」デザインなんです。

2.AI時代のデザイナーとは

AIで簡単にデザインができる時代になりました。

  • ディスプレイ指示書のイラスト
  • 店舗デザインの企画書
  • POPデザイン
  • 商品パッケージデザイン
  • 棚割り図

これらはすでに稼働しています。
この間、動画でディスプレイ指示書をつくった売場塾卒業生がいて驚きました。
単なるディスプレイのスケッチでなく、実在する店舗に置かれたバーチャルな店内写真で、その中をお客様が歩き、ディスプレイ前で立ち止まり商品を眺めます。

こんな表現は当たり前になり、デザイナーでない人でもデザインできる時代は既に来ています。

デザイナーは、今度はAIと戦わなければいけないのでしょうか。
それはノンです。
デザイナーはプロデューサーになりAIに指示を出せばいいんです。

前述したような、私がデザイナーに与える企画シートみたいな指示だと思ってください。
AIに指示を出すということは、プロンプトに書くということです。
プロンプトに、あなたらしい指示を与えればよいのです。

そのためには、感性を言葉で伝えなければいけません。
単に「かわいくつくって」という指示ではダメということです。

どんな「かわいい」なのか、具体的に文字や絵を使って指示を出さなければいけないのです。
そして、出てきたアウトプットが、狙った「私らしさ」「その店らしさ」「その商品らしさ」でなければ、その味が出てくるまでなんどもやり直さなければいけません。

これが前述の「タレント職人」のあり方で、あなたでなければいけないプロデュースをしなければいけないのです。

3.デザインチームはJAZZバンドそのもの

広告代理店時代、私はよく広告賞を取っていました。
しかしこんなことをいうクライアントがいました。

「この広告賞、あなたより本当はデザイナーにやるべきだよね」。

愕然としました。
確かに広告デザインの仕上がりといい表現と言いバツグンにいいのですが、クライアントは私というプロデューサーの効力を忘れていました。

仕方がありません。
この広告を見ると「描いた人がすごい」ということになってしまい、営業というプロデューサーの企画するコンセプトや戦略などは見えていないからです。
「アイデアや切り口を見つけベースをつくったのは私なのに」という思いもむなしかったです。

それでは私の方が偉いのか?
いいえ確かにデザイナーの役割も大きいです。
インプットは私がしますが、アウトプットに優れたデザイナーでなければ独創的なものはできないからです。
「私らしさ」「彼らしさ」「彼女らしさ」の結集でひとつのクリエイティブが出来上がるからです。

タレント職人と定義される人は、営業やデザイナーだけではなく、コピーライター、カメラマン、脚本家、キャスター・・・とすべてタレント職人で、デザイン成果はその人たちのチームの成果でなければいけません。

これはジャズバンドに非常に似ていると思います。
即興演奏が主体であるジャズは、ピアノ、ベース、ギター、サックスなど各々のタレントとバンドを組み演奏します。
音楽を奏でる「私らしさ」「彼らしさ」「彼女らしさ」の結集でないと、コンサートはうまくいかないし、優れたアルバムも出せません。

例えば、ジャズバンド「ウエザーリポート」も、ジョーザビヌルやウエインショーターのようなミュージシャンは個々に独創性をもっていますが、ウエーザーリポートというバンド全体でも個性を発揮しなければいけません。
ジャズバンドが何度もメンバーを入れ替えるのは、常に新しい自分たち、新しい音楽を追及しているからに他なりません。
音楽が陳腐化したら、バンドメンバーを入れ替えなければいけません。

会社組織だと、そんな風にメンバー入れ替えはできないと思いますが、そこはプロデューサーの役目。
うまくチームを活気づけて、個々を励まし奮い立たせ、「そのデザインチームらしさ」を引き出して、成功に導かなければいけません。

インタープレイ

さて、ジャズにインタープレイというものがあります。
これはお互いの奏者が呼応しながら曲を進めていくものです。
ピアノがある音を奏でたら、それにサックスが短い音で反応する。
そしてサックスに反応してピアノがまた返す。
会話するような音楽のことです。

デザインもインタープレイと同じで、プロデューサーが言ったら、デザイナーがアイデアを入れてこう返す。
するといっしょにいたプランナーがこう返す。
お互いやりとりしながら理想のデザインに近づけていく。
まさに、デザインチームもインタープレイしながらいいデザインを創出しないといけません。

PART3に進む方は下記をクリックしてください。
●AI時代のデザイナーはどうあるべきか? PART3

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

オーバルリンクは創業23年

オーバルリンク創業23年

来月でオーバルリンクは23期に突入。
VMD専門会社をつくってから22年の歳月が経ちました。

あと2年で四半世紀に達します。
1世紀の1/4というのもいいですね。
創業後20年続く会社は0.4%しか残らないと言われています。
私共の会社は生き残り組です。(^^)
これも皆々様のおかげと感謝します!

オーバルリンクはできれば100年続く社にしたいと思います。
売場がある限り、VMDの需要は存続するとはずです。
ただし、100年後、いや5年後も10年後も売場という形態は変わっていくでしょう。

ましてや100年後なんて「買う」行為そのものも大きく変わっていることでしょう。
その時、VMD専門会社はどうあるべきか?
私たちはVMDの概念をも変えるパラダイムシフトを繰り返さなければいけません。

ただ、ひとつ言えることは当社のコンセプト「売場を買場に、そして快場にする」は100年経ってもゆるぎないものと考えます。

100%国民配給制になることはありえず、このずっと先も生活者は買い物をしなければいけません。
楽しく買い物できる、買い物が快い!そんな環境をずっとずっと大事にしていきたいと私は思ってやみません。

※快場についてのコンセプトはこちら。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

医者の健康診断をベースにした店舗診断

店舗診断している風景

1.店舗診断無料時代

今日は、オーバルリンクの「店舗診断」のなり立ちからお話しします。
●店舗診断とは

私はオーバルリンクを設立してから、1年くらい無料店舗診断をしていました。
お客様の店舗の写真を撮ってどこが悪くてどう改善したらいいのか、無料でアドバイスしていました。
会社を立ち上げたものの、VMDの実績は少なかったので、まずは実績をつくることから始めたんです。

著名な店舗に電話をかけまくって、店舗診断していました。
20年前は今と違って、店舗診断断るところは少なかったです。
どんな小売店も自店の売場の出来栄えには不安で、売場づくりはこれでいいのか悩んでいるところが多かったのです。

業界トップの企業でもVMD担当はもちろんいなく、売場づくりは現場任せという事実は驚きと共に、オーバルリンク行けるんじゃないか?という変な自信もついてきました。(笑)

ということで、会社を軌道に乗せるためにタダでいいから成功事例をたくさんつくってそれを理論に組み立てていき、自社オリジナルのサービスをつくっていくという、ゼロからの会社経営だったんです。

同時に、普段生活していく中で気になった売場をどんどん撮影して、どこが悪いのか、またはどこがいいのか、を振り返る癖をつけていきました。
それがスーパーだろうが、薬局だろうがお構いなしです。

最初は「なんとなくこの売場はいい」「なんとなくこの売場は悪い」といしう感覚で撮影していました。
そして、パソコンで写真をじっくり振り返ると「ここをこうすれば良くなるかもしれない」と心の中で直し方をシミュレーションしていました

2.売場のケーススタディを想起する

ただ、無料店舗診断でも、店舗診断シートをお客様に渡すときに、改善点を説明しなければいけません。
その説明が「なんとなく悪い」みたいな説明だと、お客様は「本当にそうなのかな」といぶかしがります。
そこはコンサルらしく「ここがダメだからこう」ときっぱりベテランのように言わなければいけません。

にわかコンサルタントの当時の私は、半信半疑だが、とにかくプレゼンはコンサルらしくふるまっていました。
こんな日々が過ぎていきました。

創業から10カ月くらい経ちましたでしょうか。
売上は以前としてゼロです。
びた1文も入ってきません。

それでも、「その通り改善したら売場がよくなった」「売上が上がった」などという声がちらほら聞かれ始めました。

「VMD導入で確かに売上は上がるんだ」
とのんきな私は、だんだんVMDの効果を確信してきました。
当時は「VMDを導入しよう」と合言葉のように言っていました。
「導入」というと、MAとかSFAのようなアプリケーションソフトをインストールするみたいな感じがしますが、まさにその通り。
ソフトを会社のシステムに組み込むように企業に働きかけていました。

そのうち、改善成功事例がたくさん蓄積してきて、写真を撮っては売場改善シートを書いているときに、他の売場のケーススタディがよみがえるようになったのです。

そう、何千枚と売場の写真を撮ってきて、じっくり写真を見ているので、アタマの中にケーススタディが写真の画像と共に蓄積していったんです。

なので、店舗に改善点を指摘するときに「これはあの紅茶店のケースに当てはまるな」とか「これはあの家電売り場のケースに当てはまるな」という過去事例が自然に写真と共によみがえるようになってきました。

これを心理学的に「想起」といいます。
「想起」とは、何かをするときに過去の事を思い出すということです。
例えば、昨日は防災の日でしたが、ニュースの関東大震災の写真を見たときに「そういえば、うちの食料の備蓄はどのくらいあったけ?」と我が家の防災を想起するようなことです。

それほど人間というものは「想起」する生き物なんです。
「想起」は「習慣」と違って、時々起こるものです。
朝起きて、洗面台を見たら「そうだ、朝は歯磨きするんだったけ」というものではありません。
歯磨きは習慣なんです。

そんなことで、1年経ってやっと仕事がぼちぼち入りだしてきました。
ただし、コンサル純粋、店舗診断純粋のフィーではなくてほとんど店舗改装の仕事です。
こんなわけで最初の1.2年は改装業務でなんとか会社をやっているようなものでした。
ただし施工会社ではありませんので、店舗診断シートをつけて、それから改装プランを練っていました。
VMDを取り入れた改装プランだったんです。

VMDを取り入れた改装プランは「リモデル」といって、設計会社や施工会社の業務と根本的に違います。
今回はリモデル、詳しく説明しないので興味ある方はこちらをクリックしてください。
●リモデルとは

3.VMD用語を取り入れる

店舗診断の話に戻りましょう。
売場改善のケーススタディがだんだんアタマの中に蓄積されていきます。

ただし、それらを「想起」する場面は画像が多かったです。
例えばドラッグストアの改善すべき写真を見たときに、ふわーんと過去の家電店の改善写真が浮かぶんです。

ドラグストアだからドラッグストアの改善想起ではなくて、まったく関係ない業種・業態から想起されました。

カーディーラーの改善点はお茶店の改善想起、
本屋の改善点はキャンディショップの改善想起、
家具店の改善点はケータイショップの想起・・・

など売場を直すのに、業種・業態・取扱商品は関係ありませんでした。

ただ、問題はひとつありました。
ケーススタディを想起するのはいいけれど、写真が思い浮かぶだけでは、クライアントに説明できません。
ドラッグストアに紅茶店の写真を見せて、「この通りに直してくれ」だと相手はどう直していいのか分からないからです。

そこで、写真に言葉を付けることにしました。
これはこういう改善点があるから、このように直した方がいいんですよ、という具合に。

つまり、医者が患者に対して

「これは風邪だ」
「これは胃潰瘍だ」
「これはハウスダストだ」

など、病名を告げるように、店舗の悪いところの病名を付けるようにしたんです。

その時すでにVMDには便利な専門用語がありました。

・VP,PP,IPはディスプレイのこと。
・VMD分類、MD分類は分類のこと。
・定数・定量は什器や商品の数量のこと。

ただ、私にとっては当時のVMD用語はすごく限られた言葉でした。
あまりにも少なすぎました。
VP,PP,IPという言葉を知っていても、それだけでは売場を直すことは出来なかったのです。

そこで、私は独自のVMD言葉をつくっていきました。

  • オーケストレーション = 壁面の集合ディスプレイのこと
  • くくり = 棚の商品のカタマリ具合
  • サブテーマ = ディスプレイテーマを補助するテーマ
  • ハーモニゼーション = 棚の陳列の状態

などなど。
その数は100は下らないでしょう。

こうして、私は店舗診断するときに、売場の医者として「売場の病名」を告げて、それを基準に売場の直し方を説明するようにしました。

しばらくすると、過去事例を想起するときに画像だけではなくて文字も出てくるようになりました。
これこそがプロの使う「想起法」のスキルそのものなのでした。

私がつくったVMD用語も含めた「VMD用語辞典」、時間ある時に見てください。
●VMD用語辞典

4.医者の処方箋とVMDの処方箋

図を見てください。
最終的に、これが私が確立した店舗診断のしくみです。

医者が処方箋を患者に渡すように、いま私は「健診表」という処方箋をお店に渡しているんです。

この図を作るために、医者の診断に関する書物も読みました。
わかったことは、店舗を診断する順番は、私が思った通り医者の順番と同じということでした。

上図を右から説明しましょう。

医者は「鑑別診断基準項目」がアタマの中に入っています。
つまり、解剖学的な基準項目とは、

  • 「大腸がん」である基準
  • 「肺気腫」である基準
  • 「膀胱炎」である基準

であり、医者は患者に問診したりレントゲン写真を見たり、体に触れて見たりと
問診や検査をしながら病気を特定し、処方箋を出しています。

だから、医者は「これはたぶんガンだろうな~」と適当に患者に告げているわけじゃないんです。
基準となる根拠があってガンと特定しているんです。

同じように、私たちVMDプロも「たぶん商品のディスプレイが悪いんですよ」と適当に言うわけにはいかないんです。
「ディスプレイのどこが悪いのか」正確に言わないと、相手も不安になるし、VMDコンサル失格ということになりかねません。

私たち、VMDプロは医者のように店長に言います。

「これはフェイシングと商品視認性に問題がありますね」

「商品のフェイスが悪い。パッケージの特徴が分かりにくい角度で展示されているし、ラベルがPOPに隠れているので商品名を読むこともできない」

この

・「フェイシング」
・「商品視線性」

は私たちのアタマの中の引き出しに入っているので、写真を見たり売場を見たりすると5秒で出てくる言葉なんです。

医者が問診してみて、レントゲンを見て「あー、これは肺気腫だ」とすぐにわかるようなものです。
医者は病院を開業するときに、すでに大学で、大学病院で想起の訓練をしていいます。
だから、開業をしてたくさんの患者が押しよせてもすぐに病気を特定できるんです。

ところがVMDは医学と比べると非常に歴史の浅い学問なので、専門用語が豊富にありません。
だから専門用語はつくるしかないんです。
私が会社を創業してから専門用語をつくり続け、ビジネス誌でその論文を発表したり、公開セミナーでレクチャーしたりしているのは、専門用語を流布するのが目的の一つでもあります。

5.売場づくりの医者になろう

だいたいわかりましたか。

医者の診断に基準があるように、VMDには基準があるんです。
その基準からハズれているのが病気にかかっている売場ということになります。

VMDが広まってきた今、VMDコンサルはいろいろな方がいます。
どのVMDコンサルにしようかな~と悩んでいる小売店の方は多いと思います。

しかしA,B,Cというコンサルがいて、別々に店舗診断を頼むと、診断結果は各人で全く違ってしまう。
これではもう基準はないと同じですよね。

3人の医者に健康診断してもらい、
ある医者は「かぜですよ」といい、
ある医者は「気管支炎ですね」といい、
ある医者は「ガンです」といいます。
こんな三者三様の診断結果だと、誰も医者を信頼できないですよね。
本来、基準というものが備わっているプロなら、A,B,Cどんな医者でも「これは気管支炎です」というハズです。

そこが当社がVMDインストラクターを育てている所以です。
売場のお医者さんになるための基準を売場塾で教えている理由はそれなんです。

論より証拠、この健診表はどのVMDインストラクターに頼んでも、同じになるんです。
VMD指導コースが売場塾にはあって、これを受講した卒業生はVMD指導プロ、シニアVMDインスタラクターになっているので、シニアVMDインストラクターに頼んだら誰に頼んでも同じ健診表になります。

VMDインストラクターも売場づくりのプロだけど、シニアVMDインストラクターはさらに進んだVMDの開業医と言えるでしょう。
VMDで食べていけるだけの器量を備えることができます。

売場塾では、売場づくりの基準が55あります。
この55をVMD基本講座18時間で習得することによって、売場づくりの基準を知ることができます。
売場のお医者さんになるための「売場づくりの型」を学べます

そうすることによって、売場を見たときにどこが悪くてどこがよいのか、正しい言葉で患者である店長に教えることができます。
この「フレームワーキング」という考え方は、オーバルリンク独自のメソッドです。

フレームワーキング、知りたい方は下記をクリックしてください。

フレームワーキングとは

今日は、売場づくりの手法「フレームワーキング」のルーツをお話ししました。
ご清聴ありがとうございました。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

新年の言葉「時は流れない。それは積み重なる」

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

三が日、どう過ごしましてますか。

元旦は荒川沿いをジョギングしてきましたよ。
天気がよくて晴れ晴れ~とした感じでした。
元旦なので、野球やサッカーチームが試合していなくて、土手はすいていました。

さて、今年でオーバルリンクは創業21年を迎えます。
今日は私の好きな言葉を披露します。

Chapter1 「時は流れない。それは積み重なる」

これ、サントリー・クレストの、ショーンコネリーが出演したテレビCMのコピーです。
私がまだ平成初期、広告代理店にいたころのCMです。

●サントリー・クレストCM

このコピー、いいですね。
それまでは下記のコピーもスキでした。

As Time Goes By.

アズ・タイムゴーズ・バイという、映画「カサブランカ」の名シーンで流れるピアノ曲です。
邦題で「時は流れる」という意味です。

この曲はジャズの名曲にもなっていますが、サントリーのCMに出会うまでは時は、流れるものだと思っていました。
積み重なるという感覚は、この頃の私にはありませんでした。

で、もうひとつ。

Tomorrow Is Another Day.

これは私が好きな映画「風と共に去りぬ」のラストシーンで、スカーレット・オハラが言ったセリフの一部です。
和訳だと「明日は明日の風が吹く」というコピーです。

これは、時が積み重なるどころか、吹き飛んでいくという解釈です。
なんか、ひょうひょうとしていていいですね。
リラックスできます。

「GONE WITH THE WIND」自体も、風と共に文明は去っていくという意味で、「明日は明日の風が吹く」というコピーと変わらない気がします。
この言葉、小説の本文で1回だけ出て来た文節でした。

Chapter2 積み重なりは振り返りの連続

元旦のブログで、いきなり「振り返ろう」と言う話もなんだと思いました。
しかし、あえて言うと、積み重なりは振り返りの蓄積でもあります。

私のパソコンの中に「振り返り」というフォルダーがあります。
これは何かというと、会社をつくってから事あるごとに振り返っている、個々の仕事の反省文なんです。

フォルダーは5つに分かれています。

1.売場塾
2.セミナー
3.旅行
4.商空間スタイリスト
5.OJT,リバイス他

各々のフォルダーごとに個々の仕事の振り返のメモを積み重ねています。
さっき数えたら、825回振り返っていました。
この20年で825回振り返っていた!!
この事実は、「意外と少なかったな」という感想です。
もっと振り返ってもいいくらい。(^^)

Chapter3 「振り返っちゃだめだ。未来だけ見ろ」

これはウソだと思います。
過去を振り返ることによって、人間は反省する。これに尽きると思います。
そうして、「次回はもっといいものにしよう」と心新たになります。

だから、振り返りを積み重ねることによって、物事はカイゼンされていく。
もっといいものになっていく。

それは仕事だけではなくて、旅行や趣味、英会話、友達との付き合い方、なんでもいいと思います。

例えば先ほど紹介した私のフォルダーに「旅行」というものがあります。
ここ15年、ほとんどハワイか軽井沢にしか行っていない私にとって、2泊から10泊の旅行はかけがえのないものです。
「ハワイに行ってよかった」と言える毎回にしたいために、振り返りメモ2014年から書き始めました。

振り返りは、子供の頃、キライなもののひとつでした。
私の両親は厳しくて、友達とキャンプやサイクリングに行った後は、振り返りレポートを両親に提出しなければいけませんでした。
その時は仕方なくテキトウに書いていました。
美辞麗句を並べれば、両親は満足してくれるだろう、と。
しかし今は「まじめに書いておけばよかった」と反省しています。

Chapter4 ジャズのソロパート

ただただ流れに沿って生きる、のもひとつの路かもしれません。
ただ、やっぱり川のよどみに留まって振り返りをした方がいいと思います。

「立ち止まってはだめだ。前進あるのみ」

これは、大企業の社長でも、戦争中の国民でも言っている言葉ですが、一回立ち止まって振り返ってみるといいのでは?
すると、会社の落潮も戦争もなくなるかもしれません。

ジャズの演奏で「ソロパート」があります。
これは曲の間に、ソロのアドリブを入れることです。
ソニーロリンズの定番ともなっているソロパートは、とても長い。
とくにベースは音が小さいので、ベースのソロの時だけボリュームを大きくします。

ソロパートに売った時、ソロをしている以外の演奏者は振り返りをすることができます。
ソロ奏者の音を聞いて、次はどうする?といったような構えができます。
そしてトリオやカルテッド演奏に戻った時、もっといい調子になっていることも少なくないでしょう。

こんな感じでたまには、立ちどまって他人のしていることを外から眺めてみるのもいいと思います。
すると、自分はこうあるべき、とかこうすれば自分らしいかな、と振り返ることができます。

Chapter5 正月は振り返りにいい

正月三が日のただなかですが、休日があったらぼーっと振り返るのもよいですね。
そして思い立ったら何かに書いてみるといいかも。

書くことによって、記憶や考えが整理され、こんまりの整理整頓のように人生変わるかも。
私の人生日記も15巻になりましたよ。
35歳の時から書いています。
毎年9月の連休になると1日家に閉じこもって、あれやこれや私事と仕事のことを書いていました。
30代の時は書いたこと90%は実現していました。
それは転勤、CM作品、ドラマや音楽の番組、TOEICの点数、すべてです。
会社をつくってから怠るようになり、今は人生日記ならぬ会社の戦略・戦術日誌になっています。

ぜひ、今後のやりたいこと、なりたいこと書いてみてください。
そしてそれは「振り返り」が出発点になるのです。

それではよい年を。
新年の言葉でした。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMDを伝えて20年。

来月で、株式会社オーバルリンクは創業20周年になります。

ここにあるのは、創業以来ずっと愛用している私のダイアリー。
出会った人、出会った会社、出会ったモノやコトが日々積み重なっています。

20年前に起業したとき、VMDを知っている人は少数でした。

それが今、

VMDを仕事にする人が増えました。
VMDを目指す人が増えました。
VMDは職業になりました。
VMDは会社のセクションになりました。

VMDはメーカーや小売店を活性化するだけではなく、
人を活性化するものになりました。

これからも日本中の売場を快場に変えていくスケジュールを
あなたといっしょにつくっていきたい。

20年目のオーバルリンクをこれからもよろしくお願いします。

               株式会社オーバルリンク 代表取締役 深沢泰秀