VMDの一分野、インストアエクスペリエンス

インストアエクスペリエンスとは、
Instore Experienceのことで、
直訳すると店内体験を言います。

この店内体験、店頭体験と言い換えてもよいです。
一般的には、店頭は店内をも指す言葉なので、
店頭体験といっても差しつかえありません。

店内体験は、わざわざお店に行かないと、得られません。
ネットで店内体験は絶対できません。

店内体験はネットの仮想購買体験と違い、リアルな売場での
リアル購買体験だからです。
VMDの一分野にインストアエクスペリエンスが
必要なのは、こういうことがベースにあるのです。

さて、この店内体験、どのように企画・実施すればよいのでしょうか。
インストアエクスペリエンスは、下記の項目があります。

●買い物体験
・いろいろな商品が選べる。比較できる。
・いろいろな商品に触れる。
・いろいろな商品が試せる。
・売場内インデックスのおかげで選びやすい。
・旬のもの、人気のもの、特別なものに出会える。

●店内空間デザイン体験
・店頭のディスプレイがきれい。
・売場が季節を感じさせる。
・床・壁・天井など自分を包む空間がオシャレ。
・什器が花車みたいでかわいい。
・カフェバーみたいな暗い空間で落ち着く。
・チョコ工房がガラス越しに見える。

●店内音響体験
・BGMが心地よい。
・スタッフの掛け声がおもしろい。
・鳥が鳴いていて川のせせらぎが聞こえる。
・ビジョンからオーケストラのサウンドが聴こえる。
・スタッフがそばを打っている音が聴こえる。

●店内情報体験
・POPの文句がおもしろい。
・フレームの絵や写真、イラストの表現が楽しい。
・分野に対して博学になれる。
・生活のためになる情報がある。
・カタログ・パンフレットを持ち帰れる。

●スタッフ接客体験
・店員が丁寧にアドバイスしてくれる。
・ソムリエがワインのチョイスをしてくれる。
・美容部員お肌のコンサルティングをしてくれる。
・特別室に通されステイタスを感じさせてくれる。

●店内イベント体験
・肌診断をしてくれる。
・試食・試飲させてくれる。
・カメラ教室に参加できる。
・ファッションショーが見られる。

●店内ノベルティ体験
・お土産がもらえる。
・試供品がもらえる。
・肌診断シートがもらえる。
・割引チケットがもらえる。

店内体験は、単に「販促をする」という範囲ではとどまりません。
というのは、従来の販促(プロモーション)という意味ですと、
店内イベント体験や店内ノベルティ体験の要素が強く、
販促部や広告部の行う範疇に考えてしまうからです。
店内空間はVMD、販促空間は販促部・・・と分けて考えないで、
空間と販促を一体化して考えていただきたいと思います。

インストアエクスペリエンスは、上記のように
ビジュアルが伴ってこそ、成り立つ分野です。
そういう意味では、VMD担当が企画・実施の適任者といえます。
VMD担当者は、ディスプレイをつくる、品揃えを明確にする、
ショップデザインをつくる・・・の他に、ぜひこの店内体験を
VMDに取り込んでいただけたらと思います。

これからの時代は、単に商品がいい、ディスプレイがきれいだ・・・
だけではお客様は買わなくなりました。
空間で、どんな体験ができるか?お客様の購買はその後になるでしょう。
でなければ、ネットで買った方が早いからです。

インストアエクスペリエンスでぜひ、売場を快場に
してください。