フレームワーキングの用語

当社はフレームワーキングをベースにして、店舗診断
コンサルティングや売場塾を経営しています。
つまり、コンサルポリシーがあるんですよね。
フレームワークを覚え、それを活用すれば皆さんのお仕事の役に立つという、
すごくシンプルな考え方なんです。

さて、このフレームワークなんですが、
コンサルを受ける側、つまりVMDのプロになりたい方は、
55の用語を覚えなくてはいけません。
なぜかと言うと、用語を覚えることにより、
頭の中の引き出しにフレームワークがスッと入っていくからです。

ただ、この用語、プロ向きなんで、スタッフを指導する場合は
簡単な言葉に置き換えなくてはいけません。
そのまま、あそこの壁面、オーケストレーション悪いので、
まずはキャッピング直そう。
と言っても、スタッフは何のことかわからないからです。

なので、VMD担当同士はともかく、スタッフ向けには、
優しい言葉に置き換えます。オーケストレーションは壁全体の陳列を
美しく整理整頓すること、キャッピングは棚を互い違いにして格好よく
リズムをつくること、フェイシングは商品の特徴が分かるように置くこと、
など分かり易い言葉に訳して伝えます。

もちろん、こんなVMDプロの集まりの際は、
専門用語で構いません。

●VMDワールドカフェ

でも、一般の方はVMDという言葉も知らないんです。

VMDインストラクターの皆さん、フレームワーク用語、
バッチリ頭の引き出しに入れてくださいね。そしてスタッフを
教育する際は優しい言葉に訳して教えましょう。(^-^)

定数について

今日は、定数の話をします。
VMやっている方でもあまり馴染みないかもしれませんが、
大事なフレームです。

定数というのは、ある一定面積に配置する什器の数です。
定数は何のためにあるかというと、
本部がチェーンオペレーションしやすくするためです。
チェーン店は、早い話、同じ条件で店舗展開すると、
早く、経済的に出店を重ねるのとができます。
言葉は悪いんですが、金太郎アメのように同じ店舗展開して行けば、
すごく効率いいです。

だから、同じ面積、同じ什器数、同じ商品量、同じ人員でやってけば、
効率いいです。

ただ、ほとんどのチェーン店は、商業施設にスペースを借りています。
また、商業施設でなくてもだいたい地主がいて大家がいて、部屋を
かけて出店しています。

金太郎あめのようにうまくいかないところが、ここです。
何もない土地に店を立てるわけではないので、お店空間は
制限がいつもあります。
面積、天井高、フロアの形、ファーサード、階数、
バックヤードの有無など。

だから、まったく金太郎あめのようにチェーン展開するのは
ほぼ不可能なんです。

ではどうすればいいか。
そこで「定数」の登場です。
面積ごとに割り振る標準什器数を出せば、
だいたいのお店のサイズを測ることができます。

たとえば、アロマショップが10坪のお店を
全国展開したとします。
私たちVMDは、プロトタイピングといって、
プロトタイプ店舗(標準店のコト)をまず最初にプランします。

長方形4対3の店舗、フロア通路は、そのうちの1辺のみに面している
・・・とか、標準的な商業施設の入居条件を仮設定します。

10坪に置くのは、
900ラックが4本
カウンターが2本
応接スペースが1体
ベッドが1本、
1200ワゴンが6台、
ミント試飲ブースが1ブース・

などと決めて、図面を作成します。

その時、大事なのはVMD分類ゾーン階梯と
売場の見通し、通路、リレーションというのは、
いうまでもないですね。

そうして、最初のプロトタイプ店舗をオープンさせて、
本当に定数はそれでいいのか、試してみるんです。

すると3か月くらい経って
ベッドは2本あった方がいい、だとか
カウンター2本よりも1本にして、
応接スペースを2倍にした方がいい・・・
などとオペレーションが現場でだいたいわかってきます。

それをまた図面に書き込んで1号店を改良するか、
2号店をそれでスタートします。
そうして、だんだいプロトタイプは本仕様になっていきます。
これが定数の原理です。

このお店が利益が取れて、いい店だと評判が出てくれば
テナントの10坪対応の標準商業施設を探していけばよいです。

そのうちに、テナントとしてだけでなく、インショップ形態や
コーナー展開、柱展開などいろいろな条件が重なっていきますので、
プロトタイプを基準にしていろいろ図面を作製していけばいいです。
くれぐれも建築家や施工会社に丸投げしないでくださいね。

というのは、定数は「ブランド世界観を統一する」という
目的もあるので、定数が崩れると、売場が狭くなったり
ゴチャゴチャになったり、見にくい店舗が続出します。

VMDインストラクターはそのためにいるのですから、
施工会社と渡り合って、しっかりプランド世界観を醸成するような
スペース配置にするのが本業です。

全国のVMDインストラクターの皆さん、定数きっちり押さえてくださいね。
それではまた~。

インショップ考

いつだか名古屋パルコのアーバンリサーチでフライターグの
インショップ見ましたよ、あれはよかっです。

フライターグの個性的な引出しIP、いまやどこのセレクトショップでも見ますが、
ほとんど、あのタンスを置いただけのコーナーでした。
アーバンリサーチのフライターグ売場は、確かにいつものタンスがありましたが、
コーナーが珍しくコの字型になっていました。

床もコンクリート風になっていてシックでした。
ラックの前には大きな自転車。そしてコの字矩形の両側には、
似たようなテイストのカットソーとパンツがありました。
なんか世界観がありました。

これをメーカーコラボ型インショップと言い、
ビームスやアローズでもおなじみですが、
ほとんど、メーカーお任せの什器持ち込みか、
既存の棚に入れっぱなしが多いです。
この売場は実によくできていましたね。
ただ、日が悪くセール中なので、売場にはほとんど人がいませんでした。
みんな普段の売場に行っちゃっているんですね。

今注目しているのに、アローズの中にある「スティーブンアラン」が
ありますが、ここもう少しインショップぽくしてほしいなーーー
なんて思ってています。

什器は確かに替えている店もあるんですが、
ちょっと売場に埋まってしまっているかな・・・。
まあ、フロアレイアウトにも限度があるので仕方がないですが。

メーカーインショップをすごく目立たせているのに、
ABCマートのプーマやアディダスの売場がありますが、
最近のABCマートプレミアムいいですね。

もともと靴店は、メーカーインショップありーので、
客寄せをしていますが、ABCマートプレミアムは、
その6割の商品が自主企画商品ということもあり、
プーマであれ、アディダスであれ、床上の靴箱がすべて同じでデザインなんです。
プーマの箱は赤くなく、ABCオリジナルの茶色なんですね。
すごいです。

今後、このメーカーインショップと
小売店のショップデザインのあり方について探っていきたいと思います。
それではまた。

100点のお店、60点のお店

あけましておめでとうございます。
年明けから、すごく簡単なこと言っていいですか。

チェーン店を数店舗店舗診断すると、VMDがすごくよくできている店舗が
必ずあります。
その店舗のスタッフに訊くと、勘と経験でやっているんですね。
IPのくくりがすごくうまくて、フェイスとりも優秀、テーマはしっかりしているし、
フロアの分類POPも的確です。
他の店舗の人に「あの店は優秀だから、売場づくり訊いた方がいいよ」というのですが、
売場づくりのやり方を優秀なスタッフの方は、伝えることができません。
自己流でやっているので、どこがよくてどういう風にやったらいいのか、
ハウツーを他の店に教えることができないんです。

こういう光景を何度も見てきました。
売場づくりが100点の店がたまにあっても、
60点の店に売場づくりを教えることはできないんです。
これはもったいない。
しかも、その優秀な店員はやめてしまいます。
やめたら、100点のお店は60点にすぐになります。
なぜなら、その優秀なスタッフは自店の他のスタッフに売場づくりを
教えることができなかったからです。

優秀なお店があるのに、その優秀なノウハウやスキルを、
優秀なスタッフが辞めても、お店に残せたり、他のお店に教えたりすることが
できないと、チェーン店のVMDは決して成功しません。

ではどうすれば、成功ノウハウをお店に残せて、他の店に伝えることができるか。
それは、こちらでした。(^^)

●フレームワーキング

つまりは、フレームワーク。
売場塾に来てフレームワークを覚えることがまずひとつ。
そして、売場塾後、そのフレームワークを自店に置き換えて
オリジナルなものをつくること。
それに成功すれば、確実に100点のお店づくりを他の店に
教えることができます。
そして、教える人のことをVMDインストラクターと言います。

なーんか、最後は宣伝になってしまいました。。。。
でも、ほんとのことですよ。(^^)
VMDインストラクターの皆さん、フレームワーキングしていますか。
また、そのうちにお会いしましょう。

売場塾は、VMDだけを教える学校ではなく、
VMDをどう生かして、自分たちのものにするか?を教える学校なんです。
来週から始まる第42期、受講生の皆さん、お待ちしております!!

新装・改装の発注方式について

今日は、どうやって、お店の新装・改装
発注したらいい?
という話です。

あなたが、商業施設に入居している
テナントの本部VMD担当だとしましょう。
あなたのショップデザイン能力で、
3つの発注スタイルが存在します。

■ゼネコン方式/

ゼネコン会社とは、施工会社、建築メーカー、
内装業社、マネキンメーカー等いろいろ存在します。
設計から施工まで丸投げでき、一括決済できますが、
コストが高くなります。設計・施工会社の担当者(営業)
に依るところが多くなるので、担当者の出来・不出来で
仕上がりに差が出ます。
販促・備品のような細かい対応ができないところも
あります。

つぎは、
■コストオン方式/
発注者が直接設計者と専門業者に発注するスタイル。
設計者とは監理契約を結び、設計の他に、業社の選定、素材、
デザイン、仕上がりのクオリティ、安全性、商業施設への
図面提供などをしていただきます。そのため、監理料が派生します。
専門業社とも直接やりとりする機会が多くなるので、
こだわりのある方や業界知識に長けている方に向いています。
決済も直接やりとりするので、ゼネコン方式より安くなります。
ただ、打ち合わせが多くなるので、時間がかかります。

最後は
■分別発注方式/

発注者が直接専門業者に発注するスタイル。発注者自体に店舗デザイン能力がある方向きです。
発注者は、まず設計や意匠といったソフトの部分を重視して、
設計者を選びます。設計者からは実施設計図買取の形で、
直接各種専門業者に発注します。
もちろん、設計者は建築素材・部材・デザイン・什器・備品の
指定はします。ただ、設計者は助言や書類提出のみなので、
発注者は各専門業者と打ち合わせから
監理までやらなければいけません。
コストはかかりませんが、時間がかかります。

わかりましたでしょうか。
3つの発注方式。
ショップデザインは、店舗をつくる際に必要な能力です。
VMDインストラクターの方は、少なくとも図面は読めた方がいいです。
床・壁・天井のデザインや什器の仕様、素材やデザイン、安全性など、
いろいろ監修するのが役目です。
施工会社に丸投げしたらダメですよ。
店舗デザインにこだわらないと、いいお店はできないですし、
プランドの世界観演出に支障をきたします。

打ち合わせする業社は、
設計会社、施工会社、内装会社、什器メーカー、電機・配線業社、
サイン業社、マネキンメーカー、展示業社、販促・備品会社など。
これだけの人と渡り合わなければいけません。

VMDはショップデザイン、ディスプレイ、店頭販促、MD。
これら4つの基本構成で成り立っています。
VMDインストラクターの皆さん、
お店のデザイン監理がんばって下さいね。(^^)

売場塾ではCADコースやPOPコースでもこれらのこと、
フォローしています。(^^)

タグ処理、どうすればいい 

今日はタグの処理の話をします。
タグとは、アパレルにおいて、価格や素材、サイズや産地を
知る重要なツールです。

タグは、POPの仲間です。
タグを見て購入される方が増えている背景には、
トレーサビリティやブランディングの影響があります。

トレーサビリティとは、「誰がどこでつくっているか」を
表す重要な情報で、商品者の安心や安全に繋がります。
例えば、made in China と Made in Italyでは
響きも安心感も違います。

また、セレクトショップが全盛となった昨今、
どのメーカーから仕入れているかは、タグを見なくてはわかりません。
例えば、2年前から流行っていていまなおすたれない「ハリスツイード」
はタグ自体がブランドで、ビームスで売っていても、ヒアーズで売っていても
店名よりもメーカー名が重要なのです。

これは、「インテル入っている」と同じと考えてください。

カシミヤ100%という表示も、インドのカシミール地方でとれる
カシミヤシープからできるウールのことで、4頭でセーター1枚しか
できない貴重な羊毛です。
これは、ニュージーランドで採れた安いウールには付けられない名称なんです。
これは「関サバ」は、大分でしたか付けられない、地域ブランドと
同じと考えてください。

このように、タグというのは、貴重な商品POPなんです。
アパレル売場は、家電や化粧品と違い、目で見てわかる商品なので
あまり商品POPは置かれていません。
その代わり、タグがとても貴重なPOPの代替わりになっているのです。

さて、このタグなんですが、服への添付形態により以下の種類があります。

●フープタグ
フープ状になっているタグで、素材は綿糸やナイロンなど多様。
服やアクセに糸を通して垂らす。

●簡易粘着タグ
ポストイットの様な接着剤で簡単にはがれるタグ。
ユニクロやGAPのジーンズ売場でよくみられる。

●糸タグ
糸で服に塗られているタグ。
下着等で見られる。
ハサミを使わず、簡単にとれるこの手のタグは
ワコールの特許。

●シールタグ
男子パンツの箱などにシールされている
タグ。
むやみに取れない。

●ラウンドタグ
主に時計についている。
ケント紙やミューズ紙など比較的厚い紙で
できている。
中にはミラーコート紙も。

●ブックカバータグ
ブックカバーのように、巻きついている。
セーターやシャツのように、シェルビングしている
ものに巻きつける。

さて、販売スタッフの方は、このタグ、どう処理していいのか
迷っている方は多いと思います。
本部から明確なタグのフェイスがない場合は、各店で
適当に処理していますが、それではブランディングが成り立ちません。
実は、タグの処理いかんでブランド売場の佇まいをも左右してしまうんです。

まず、高級売場、高級ブランドの売場では、
タグをわざとみせないケースが大半です。
ハンギングやシェルビング時に、ちゃらちゃらタグがぶら下がっている光景は
ブランドの世界観を損ねてしまいます。
まず、ルイブィトンやシャネルの売場ではタグを見ないのは、このルールに沿っています。

じゃあ、タグはないかというと、あるんです。
タグは、内側に垂らすか、内ポケットに入れていますので
そこから取り出してみることができます。
中には、ハンギングやタグの外出OKだけど、シェルビングはダメ、
というブランドや、5万円以上の服は中留め、取引プランドにより、
タグを出すかどうか決める…など多様なルールがあります。

低価格ブランドやカジュアルブランドでは出しています。
おもしろいのが、MUJIで必ず見えるように出しています。

これは、無印良品では「タグは大事なPOP」という認識が定着しているからです。
POPは無印にとって大事な広告で、タグを面にわざと出すことにより、
POPとしての体裁を守っているんです。
おもしろいのが、MUJIの雑貨でこちらもタグシールが必ず表面に来るように
フェイス取しています。
そして、タグシールを貼る位置も寸分違わず統一されています。

特にバッグの場合は、どの位置にフープタグを垂らすか決めます。
スタッフによってフープタグの位置がバラバラだと、
壁面展開を見た時に、タグがちらちら気になって、バッグのシェイプが
きれいにリピート陳列して見えません。
まさに、ブランドの売場の空気を乱しているのが、このランダムタグなんです。

さて、時計ブランドの話になりますが、タグでおもしろい実話があります。
それは、チャネルにより、タグを見せる見せないを決めている・・・ということです。
時計は男子の買い物の重要アイテムで、男子はスペックというものを
女性の数倍、気にします。
そういうわけでは、ラウンドタグは不可欠なんですが、時計ブランドのほとんどは
チャネルにより、タグのあるなしを決めています。
つまり、伊勢丹や大丸の様な高級フロアに置かれる商品には
ラウンドタグはすべて剥がします。
スペック付「広告」が思い切りバンドに巻きつけられている状態は
ブランドの持つ「ファッショナブル」「リッチ」という世界観を崩します。

なので、ビックカメラやヨドバシカメラの様なディスカウンター、
成田空港DFSのようなみやげ売り場フロアに置く場合は、タグをつけていますが、
百貨店でラグジュアリな雰囲気のするフロアでは外すのです。
これはメガネにも言えます。

丸井では、・・・・うーん・・・ラウンドタグはありますね。。。。
丸井は百貨店か駅ビルか微妙な立場ですね。
このうように時計タグを見れば、百貨店のポジショニングがわかりますね。
おもしろいと思います。
これは、主にメーカーがルールを決めているので、そうなります。
東武百貨店でも、「あれれなんでこのブランドがタグをつけているのだろう?」
と驚くことがあります。(^^)

あと、おもしろいタグの処理としては、ウィッグのタグはウイッグの中の
バンドと呼ばれる部分に固定しています。
これは百貨店の場合で、SCでは、垂らしまくりです。
それは価格が安いからなんです。

一番困っているのは、ジュエリーメーカーでしょう。
タグは、ビジューよりも大きいので、どうしても売場では
商品より先にタグが目立ちます。
しかも、価格数字が大きいので、高級ブランドではしばしば
タグの扱いに困っています。

タグはつけるけれど隠す。
タグサイズはなるべく小さくする。
タグ色は目立たない地色にする。
タグはつけず、プライスチップにする
プライスPOPを、集合プライスPOPにする・・・
などメーカーによりまちまちです。

また、プライスタグを、ディスプレイ用品に挟ませることにより
タグよりもジュエリーを目立たせるようにしている、
タグデザイナーのいる会社もあります。

要は、どんな付け方を採用するか明確にするだけで
ジュエリーのたたずまいは劇的に変化します。
ジュエリーメーカーの場合は、タグ処理のMDP研修を
入念に行って、ブランドを常に保つ努力が必要です。

さて、タグの話でおもしろいことがひとつ。
日本で一番タグがおもしろいブランドは、ピーブルツリーでしょう。
この服飾プランドは、タグが「パンフレツト並み」でとても個性的です。
というのは、この店のつくる服はすべてフェアトレード品なんです。
フェアトレードは、原産国、産地の職人、素材含有率、素材知識を
タグにたくさん入れています。
そのため、タグでもカラーで5.6ページになっていて、小さいパンフレットの
ようなPOPになっています。

このような情報は、POPにして棚に置いた方がいいのでは・・・と思いがちなんですが、
当店では、「フェアトレードの店」というよりも「ハイセンスのブランドショップ」
として来店客にブランドを伝えたいので、あえてフェアトレード情報は売場に出していません。
すべて、タグとして、服の中に隠しています。
つまり、タグは買ってからでないとわからない仕掛けにしています。
おもしろい考えですね。

タグおもしろいですね。
これは服ではないのですが、名古屋の有名な絵本店「メルヘン」は
絵本のメルヘンな世界観を維持するために、入荷した絵本のブックカバー
はすべて取り除いて書棚に陳列しています。
これは、「広告が絵本に巻きついている」ことにより、絵本のスイートで
メルヘンな世界を崩されたくないからです。

と、今日は休みなので、ながなが書いてしまいました。
タグのこと、勉強になりましたか。
タグ処理をどうするか?は、VMDインストラクターの重要な仕事ですので
「たかがタグ」と思わないでくださいね。
それではまた。

「ああ、思い当たる!!」シリーズ

今日は、「ああ、思い当たる!!」シリーズです。

VMDインストラクターになる動機の方は、担当するブランドの
スタッフ教育に関わる人が多いのですが、日ごろどんなことに
悩んでいるのでしょう。
具体的な悩みを綴ってみました。

きっとVMDインストラクターの方は、心当たりがあると思います。(^^)

まず、スタッフ教育自体が行われていない!!
どんな有名なブランドでも、VMD教育をスタッフに行っていない
ケースはたくさんあります。
というか、ほとんどのブランドがVMDスタッフ教育をしていないです。
これは業種・業態問わずです。

ええーーー!!あのブランドが、VMDを社員に教えていないの??
ということはザラです。
なるほど、たまたま行った百貨店のブランド売場MDPがきれいだったしましょう。
「このブランドはVMD教育がなされているな」と思いがちですが、
大きな勘違いです。
たまたまその売場スタッフのMDP能力が上であって、
その人が移動したらたちまち「ブランドとしての佇まい」は乱れてしまうでしょう。

ただしいVMD教育をスタッフにしましょう。

その2.ブランドコンセプトが売場スタッフに浸透していないケースが多い。
どのブランドでも「コンセプト」というものがあり、これをベースに
VMD体系が築かれています。
コンセプトはVMDに欠かせないモノなんですが、
自分の取り扱っているコンセプトを空で言えないスタッフが多いです。
これは、そのブランドのコンセプトが明確でない、または
コンセプトシート(コンセプトを正しく記したシート)が存在しない・・・
場合もありますが、多くはコンセプトをスタッフに浸透させていないケースが
ほとんどです。

VMDインストラクターはコンセブトを店員さんにまず、教えましょう。
これはVMD教育以前の問題ですよ。
コンセプトの探しかたなんですが、すごく簡単!!
自社ブランドのトップページを見ればいいんです。
ほらこんな風に。

●シップス

ここも。

●グリーンレーベル

ホームページを開くと、「コンセプト」というページがあり、
そこを見てみましょう。
ただ、「見といて」ではだめですよ。
VMDインストラクターならではのわかりやすい言い方で
スタッフにコンセプトを植え付けるんです。(^^)

その3
店に来る人の職位で言うことが全く違う。

これはゆゆしき問題ですね。
VMDインストラクターがなんで存在しているのか、
同時に店に行く
●MD ●エリア営業 ●スーパーバイザー
に認識してもらいます。
売場づくりに対する指示系統も適当で、
店頭ディスプレイに対していうことが人それぞれにより違う。
これでは店長も困ってしまいます。
誰を信じたらいいか?または無視してしまい、独自の売場づくりに
なってしまっていることでしょう。
そう、A社のように・・・。

その4
ベテラン販売スタッフは、VMDインストラクターの言うことを聞かない。

うーん、これはよくありますね。
特に百貨店の年長のアパレル販売員がそうでしょう。

特に20年勤めているベテラン販売員は・・・。
VMDインストラクターに若くしてなった方、つらいですね。
年齢の差もあり、平身低頭する場合もあるかもね。
ただ、そこはいくらVMDを教えても、焼け石に水。
20年培ってきた自己流の売場づくりを続けてしまうかも。

そんな時は、急いで本人を説得しようと思わずに
1年かけて徐々にマインドコントロールしてください。
じわじわやっていくと、やがてはベテランも「ああ、VMDってけっこういいのね」
になって来ますから。
経験者は語ります。
VMD教育はあせらずゆっくりと。確実に。
すると、いつかは販売員が「VMDに目覚める」時が来ます。

その5 近年の人材不足。ブランドイメージに合った販売スタッフが確保できていない。
これはVMD担当にも言えます。
私はブランド優先で服を買う事が多いのですが、「エー、この人が店員」という店もあります。
そのブランドのイメージに合っていないんです。(^^)
店員もブランドの一部なので、採用するときに適当にしているかもしれません。
これは人事の性格によるかもしれません。
「VMDに強い販売スタッフ」を求め流ブランドの人事は、VMDインストラクターを
できれば同席させて、「本当にVMDを知っているのか」「売場づくりの鮮度と知識はどれくらいか」
を図るといいです。
単にディスプレイがうまいです・・・だけでは、VMDを知っているとは言えないんです。

または、売場塾に人材の件で照会してください。(^^)
売場塾では、もう10名以上いいブランドに卒業生を紹介していて、立派にいまも
VMD担当として貢献しているんですよ。

次に、チェーン店の場合、売場が業態やフロア環境、立地により互い、
売場づくりがわからなくなってしまう店舗スタッフが多いこと。
これは何が原因かというと、VMDインストラクターが「応用力」を養う教育をしていない
からです。
本部で52週MDの売場写真を撮ってチェーン店に回すだけ・・・をしている場合が多いです。
本部のスタジオはなるほど、店内広くて採光もよく、天井が広い売場を模しています。
でも、ローカルでは、天井低く、通路も狭く、スポットではなく蛍光灯のフロアやGMSも多いです。
いくら本部から写真を送ってもらっても、そのままではMDPできず、結果自己流でやらざるを得ません。

こうなる前に、応用力を養う教育をするといいですよ。

まあ、またまだいろいろ「ああ、思い当たる!!」シリーズは続きますが
今日はここら辺で。(^^)

量販的なIPとセレクト的なIP

最近、あんまり量販店に行くことが少なくなってきました。
いま買い物はほとんどセレクトショップか百貨店です。

GAPやH&Sもいいんですが、どうしても同一型に対する
FKUが多いので、「みんなも着ている服」に見えてしまいます。
例えば、これらの店はひとつのデザインでサイズが3つ、
色数が3つくらいでも同一色で6枚以上はパイプに
ハンギングしています。
つまり、視覚的に同じ服が「大量に陳列されている」状態に
見えてしまいます。
VMDに長けているバナリパでも同一型で5.6枚リピート陳列かな。
「他人と違うものを着たい」と思っている人には、不向きの
陳列かもしれません。

まあ、ファストファッションやGMSの売場は、価格が安いので
大量に買ってくれなくては困る業態だし、ZARAに至っては
大量に陳列してあるように見えても、少数ロットで回しているので
3週間ですべての商品ががらりと入れ替わります。

問題は、「見え方の量販店化」なんですよね。
これを解決するためには、アローズB&Yやビームスのように
1型せいぜい3枚くらいの定量が、少量多品種ぽく見えるので
「量販店」ぽく見えません。

ただ、その逆に「どんな服があるか探さないとわからなく」なります。
これがセレクトショップのいいところで、MDグループで売場のカタマリを
なんとなく見せる技と、展示を陳列に加味して、なんとなく置いてある
服が想像できるようにしているのですが、ファッションがあまり好きでない人は
やっぱり、1型同じ色で5.6枚~10枚ズラッとリピート陳列しているGAPのような
店が探しやすいのでしょう。
店内回遊に時間をかけずにさっさと買いたいんですもんね。

とすると、百貨店の様な接客型でひとつのブランドの売場面積も狭い店は
少量多品種展開にうってつけで、接客でFKUをコントロールできるし、
接客でなんとなく買う気にさせますので、1型あたりの展開数量は少なくて
済みます。
什器がすべて同じデザインでグリッドもあっているので
セレクトショップの様な変化はなく、物足りない気もするのですが、
それが百貨店のショップデザインのいいところでしょう。

とはいえ、百貨店のメンズフロアで買う人は男性ではなく、
購買の70%は女性ですので、男性で私のように売場の見え方を
気にする人はあまりいないかもしれません。
(ちなみにメンズ下着売場では80%以上が女性が買っています)

あの伊勢丹メンズ館でさえも、
購買の60%は女性という事実がありますので。(笑)

ただ、売場の佇まいを職業としているVMDインストラクターに
とっては、これは関心しないではいられません。
わがブランド売場を「量販的」に見せるか?
それとも限られた人だけの「セレクト」売場に見せるか?
大いに考えみましょう。

インサートオブジェとは

最近、無印良品で見る、インサートオブジェ、おもしろいですね。
インサートオブジェとは、陳列の合間に置く装飾物のことですが、
元来、無印良品は、自分たちの商品でやっていました。
最近は、衣料品売場の上段部分にデニムに使う10番手位の糸巻゛たくさん
並んでいます。
このアイデアいいですね。

そもそもインサートオブジェは、ザ・コンランショップの専売特許的な
ディスプレイ手法だったんですが、MUJIも本格的に導入しました。
今でも、コンランにいくと、テーブルの上にリピートでリンゴが並んでいたりしていますが、
こういうディスプレイ演出方法はピカイチでした。

さて、インサートオブジェはどのようにしたらいいでしょうか。
それは普通のアパレルショップでも使えます。
そのMDグループに合った世界観のオブジェをリピテーションにて
売場にインサートすればいいんです。

例えば、メガネ売場の壁面があったとします。
読書用の眼鏡だったら、辞書を1棚途中でリピートするか、
最上段にリピートします。

また、それが遊び用の眼鏡だったら、ビリヤードのボールを
同じようにリピートすればいいです。

コーヒーカップ売場で、それがモーニングコーヒーをイメージしたのなら、
ツディの鉢をリピートすればいいです。
コツは、商品に見えないようなオブジェを選ぶことです。
でないと、どれが商品なのかわからなくなるからです。

インサートオブジェは、リピートだけでなく、
チェッカー配列、シンメトリー配列でもOKです。
要は、売場にリズミカルに展開していれば、
商品陳列との調和がとれて、売場全体が魅力的になります。

わかりましたでしょうか。
インサートオブジェの使い方。
魅力的な売場に見えるようにがんばってください。

それではまた。(^^)

VMD用語の間違った使い方!!

最近、生徒のレポートを見るとVMD用語間違った使い方
している人目立ちました。
特に下記の用語が目立ちました。

→リレーション
これは売場と売場の円滑な繋がりを指す用語です。
VP,PPとIPの繋がりを言っている方が多いです。

→定数
これは一定の面積における什器数を言うのですが、
商品数だと勘違いしている人が多いです。

→定量
商品の陳列数が少ない状態を定量という人が多いです。
定量とは、「ショップブランドが定める陳列展開数量」を指すので、
陳列数が少ないのが定量ではないです。
でないと、ユニクロやジーンズメイトは定量でない・・・
ということになってしまいます。

→VP
PPをVPと言っている方が多いです。

→オーケストレーション
島什器の陳列をオーケストレーションと言っている方が多いです。
オーケストレーションとは、壁面の陳列全体を指す言葉です。

→コンセプト
ディスプレイのテーマのことをコンセプトと言っている人が多いです。
コンセプトとは、ショップコンセプトのことで、本部が決める
重要な概念です。

→分類サイン
分類サインを分類POPと間違えている方が多いです。

VMD用語、ただしく使ってくださいね。(^^)