東京オリンピック主会場の建設費の問題、
連日のマスコミの話題になっています。
仕切り直しになりましたが、
間に合うんでしょうか?(・_・;
安藤忠雄さんや熊谷さんは、
デザインと建設費のトータルな管理はしてこなかったみたいなこと、
言ってますが、それにしても建設費の予算きちっと
計算してこなかったオリンピック委員会に問題ありますね。
今日は、このデザイン料、設計料、施工費など、
お店づくりにも重要な管理は予算項目についてお話しします。
まず、お店を作るのは誰か?
についてですが様々な人や会社が関わっています。
大まかに分けて、施主、デザイナー、企画設計者
実施設計者、施工会社に大別されます。
これらは、会社的にも分かれます
。デザイン会社、設計会社、施工会社という具合。
もちろんデザイン、設計は会社でなく、
個人でもできます。
街で見る設計事務所の看板が自宅に掲示されている方は、
会社でなく個人で仕事をしています。
どんなに安いお店でも外装から作ったら数千万に軽くなりますし、
内装でも軽く数百万からかかります。
お店ができてお金が施主から支払われるまでは、
個人がこれらの費用を負担することになります。
なので、支払い能力がない個人に施工を頼む人はいません。
さて、施主、つまりお店の持ち主になる会社は、
これらの個人、法人にどのようにお店づくりを頼むか決めます。
頼み方は3つ方法があります。
分別方式と、ゼネコン方式、その折衷様式があります。
オリンピック主会場は、この分別方式でした。
まず、デザイナーを選んで、次に施工会社にそのデザイン
に基づいて施工を頼むという、
分別発注方式だったんです。これが間違いのもとでした。(・_・;
しかもデザインコンペでした。
まず斬新なデザインをコンペしてデザイナーを選び、
それから施工費を見積もりしようとしました。
私たちショップデザイナーは、確かに予算を考えてデザインをつくります。
やっぱりVMD的に面白いお店をつくり、
オーバルリンクってやっぱり斬新なデザインつくるなあ!
と言われたいので、面白いお店をつくろうとしますよ。(^-^)
ただ、デザイン、おもしろければいいかというと、
そんなことはなく、ブランドのコンセプトや予算、
社会通年やトレンドなどを勘案して、もちろん決めます。
そうして、ショップデザインをつくり、クライアントにプレゼンします。
例の宇宙船のようなオリンピック主会場のように、
コンピューターグラフィックスでかっこよくつくり、
クライアントを魅了します。
オリンピックのデザインを決める選考委員会は、
ザハさんのデザイイ案を決めました。
その選考委員会のメンバーがそのデザインで作ったら
1600億で済むと思ってしまったわけです。
ちなみにこのコンペがゼネコン方式でしたら、
ある程度正確な見積もりはデザイン提案時にでていたはずです。な
ぜかというと、鹿島建設とか狭間組とか大手のゼネコンは、
デザイン提案時に施工費がいくらかかるか見積もっているからです。
それに懲りたオリンピック選考委員会は、今度はゼネコン方式の
コンペをしています。
今回のような分別方式のデザインコンペは、デザインが主なため、
予算は後回しになっていました。
提案するデザイナーの方も、デザイン料がメインの収益で、
施工費は関係ないので、正確に施工費を見積もることは
なかったわけです。
今回は、ザハさん、あまりに施工費をあまく見ていました。
と同時に選考委員会の方、せめて企画設計もザハさんに提出いただいて、
施工会社に見積もりを取るべきでした。
というのは、施工費というのは、デザインを、
見ただけでは見積もりが取れないからです。
デザインはほとんどパースと呼ばれるイメージ絵です。
コンピューターグラフィックスで行います。
CADとも言いますね。
設計図がないと施工会社は見積もりに困ってしまうからです。
キールアーチこんな感じ、とデザイナーが言っても、
どんな仕様で正確なサイズはどのくらいか、
素材は何かみたいな設計図がないとわからないからです。
この、VMDの世界では当たり前のことが、
国の威信であるオリンピック主会場でなされていなかったとは。。。
(・_・;
VMD関係者の皆さん、デザインを甘く見ないで
クライアントの予算通りのデザイン案を提案しましょう。(^^)