プチコンサルで売れる営業をしよう

プレゼンする女子社員

今回はプチコンサルになるためのノーハウをお話しします。
売上をアップさせたい営業や販売の方、起業してクライアントをゲットしたい方にうってつけです。

1.プチコンサルで他社と差別化する

私はもともと広告代理店の営業でした。
当ブログで語ってきたとおり、まったくの新規開拓営業マンで飛び込み専門でした。
VMDの会社を起業した22年前もほぼ飛び込みで新規クライアントから仕事をいただいていました。

その頃の様子は下記ブログ参照ください。
●VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)専門会社をつくったワケ

さて、静岡の広告代理店に在籍していた私の売り物は「静岡新聞」と「SBS」がメインでした。
当時はマス媒体といって、テレビ・ラジオ・新聞がローカル広告代理店の売り物で、静岡県世帯普及率60%の静岡新聞と、静岡新聞が運営するSBSテレビ・ラジオをどこの代理店も売っていました。

売り物は、どこの広告会社も同じ。
こうなってくると、何か差別化しなければ新規開拓はできません。
他人と同じものを売っても、顧客に違いはわからないからです。
当然、競合広告会社と価格競争になり、20%しかないマージンをどんどん減らす消耗戦が繰り広げられていました。

それを避ける方法の一つに「差別化された商品やサービスを開発する」があり、それは別のブログで詳しく語りました。

●ネーミングによるブランド戦略
●マーケティングしなきゃ会社は始まらない

今回は、フツーの営業がフツーに飛び込みして、どのように他社と差別化を図り顧客をゲットできたのか、そのノウハウを違う角度から話します。

それはズバリ、プチコンサルタントになることでした。

2.顧客は情報が欲しい

「静岡新聞の広告どうですか」
「SBSラジオスポットの提供枠が空いているのでどうですか」

こんな営業をしたところで顧客はゲットできませんでした。
まったく飛び込み経験のない上役は「100軒飛び込みすれば、いつかは当たる」などと部下にハッパを掛けます。

これは今あなたがVMDを売り込むときに

「VMDいかがですか?アパレルはみんなやってます」
「VMDを導入すれば売場カッコよくなりますよ」

と言っているのと同じで、まったく説得力がありません。

広告マンである私はどうしたかというと、毎回飛び込み先に情報を持って行ったのです。
それは自家製「ホワイトペーパー」(ホワイトペーパーとは広報誌のこと)でした。

当時も今も、新聞やビジネス誌から為になる記事を片っ端からスクラップしていた私は、その中から顧客が喜びそうな部分をコピーして持って行きました。
そして、世の中のトレンドや話題をお話ししていました。

ただそれだけでした。
それだけで門前払いになる確率は減りました。
中には応接間に通していただき、じっくり話を聴く社長もいました。
毎回、広告勧誘の話は一切せず、ビジネス的な世間話をして帰っていくだけです。

しかし、それを続けていくとやがて小さい仕事が入りだしてきました。
1年も経つと小さい仕事がだんだん大きくなり、売上は上がっていきました。

「クライアントって、ちょっとした情報に喜んでくれるんだな」
と思い、それがどんなクライアントに対しても習慣になりました。

「東京のトレンディな店舗デザインを知りたい」
というクライアントがあれば、1日かけて渋谷や原宿にいき、店舗の写真を撮って差し上げました。

「商店街の活性化になんか方法はあるんだろうか」
というクライアントがあれば、両国国技館の商店街に行き、レポートを提出しました。

昭和の当時は、情報と言えば新聞や雑誌でしたので、トレンドはそこで掴んでいろいろと研究していました。
「スタバが日本に上陸した」とか「マツキヨが女子高生に流行っている」と聞けば、実際に現地に行っていました。

やがて別の広告会社に転職した時、私の情報量は上がりました。
会社は「日経テレコン」と「ビデオリサーチ・ダイジェスト」の会員でした。
好きに読み放題、データ使い放題になったのです。

●日経テレコン
欲しい情報のキーワードを入力すれば、それに見合う新聞記事をFAXで届けてくれるシステム。
今はオンラインになっている。

●ビデオリサーチ・ダイジェスト
ビデオリサーチとは、テレビやラジオの視聴率を調査している会社。
そこの月刊誌で、マス・OOHメディアの調査情報に長けているところが特長。

ここからも広告主が欲しい情報をピックアップし、チャート図を作って発表していました。
例えば、お茶のメーカーなら最新ドリンクのトレンドや、専門学校なら最近のカルチャー傾向やイチゴ世代のライフスタイル特性など。
(イチゴは今でいうとZ世代)

こうした何気ない日常の情報渡しが、顧客のパイプを太くしていくのでした。
中でもおもしろい話があります。

どこかの英会話学校を顧客にしようと、ベルリッツやらECCに営業で飛び込んでいたことがありました。
静岡に大手の英会話学校がたくさん進出していたころの話です。

各校に飛び込みをすると、広告担当が知りたいのは競合校の情報でした。
当時は「ケイコとマナブ」もないし、インターネットもありません。
私ができたことは客のフリして各校を周り、パンフやヒヤリングをしながら、競校の特徴一覧表を作り、狙った英会話学校に提出することでした。

その情報は重宝され、やがて1校から全面的に広告をもらうようになりました。
別のブログでも述べましたが、その後「マナ坊」という学校キャンペーンを企画展開して、英会話だけでなくほとんど著名な静岡内の各種学校の広告を一手に引き受けるようになりました。

こうして情報が私の強力な新規開拓営業のツールになったのでした。

3.顧客はアイデアが欲しい

もちろん、情報をただ持って行っただけでは単なる運び屋になり、それだけでは、他社から広告を切り替えてもらえません。
話はおもしろくてタメになるんだけど、広告代理店は替えない(というか、しがらみがあって簡単に替えられない)という顧客が多々ありました。

やはり決め手になったのは、プレゼンだったんです。
せっせと企画書を書いてプレゼンし、広告を競合から奪取するという派手なことをしていました。

決め手となった企画書は、ほとんど広告企画書ではありませんでした。
企画書の内容は下記だったんです。

・商品開発
・ブランディング
・ターゲッティング
・コンセプトメイキング

など、静岡新聞やSBSなどメディアを売り込む企画と全く違う経営戦略的な企画でした。

実際、お茶や釣り具メーカーに関しては、商品全体のカテゴリー整理と商品ブランディング、専門学校に関してはコンセプトメイキング、英会話学校に関しては講座開発などを行い、プチコンサルするような形で社長や専務など上層部を巻き込んでいったのです。

広告主、特に経営者は「うちの広告を安く出してくれる広告会社がほしい」わけではなかったんです。

「いかにわが社の商品を売れるようにしてくれるか」アイデアが欲しかったんです。
広告を出すことが目的ではありませんでした。

4.顧客はドリルでなくて穴が欲しい

上記のことは、ビジネス書によく書かれている、

「顧客が欲しいのはドリルでなく、穴である」(ドラッカー)
「顧客は早い馬が欲しいのではなく、早く移動したいのである」(フォード)

と同じことです。

これは私が会社を作って自ら経営者になったことで実感しました。
例えば当社に、印刷会社や販促会社が自社商品を売り込みに来ます。

「印刷費を安くします」
「とてもいい紙を使っているんです」
「早く迅速に印刷できますよ」

などとアピールします。
非常につまらない営業をしているな、と思います。

社長である私が欲しい情報は、例えば

  • 売場塾テキストをいろんな業種・業態に合わせられる、自動製本システム
  • テキスト印刷をデジタルテキストして管理する方法
  • テキストをページごとにバラしてワークシート化する方法
  • テキストをいかに全世界に発展させられるか、の翻訳システム

などです。

つまりテキストを印刷するのではなくて、

  • テキストをどう学校以外に活用できるか?
  • 普段書いている理論をどうテキスト化するか
  • 理論を製本することによってどんなサービスが生まれるのか

が知りたいのです。
早い話、印刷することでどういう風に儲けるか?なんです。

印刷会社が印刷をアピールするのは当たり前、私たちはそれ以上の情報が欲しいのです。

5.VMDアプローチもドリルと同じ

あなたがメーカー社員で、VMDを駆使して売場を活性化したいと考えているとします。
やみくもにVMDを導入すればなんとかなる、と考えない方がいいです。
ただ「VMDを導入する」は、ドリルの法則と同じで穴になりません。

具体的に事例を上げましょう。

あなたが生八つ橋のメーカー「聖護園」の販促担当だとします。
京都のドライブインでインショップを営んでいるが、なかなか売上が上がらない。
隣の別メーカー「夕子」や「おたべ」にやられている。

たまたまVMDセミナーに行き、ディスプレイの仕方を教わりました。
でもキレイなディスプレイを売場につくっても売上は上がらないでしょう。
「キレイなディスプレイをつくる」は穴にならないからです。

もしかしたら、価格戦略が違っているかもしれないし、パッケージや商品戦略が悪いかもしれません。

なので、売場のディスプレイを改善するだけでなく、商品ブランド別くくりに編成するとか、パッケージデザインを見直すとか、低価格帯の商品を除去するとかディスプレイと平行して考えられる手段を投入するといいと思います。

もちろん、あなたは会社員なので、商品ブランド別くくりや商品戦略は商品部に相談し、パッケージデザインは宣伝部と一緒にやるべきです。
他部署を動かすには、それなりの説得材料が必要ですが、それは面倒くさがらずに行えばいいと思います。

また、あなたがVMDプロで起業して顧客を得たいならば、顧客の「してほしいこと」を具体化するといいです。
新規顧客は往々にして「VMDを取り入れたい」と言ってきますが、それに対して「VMD研修を行う」という単純な対応にせず、何を欲しているのか「穴」を見つけるといいです。

例えば、メーカー販促部から当社への問い合わせで、「テレビCMなどマス広告でブランディングしているが、売場はいつも汚いのでなんとかしたい」というのがあります。

「売場はいつも汚いのでなんとかしたい」を鵜呑みにして、「掃除・整理整頓しましょう」というVMDを提案するのはナンセンス。
たぶん、上図のように広告や広報を含めた、顧客最前線のスペースブランディングを確立したいということなので、穴は

「来店前に顧客が抱いているブランドイメージを売場でもキープしたい」
ということになり、化粧品メーカーなら、

1.売場づくりをしている美容部員のVMDリテラシー強化
2.インショップブランドとしての売場デザインの確立
3.小売店と連携した売場の場所と形態の確保

というVMDプランが成り立ち、

1.に関しては
・美容部員のVMD研修
・ブランドガイドライン作成

2.に関しては
・什器デザインとその仕様のルール
・壁面・柱オーケストレーションプラン
・POPデザインと仕様の統一

3.に関しては
・小売店へのVMD提案活動
・小売店フロア担当へのVMD勉強会の実施

みたいな仕事に発展させることができます。
もちろん、全部が全部できない、という人はそれ相応の技術ある人とコラボすればいいでしょう。
または、できない部分は提案だけしてクライアントに委ねるのもいいと思います。

6.顧客にソリューションを提供しよう

ということで、静岡県で広告マンをしていたサラリーマンの私は、ほとんど静岡新聞・SBSを売らずに、クライアントの商品開発に明け暮れていました。
売上のほとんどかパッケージ関連と専門誌への出稿だった年を重ねていました。
しかし私が通常営業の2倍は売上を上げていた理由はここにありました。

もちろん、広告主のソリューションの中に静岡新聞が入っている場合は静岡新聞に出稿していましたし、会社のノルマで静岡新聞を買い切りしていた時は、静岡新聞を売っていました。
それは組織の一員だったからです。

VMD専門のオーバルリンクを経営している今は、私のソリューションはVMDのみとなりますが、VMD以外のアドバイスはよくしています。
店名を替えたり、取扱品目を変えたり、商品デザインを見直したりするお手伝いをする時もあります。

さて、プチコンサルをするコツを下記にまとめます。

●顧客は情報を欲しがっている
どんな情報が顧客のためになるか考えてみよう。
顧客のためになる情報を携えて営業しよう。

●顧客はソリューションを求めている
VMDを提案する前に、顧客の求めている結果を考えよう。
その結果に対して何ができるのか提案してみよう。

●経営者目線でモノを考える
社長になったつもりで考えてみよう。
どうすれば商品やサービスが売れるか考えてみよう。

そして、売場塾はVMDインストラクターという資格を認定・付与していますが、もちろん受講生は「資格がほしくて売場塾に来る」だけではなく、

・VMDプロとしてで起業して成功したい
・VMDプロとして社内で活躍したい
・VMDプロとして競合に勝ちたい

という皆様のソリューションは分かっていますので、どんどんアドバイスしますよ~。(^^)
そんな人のために下記の説明会や相談会、無料でやっています。
お気軽にお越しください。

●VMDインストラクターで起業・副業相談会

●売場塾&VMDインストラクター説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

好きなことを仕事にするには?

映画のパンフレット

会社員であって自分にとって好きな仕事ができる。
これってすごくいいですよね。

先月書いたブログは「いかに自分のためになる仕事をするか」、その方法を書きました。

●インストラクターって必要なの?

今回は一歩進めて「自分の好きなことを仕事にするには」についてお話しします。
いつもながら赤裸々な自分の過去を振り返ります。
昭和時代からの話だから、ビデオやスマホがまだ登場していないので、世相に注意して読んでくださいね。(^^)
では始まり、始まり~。

1.始まりは8mm映画から

富士宮市の街中で過ごした子供時代に懐かしい場所があります。
それは家の近くにある「第一劇場」という映画館でした。

小6の時にテレビで「大脱走」を見て外国映画にハマり、家から歩いて300歩くらいの劇場によく映画を見に行ってました。
その劇場は「第一劇場」といい、燃えよドラゴン、ダーティハリー、未知との遭遇などアクション、SF作品をメインに見ました。
上の写真がそれらのパンフレットです。

高校時代には映画研究同好会に入り、親の8ミリカメラを借りて映画をつくりはじめました。
映画は作るのもおもしろく、見た人が感動するのを見て、いつかこの世界に入りたいと思うようになりました。

やがて月日は経ち、大学3年になりそろそろ就職の準備をしなければ、という時期になりました。
どうやって映画会社に入れるようになるのか、考えてみました。
映画作品を作ってそれをPRしたらどうか?
とりあえず、そのような結論に至りました。

しかし8ミリ映画はフィルム代とカメラのメンテナンスにも金がかかります。
資本金も何もない私は、まず親の仕送りをすべてフィルムに回した結果、毎日インスタントラーメンの日々になりました。

まずは脚本です。
「午後の天使」という題名で警備士の老人とタレント追っかけ少女を出来事にしたシナリオを1本作り友達に回し読みしてもらいました。
しかしあまりウケません。

そこで原作を探すことにしました。
ちょうどルームメイトに作家志向の人がいて、書きおろしを読ませてもらいました。
ホラー映画とコメディが一緒になったようなストーリーでした。
「これなら低予算でできそうだ」と思い、それを脚色しシナリオの形にしてみました。

次に出演者を募りました。
「なんかおもしそう」という理由で比較的時間に余裕のある人が集まりました。
すぐに出演者は決まったものの、なかなか前に進みません。
みんなほとんど遊びで参加してくるので、時間が合わなかったり途中でアキて役を降りたりと、調整するのに苦労しました。

出来上がった20分の短編映画はかなり厳しいものになりました。
「これはとうてい見せられないかも」ということで、就職用にPRするのは諦めて次を考えることにしました。

一番ほっとしたことは、インスタントラーメン生活から逃れられることでした。

2.まずは映画やテレビの裏方をバイトしてみた

これはもう自分ひとりで作るしかないかも、と思った私はドキュメンタリー映画をつくることにしました。
これならば出演者を使わなくて済みます。

ただ、ドキュメンタリーの制作知識はないので、とりあえず映画会社とテレビ局でバイトして、業界を知ろうというということにしました。

東宝舞台という大道具制作の会社にバイトで入り、TBSの番組の大道具を作っていました。
こういう力仕事はまったく私に合っていなかったんですが、仕方がありません。
担当番組は、東芝日曜劇場、クイズダービー、2年B組仙八先生などでした。
超深夜の仕事で夜8時出社の朝6時帰りです。
昼間は大学の授業があるので寝不足の日々が続きました。

もうひとつは、映画やCMのエキストラ。
刑事映画やテレビCMの群衆の一部をやりました。

いずれにしろ分かったことは、映画やドラマは時間をかけて大人数でつくるということでした。
エキストラにしてもロケの準備が遅れて5時間待たされるのは普通。
子役が深夜でもじっと待っているのに、こちらはしびれを切らしているのが恥ずかしくなりました。

床に落ちてゴミになっているシナリオを持ち帰って勉強したり、大道具・小道具などの使い方や美術も参考になりました。
驚いたのは、現場で見ると汚い大道具もブラウン管で見るとすごくキレイに見えるということでした。

シナリオで驚いたのは、ベストテンみたいな歌の番組でも司会のアドリブまで事細かに書かれていたということでした。
もちろんそのまま読んでいるとは思いませんでしたが、どの番組でもセリフがかなり作りこまれていました。

3.竹の子族のドキュメンタリー映画を作ってみた

そんなことで、バイトの日々は過ぎていき、何を題材にドキュメンタリーをつくるかシナリオ作成段階まで行きました。
その時点で大学4年生になっていたので、あと就職解禁まで半年しかありません。
(当時は大学4年生の10月が解禁日でした)

当時、原宿では竹の子族が流行っていたのでこれを取材することにしました。
竹の子族とは、ホコ天の竹下通りでグループで踊りを踊る人たちのことです。
ロックンロールなティーンの集まりでした。

まず親戚の高校生のつてを頼って、竹の子族に潜入レポすることにしました。
ソニーのカセットテープレコーダーと8mmカメラを抱えて現地に行きます。
踊りの輪に入りながら撮影していきます。
それが終わったらインタビューという日々を繰り返していきました。

台風が接近していたある日のこと。
さすがに踊っていた人いないだろうな、と思い現地に行ったところ、ズブ濡れになりながら踊っているツワモノがいました。
濡れているのでややシースルーになり、撮影をためらいましたが背中ならいい、ということになり無事撮影を終えました。

「こういう行動って、外国人はどう思っているのだろう?」と思い、当時通っていた英会話学校の外国人講師にインタビューしたりもしました。
「日本人は個性を発揮しようと思ってやっているだろうが、みんなやりだしてからはそれが没個性になってしまっている」という手厳しい評価でした。

取材したフィルムを切り張りして、それにナレーション・BGを加えて完成です。
友達何人かに見せましたが、好評でした。

3.就職に足りないのはコネだった

その後、就職シーズになり、映画会社やテレビ局を受けます。
結果はどうだったか?
ゼロでした。。。

当時は就職冬の時代で映画会社自体、募集をしていませんでした。
テレビ局に関してはバイトをしたくらいでは何のアドバンテージにもならないこともわかりました。

そして、ドキュメンタリー映画はどうなったか?
「映画を見るにはかんべんしてください」という面接官が多く、20分物のフィルムを見る余裕はない、という理由でことごとく却下されました。
一日何百人もの面接がある人事部にはそんな余裕はないということがわかったのです。

「テレビCMって映画を15秒にしたものだろうな」
こう気持ちを切り替え、広告代理店志望に気持ちを切り替えました。

しかし広告代理店就職も甘くはありません。
だんだん分かってきたのは、「コネがないと入れない」ということでした。
事実、受かった広告代理店2社はコネが功を奏しました。

あまりに業界の慣習がコネだらけだったので嫌気がさし、当時投稿していたしていた朝日ジャーナルにそれをぶちまけました。
私の投稿は内容がおもしろかったらしく、毎回朝日新聞から謝礼をいただきました。
中には反論する読者もいましたが、今にして思えばブログを書いているようなものでした。
昭和時代は新聞や雑誌の投稿欄でしか、他人とコミュニケーションは取れなかったんです。

4.広告代理店で好きなことを仕事にする

そんなことで、広告代理店のラテ課(ラジオ・テレビのこと)に入社した私は、300本はCMを作ったと思います。
当時はカードCMといって動かないCMもたくさんありました。

映画を撮っていた経験が役に立ったのは、言うまでもありません。
上司の仕事で自治体のドキュメンタリー映画をつくることになり、シナリオも書きました。
今度は16ミリ映画でした。
親戚のママさんバレーの様子をネタに練ったシナリオはプレゼンを通過し、映画は完成しました

CM制作の仕事で一番役に立ったのが、CMコンテだったと思います。
大学の時、映画を撮る前にアングルやシチュエーションを決めるため、マンガみたいなものを書いていました。
それをコンテと言います。
ヘタウマですがCMコンテを書く営業はいなかったので、かなり重宝され、他営業の手伝いもしました。

人間国宝とコラボしたCMはACC賞を取ることができ、広告作品のいくつかは業界誌や本に載るようになりました。
私はディレクターではなく営業だったのですが、企画・プロデュースという役割で掲載されました。
優秀なディレクターが周りにいたのも幸いしました。非常に感謝しています。

広告会社変わってからは、番組製作もするようになりました。
バラエティ番組やドキュメンタリーが主でしたが、映画製作の経験が大いに役に立ちました。
大学時代の映画製作よりラクだったのは、会社の信用でスポンサーを募ることができたらからです。
自腹を切ってインスタントラーメン生活をする必要はありません。

こんな感じでいろいろ好きなことをしてきましたが、仕事をする上で厳しい条件がありました。

5.好きなことをするにはリスクを取らないといけない

サラリーマンなので、死ぬほどのリスクはありませんが、番組制作は多少のリスクが伴います。

それは、言い出しっぺが責任を取らないといけないことです。
最初に作った1時間のドキュメンタリー番組は、ある程度スポンサーが想定されたのですんなり行きました。
女性の活躍を題材にした企業ドキュメンタリー番組でした。

2回目と3回目はラジオ番組でしかも、3カ月から1年のロング番組。
4月の改編に合わせて企画するので、2月にはスポンサーが決まっていなければいけません。

以前と違い、まったく新しい試みの番組でしたので、まったくスポンサーのアテはありませんでした。
次のような番組です。

●アースデザイン・マインドミュージック
野鳥の声など自然の音とフュージョンをリミックスする30分の環境番組

●ラジオインターネットマニア
インターネットの面白ネタを紹介・コメントしていく番組

この二つの番組企画はすんなりラジオ局に通ったものの、スポンサー探しは難航しました。
番組放映時間は押さえているのでやらないわけにはいきません。
ギブアップはできないんです。

しかも私は「またあいつが何かやっている」という風変わりなポジションを社内で確立していたので、誰も相手にしてくれません。
1人でやるしかないのです。

思ったのは、「映画のプロデューサーってこうなんだろうな」ということでした。
優れた映画企画を作っても資金提供者が集まらないと映画はできないのと同じなんです。

とにかく日々、いろいろな企業に飛び込みをしては、断られの連続でした。
しかし、仕事とはなんとかなるもの。
「これはおもしろいから協力します」と言ってくれるスポンサーが現れるものなんです。

失敗したら会社を辞めようと思っていた私は運がいいことに、そのあと何回か番組・イベント企画を作っては実施することができました。

そしてこれは会社をつくる時に資本金を募って株主を探すことと似ていました。
株主もおもしろそうな事業を考えている若者に出資してくれるもんなんです。

6.会社のノルマは最低条件

最後にもうひとつ、リスクではないのですが、好きなことをするには会社のノルマを優先した上で行う、ということが大事です。

広告代理店で言うと、担当クライアントの扱いをキープする、買い切りを埋める、イベントを全員総出で行うとか、いろいろなノルマがあるんです。

会社で雇われている以上以上、ノルマは仕方がありません。
会社員であることの最低条件といえます。

確かに最低限のノルマはやって後はプライベートを充実するという「静かな退職」の選択肢はありますが、仕事に好きなことを上乗せすれば、充実感は増すはずです。
しかも、それで会社も儲かるというWIN WINだったら給与もよくなります。
私の場合も年俸アップしてもらっていました。

会社もWINなのに、報酬がよくならなしい好きな部署に移れないとならば、その会社に交渉するか、転職を考えた方がよいでしょう。

7.VMDをやりがいに変えた売場塾生

売場塾生の中には、今まで述べたようにVMDをやりがいにして成果を出し、会社に認められて昇進した人たちがいます。

例えば、メーカーに所属してお得意先周りをしている営業マンの方は、売場のプチコンサルをして回っています。
VMDインストラクターということでお店の方に重宝がられて、パイプは太くなり営業成績もよくなり、社長賞をもらいました。
VMDの研修もするようになると、お得意先を減らしてもらって営業の傍ら半分の時間はVMD業務をするという理想的な環境になりました。

またあるメーカーの研究員の方は、VMD好きが高じてショールームのディスプレイを自主的に作っていました。
展示会では季節や新商品のディスプレイレシピを配付し、特約店に売場づくりをアドバイスしていました。
やがて、その方は研究所から本社商品企画部に転勤となりVMD業務も担当することになったのです。

こんな感じで、VMDを好きになり、仕事のやりがいにして働き方を変え、自立していく人たちは売場塾では多くいます。
もちろん私のように会社員辞めてVMDで起業した人もいます。

来週末売場塾交流会を開催するので、ぜひ個性的な方々と交わってみましょう。

●第17回売場塾交流会「VMD Cafe」10/12(土)

8.VMDに関しては「仕事を好きにする」だった

だいたいわかりましたでしょうか、好きを仕事にするコツ。
まとめてみると、下記です。

  • 計画を立て行動してみる
  • 1人何役でもやる
  • 自分で責任を負う
  • 会社のノルマを優先した上で行う

これを徹底すれば、運は必ずついてきます。
なぜなら、前いた会社をクビにならなかったし、つくった会社もつぶれていないからです。(^^)

会社では自分の好きなことができない、というあなた。
あなたにとって好きなこととは何か、まずは考えてみましょう。
それを整理した上で、計画を立て社内で実現してみるんです。

ぜひ自主的に動いて自分の可能性を探って見てください。
あるときにクライアントの社長が言った言葉が思い出されます。

「言ったことを実行する、それだけだ」

さて、ここで、
どうして私は映像一筋できたのに、いまVMDやっているの?
と疑問に思う方、いるかもしれません。

いいところに気がつきました。(笑)
VMDに関しては、「好きを仕事にする」のではなくて、「仕事を好きにする」だったんです。
これを機会あるときにお話ししようと思っています。

それまでしばしお待ちください。~

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

インストラクターって必要なの?

インストラクター

VMDインストラクターの学校「売場塾」をつくってはや18年。
940人以上のVMDインストラクターを輩出していますが、今日は逆説的に「インストラクターってそもそも必要なの?」という観点からお話ししていきます。

まずは私の高校時代のエピソードから。

1.ひたすらリピートすれば成就する

それは、高校生の時でした。
映画研究同好会というサークルに入っていて映画を作っていたんですが、前々からスポーツ部にあこがれていました。
はつらつとした野球部員やバスケ部員を見ると、運動苦手な私はなぜか劣等感が。

そこで思いついたのは、「毎日ジョギングしたら、走ることだけはうまくなれるかも」ということでした。
校内で誰にも負けない長距ランナーになったら、「文化部でもスポーツダメ男にならないだろう」と単純に考えました。

思い立ったら吉日。その日から毎日20分位帰宅後に家の近くを走ることにしました。

ただ、「毎日20分走れば長距離で1位になれる」という単純な発想で、うまくいくかどうかまったくわかりませんでした。
しかしながら、なんとかなるだろう、と楽観的な気持ちでもくもくと雨の日も風の日も走っていました。
なんか映画のロッキーみたいで気持ちよかったです。

1年が経ち、体育祭のクラス対抗1500m走に出場してみたら、1位になれました。
ここで「なるほど毎日コツコツやれば成就できるんだ」と実感したんです。

次に思いついたのは、「みんなが苦手な歴史で学年で一番とれば目立つかも」でした。
そこで、中間試験も期末試験も数学や国語など他教科はあまりテスト準備はせず、ひたすら歴史のテキストや参考書を丸暗記してみました。

ジョギングと同じように、同じことをリピートして毎日やればなんとか1位になれるだろう、というシンプルな考えでした。

最初の中間試験の歴史テストの結果は2位でした。
次の旺文社試験は静岡県内で4位でした。
残念ながら1位ではありませんでした。

しかしながら、ここで、
●何かを目標に掲げひたすらリピートすれば、なんとか成就できる
という定義めいたものが生まれます。

2.足りなかったもの。それはインストラクター

この定義はもしかしたら、恋愛や将来の職業にも応用できるかも。
と、したたかな思惑がアタマを出します。

とはいえ、ウブで将来についてあまり興味なかった私は、そちらの方向に舵を取りませんでした。
とりあえず1月の10kmマラソン大会で1位を目指すことにしました。

相変わらず毎日走り続けていましたので、ある程度はいい成績を残せるだろうと高をくくっていました。
しかし結果は79位。
なぜかこの数字、今でも覚えています。
それは「泣く」と読めるからです。

この結末を友人に話すと、バレーボール部員の彼はこう言いました。
「そりゃあ、そうだよ。20分繰り返し走っているだけでは、10kmマラソンは持たないよ」
「距離を次第に長くしたトレーニングに変えなければいけない」
と諭してくれました。

私はこの時、「なるほど」と思いました。
そう、私に足りなかったのは彼のように指南してくれるインストラクターでした。

3.プチインストラクターとの出会い

他人に頼りたくない性格、自分のやり方でコツコツ続ける性格。
そんな私の性格にはメリットとデメリットがありました。

メリットは三日坊主で終わらないこと。
そしてある程度は成就するということ。

デメリットはある程度まで行ったらそれ以上は進化しないこと。
つまり壁にぶち当たること。

でした。

やがて社会人になり広告代理店に勤務しました。
その広告代理店もインストラクターはいませんでした。

商店やビル群を片っ端から飛び込み訪問するスタイルのその会社は、100軒飛び込み訪問・100件電話追い込み、ということを標語にしていました。
しかし、誰もそんなことをする人はいませんでした。
そう、上司でさえも。

中小広告代理店ではよくあることですが、億単位の売上のクライアントを持つ営業は、決して広告主を手離さない。
他人に譲ったり引継ぎせずに、ずっと社内商店経営している人が多いんです。

なので、飛び込み新規開拓する必要もなく、部下には「1日100軒飛び込め」というものの、自分は何もしない人が多かったです。

100軒飛び込み訪問・100件電追い込みが苦にならない私は、試しに毎日やってみました。
そのやりかたは誰も教えてくれないので、自己流で工夫を加えながらやっていくうちに、新規客が集まりだしてきました。

縁とは不思議なもので、私を見込みのある営業マンだと思ったクライアント1人が、「君は見込みがある」ということで、会うたびに「明日のための10か条」をメモして私に教えてくれたのです。

このプチインストラクターは「あしたのジョー」の丹部段平みたいな人でした。
「あしたのための10か条」は営業のトークの仕方がメインでした。
・値引き強要された時の会話
・お茶の飲み方
(あと、すみません。忘れました)

毎回、おもしろいように新規が開拓できると、ふと気がついたことは、小口クライアントはたくさん集まるけど、何千万や億のクライアントは集まらないということでした。
大手企業でも零細でも、静岡県をAからD地区に分けて自転車でルート営業していたのですが、それが限界でした。

私に足りなかったのは、数千万から1億の新規開拓を指南してくれるインストラクターでした。

4.パーソナルインストラクター時代

限界を知った私は人の推薦もあり、二社目の大手広告代理店に転職しました。

飛び込み営業がスタイルではないその会社では、直属の上司はつきませんでした。
その代わり、私を入れてくれた部門長が手取り足取り、新規客へのアプローチの仕方やプレゼンの仕方を教えてくれました。

そして飛び込み中心の面の新規開拓から、点の新規開拓に変わったのです。
つまり、クライアントターゲットを絞って、集中的にそこだけアタックするというやり方です。

その部門長はOJTで教えてくれるので、私のパーソナルインストラクターという感じでした。
前の会社と大きく違うところは「すべての仕事の成果は私に戻ってくる」ことでした。
前の会社は下働きの弟子みたなもので、上司のクライアントへの仕事を手伝っても給料に反映することはありませんでした。
前の会社では、上司のクライアントの売上はすべて上司の成果だったからです。

2軒目の会社では、新規はすべて私の客となり私の成果としてくれました。
もちろん、1社数千万から億のクライアントになりました。
おかげで、2度社長賞を取ることができました。
アカウントエグゼクティブ(責任広告代理店制)という広告スタイルを身につけたのもこの会社でした。

その部門長が転勤した後、私に直属の上司がつき、その方も手取り足取り企画の仕方や書き方、プレゼンの仕方など教えてくれました。
プレゼンもすべて立会いしてくれたのでうまくいきました。
こちらも、前の上司と同様、手柄や成果を私に帰結してくれる上司でした。

こんな感じで、インストラクターとしてぴったり寄り添って仕事のノウハウを教えてくれる人がいたのはとても幸運でした。
20年もの間の広告代理店勤務の中で、合計3年くらいトレーニングいただいたのですが、これは貴重な価値となりました。

こんな感じで、仕事で自分を高めるためには、ノウハウを持っている社内の人材をうまくインストラクターにするとよいです。
もちろん、ただ利用するのではなく、下記の条件が必要です。

●自分のためになるし、会社のためになる

これを詳しく見ていきましょう。

5.社内で自分を高める条件とは

社員個人も含めて会社の持つノウハウって、さすがハンパじゃないですよね。
あなたはただがむしゃらに仕事をしているけど、実は会社の持っている知識資産をいただいているんです。

いただいていない方は、積極的にノウハウを掴みに行った方がいいです。
そして、

●自分のためになり、会社のためになることをする

これを私が会社に社員として居続ける理念にしました。
サラリーマンである以上、会社に貢献しなければいけないのは定めです。
そしてノウハウをいただいていることに感謝すべきです。
私の場合は新規開拓、売上で貢献しました。

それが

●会社のためになるけど、自分のためになっていない

場合は、ノウハウがあるワンランク上の会社を目指すか、ノウハウを持っている部門に移った方がいいと思います。
やっぱり仕事ってお互いにWIN WINじゃないと成り立たないからです。

私はそんな考えでサラリーマンをしてきました。
だから3回くらい転職、部門転換したんです。

で、もうひとつのパターンもありますよね。

●自分のためになるけど、会社のためにならない

そんな場合は、残念ながらリストラか左遷の憂き目に会うかもしれません。
私も一度経験ありました。

6.インストラクターはどこで探すか

さて、自分のためになるインストラクターはどこで探すか、なんですが、社内の「これだ」という人を頼るといいでしょう。
部が違っても、遠くの支店にいても会いに行くべきです。
私は新幹線を使って会いに行きました。
「弟子にしてくれ」ということではなくて、話を聞いてみるという目的です。
まずは話を聞いてみる、相談してみる事が肝心です。
その上で得るものはありました。
それが今後どうするか、の道しるべを描けます。

実は最初の会社で、「会ってみたい」という人がいました。
その方は、山のふもとに家があり、電話も通っていない家に住んでいました。
玄米を食べているというマクロビオテックな人ですが、快く会ってくれました。

その他、相撲の記者をやっている先輩に会いに国技館に行ったり、交流会で知り合った海外広告会社勤務の方に会いに行ったりと、「この人に会えば何か得られるかも」という気持ちで軽く行動に移していました。

メンターみたいな人を探していたかもしれません。
とにかく躊躇しないで即行動に移すといいです。
意外と人は初対面でも会ってくれるものです。

7.自らがインストラクターになる

月日は流れ、私はやがてVMDの会社をつくることになります。
しかし、VMDの知識はそれほどありません。
やはりここで、VMDを教えてくれるインストラクターが必要になります。

どうしたかというと、やはりパーソナルインストラクターを探していっしょに仕事をするようになりました。
2年くらいは、自ら新規開拓した仕事をインストラクターに頼んで、OJTしていただきながらVMDを実施させていきました。

VMDの仕事をすべてそのインストラクターとやりながら、VMDの極意を覚えていったのです。
仕事はすべてお渡しするので利益率は半分しかありませんでしたが、貴重な経験になりました。
今でもそのインストラクターに大変感謝しています。

そんなことで短期間でVMDのノウハウを身に着けた私は、アパレルや百貨店のVMDというよりも、電気や化粧品、車などいろいろな業種・業態のVMD理論構築が急務だと考えるようになりました。

そこで業界を絞ってクライアントを発掘し、頼みもしないのにいろいろな分析やプランを提出しては、その仕事を遂行してきました。
要は実験に実験を重ねていきました。そうしてノウハウを構築していったのです。

同時にビジネス誌の編集委員になり、新聞記事等でVMDに熱心な会社を選出、取材し論文を書いていきました。
その数100社くらいです。
そのおかげで、業種・業態・取り扱い商品を問わないVMD理論が構築でき、それを「55のフレームワーク」としてまとめました。

よかったら、どのくらいの論文を書いているか下記を見てください。

●深沢泰秀 論文

そして起業してから3年目で売場塾をつくったという次第です。
ニッポンにはインストラクターが少ないので、インストラクター自体を作りたいというのが、私の狙いでした。
VMDを教えてもらったけれど、逆に教える立場となり、今はインストラクターを育成している、ということです。

8.インストラクターはどこでも必要

私はそんなわけで、VMDインストラクターという資格制度をつくったんですが、実はこんなことはどこの業界でも当たり前になりました。

●鮨アカデミー
寿司職人になるには10年は親方の見習いにならなければいけないというのは昔の話。
いまや鮨アカデミーに通えば、2か月で寿司職人になれる。
インストラクターが仕込みから寿司の握り方や開店の仕方まで教えてくれる。

●ライザップ
これもう言わずもがな。
パーソナルトレーナーが筋トレだけでなく食事や生活管理まで教えてくれる。

●プログリット
英語のパーソナルトレーニング会社。
あなたに合った学習法で英語を教えてくれる。

上記のような授業料が高い学校に通わずとも、You Tubeでタダで勉強できる、とあなたは思うでしょう。
でも、やっぱり手っ取り早くノウハウを身につけるには、インストラクターに指導してもらうのが一番いいと思います。
究極はパーソナルインストラクターを起用するといいでしょう。

ということで、VMDインストラクターはいま全国に943名。
下記のような、いろいろな方がいます。

●VMDインストラクターにお聞きしました

またネットで「VMDインストラクター」と検索すると、たくさんの人が出てきます。
だれに依頼するか迷ったら、VMDインストラクター協会にお問い合わせください。
「VMDパートナー」という制度があり、VMDインストラクターを紹介したり、派遣することができます。

●VMDインストラクター協会 お問い合わせ

そしてもちろん、あなた自身がインストラクターになりたい場合は、ぜひ売場塾をご利用ください。(^^)

●売場塾

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

働き方改革で週休3日制にしてみたら

バリ島のネコの休日

こんにちは。
みなさんお盆休み中だと思います。
地震の影響で旅行中止にした人も多いとか。

私はのんびり家で過ごしています。

休みついでにお話しすると、当社は今年から週休3日制を敷いています。
もう7か月経ちました。
今日は、週休3日にするとどうなるか、働き方改革の観点から、会社経営の観点からお話しします。

1.どうやって週休3日制を維持しているか

今年1月から始めた週休3日制、もう7か月経ちますが1度も休みを削ったことはありません。
思ったよりスムーズに行っています。

実は昨年10月から試しに週休2日と半ドンにしていました
難なく維持できたので、今年から週休3日制にしました。

会社経営しているのに大丈夫か?という向きもあるかもしれないのですが、まったく大丈夫です。
現に会社は元気に回っています。

忙しく働かなければ売上は上がらない。
忙しく働かなければ、会社に貢献しているとは言えない。
他の方が休みを取らないから自分も休みを取らない。取れない。

などと思っている人がいると思います。

私も広告マン時代はその一人でした。
20年連続勤務した人は、無条件で2週間休みが取れるという制度が当時勤めていた会社にありましたが、だれも申告する人はいませんでした。
そんな雰囲気なので、私も申告せず20年勤務の記念のペンをただもらっただけでした。

話を元に戻します。
今の週休3日制の決め方はこうです。

  • いつ休むかその都度、週の初めに社員と話し合って決める
  • 売場塾が(土)にあった時は、その分を週中に振り替える。つまり、週中2日と日曜を休む
  • 急にクライアントの打合せが入った時は休みをズラす
  • 祝日が平日に入った時は、週休2日制にする
  • 年末年始・GW・お盆休みは連続で1週間~10日休む

この法則をつくったおかげで難なく週休3日を維持できています。
ただ、これは当社のしくみによるところ大だと思います。
当社が仕事をパッケージ化しているからこそ、週休3日制が維持できていると思います。

2.仕事のパッケージ化

当社は数人でやっている会社なので、ほぼ自営に近いです。
自営というイメージは、クライアントの下請けとして毎日が忙しく、急な仕事も入るため休みもななまらない。
徹夜も多く、心身共に疲れている・・・。
というイメージがあると思います。

それに私のように株主がいる株式会社の場合、のほほんと会社運営するわけにはいきません。
収支報告もするし、配当もしなければいけません。
ではどうやって休みを増やしても仕事が回り、収益を維持できるようにするか?

それは仕事をパッケージ化するということです。
旅行代理店のようにパッケージ商品をつくるということです。
顧客に合わせてメニューをつくるというよりも、顧客に3つのパッケージ商品の中から選んでいただく、ということです。

「ハワイ旅行は3つのコースがあります。どれにしますか?」
というような感じです。

コースが決まったら、後はトッピングするだけ。
ワイキキコースに、イルカ体験ツアーとポリネシアン文化村ツアーを加えればよいのと同じです。

パッケージ商品は定価があるので、トッピング分をオプション追加すればよいのです。

当社のパッケージ商品はズバリ次の3つです。

  • 売場塾
  • リバイス
  • 店舗診断

当社のサービスはたったこれだけ。
これをベースにトッピングして、ディスプレイコンテストを加えたり、プランニングを加えたりして7つ位のバリエーションメニューにしています。

じゃあ、パッケージと全く別の仕事が来たらどうするの?
ということですが、それは売場塾生に回しています。

例えば、デコレーターのような仕事。
確かに装飾関係も当社はしていますが、それはコンサルタントとして。
プロップスを購入して店内をクリスマスに飾り付けし対価をいただく、という仕事に関してはデコレーターにバトンタッチ。
売場塾には多くのデコレーターが来ていますので、彼女たちにお任せしています。

そもそも「仕入れがある仕事は一切しない」という鉄則が当社にはあるので、クリスマスツリーを買ったり、キラキラを仕入れて天井に飾るということはしていないんです。

やるとしても、「クリスマスのインスタレーションを教える」というコンサル業務ならばOK。
クライアントにクリスマスのインスタレーションマニュアルを納品して、それで対価を得ています。
企業は全国展開しているチェーン店が多いので、マニュアルを配布して店員さんにつくっていただく。その方が効率的というわけです。
マニュアルの中にどこでどんなプロップスを仕入れるかが一覧表で書いてあります。

そんなワケでサービスがパッケージになっているので、問い合わせ→資料送付→説明→実績サンプルなども定型化してあり、クライアントに合わせてその都度つくる・・・という業務もなくなります。

サービスのプレゼンツールは問い合わせ先の業種・業態・取扱商品に合わせてバリエーションが用意してあります。
私の公にしている論文は100以上の事例があり、アパレル、雑貨、化粧品、自動車など数々のビジネス誌に公開している論文があり、それを「月刊VMD」という広報誌にしてクライアントに提供したりなどしています。

後は、サービスを定価で販売するということ。
「いくらでもいいです」というフリーランスもいますが、私はあまり好みません。
あくまでも定価で販売し、予算が足りない時はパッケージのうちのこれとこれを省く・・・というようなスタイルにしています。
つまりパッケージサービスを小分けにモジュール化しているということ。
そうすると、余分な労力を得ず、拘束時間に合った対価を受け取ることができます。

小さな会社は業務を絞り込み、パッケージ化し営業も自動化する、これに尽きると思います。

3.その他の工夫

その他の工夫として、当社が昔からやっている慣行を紹介します。

●営業はほぼ100%ネット

ここ10年くらいの新規クライアントの獲得状況を振り返ったことがあります。
新規はどこから獲得しているか?
それはインターネットでした。
ほぼ100%のお客様がインターネット経由で来ています。

これも、無駄な飛び込みや電話営業の時間を回避できる秘訣の一つです。

さらに、コロナ禍の時から資料請求はすべて郵送せず、PDFをダウンロードするす添付してお客様に送信するようになりました。
なので、パンフレットを製本する、郵送する作業はなくなりました。
請求書や見積書、契約書で郵送することもなくなりました。
契約書に関してはアクロバットのサインシステムを活用しています。

●テレワーク

これもコロナ禍からやっていますが、会社に来ていただき打合せをすることは少なくなりました。
売場塾にしても、授業や説明会、セミナーもネット併用にしたり、自室をキープせずに東京都の会議室を借り、銀座に教材用の倉庫を設けるなど、固定化を避け流動的にしました。
通勤の手間、教室のメンテナンスが省けることも時間節約の大きな利点です。

4.週休3日になって生活はどう変わったか?

さて、週休3日になって、私の生活はどう変わったか?について言及します。
だいたい以下2つのことが多くなりました。

  • 本をたくさん読むようになった
  • 英語の勉強時間が増えた

本はもともと好きでビジネス本中心に読んでいますが、加えて下記の本が多くなりました。

・小説
・エッセー
・美術本
・英語本

月に3冊のペース。
そのおかげで長期休暇のたびにBOOK OFFの集配便にご厄介になっています。

特に美術本はディスプレイとの関りが大きいので、最近注目しています。
英語本は、英語を習っているからでキンドル本を読んでいます。

英語に関しては、ここ10年はほぼ毎日勉強していましたが、今年からは1日2時間はやるようになりました。
レアジョブに加え、パタプラも並行することに。

この英語学習、最近気づいたことですが、勉強時間を増やせばペラペラになるかというとそうでもないのがわかりました。(笑)
いま新しい勉強法を探っています。

睡眠時間はというと、きちんと7時間半はキープしています。
これは以前と変わらないです。

広告マン時代は2.3時間睡眠が続いていた時代がありましたが、睡眠時間を削れば成績が上がるかというとそうではなく、逆にマイナスになって降格・転勤の憂き目に会いました。
この会社員時代の辛いストーリーは下記をお読みください。

●君たちはどう生かすか

休みが増えたので、空いた時間に仕事をする。
こんな選択肢もありますが、それだと今までとあまり変わらないかな、と思います。

私はアイドリングタイムと言って、空いた時間に仕事以外のことをするのがいいと思います。
つまり日常の仕事の延長ではなく、未来への投資として有効に時間を活用するというやり方です。

売場塾卒業生は実に勤勉な方が多くて、アイドリングタイムを利用して資格の勉強をしたり、本を書いたり、コンサートをしたり、旅行をしたりという方が多いです。
そのおかげで個性が磨かれ、人間性が厚くなりユニークな存在になっている方がいます。

もちろん副業も流行っている人もいますが、それはいつもの仕事ではなく自分の才能を試すという体験のようなもので、これも未来への投資だと思います。

5.一日の生活時間はどう変わったか

最後に一日の労働時間はどう変わったか?について話します。

ズバリ、1日8時間の労働時間になりました。
実はこれ自体はあまり変わりません。

「えー、会社やっているのに1日8時間しか働いていないの?」
と皆さんは驚くかもしれないのですが、そうです。

主な日課は下記の通りです。

  • 09:00 起床
  • 10:00 仕事開始 (テレワーク)
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 仕事再開
  • 18:00 夕食
  • 18:30 英語
  • 21:00 風呂
  • 23:00 仕事
  • 01:30 就寝

というような感じ。
なんだか雑誌社のような勤務時間です。

これをここ2週間下記に改めました。
実験的に早く寝る朝型にしました。

  • 08:00 起床
  • 09:00 仕事開始 (テレワーク)
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 仕事再開
  • 18:00 夕食
  • 18:30 英語
  • 21:00 風呂
  • 24:00 就寝

この生活の利点はというと、風呂に入ったらあとは寝るだけ。
たまたま風呂上りはオリンピックやっていたからかもしれませんが、いい生活していると思いました。(笑)

ただ、毎週筋トレやジョギングを仕事時間内にやっているので、その日は実質7時間から6.5時間しか働いていません。

もちろん、これはクライアントとの打ち合わせや研修・セミナーがない日の日課です。
ほとんどテレワークしていて銀座のオフィスに行っている回数は少ないです。

ちなみにどんな忙しい日でもここ数年は睡眠時間7時間を切ったことはないです。
必死に夜も寝ないで働く、というのは時代に合わなくなっていると思います。

私の座右の銘は昔から「仕事より健康」優先です。
体を壊すまで仕事しないのが現代人の務めだと思います。

とまあ、ここまで書いて最後にオチです。
最近胃を壊し、アルコールやお菓子を控えています。
はっきり言って食べ過ぎ・飲みすぎでした。。。。
休日が増えたおかげで、量が増えてしまいました。

みなさん、時間に余裕があるからと言って飲み過ぎに注意してくださいね。
テレワークの方は特に注意しましょう~。

また、働き方改革のことは、毎月開催している「VMDインストラクターで起業・副業相談会」でも相談できます
VMDの仕事しているけど、なんか空回りしていると思う方、VMDで効率的に仕事したい方など、ぜひ相談に来てくださいね。
オンラインでもやっています。無料です。(^^)

●VMDインストラクターで起業・副業相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMD理論のつくり方と活用の仕方

VMD理論を書いたビジネス誌

0.プロローグ

今回は理論のつくり方をお話しします。
私は広告代理店時代から多くのプレゼンをしてきました。

特に新規開拓がメインな私はプレゼンは必須で、競合からクライアントを奪取するには新しいアイデアによる提案業務が欠かせませんでした。

ある日、テレビCMのプレゼンを控えている中、同僚にこんなことを言われました。
「●●と同じようなCMを提案したらどうだろう」
「●●の企画書を少し改編して提案しよう」

非常につまらない考えだな~と思いました。
他人の考えや作品をコピペするのが嫌いな私は、
「いやいや、こういう方がおもしろいだろう」
と拒絶しました。

しかし、私担当のクライアントを同僚に引き継ぐ最中だったため、私は折れてそのコピペ案でプレゼンに臨みました。

結果は思った通り、
「よくあるパターンだね」と一蹴されました。

次回に代わりに私の案を提案したら、とても感激されて案は通り、予算もたくさんいただきました。

そんなわけで、私は自分オリジナルな考えがとても好きなんです。
他人の考えをコピペしてどこがおもしろいのでしょうか。

それは広告業務だけでなく、美術作品をつくったり、本を書いたりすることもいっしょです。
やっぱり自分オリジナルな考えがクライアント、ひいては世の中に認められたらうれしいと思います。

VMD講師としてたくさんのブランドVMDに授業をしている私ですが、実はアメリカのVMD理論をそのまま話しているわけではないんです。
売場塾の授業にしても2/3はオリジナル理論です。
例えば、「VMD4分野」にしても「IP・PPテーブル」にしても独自理論です。
たくさんのオリジナル用語もつくりました。

いまみんなが普通に使っている、
●オーケストレーション
●リレーション
●POP編集

なども私がつくった用語です。

オリジナル理論をつくると、他者と差別化できますし、新しいお客様も開拓できます。
なにより、あなたのファンになってくれるのです。

昨今、AIなど他人の考えをそのまま使う流れも加速していて問題にもなっていますが、効率を追及すると誰もが同じ理論になってしまいます。
それだと面白くないし、個性というものも発揮できません。
業界としての発展もないでしょう。

いろいろな理論がぶつかりあい、加工したりそぎ落としたりして新しい理論に発展させ、VMD業界も進化していく。
そして日本が先進のVMDを唱えていくことにより、世界のVMDをリードしていく。
そんな未来を信じてやみません。

それではオリジナル理論をつくる秘訣をお話ししましょう。

1. 普通のことに疑問を持つ

テレビのニュースを見ている時や、新聞を読んでいる時、「なんでこんなことになるのかな」とか疑問を感じたことはないですか。

例えば、

「どうしてインバウンドが増えているのに、海外旅行部門は赤字なのか」
「なんで最近は記憶喪失のドラマが多いのか」
「なんで昭和が若者に受けているのか」

など、?を感じる部分は多いと思います。
答えは新聞やテレビに出た評論家が言うケースが多いのですが、
その答えをそのまま鵜呑みにしてないですか?

例えば、「なんで最近は記憶喪失のドラマが多いのか」に対して、専門家はこう答えています。

「コロナ禍が長かったせいで、自分探しをする人が多くなった。記憶喪失とは一度自分をリセットすることだから」
という人もいれば、
「冬のソナタのように、記憶喪失は世界ヒット作には欠かせない要素。全局ドラマ輸出を見据えているから」
など。

私は「単なる偶然」だと思っています。
そういう理論もあるね、と留まりそのまま鵜呑みにすることはないです。

VMD理論もそうで、例えば「三角構成のディスプレイはいい」という考えがあります。
これも最初は疑問でした。

なんで三角形がよいのか、心にしっくりくる理由がなかったからです。
あるデパートのVMD担当はこう言っていました。

「古代の人間は狩猟が生き残る上で必要だった。高原の獲物を狙う時、密集した動物を狙うのがてっとりばやかった」

「なので、バッファローがバラバラにいる高原に矢を放っても効率は悪く、バッファローが固まって密集しているところに矢を放つ方が効率いい」

だから、人間は三角形にタイトに展示されているディスプレイを思わず見る習性がある、と唱えます。

確かにその通りです。
しかし、それなら三角形でなくて、団子のように丸くてもいいはず。
そんな疑問を感じていました。

そこ、VMD本ではなく、いろいろな美術本を読み三角構成の理論にたどり着きました。
絵画や写真の構図に近い方が自分自身が納得するなと思って、下記の理論を打ち立てました。

●なぜディスプレイは三角形がよいのか

さらに三角形の疑問は続きます。
「なぜ上から見ても三角形にしなければいけないのか」

そこで、オフィスでコップを使っていろいろ実験してみました。
そこで導き出した答えは下記でした。

●ディスプレイ、どうして上から見ても三角形にするのか?

こんな感じで、人から聞いた、メディアで見聞きしたものでも、自分なりに疑問を持ち、その答えを探すとよいです。
すると、新しい発見があります。

その発見が唯一無二の理論構築の土台になるんです。

2. 日頃からテーマを持つ

これからVMDで自分を伸ばしていきたい方は、日ごろからテーマを持つといいです。

テーマはなんでもいいです。

  • 道の駅が観光地化しているけど、どこが魅力なのだろうか
  • NTTドコモが店舗数を半減すると言うけれど、これからのケータイショップはどうあるべきか
  • イケアが都市型店補をたくさんつくっているけれど、郊外型と比べてどこが違うんだろう

など、テーマを持ったら、それを探求するとよいです。
関連本を買って読んでもいいし、店舗に足を運んでもいい。
知り合いがいるならお茶して疑問を尋ねてもいいし、電話して聞いてもいい。

とにかく行動に移して自分なりに解を見つけるといいと思います。
すると、何かが発見できます。

私は広告マン時代からテーマがあると下記の事をしています。

  1. お店に行ってみる
  2. 関連本を2.3冊は読んでみる
  3. 人に聞いてみる
  4. 理論を書いてみる

3と4を詳しく話しましょう。

3.人に聞いてみる

例えば、「本屋がすたれる中、TSUTAYAはどのような店舗を目指しているのか」というテーマが過去ありました。

どのようにしたかというと、直接CCCに電話し、取材をさせてもらいました。
そうすると、テーマが一気に深堀りできますよね。
CCC広報から六本木TSUTAYAの店長を紹介してもらい、いろいろそのテーマに対して聞くんです。

なぜ色々聞けるかというと、私は雑誌や本を執筆しているからなんです。
お店にとっては宣伝みたいなものなので、内容を詳しく教えてもらえます。
そういう知識が私の中に入ってくるので、テーマも深堀しやすい。

広告マン時代はどうしていたかというと、直接飛び込みをしていました。
関心がある店や会社に直接訪問し担当者を出してもらい、根掘り葉掘り聞くんです。
訪問する理由は適当に作りました。

「新聞広告の料金表をお持ちしました」
「今こういうテレビ番組を考えいるので協力してくれませんか」
「インターネット広告の情報を持ってきました」

など、理由は何でもいいんです。

こういう昭和時代の飛び込みは今でも続けていて、担当者をネットで探し当て電話1本で飛び込みをしています。
こういうやり方は、コールドコールと言います。
悪い言い方をすれば証券会社や保健会社の押し売りコールになりますが、私の場合は物売りをするわけではないので、割と気軽にやっています。

いまや売場塾生も1,000名以上になったし、社会人経験長いのでアウトルックの名簿を検索してまずはメールをし、必要に応じては電話をしています。
意外と人は対応してくれるものです。
対応してくれている売場塾生の皆様、たいへんありがとうございます。(^^)

皆さんもコールドコール、一回やってみてください。
もちろん私に対してでもいいですよ。(笑)

4.理論を書いてみる

こうしていろいろ本を読んだり人に聞いたりしながら、つらづらと理論を書いていくんです。
最初はツイッターを利用し、徒然なるままに書いています。

ツイッターのテキストは、ノートパッドに書いていますから書き終わったら全文が残ります。

今度はそれをブログに書いています。
起承転結にまとめるために、いつもマインドマップをつくっています。
●マインドマップとは

マインドマップで文章構成を整理したら、名とは何日かかけてブログの長さに作成します。
チャート図や写真も入れてみて完成です。

例えば、この前「オンスクの法則」というアイデアをブログにまとめました。
●オンスクの法則

セミナーでも2回くらい話して受講生の様子をみました。
もちろんまだ固まっていない理論なので、余談として話しました。
受講生の様子を見たらある程度よさそうなので、正式な理論にするかもしれません。

さて、こんな感じでブログにした後も、悶々と時間あるごとに理論を書き換えていき、これだ!という論文を完成させます。
それがとてもよい出来だったら、ビジネス誌の編集長に連絡をし、ビジネス誌に掲載し、読者の反応や編集委員会の感想を聞きます。

流通ネットワーキングに掲載したVMD理論

それが好印象だったら何か月か寝かせて、最終的には売場塾のテキストに組み込むか、本を出版するという流れになります。
そこまでしなくてもその理論を中心としたオープンセミナーをやって考えを披露したりしています。

例えば、昨年「バーチャルマーチャンダイジング」という理論を考えて、講演会で披露し、その理論を月刊VMDにまとめたものを視聴者プレゼントとして配付しました。
ネットのレスポンスを見ると悪くはないかな~という感じです。

●バーチャルマーチャンダイジング

とはいえ、理論には当たりはずれがあります。
そんな中、最近「これはとてもよくできている理論だ」と納得する理論がありました。
それが「POP活用体系」というものです。

「POPには6つの種類があり、それぞれに役割が違い、仕様も表現方法も設置方法も違う」という「POP活用体系」理論です。

この理論の出発は点、「POPには種類があるのではないか」という疑問から始まり、上記1から3の活動をしつつ、まとめた理論です。
理論化期間は3カ月くらい。

これ、自分でもよくできた理論だと思っています。
来月セミナーをしますので、ぜひご参加下さい。(^^)

●POP活用体系

5.理論を応用する

さて、理論はできたものの、これをどうやって会社や自分の収益にするかなんですが、広告マン時代は飛び込みで得た人脈で、テレビ番組やイベント提案をして媒体を獲得し収益にしていました。

今はVMDコンサルタントをしているので、下記のようにしています。

  • VMDプランにその理論を入れてみる
  • 研修プログラムにその理論を入れてみる
  • 場塾のテキストに入れて授業で講義する
  • VMDガイドラインに入れてみる
  • 専用のサービスをつくる

などです。
これをマッシュアップといいます。
もともとは音楽用語ですが、実用書を書いている人がよく行う手法です。

例えば、先ほどの「POP活用体系」理論は、もう何回もクライアントにてPOPセミナーを開催していますし、売場塾のテキストにも載せました。
クライアントにPOPデザイン案をプレゼンした時には、その理論を2.3ページに渡って挿入しました。

専用のサービス活用としては、ディスプレイプレイコンテストの中の項目にPOPコンテストをオプションで入れ込んでいます。
すでに家電店やケータイショップのPOPコンテストにも応用しました。

●ディスプレイコンテスト企画局

6.理論は本によって大成する

そうやって出来上がった理論はやはり、本として出版するのが最終ゴールだと思います。
売場塾の卒業生は、たくさん本を書いていますので、ここに紹介します。

●VMDインストラクターの書いた本

私は卒業生の書いた本はすべて読んでいます。
よくできているなと思います。
中には売場塾のノウハウを応用・発展したものもあり、売場塾が役に立っていてうれしいです。

ブログやインスタと違い、本こそオリジナル理論を1冊に凝縮し詳しく丁寧にまとめたものとして最高のメディアでしょう。
全国の書店に並んでたくさんの方に伝えられますし、印税として収益が出てきます。

私の場合、私の書いた本を千冊以上まとめてお買い上げいただいたクライアントもいますし、中国語に訳されて海外でも販売されました。

●オーバルリンクのVMD本

本を出すと箔がつきますし、クライアントへのPRにもなります。
自社の強力なPRにもなるので、おススメします。

出版の本の出し方は自費出版だと100万以上かかりますので、出版社に企画書を持ち込むとよいです。
下記の最初の本は企画を出版社に持ち込みました。

●「魅せて買わせる陳列と展示の法則」

書籍化に当たり多くの売場塾卒業生に協力をいただき、誠に感謝します。
この本、2,000冊くらいはいろいろな法人様にまとめてお買い上げいただきました。

7.まとめ

だいたいわかりましたでしょうか。
理論のつくり方。

アメリカの理論そのものをコピペするよりも自分独自のVMDを構築した方がよいというのがわかったと思います。
日本に合ったVMD、自分の業種・業態・取扱商品・ブランドに沿ったVMD理論を確立するのです。
起業している方は自分独自の理論をつくりましょう。

ヒントはお稽古ごとの守破離をベースにしている、フレームワーキングという考え方です。
大いに参考にしてください。
●フレームワーキング

さて問題は理論ってどうやってアイデアを捻出したらいいか、だと思います。
それは最初言った通り、常に疑問を抱いたり、テーマを持ち探求することです。

じゃあ、どうやって疑問を抱いたりテーマをつくればいいのか、それはまたの機会にお話しします。

それではみなさん、独自のVMD理論、お互いに構築していきましょう~。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

マーケティングしなきゃ会社は始まらない

グラフ分析

1.自宅開業できるVMDインストラクター

今回はマーケティングについて話しましょう。
もちろんVMDインストラクターとして会社をつくり経営を軌道に乗せるためのマーケティングです。(^^)

VMDインストラクターはコンサルタントの部類に入りますので、実質仕入れがなく、一人でもできます。
自宅で開業することもできますので、資本金がなくてもできます。

ただ、業務机やインターネットや電話など通信環境、パソコンやケータイなどのデバイスは最低限必要です。

そして下記の営業ツールは必要です。

  • ホームページ
  • 会社案内
  • サービス案内
  • 名刺
  • 封筒

売場塾でVMDインストラクターの資格を取って、すぐに起業する人は多いです。
なぜかというと資本がかからなく自宅で簡単に開業できるからです。

打合せのほとんどはクライアント先で行われます。
リモート会議も盛んになっているので、自宅開業の追い風になっています。

コンサルや研修もクライアントの会議室か研修室、リバイス(売場の改善)はお店で行われますので、VMDインストラクターは自宅から行けばいいのです。

女性の方でプライベートな家の所在地を教えたくない場合は、バーチャルオフィスを使えば、数千円後の家賃で済みます。
その利用金内で郵便ポスト代行もしてくれます。
例えばこちら。
https://www.gmo-office.com/

2.開業の落とし穴

簡単に開業できる反面、落とし穴もあります。
それは「営業しないとクライアントを獲得できない」ということです。

営業はどんな会社でも必要な営みです。
ホームページやブログを開設したからといって、仕事がバンバン舞い込むことはありません。
しかも独立したてのあなたは、知名度も認知度もなく、ただ電話を待っていても誰もかけてこないでしょう。

かといって、人材派遣会社やIT企業のように電話をかけまくったり、商店街を片っ端から飛び込みしたりしても、すぐに仕事に結びつくことはありません。
ましてや、多くの人は飛び込み営業や電話営業はできないでしょう。

ではどうすればいいか。
それはマーケティングをすればいいんです。
営業はマーケティングの一部なんです。

3.マーケティングとは

VMDインストラクターとして開業することだけが優先になってしまい、マーケティングをおろそかにしている人は案外いるのではないかと思います。

マーケティングとは、広告とか調査という意味合いがありますがそれだけではないんです。

会社を運営し、サービスをつくり、顧客をつくり永続的に売っていく。
そして最終的に利益をいただく。


という一連の流れがマーケティングなんです。
上記の文を分解すると下記になります。

  • 会社を運営する
  • サービスをつくる
  • 顧客をつくる
  • 永続的にサービスを売っていく
  • 利益をいただく

マーケティングをすると、現状や予測分析ができて、対策を打つことができます。
一番上のグラフは、あるリアル公開セミナーのグラフ分析です。
コロナ禍でセミナー集客が厳しかったとき、マーケティングをした結果、対策が立てることができ、立てなかった場合と比べると、格段に集客できています。
2020年を特に比較するとわかると思います。

マーケは事業維持・拡大の重要な武器になります。
ひとつひとつ、解説していきます。

4.会社を運営する

たとえ、株式会社でなくても何かしらの屋号は必要です。
もちろん、自分の名前がそのまま会社の看板になっても問題ありません。

ただ、自分がバラが好きだからといって、「ローズエレガント」みたいな社名にしないほうがいいです。
会社はブランドそのものですので、あまり軽く考えない方がよいと思います。

確かに「刀」「サムライ」のように単語をそのまま会社名にした会社もありますが、これらは創業者の意思が反映され、きちんとしたコンセプトも持っています。
しかも会社の存在意義やビジョンも併せ持っていて、ホームページを見るとそれがわかります。

オーバルリンクのロゴ

例えば、これは当社のマークです。

生活者と企業を「快場」で結ぶ

というキャッチがあります。
どういう意味かというと、中央の楕円が売場で、この周りを衛星のように回っているのが、生活者と企業です。

企業とは、売場を介して生活者に商品を提供する流通企業です。
メーカー、卸、小売店などがそう。

「快場」とは、買い物が心地よい売場という意味です。
流通企業が快場をつくることによって、製菓者の支持を得、円滑に売場を回すことができます。

そして、衛星同士が円滑な関係でいられるように、「快場」を中心に生活者と企業を公転させることがわが社の使命なんです。

それが、オーバル(楕円)リンクとわが社を命名した所以なんです。

その他、当社のブランドロゴの由来を知りたい方は下記を参考にどうぞ。
●ネーミングによるブランディング戦略

5.会社のコアコンピタンス(強み)をつくる

オーバルリンクのポジショニング

さて、社名は社名で終わってはいけません。
どんな会社なのかを定義しなければいけません。

上記チャートは当社の事業フレームです。
どんな事業を行っているかを定義したシートです。

VMD業界でオンリーワンとなるために創業したころ策定した事業計画書です。

あなたは

「ディスプレイができます」
「POPが書けます」
「デザインができます」

だけで営業してないですか。

そんな人はたくさんいます。
コアコンピタンスをつくりましょう。
コアコンピタンスとは、他社がまねできないあなたの魅力を定義したものです。
数あるVMD会社や自営業者の中で、自分だけしかできなものは何なのか、自問自答する必要があります。

100人の中で自社が選ばれるためにはどうしたらよいのか、じっくり考えるんです。

さて、オーバルリンクの事業フレームを見ていきましょう。
「PLAN DO SEE」を中心に実践と理論を回しており、その中からいろいろなサービスを開発している会社ということがわかります。

今度はチャート図の下部分に注目してください。

当社は売場づくりを販売促進の一手法としてノウハウ化している

とあります。
要するに当社は販促会社という立ち位置なんです。
実際に当社は広告会社として登記しています。

なぜ当社に衣料品店や雑貨店といったクライアントだけでなく、ドラッグストアや車ディーラーが多いのか。

なぜ、アパレルメーカーだけでなく、おもちゃメーカーやタイヤメーカーの売場づくり支援をしているのか。
その理由が上記チャートから見て取れるでしょう。

製紙メーカーや風邪薬メーカーから売場づくりのコンサルが来た時とします。
あなたはクリネッシュティッシュ売場やベンザエース売場のVMDを構築しなければいけません。
このように消費財の売場VMDを行って対価を得ているVMDコンサルは少ないでしょう。
そこが当社の強みなんです。

次は、

当社は、そのノウハウを、誰もが、わかりやすく学習できる、コンテンツに加工している

というところを説明します。

これはもう、売場塾というVMDの学校を運営している理由そのものです。

先にいったアパレルでもトイレットペーパーでも、車でもタイヤでも、すべての業種・業態・取扱商品に関わる方に共通のコンテンツを持っているということ。
これが強みです。

具体的に言うと、

・売場づくりの型を55型に分けて教えている
・論文を書くために取材した店やメーカーが100以上
・ワークショップの種類が60以上
・テキストが800ページ以上

などなど、当社はコンテンツメーカーと言っても過言ではありません。
こうした他社にマネできないコンテンツをたくさん持っていることが強みなんです。

最後は下記を説明します。

当社は、そのコンテンツを、伝授する専門スタッフを1000人以上育成・請負派遣している

これも当社をよく知っている方はご存じです。
ズバリVMDインストラクターのことです。
この構想、創業したころプランしたものなので、実際今VMDインストラクターは930名になっています。
企業は継続力がないといけません。

残念なことは、インストラクターの87%が企業に勤めていて、フリーランスの方は13%しかいません。
なので仕事を頼める方は、121名しかいません。

しかし、今までVMDインストラクターを活用して、全国チェーンの小売店に多数講師派遣したり、ディスプレイコンテストの作品を手分けして評価・採点してもらうなど「VMDインストラクターを生かしたビジネスモデル」を開発してきました。
商空間スタイリストFCもその一環です。

●商空間スタイリストFC

普通ならば、独立起業したVMDの方は「私がやります!」ということで他人に仕事を紹介しないでしょう。
本来ならライバルの方に、

・仕事を請負でやってもらう
・仕事を斡旋する
・仕事のノウハウを教える
・就職の手伝いをする

などはしないはずです。

「なんでライバルつくっているの?」
とよく聞かれますが、そこが他社にマネができないコアな部分なんです。

それは「売場塾」というVMDの先生を育成する学校をやっているから。
卒業生からVMDインストラクターとして

・VMDの仕事がもらえた
・会社でよい地位が得られた
・VMDとして転職できた

という声を聞くとやっぱり「売場塾」としてうれしいです。

多くのVMD学校が今まで出現しても長続きしないのは、このようなコアコンピタンスが欠けているからなんです。

御自分のコアコンピタンス持つと、面接でも強くなれます。
下記も参考になります。(^^)
●VMDで転職するときの経歴書の書き方

6.顧客をつくる

どんな客をターゲットにするか?
を言い換えると、「どんな市場があるか」ということなんてす。

市場がないところに物やサービスは売れません。
日本に炭鉱が栄えているころは、そこに市場が生まれます。
炭鉱労働者とその家族がこぞって住みますから、住宅や学校、商店街ができます。
クリーニング屋や居酒屋、床屋などの付随サービスもできます。

しかし、いったん炭鉱が衰え、人がいなくなるとそれら産業も衰退し、最後は市場自体がなくなります。

VMD市場がわからないまま、惰性で起業する方も多いと思います。
残念ながら、自分がやっていこうとする仕事に市場はあるのか考える人は少ないと思います。

  • →どんな業界が市場になるのか
  • →どんな会社の
  • →どんな部署の
  • →どんな職位の 人がターゲットになるのか?

考えてみてください。

次にその人たちにどんなサービスが必要か具体的に考えるんです。

  • →セミナーを売り込むのか
  • →コンサルを売り込むのか
  • →リバイスを売り込むのか
  • →デザインを売り込むのか

売り込むターゲットによってサービスは変わり、逆も真なりで、サービスによって売り込むターゲットが変わります。

例えば、当社のサービスを見てみましょう。

オーバルリンクのVMDサービス

当社のすべてのサービスの土台は、当社のVMDメソッド「フレームワーキング」です。
全てと言ってもサービスは売場塾・店舗診断・リバイスの3つしかありません。
それをターゲットにより刺さるようにするために6つのサービスに加工しているだけなんです。

6つそれぞれにターゲットが違うんです。
あまり細かくは言えませんが、例えばあるサービスでは下記のように設定しています。

●大企業向け
・メーカー系インショップブランド・ショップブランド
・担当者は販促部・商品部・販売支援部
・企業名

●中小企業向け
・中小小売系オーナー企業
・担当者は社長~常務
・企業名

コンタクトの仕方とPR方法、そして仕事を得るまでのフローを事業計画書に明記しています。

私は広告代理店時代、オール新規営業の「個人商店」でした。
オリジナルサービスをつくって営業したときは今と変わらず、ターゲットを設定していました。
ただ、営業の手段は変わりました。
昭和時代の新入社員時代は飛び込みと電話追い込みで獲得してきましたが、今は21世紀。
リアルとオンラインで囲みこまなければいけません。
このハイブリッド営業の方法に関しては別の機会にお話しします。

7.市場を把握しよう

といろいろ話してきましたが、最後に一つ。
自分の目指す市場はどんな市場か、具体的に数字や固有名詞で表すとぐっと現実味が出てきます。

例えば、皆さんはVMDの市場規模を数字で考えたことはありますか。
私は事業をするにあたって、狙った市場がどのくらいか数字で表記しました。
パワポで自社の3カ年計画をつくっていた時のことです。
下記のマーケットを抽出してみました。。

●VMDの法人市場は975社
・メーカー300社
・商社100社
・百貨店30社
・GMS5社
・HC10社
・DS30社 ・・・

●VMDの周辺業界は700社
・施工会社50社
・設計会社300社
・デザイン・ファッション学校50校
・コンサル会社100社
・広告・SP会社100社 ・・・

●女性ワークスタイル市場 5.64万人
・ワーキングシングル 37%
・DINKS 3.2%
・復職層 20%
・継続就業層 17% ・・・

●VMD資格市場 88,620人
・母数は明かせないですが、母数853,039人に変数を掛けています。

VMD学習市場を考えた場合、ある特定の層でどのくらいいるかな、といろいろ調べてざっくり計算したものです。

これを見てどう思いますか?
私はすごく少ない、という印象でした。

当時は
カラーコーディネーター56万人、
インテリアコーディネーター4万5千人

だったので他の資格と比較すると8万8千人は低く感じました。
しかし少ない市場だからこそ独占できるのだろうな、と逆の発想をしました。

これをもっと具体的なサービスレベルの市場に落とし込む場合、ペルソナを設定した方がいいです。
どんな人がわが社のお客さんになるのか、その人たちはどこに住んていてどんな職業について、どんな趣味と将来の希望を持っているのか・・・という感じにどんどん具体化していきます。

参考に、売場塾の受講生はどの企業のどの部署から来ている方が多いのか見てみましょう。上図がそうです。

販促部の方が35%と多いですよね。
これらは、先ほど言った「当社のVMDは販促である」ことを反映していることがわかります。
実際に売場塾の54%が会社清算で来ていますので、いかに当社と販促部が結びついているかというのがわかります。
下記をご覧ください。

売場塾生分析

さて、ここで余談です。(^^)
大企業の販促部はVMDだけでなく、日頃顧客調査やペルソナ設定、マーケット調査などしています。

そして自社商品を市場に出して効果測定もしています。
広告と連動したキャンペーンもお手の物でしょう。

なのに、販促プロの方がいざ会社をやめてVMDで起業するときに、市場規模を想定しないで事業を進めるのは面白い現象です。(^^)
あれほどマーケティングや広報やってきたのに・・・。

例えばあなたが地元にかえって広島県で開業するにしても、

・広島市に本社がある小売店やメーカーはどのくらいあるか
・広島から中国四国地方ではどのくらいか
・地元の菓子店で50億以上の売上企業はどのくらいあるか
・お好み焼き市場ともみじ饅頭の市場規模と、それを置いている小売りはどのくらいあるか

これは広島の老舗企業をターゲットにした場合なんですが、ざっくりでいいので数字を拾ってみましょう。
市場把握って意外と楽しいもんなんです。

最後に私が薦めるマーケティングの本を紹介します。
これ、ためになるので何回も読んでいます。

●ストーリーとしての競争戦略
著者/楠木健 出版社/東洋経済新報社 出版年/2010.5
●イシューからはじめよ
著者/安宅和人 出版社/英知出版 出版年/2010.12

ということで、起業してきちっとマーケティングしたい方、ぜひ下記の相談会にお越しください。
無料です。(^^)
●VMDインストラクターで起業・副業 相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

あなたは資格にいくら投資する?

1.資格を取る動機

今回は「役に立つ資格とは」についてお話します。

皆さんは何のために資格を取るんでしょうか。
ざっと書くと、

  • 生活に役立てたい
  • 自分に専門分野が欲しい
  • もっと稼ぎたい
  • 昇進したい
  • 起業したい
  • 趣味を持ちたい
  • 趣味を生かしたい
  • 友達がほしい

などの動機があると思います。
それが自らの意思の場合もあるし、半強制的な場合もあります。

  • TOEIC650以上じゃないと社内で昇進できない
  • 親から英会話教室に行かされている
  • 会社からマウスの資格とるように言われている

もちろん、税理士や宅建、社労士などの国家資格は、それがなければ業務ができないので、必ず取得しなければいけません。

しかし法的な義務がない資格の場合は取るのが自由だし、取ってとても役に立ったこともあれば、何の役にも立たなかったというものもあるでしょう。
果たしてどんな資格が自分の役に立つのか?
それを振り返ってみたいと思います。

2.資格はどう人生に影響するか

それでは、私を振り返って過去資格を取って人生がどうなったかお話しします。
これ、オーバーな言い方なので、人生じゃなくて「ライフコース」くらいにしておきますか。
赤裸々に資格と私のライフコースの関係について話します。
資格を取りたい人の参考にしてください。

●書道

保育園のころから書道教室に「行かされて」いました。
習字はまったく興味がなく、あの墨が手や服についてしまうのも嫌でした。
しかし私も含め3兄弟、両親から「行かされて」いました。

10年後最後の5段まで行って高校入学と同時に書道塾通いは終わりました。
具体的には、毛筆5段、硬筆特級になりました。
それがどのようにライフコースに影響したかというと、どうなのかなという感じです。
だいたい下記くらいが影響あったことです。

・友達からラブレターの代筆を1回頼まれる
・知り合いの新店のあて名書きを1回頼まれる
・お歳暮のあて名書きを1回頼まれる
・ゴルフの景品の目録一覧を1回頼まれる

ほとんど無償なのでお金を儲けたことは一円もありません。
この資格、
電通の面接時に「書道5段持っているの?すごいね」
と言われて「そうなんだ」と気づきました。
知り合いの新店のあて名書きしてコーヒーおごってもらったと言うと、「安すぎる」と言っていました。(笑)

ちなみに売場塾で白板に書いている文字はどヘタで見る影もありません。
日常生活ではほとんどパソコンで書いているので、役に立っているということは皆無です。

で月謝いくらくらいだったのは定かではありません。
もちろん親に出してもらっていました。

今後の活用については、直筆のあて名書きがダイレクトメールで最近流行っているので、そのうちに自社の販促的に使おうと思っています。

●TOEIC

意外だったのが、英語を話せる人って社内に少ないということ。
もといた会社のフロアに200人以上はいると思いましたが、あんまり英語できる人っていないんですね。
かくういう私は今も勉強中でペラペラには程遠く、英語の勉強をするごとに絶望感を味わっています。
ただ会社在籍中になんとか750は取りました。
そこまでに至る経費はざっと100万くらい。
英会話学校はLADOとNOVAに行きましたがやっぱ時間も必要もかかります。

元いた会社ではTOEIC上記の人には月々5,000円補助金が出ていて、これは実感として儲けた気がしていました。
給料ベースアップしたような感じ。

TOEICが役に立ったのは2度くらい。
イギリスと韓国のクライアントのプレゼンに立ち会ったのと、アメリカの釣り具メーカーのデモンストレーションの通訳に立ち会ったくらい。
役に立ったのは私で、クライアントの役には立たなかったです。
私は英語の勉強として役に立ちました。

もうひとつ付け加えると、「フィリピン人の彼女に別れを英語で告げてほしい」という知り合いの依頼があり、パブに行った覚えがあります・・・・。

役に立つといえば、最近外国語の本やVMDセミナーをYou tubeで見ています。
世界のVMDを探るにはいい機会と思っています。

●マッキントッシュ

これはパソコン元年に大枚をはたいて買ったもので資格ではないのですが、新しものの私はまず家族に内緒で買いました。
けっこういい感じの値段でした。
その後も周辺機器やソフトを含めて、車1台軽く買える金額を投入。
デザイン会社はみなマックを使いだしていましたが、営業職でマックを使っている人は周りにいませんでした。

パソコンの使い方教室に通い、テキストと表計算位はできるようになりました。
正直最初の半年はワープロより使いづらかったので、かなり苦戦していて一時パソコンのおかけで仕事の生産性が落ちました。
企画書やレポート、見積もりもすべてマックで作っていたので時間がかかったんです。
年賀状もマックで作ったものの、できたイラストは小学生なみでした。

役に立ったのは、インターネットにいち早く着目できたことです。
当時は静岡にいて東京のインターネット関係者と通じることができたのはよかったです。
インターネットを使ったラジオ番組や雑誌制作の企画をつくって、パソコン店やパソコン専門学校の新規開拓ができました。

ただ、数年経つとウインドウズが世の中を席巻して、マックを使っているのは制作会社と医者くらいになりました。
マックは持っていてもクライアントや社内で互換性のないデバイスになってしまいました。
東京転勤の機会もあり、以後ウインドウズに転じました。

●商業施設士

これはオーバルリンクを設立してから取った資格。
今でこそ、コンサルの仕事がメインですが開業当時は内装や看板の仕事が多かったです。
とりあえず仕事を取らなければいけない私は何でも引き受け、設計会社や施工会社に外注していました。

すると利益はほとんどありません。
しかも内装後に修理あった場合はこちらが余分な経費を持たなければいけません。

そこで、企画設計とCADくらいはできるようになった方がいいと思い、この資格を取りました。
商業施設士は図面が描けるようになる資格です。
実技も図面です。

以後、設計図制作、パースデザインは社内でできるようになりました。
施工も分別発注形式にしたので、利益はほぼ100%になりました。

図面を自分で書きたい人には手っ取り早い資格だと思います。
受験料も22,000円と安いです。
それにプレセミナーとテキスト代などを入れて50,000円位でしょうか。

ただし、資格を取った後も年間の会費がかかります。

●照明士

これも上記のごとく内装で照明の知識がいたので、取った資格。
どんな意匠のライトを使って室内やディスプレイを演出したらいいのか、改装の時に必要だったからです。

照明設計も設計士や施工会社に外注していたのですが、やはりトントンでしたので自分でできるようにしました。
改装や新装の図面を書く時に役に立ちました。

ただし、施工会社とやりとりするのではなく、直接照明メーカーに照明率表や部屋指数を聞かないと照度計算ができないことがわかりました。
この計算ができないと照明器具が選べないからです。

一度計算しないで器具を選定したことがありました。
すると、ディスプレイに当たるライトが拡散してしまいました。
「うーん、ミステリアスな演出ができない」ということで、その後は照度計算するようになりました。
当時はカタログに記載されていないこともあって問い合わせ等面倒でしたが、今はネットで照明率を見ることができるのでラクではないでしょうか。

役に立ったことはもうひとつ。
VMDセミナーに照明を入れることができました。
特に商業施設のテナントは照度が暗くお化け屋敷になっている店があるので、こうした店の照明を改善することができます。

価格は通信講座受講料が37,400円。
テストと込みになっていますが初年度会費がかかります。

●色彩検定

これは私ではなく社員に1級を取ってもらいました。
カラー部分の理論づけをしっかりつけられたことと、服をコーデネートしたときの微妙な判定に役立っています。

微妙な判定というのは、

・対照色相で対照トーン同士の服のセットアップ
・類似色相で対照トーン同士の服のセットアップ
・クロスコーディネーションの判定

など彩度や明度が微妙な組み合わせの場合です。
これらの判定の理由付けが必要だったからです。
ワークショップでは、講師が理由を言いながら直すことが必要です。
たくさんの色がある売場の担当者は、この資格を持っていた方がいいと思います。

実際、売場塾に来る方はカラーの資格を持っている人が多いです。
カラー資格プラスαということで、VMDインストラクターになる人が多いです。

費用はどのくらいかというと、社員に任せたのでわかりません。
ネットだと1級で15,000円の検定料ですが、その前に2,3級を取るのと、参考図書などが必要なので数万円はかかっていると推測されます。

3.資格はどのように選ぶか

ということで、資格がどのように役に立つかを自分たちの経験に踏まえて話してきました。
資格は国家資格からカルチャーまで千差万別です。
そんな資格を選んで取るにはどうすればいいかを述べます。

それては、ある程度はこうなりたいという目的を設定することです。
そして、この程度にはなりたい、という目標が必要です。

英語にしても、海外旅行時に役立つ程度なのか、海外に出て仕事として話せるようになりたいのか、目的と目標が違います。
筋トレにしても、きんに君くらいになりたいのか、腹をひっこめる程度でいいのかで目的と目標が変わります。

私の場合は、書道は親からの指示、英語は教養程度ですが、他の資格は仕事や会社の足りないところを埋めるようにして取得しました。
今でも、足りないところは各種セミナーに参加するなどして補い、必要とあらば資格取得を考えています。

ほとんどの学校は資料請求、説明会、セミナーなど開いているのでそれを利用するといいでしょう。
そうしてある程度、よさそうだなと思ったら資格を受験したり、講座に通うといいです。
それには時間とお金がかかるので、やっぱり「資格を取ったらこうなりたい」という目的と目標をは持つことでしょう。

売場塾生徒でもMBAや中小企業診断士など難しい資格を取る方がいます。
そういう資格は数年かかりますので、さらに身構えは必要になります。
資格を習得した中には、大学教授になった人、大手会社の社長になった人、独立起業して数千万円稼いでいる人もいます。

まずは目的と目標を設定して見てください。
そして、目標に達するにはどうすればいいのか紙に書くとよいでしょう。
そのスケジュールの作り方は下記を参考にしてください。

●君たちはどう生かすか

4.VMDインストラクターはどんな資格か

ディスプレイうまくなりたい、という人よりも名前の通り、VMDの指導者になりたい、先生になりたいという目的の人の資格です。

・VMDの集合研修ができる
・VMDの現場研修ができる
・VMDのガイドラインをつくることができる

この3つができるようにする資格です。
確かに、ディスプレイの授業はあるけれど、それは基本講座では全体の1/3の時間のみ。
残りの2/3はショップデザイン、MDと展開、体験販促です。

基本コースはVMD基本講座・アパレル基本講座という名の通り、基本を学ぶためのコースですが、指導コースはその名の通り、指導者になりたい人のコースです。
このネーミング、応用コースとかプロコースでもよかったんですけどね。
目的を明確にするためにあえて「指導コース」にしました。

目的が明快だけあって、入塾する人の8割は本部のVMD担当かリーダーです。
13%は独立起業してVMDで食べていく目的で入塾しています。

とはいえ、「VMD初心者」「VMDを習ったこともない」という人でも対応していますので、ご安心ください。
詳しくは説明会や資料請求、セミナーなどにお越しください。(^^)
資格の活かし方、お教えします。

●売場塾&VMDインストラクター説明会・セミナー
●売場塾資料請求

最後はやっぱり広告でした。~
ご清聴ありがとうございました。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

ネーミングによるブランディング戦略

オーバルリンクのロゴ

今日はネーミングと商標によるブランド戦略についてお話しします。
例によって広告マン時代から今日に至るまで綿々と続いている活動です。
この話、販促部の方や宣伝部、営業企画部や独立起業した方にもばっちりためになるのでよく聞いてくださいね。(^^)

1.広告マン時代のネーミング戦略

今は小売店やメーカーを含めた流通業社をクライアントとしているオーバルリンクなんですが、広告マン時代はメーカーが主なクライアントでした。
静岡支店時代だったので、お茶メーカーや釣り具メーカーなど静岡ならではの商品のネーミングが多かったです。

ネーミング自体を依頼されたことはまったくなく、「どうしたら売れるのか」「どうしたら名前を消費者に覚えてもらえるのか」などを考える上で、浮かび上がったアイデアのひとつです。
それとは逆に、「こんな商品があったらいいな」という過程で浮かび上がった商品自主プレのネーミングもありました。

当時の私の広告スタイルはAE。
アカウントエグゼクティブ(責任広告代理店制)といい、広告だけでなく商品開発から販促企画までブランディングをトータルに行っていたため、商品の名前は重要でした。
主なものを紹介していきましょう。

A.釣り具パーツ

オモリやフックなど釣りにパーツは欠かせません。
パーツ商品のパッケージデザインを任されました。
釣具店の売場にはいろいろなメーカーのスイベルやオモリが並んでいました。

しかし、どのメーカーも似たような袋のパッケージ。
品番とアイテム名のみ、例えば「No154-5 スイベル」とか「No874-8 スピナー」という商品名でした。
これではどの商品を選んでいいかわかりません。

そこで、依頼されたメーカーの商品にあだ名を付けることにしました。

スピナーを「ピカイチスピナー」
スイベルを「サイクロンスイベル」
スナップを「イキイキスイベル」
リングを「手錠リング」・・・

そしてあだ名の横に1.2行の下記のようにキャッチコピーを入れました。

「ピカイチスピナー」
→「輝きが違う、回転が違う!キラメキバツグンだから遠くのバスにもアピールできる。

「イキイキスイベル」
→バスが追ってくる!ルアーをイキイキアクションさせるにはこのスイベルしかない!

あだ名とキャッチコピーを目立つようにパッケージにレイアウトしました。
黄色と青の目立つロックみたいなパッケージデザインは売場ですごく目立ちました。
思えば、このころからVMDを意識してパッケージ開発していたんです。

メーカーは最初、「卸からの注文が品番でなくてあだ名から入ってくるからわかりづらい」と言っていましたが、それでいいんです。

品番よりも名前を覚えてもらう。

それが何よりも広告効果だと思いました。

B.新茶物語

静岡では新茶の時期になると販売が活発になります。
いつも若い人向けに何かおもしろい商品が出来ないかなと思っていました。

新婚ほやほやだったわたくしは、新築の家に住み洋風リビングでお茶を飲んでいました。
リビングに置いたお茶缶はいかにも和風デザインで、板の間のリビングには合いませんでした。
かねがね、「新茶は季節の便りとして人に贈るもの」という意識あった私は「新茶はメディア」というコンセプトを考え、「新茶物語」というモダンな商品をお茶メーカーに提案してみました。

提案の直接のきっかけは下記でした。

橋本環奈似のモデルが和服を着てウォークマンを聞いているお茶カタログの表紙。
それは東京のデザイナーに依頼してつくってもらったカタログデザインでしたが、とても気に入りました。
それをヒントにストーリーを考えてみました。
ニューヨークに滞在している父に静岡にいる大学生の娘が新茶を送るという物語。

若い女の子だったらこういうお茶を送るんだろうな、というイメージでステンレスの丸い弁当箱のような缶にお茶を入れ、金平糖を白磁の皿に入れて箱にセットでつくってクライアントに提案しました。
名前は「新茶物語」
顧客が新茶を贈答する際はオリジナルの手紙を中に入れられる仕組みにしました。

娘の名前はみどりとし、書道五段の私が女の子っぽい手書きで広告用の手書きを書きました。
小売店にとっては代筆して先様に送るというかなり面倒くさい商品でしたが、話題性とクリエイティビティは確保できました。

C.新世紀

2000年を迎えようとししている時。
社内会議で「2000年という節目は広告チャンスだ。それをネタにみんなで企画を出し合おう」ということになりました。
そこで、私は「新世紀を商標登録してそれで商品づくりを企業に提案しよう」という案を出しました。

「新世紀」は梨で有名です。
ただ、梨は果物の部類に入っているため、他の部類の商標はされていませんでした。
これはチャンスです。
食品メーカーに持ち込めるように、砂糖・お茶・米などの部類で会社名義で商標登録しました。

先願権がないの弁理士に確認してもらい、いろいろな企業に企画を持ち込みました。
決まったのはやはりお茶店で、新世紀の祝いのお茶を出そうということになりました。
神社にお祓いしてもらったお茶を「新世紀」として通販で売り出すことになりました。
結果まずまずの売上と話題作りができました。

しかしこれ、落ちがあります。
後日、他のお茶店が商標を持っているのが判明し、販売の続きはできないという羽目になりました。
特許庁が間違えてダブル承認してしまったということでしたが、今でも腑に落ちません。

そのほかにも会社員時代には、

・マナ坊
・ラジオインターネットマニア
・アースデザイン・マインド・ミュージック
・よりどり緑
・オーシャン・リー

などいろいろなネーミングを考えて企画提案・実施しました。
こんな感じで、商品名はマーケティング、ひいてはブランディングの一環で、広告・販促を営む人なら誰でも必要なものでした。

さて、ここらでオーバルリンク時代のネーミングに移りたいと思います。

2.オーバルリンクの商標戦略

広告代理店を辞めてVMDの専門会社をつくってからも、VMDをどうやって商品化するか考えていました。
とはいえ当社はコンサル会社なので、商品は無形商品です。
サービス名というのが正しいです。

しかし、ネーミングの考え方は商品でもサービスでもテレビ番組でもタレント名でも、まったく同じなんです。

ましてや創業したての会社が「VMDいかがですか?」と企業に売り込んでも、相手はまったくわかりません。
実際のところ創業当時は、VMDという言葉も知らない企業がほとんどでした。
電機メーカーのクライアントが多かった私は、やっぱりVMDを分かりやすく企業に知ってもらうには、ネーミングが肝だと思いました。

・売場UP2サポート
・売場ドッと混む
・リモデルプラス
・ユニットVMD ・・・

など、いろいろ考えて提案・実施してきました。
VMDのコンサルが多くなり市場が大きくなった今、商品名を考えるのは差別化として不可欠になりました。

ここで、当社のメイン商品として商標登録し今でも続けているサービス、それらをいくつか紹介します。

「売場塾」

VMDの学校 売場塾ロゴ

VMDセミナーサービスをつくるにあたって、何かよい名前がないかなと思っていました。
「VMD大学」、「VMD道場」、「VMDスクール」などが考えられますが、どれもありきたり。
少人数の上、ビルの地下でセミナーをやっていたことから、塾という名前がしっくりきました。
うちの社員にデザインの原案を渡し、上記のようなロゴにしました。

リリース直前、私が少し横長文字に改良しました。
VMDという言葉が入っているのがとても気に入っています。
(気がつく人は少ないですが・・・)

次いでサブネームも考えました。

出張売場塾 →クライアント先で行う売場塾
オーダーメイド売場塾 →クライアントの業種・業態・取扱商品にカスタマイズする売場塾
オンライン売場塾 →オンライン講座

など。

地下で始まった売場塾

これは売場塾の初期の様子。
地下室で始めたので、やっぱり学校というより塾ですね。(^^)
売場塾の生い立ち、詳しくは下記をクリックしてください。

・売場塾アーカイブ

以後、どんなセミナー関係でもほぼ「売場塾」のロゴを入れています。
単なるVMDセミナーというよりも、売場塾という学校のベースがあり、その理論や教材を使ってセミナーをする、という特色が出るため、法人セミナーでもロゴを入れています。
by 売場塾 という感じですね。
インテル入っている、という使い方です。

「月刊VMD」

月刊vmdロゴ

これは最近開発した商標です。
普通に読んでみると「ゲッカン・ブイ・エム・ディー」です。
VMDに関する雑誌ブランドと思ってください。

現在、VMD専門の雑誌は存在しません。
かといって当社が月刊誌を本屋で売る流通誌として出すとかなり労力がかかります。

時間も人材もない当社ができることは、まず月ごと送っているメルマガやブログに名前をつけるということでした。
そこでつけたのが、「ゲッカン・ブイ・エム・ディー」。

響きがいいんです。(^^)
これもネーミングの大事な要素。
すぐに覚えてもらえるんです。

かといって、それをすぐに販売して利益にするのは難しいので、しばらくホワイトペーパーの名前にしていました。
ホワイトペーパーとは広報用の雑誌みたいな意味で、MA(マーケティング・オートメーション)やっている会社がよくやっている販促ツールです。

もともと当社はビジネス誌や書籍にたくさんの論文を書いています。
それらをマッシュアップして記事化し、当社のVMD理論やレポートとして無料で配付していました。
毎月新しい情報を必ず2つは流しているので、ホワイトペーパーも「月刊VMD」と問う名前にしてクライアント等にお送りすることにしました。

その後、オンライン「センスアップセミナー」のテキストにもすることにしました。
2021年の9月から今でも続いています。

・センスアップセミナー

今年春からは「月刊VMDムック」として書籍発売もすることにしました。
ムック購入したい方は下記からお申込みください。
1冊から買うことができます。

・月刊VMDムック「商空間ディスプレイ」

またキンドルのサブスク入っている方は無料で読むことができます。

・月刊VMDムック「商空間ディスプレイ」キンドル版

今年、月刊VMDをファミリーブランド化し、月刊VMDブログ、月刊VMDメルマガ、月刊VMDムック、月刊VMDレポートなどと、でサイン統一しました。

vmdメディアブランド戦略図

今まで述べて来たことを図にしたのが上記。
広報メディアもブランド化できることが分かったと思います。

「商空間スタイリスト」

商空間スタイリスト

VMDインストラクターがVMDの資格として確固たる地位を確立したころ、ディスプレイの資格は考えられないだろうか、考えていました。
そこで上記のような名前を考えました。

「商空間スタイリスト」を商標化したのは2017年ころ。
このディスプレイ資格の特徴を如実に図案化しました。

・陳列スタイリスト
・展示スタイリスト
・プロップPOPスタイリスト

「商空間スタイリスト」は上記3段階を経て取得する資格のため、このようなロゴになりました。

ロゴのしくみとして、上記3段階を入れた4段階の資格の色を決めています。

・陳列 →オレンジ
・展示 →パープル
・プロップPOP →グリーン
・商空間スタイリスト → スミ

色をベースにテキスト、認定証、案内書、広告に至るまでVIを決めてデザインしています。
四角いキラッとしているスクエアはシャイニングスクエアといい、デザイン要素のひとつです。
また、カードはSのイニシャルを透かしで入れています。
英名、Shop Space Stylistの頭文字ですが、私はスーパーマンのイニシャルと呼んでいます。

商空間スタイリストを取得した方、ぜひディスプレイ制作のスーパーマンになってほしいです。(^^)

「VMDインストラクター」

これはもう言わずもがなですね。
当社のビジネスモデルそのものです。

ただ、なんでインストラクターという言葉をつけたのか?というと、文字通りVMDのリーダーを育てたいという当社の方針があったからです。

売場塾を始めた2006年はVMDコンサルタントが市場にあまりいませんでした。
日本にVMDを広めたいと思って創業した当社なので、早くVMDを国内に広げるにはどうすればいいか、考えました。

そこで、私のようなVMDの先生を日本にたくさんつくると早くVMDを広められるのではないか?と思いつきました。

VMDを広める人をVMDインストラクターと名付け、日本の新しい職業にしようと考えたんです。
VMDインストラクターは、ただディスプレイがうまい人ではありません。

・ショップデザイン
・品揃えと展開
・ディスプレイ
・体験販促

この4分野のスキルを持つ人でないとVMDとは言えないと思い、VMDインストラクターを考案、商標化しました。
ヨガが広まった時にヨガインスタラクターがたくさん輩出したのと同じように、VMDもインストラクターが必要だったんです。

そしてVMDインストラクターの資格取得者は企業本部の方が多いという特徴を持っています。
チェーン店である小売店本部のVMD担当はチェーン店を指導しなければいけません。
メーカーや卸の本部の販促担当も、営業所やお得意先である小売店に提案活動、ミニコンサル活動をしなければいけません。
またVMDとして起業したい方は、VMDインストラクターそのものが仕事にならなければいけません。
つまりVMDの先生として収益を得るんです。

そういう意味で売場塾では、単にディスプレイがうまい人というよりは売場づくりを総合的に指南できる人材を育成していったのです。

詳しくは、VMDインストラクター協会のホームページをどうぞ。(^^)

・VMDインストラクター協会

この認定カードも社内で考えたシンプルなデザイン。
2006年はiPhoneが流行っていたので、iを用いた図案にしました。
すちなわちvmd-iです。

iPhoneのようにシンプルなデザイン、気に入っています。
シニアは下写真のように格調高い紫色にしています。

VMDインストラクターはただいま922名なのですが、シニアはまだ22名しかおらず非常に貴重な資格になっています。
シニアは実技試験があり、合格率もVMDインストラクターより低いです。
シニアは「VMDをコンサルサービスとして収益を上げられる人」が認定基準となっています。
そのため、シニアを取った方の半分以上が独立起業しています。
中にはVMDコンサル事務所として株式会社を立ち上げる方もいます。

VMDプロの皆さん、ぜひシニアVMDインストラクター目指して頑張ってくださいね。(^^)

3.社会意義的な商標

当社は上記の他にもたくさんの商標を持っています。
商標は当社のブランディングの一環として捉えています。

例えば「快場」はいろいろな企業が使っている、もう流通業界では馴染みの言葉なんですが、実はオーバルリンクの商標なんです。
快場のコンセプトは下記を参照ください。

・快場とは

フットマーク株式会社が「介護」という言葉を考えて商標登録したのと似ています。
フットマークの社長は、看護と介助という字を組み合わせて「介護」という文字にしました。
商標の権利は今でも保持しているんですが、みんなが知らずにフツーに使っています。
子供を守る学校の水泳帽は今では当たり前なんですが、これもフットマークが昭和時代に考案したもの。
以前社長の講演を聞きに行ったんですが、こうした活動はすばらしいと思いました。

「快場」も「介護」なみにフツーの言葉になりつつあります。
いや、コロナ禍後の売場づくりはますます「快場」が意識されています。
それは「リアルな売場は楽しい買い物体験を提供する場にしなければいけない」という機運が高まっているからです。

4.商標は戦略にする

最後に大事なことをひとつ。
ネーミングや商標は「おもしろい名前思いついたから、とりあえず登録する」だけじゃダメなんです。

あなたの商品、あなたのサービス、あなたの会社の戦略にしなければいけません。
名前を決めるきっかけは二つ。
●今ある商品やサービスに名前をつける ●名前から発想して新商品やサービスをつくる があります。

広告代理店時代は前者が多かったんですが、会社をつくった今は後者も多くなりました。
前者も後者も戦略が必要です。特に後者は入念に行っています。
私はいつも企画書を書いて、戦略の道筋を整理しています。
登録する商標の2.3年後、長いときは5年後の姿を描いています。

例えば、「商空間スタイリスト」という名前を考えたのは2014年6月。
パワポの企画書は24ページ。書き直し3回。
そして実際にスタートしたのは2017年12月。
今なお、企画書を更新しているんです。

「VMDインストラクター拡張戦略」を書いたのは2014年11月。
企画書ページ数は23ページ。
2016年10月で企画書更新6回目になっています。

そんなわけで、デスクトップの事業戦略ホルダーは、いろんな企画書でいっぱいなんです。
あたためているネーミング、たくさんありますよ。(^^)
商品やサービスの未来を考えるってなんだかワクワクします。

ということで、いいネーミング思いついたからと言って、安易に商標登録しないでくださいね。
どのように収益化するか練りに練ってから商標登録しましょう。

販促部の皆さん、VMDプロの皆さん、お店や会社、商品のブランド確立、ともにがんばりましょう~。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

セルフブランディングしよう

今回はセルフブランディングについて話します。
独立起業する方だけでなく、会社員の方にも役に立ちます。
それでははじまり、はじまり~。

1.サラリーマンとは

それは大学生のころでした。
東京の葛西に下宿していた私は、毎朝ぎゅうぎゅうの東西線に押し込まれるネクタイ姿のサラリーマンを見て「サラリーマンにはなりたくないな」と友達と言い合っていました。
同じようなグレーの背広にネクタイをしている会社員がなんだかむなしく思えたんです。
昭和かれすすきというか・・・。

それから4年、私は広告マンというサラリーマンになっていました。(^^;)
どちらかというと背広着なくていいCMクリエイターになりたかったんですが、昭和の超氷河の就職時代には営業という背広の似合う(!)会社員になってしまいました。

上写真の左の写真は新入社員当時の顔。
よく黎紅堂(れいこうどう)に通ってフュージョンを借りていました。

最初に入った地元ローカルの広告会社は老舗だったんですが、求人広告に力を入れている会社でした。
テレビ課に入ったのに1日100軒求人広告を取るために電話追い込みや飛び込みの日々が続きます。
昭和当時はスライドCMというのがあって動画じゃない動かないCMがありました。
2年で100本は作ったと思います。

2年後、バブルの時代になりヘッドハンティングされて大手広告会社に移りました。
それで知ったのはプレゼンのやり方でした。

2.デザインはきちんとする

新規開拓用プレゼン企画書を書く日々は徹底的に上司から書き方やプレゼントーク、資料のまとめ方を教えてもらいました。
山あり谷ありだった累計5年。特に最初の2.3年は徹底的に二人の上司に鍛えられました。
転職最初から他者からの引継ぎはまったくなく、100%新規クライアントが取れたのはプレゼンの賜物といって過言ではありません。

独立している今でも、何か打合せや提案事があると企画書をつくります。
売場塾でPOP指導講座をやっているせいもあり、書面には十分気を使います。

  • ヘッダーやキャッチの色はクライアントのコーポレートカラーを使う。
  • フォントやカラーは統一する
  • 行替えや段落替えをして読みやすくする。
  • 文章はツラ合わせをする。

そして企画フローは

  • 起承転結や序破急などリズムを付ける。
  • 章を設けて最後にまとめる。
  • 無駄は省いてシンプルにつくる。
  • 予算を最後に付ける。

などをしています。
企画書やメールの文面はその人を表す鏡みたいなもの。
会社員時代でも独立してもキチッとさは忘れないようにしています。

特に独立起業する人が気をつけた方がいいのは企画書だけではありません。

・メールの最後にフッダーがいつもついていない。
・クライアントの商品や会社名のマエカブ・アトカブを間違える。
・名刺のデザインがいつも違う。
・屋号のロゴが媒体ごとに違う。
・てにおはがなんかヘン。

研修スライドに関しても

・スライドごとにフォントが違う
・ヘッダーのあるなしがある
・箇条書きだが行替えがバラバラ
・ネットでひろった画像をそのまま使っている

などが目立っています。

まあ、私も聖人君子ではないので上記のことをさぼる時もあるかもしれないのですが、心がけとしては、零細企業でも大手ブランド並みのきちっとした体裁は心がけたいものです。
逆に言うと、大手ブランドに属している人でも独立起業すると上記のレベルになってしまう人もいるので注意しましょう。

3.何ができるのかを明確にする

今まで100名は下らないと思いますが、当社に自分を売り込んできたたくさんの方がいます。
ただ、企画書を付けてくる人はあまりいないんですよね。
ほとんどの人が、「こんな仕事をやっていました」と言ってディスプレイや店舗デザインの写真を見せます。

すばらしいディスプレイの写真やグラフィックはわかるんですが、伝わってこないんです。
私が知りたいのは「何ができるのか?」であって、「何をしました」というだけでは不足なんです。

1人だけ「私は空中ものが得意です」と言って、宙に浮いているディスプレイを提案してくれました。
ピアノ線やテグスでディスプレイ用品を吊るして立体的に商品を見せていました。
彼女は、3次元のディスプレイこうしたを4次元に変えるとどのくらい目立って集客できるかを事例と共に話してくれました。

企画書のデザインは大したことなかったです。(スミマセン)
が、彼女のプレゼンは非常に心に残り、その後本当に空中ものディスプレイを私のクライアント店舗でつくってくれました。

こんな感じで「自分は何ができるのか」を明確にするといいです。

SNSで発信する時もそう。
「こんなんやりました」とディスプレイをアップするだけでなく、

  • こんなところを工夫しました。
  • こんな効果がありました。
  • こういうノウハウが生きているんです。

などを付け加えると、投稿が生きてくると思います。

特にウインドウディスプレイなどは、

・ディスプレイプラン
・商品構成と調達
・プレゼン用デザイン
・グラフィックデザイン
・デコレーション

と分業されているケースが多いので、どこの部分を当人が担ったか私は知りたいです。
その上でこの人は、企画力があるのか、ディスプレイの構成スキルがうまいのか、造作物が得意なのか、知ることができます。
もちろん、総合的に企画から制作まで1人でやった方もいるとは思いますが、
「こんなんやりました」だけで作品集を出されてもピンとこないんです。

4.自分のオリジナルを持つ

サラリーマン時代はIP(パーソナル・アイデンティティ)を意識していました。
いまでいうセルフブランディングですね。
単なる広告マンではなく、「タレント職人」というコンセプトで仕事をしていました。

テレビや映画のタレントみたいに、「その人でないとできない!」というやつですね。
私は営業マンだったので、同業の営業たちと会うと

・いくら売上ている
・どこそこのクライアントをやっている

というのが話ネタになってしまう。
それだけだとつまらないなと思っていました。

根っからの企画好きだったので、誰もやらない企画を作り実行する。
そのほうが面白いと思っていました。

で、ほとんどの企画は自分の好きなことをしました。

  • バードウオッチングとジャズが好きなので、それらをリミックスする環境音楽番組をつくる
  • 英会話の勉強をしていので、英会話学校他スクールを集めたイベントをする
  • 釣りが好きなので、釣り具メーカーの広告や商品ブランディングを仕事にする

などなど片っ端からやってきました。
ほとんど全てが飛び込みからでした。
もちろん、営業なのでふだんの売上ノルマはあります。
それらをクリアした上でのことですが。

上記と同じように、自分が会社員としてどこかのブランドVMDでも、会社を辞めたら通用しなくなります。
在籍していた会社のブランド名や売上額ではなく、「何ができるのか」「その人でないとできないのは何なのか」が起業独立したら問われます。

実はそれが私が広告会社を辞めてVMDの会社をつくってもすぐに売上が上がらなかった理由です。
その期間、なんと10カ月!そう、10カ月1円たりとも仕事がなかったんです。
仕方がありません。
マス広告の実績が中心だったので、VMDの実績はほとんどなかったからです。

しかしその10カ月の間、オリジナル企画をつくって売上を上げ始めました。

・売場UP2サポート
売場ドッと混む
リモデルプラス
店舗診断
・ユニットVMD
・VMDサポーター

など、これは開業2年間で私がつくったVMDのパッケージサービスですが、今でも売場ドッと混むと店舗診断は独自のサービスにしています。
試しに上の「売場ドッと混む」と「店舗診断」をクリックして見てください。

要は、サラリーマンの延長でそのまま独立しても仕事はないということ。
前の会社の輝かしい実績は置いといて、自分に何ができるか開発しないといけないということです。

5.何が幸福か考える

広告代理店東京本社に来た時は毎日2.3時間睡眠、静岡時代でも最初の2年は布団に寝る事が少なかった時もありました。
こたつでそのまま寝ることが多かったです。

そんな昭和サラリーマンの私でも、さすが今は徹夜はしないです。
仕事より健康を優先にする、が今はモットーです。
毎日7時間は寝るようにして毎日ストレッチ、週一でランニングや筋トレをしています。
その中でできる範囲で仕事をして会社を存続させています

私の周りにいつも4.5時間睡眠しかとれず週末も忙しい人がいますが、健康には留意してほしいと思います。
仕事をあふれるようにやっているといつか限界が来ます。

私も広告会社の2.3時間睡眠時代は、徹夜で作った見積書の数字が大きく間違っていて会社に損害を与え、クライアント交代され、左遷の憂き目に会いました。
リゲインのCM「24時間働けますか」はもう死語なんです。

特に会社員の方はいつでも代替わりがいるので、プライベートな時間を削ってまで
仕事をする必要はないでしょう。
まあ、仕事好きすぎて休日も仕事はOK、という人は別ですが。

オーバルリンクの仕事ガイドラインで、「夜7時以降はメール禁止」というのがあります。
広告代理店やコンサルの方でも夜の12時以降にメールを送ってくる人がいますが、「こんなに一生懸命仕事しているなんてすばらしい」と思って受け取る人はいないでしょう。
むしろ「大変だな」と思うくらいです。

なので、私はどんなに忙しくても会社員時代は夜9時に会社を退社していました。
(それでも遅いですけどね)
その代わり、朝7時に出社していました。

東京本社に転勤した後も夜9時退社はなるべく守っていました。
ところが朝6時に出社する毎日になりました。。。。
それだけ当時は過酷でした。
働き方改革があの頃あったら、と思う今日この頃です。

6.まとめ

この間、売場塾の卒業生で今は大手会社の社長をしている方にビジネス誌の取材をしてきました。
彼女、転職した5年目で社長になったんですが、インタビューの中で心に残ることがありました。

・企画するのが好きでそれを実行することによって会社をV字にしてきた。
・夜10時に寝て朝6時に起きる。
・この業界に携われるのが好きだ。

企画するのは好きでも実行しないと始まらないということ、同感です。
当社も最近11月・12月と週休半ドンと2日制にしてうまく行きました。
来年は週休3日制にチャレンジします。

みなさーん、健康に留意して来年もがんばりましょう~。

なお、上記の話の続きを聞きたい方はお気軽に
「VMDインストラクターで起業、副業相談会」にお越しください。
お待ちしております~。(^^)
●VMDインストラクターで起業、副業相談

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)