PPとインテリアディスプレイ

PPとインテリアディスプレイの違いについてお話します。

PPとはポイントプレゼンテーションのことで、お客様を回遊させる
ディスプレイ、ということは以前お話ししました。

PPの効果として、
●遠くから目立ち、お客様の関心を引く
●何が置いてある売場かわかり、売場のサインとなる
●テーマ性があり、旬の情報を教えてくれる
●展示構成になっており、ディスプレイそのものか楽しめる
などがあり、多くのアパレル・雑貨店では
壁面1.7m上のPP固定棚に設置しています。

PPの目的は何と言っても、遠くのお客様をPPのある売場に
誘客することなので、その時、その対象客に興味を引いてもらえる
テーマで商品を展示しなければいけません。

衣料品店の場合は、52週MDという流れに沿って、
服という大きな商品をトルソーやマネキンに着せることができるので、
店内の遠くお客をPPに引きつけることができます。

ところが、服飾雑貨やインテリア雑貨、玩具、文具などは
商品が服ほど大きくありません。
そのままPPとして単品展示しても
遠くからは認識できにくいので、効果は服ほど期待できません。

そこで下記の様な、いくつかの特殊なPPを施しています。

①同品番商品を集合展示するマスディスプレイ

例えば、ジャムをたくさん積んでピラミッド型とし、
全体造形の妙で顧客を魅了する
cf.ディーンアンドデルーカやABCストア

②ビルボードディスプレイ

大きなPOPに商品写真を大きく引き伸ばして展示し、
そこに実物商品も展示する
cf.無印良品、ユニクロ

③サインディスプレイ

マスディスプレイほどではないが、ある程度の大きさの
商品を多角的に置くことにより、「何売場」かわかるようにする。
つまりサインの代わりになる
cf.ディズニーランド、キッチン21

④プロップスディスプレイ

商品が目立つのは二の次で、プロップスをメインに据えディスプレイ。
例えば、メガネは小さいので、ガラス花瓶にたくさんの花を活けて
そこにメガネを添える。
cf.丸井、大丸

この中で、②ビルボードディスプレイと③サインディスプレイは
本来あるべきPPの効果が期待できますが、①マスディスプレイと
④プロップスディスプレイは、本来のPPの役割を離れ、
インテリアデザインとしての役割に終始します。
つまり、遠くのお客様をPPでもって引きつけるというよりも、
商品をインテリアの一部とし売場の世界観を補完するという
役割です。

PP目的を、MDテーマ告知型PPとするか、インテリアディスプレイ
型PPとするかの違いがあるのです。

よく、PPと称して小さな商品の集積を壁面上で行う例があり、
トライアングル構成またはリピテーション構成にていかにも
ディスプレイしているというシーンを見受けます。

ただそれは、ディスプレイの輪郭の造形がよいだけで、
「どんな特徴がある商品があるのか」
「どんな生活提案をしてくれるのか」という
MDテーマ告知型PPとしてはまったくプレゼンされていません。
それは、インテリアディスプレイと言うのがふさわしいでしょう。

こうしたインテリアディスプレイは、いい意味では
VP→PP→IPという顧客行動操作としてのPPというよりも、
ショップデザインのPPとしての役割を担っていることになります。

ただ、VMD担当が、MD告知型PPとしてつくるのか、インテリアディスプレイ
型PPとしてつくるのか意識する必要はあります。

ホテルやレストランで行っているディスプレイは、インテリアディスプレイです。
これはディスプレイを空間の一要素として設計段階からそのスペースを
確保し、担当デコレーターまたはスタイリストが季節によって装飾を施すものです。
食事のサンプルやワインボトルなどもいっしょにディスプレイする場合は、
PPと言えますが、ほぼ装飾物としてのパートを成しています。
インテリアディスプレイ型PPはこのようなものなのです。

一方、ビルボードディスプレイは列記としたPPで、
遠くのお客様がビルボードを眺めて興味関心を抱き、近くに来て実物を
確認するという、PPの必勝パターンであると言えます。
これぞPPの本領発揮でしょう。

ビルボードは、商品を引き延ばして拡大するだけでなく、
商品特徴や使い方、効果・効能を文章や生活シーンの写真
という利器でお客様に伝えることができるのです。
そういう意味では、MUJIの店内ビルボードはよく考えられて
つくられています。

片や、キッチン21やディズニーランド、都内百貨店の雑貨部門の
PPはインテリアディスプレイに近いでしょう。
でも、それはそれで、ショップ空間の世界観を補佐している
役割を担っているからいいのです。
問題は、VMD担当者がそれを意識しているかどうかです。

わかりましたでしょうか。PPとインテリアディスプレイの違い。
棚の上にトライアングル構成のディスプレイをつくっても、
それが何の目的でつくるのかまずは決めないと、
PP、インテリアディスプレイ、
どちらにもならないので、気をつけましょう。

アメリカVMD用語辞典

今日は日本になくてアメリカにある
VMD用語を紹介します。

●Environmental display エンバイロメンタルディスプレイ
直訳すると環境ディスプレイ。
ショップの床・壁・天井のデザイン、
プランタや額などのインテリアディスプレイも入ります。
もちろん照明のデザインも。

●ensemble display アンサンブルディスプレイ
コーディネートディスプレイのこと。
帽子だけのディスプレイだとunit displayといいますが
帽子とドレスと旅行鞄などを組み合わせた
ディスプレイをいいます。

●institutional theme インスティチューショナルテーマ
ディスプレイテーマの一種。
直訳すると企業テーマとか社会テーマになる。
例えば、ロレアルがウインドウで、女性のための社会的地位を、
みたいなイメージディスプレイをする場合をいいます。
ときどき銀座四丁目の和光でもやっていますね。

●creative theme クリエイティブテーマ
読んで字の如し。
日本の百貨店では伊勢丹新宿がよくやっています。
NYでは当たり前にやっています。
例えば、幻想的な海の中をマーメイドのように泳いでいる
婦人服マネキン、みたいな幻想的なディスプレイを指します。

●trimmer トリマー
これ、デコレーターのことなんです。
ペットの理容師ではないので注意。

●guidline ガイドライン
マニュアルのことです。
欧米では、VMDマニュアルのことを、VMD Guideline
といいます。

今日はここまでです。
VMD英会話でした。

売場塾50期に

50期

売場塾もこの夏で50期になります。
なんか、うれしいですね~。

開校したのは、2006年の春でした。
その時はまだ生徒は少なかったんですが、今では3年連続満席、卒業生は500人以上になりました!!

50期の受講生の皆さん、お待ちしております。(^^)

●第50期売場塾

デザインの話

デザインとはなんでしょう。

デザインとは、意匠とか図案のことです。
VMDでいうデザインとは、ショップデザイン、空間デザイン、
POPデザイン、什器デザイン、ユニフォームデザイン、
ショッピングバッグデザイン、パッケージデザイン、DMデザイン・・・
もうキリがありません。
VMDの世界では、目に見えるものがすべてデザインなんです。

デザインがないと人間は生きられるか、ということですが、
生きられます。

衣食住を考えてみましょう。
家のデザイン、着るもの、食べるもの・・・。

家に関しては、最低、雨風しのげて暖かく涼しければ
デザインなくても生きられます。

着るものに関しては、アソコが隠れていて、
温かければ、デザインなくても生きられます。

食に関しては、食べたり飲んだりできれば、
器のデザインはどうでもいいです。

でも、それだけでは、生活がなんか物足りない。
楽しくない。
そこでデザインの登場です。

コップに関していいましょう。
水さえ飲めれば、コップの形はどうでもいいんですが、
デザインがあると、何かが違います。

それは楽しさだったり、ステイタスだったり、
個性だったり、機能だったりします。

コップに、
水玉が入っている →楽しい
金色でできている →ステイタス
富士山の形をしている →個性
手のひらに持ちやすく、こぼれにくい →機能

だから、水を飲むにしても便利で楽しいです。

さて、VMDは空間のデザインを考える技術です。
同じように、空間のデザインを考えてみましょう。

物が売れれば、デザインはどうでもいい・・・と
考える方は、商品を裸で、体育館か空き地で売ればいいでしょう。

買う方も、物があればどこで買ってもいい・・・と考える方は
インターネットで買えばいいかもしれません。

しかし、売場をデザインするということは、
そこに買い物に来る方に
デザインを提供するということになります。

お店というハコのデザイン、つまり床・壁・天井・什器・照明。
商品というデザイン、つまりパッケージデザイン、ショッピングバッグ、ラッピング。
ディスプレイというデザイン、つまり陳列や展示の仕方。
POPというデザイン、サインというデザイン、
そして店舗スタッフというデザインです。

ハコのデザインがいらなければ、貸し会議室でも売れるでしょう。
でもハコのデザインがあれば、お客様はその空間に入っただけで楽しくなります。
商品というデザインがいらなければ、商品を新聞紙で包み、
輪ゴムで留めてお客様にお渡しすればいいでしょう。

ディスプレイというデザインがいらなければ、
お客様が「ほしい」と言ったら
店の奥から出して来ればいいです。
あるいは、床に新聞を敷いてその上に商品を置けばいいです。

POPのデザインいらなければ、置かなくてもいいでしよう。
ただ、プライスシールを商品に貼ればいいです。
サインデザインがいらなければ、チラシの裏に屋号を書いて
表に貼っとけばいいです。

いかがですか。
売場にデザインというものがなければ、お客様は楽しくありません。
あの、ワクワクドキドキもないんです。

空間でモノを売ろうという人はデザインが必要だと
いうことがわかりましたでしょうか。
それもいろいろなデザインが。

VMDの担当の皆さん、がんばって空間のデザインを
つくって、お客様を楽しませていきましょう~。(^^)

売場づくりは2段階で提案しよう

VMDインストラクターの皆さんは、クライアントから
売場づくりに困っている、という相談を受けて日夜努力していると思います。

そして、売場づくりのさまざまな提案をしていると思います。
この売場づくりの提案には2段階あるって知っていますか。

第一段階は、「売場の今あるべき姿」です。
第二段階は、「売場のこれからの姿」です。

「売場づくりを提案したほしい」のクライアントの要求に対して
第一段階と第二段階を混同してはいけません。
混同すると、結果があやふやになってしまい、仕事のグレードも
下がるので注意します。
要は、第一段階と第二段階を混同して進行してしまい、
中途半端な売場づくりをしないでほしいです。

第一段階の「売場の今あるべき姿」とは、店舗診断による
売場の改善にほかなりません。
これは、今あるマイナスの売場を0に戻すということです。
つまり「正しい売場に原状回復させる」ということです。
これが本来の店舗診断の狙いです。

店舗診断は、今の売場の現状を見て、どこが悪いかを判断し
処方箋を打ちます。
それは風邪をひいている患者に風邪薬を処方するようなものです。
「暖かくして寝て下さいね」と進言するようなものです。

売場は第一段階の「売場の今あるべき姿」にリバイスという手法を使って
1日で、あるべき正しい売場に現状復帰させます。
これがまず、VMDインストラクターのやるべきことです。
このリバイス、ほとんどコストを掛けずにやるのです。
せいぜい買って、ディスプレイ用品です。

このリバイス、売場の病の重度によって変わります。
そうとうひどい売場だったら、劇的にリバイスで変わります。
ほんの数十分で劇的に変わるんです。

そして、売場を現状復帰したら、第二弾の「売場のこれからの姿」
に移行します。
この時、売場づくり作業はリバイスからリモデルに替わります。
つまり、コンセプトから売場を変えるというという意味です。
これは、かぜが直った患者にヨガやストレッチを教えて、さらに
筋肉質な体に変えるという、プラスの売場づくりです。

第一段階の「売場の今あるべき姿」が、売場を0に戻す作業だとしたら、
第二段階の「売場のこれからの姿」は、売場をプラスにする作業なんです。

つまり売場のライザップですね。(^^)

このリモデル、VMDインストラクターの提案力が必要です。
店舗診断と違い、クライアントの7つのポジショニングを振り返り、
どんな売場にしたらさらに集客できるか、どんな売場にしたら差別化ができ、
ブランドの個性ができるのか考えるのです。

第二段階の「売場のこれからの姿」を提案するには、経験と企画力が必要です。
VMDインストラクターの中でもこれができれば優秀です。
VMDインストラクターのスーパーサイヤ人ですね。(^^)

売場塾の卒業生には、スーパーサイヤ人、たくさんいますよ。
今日もどこかで売場づくりを考えているはずです。

VMDインストラクターの皆さん、売場提案の順序を間違えないでくださいね。
第一段階は、「売場の今あるべき姿」のコンサルです。。
第二段階は、「売場のこれからの姿」のプランニングです。

クライアントの「なんかおもしろい売場づくり提案して」という言葉を
鵜呑みにして、第二段階をいきなり提案しないでくださいね。
第一段階から行かないと、クライアントもVMDのなんたるかが分からないまま
進んでしまいます。

なのでサービス料金は、
第一段階は、「売場の今あるべき姿」のコンサルフィー、
つまり店舗診断フィー。
第二段階は、「売場のこれからの姿」のプランニング、
つまり企画立案料なんです。

今日は、売場づくりは2段階で提案しよう!!でした。

売場と売場のつながり、商品と商品のつながり

今日は、リレーションの話しをします。

ズバリ、
リレーションは、売場と売場のつながり、
モノとモノのつながりのことです。

売場と売場のつながりから説明します。
売場はMDグループというカタマリが連なったものです。
その連なりをお客様が買いやすくするのがリレーションです。

例えば、チーズ売場の横は何売場が来たらいいと思いますか?

チョコレート?ワイン?レシピ本?ビール?

そう、ワインですよね。
日本酒やビールではいけないです。
そのワインの横にホワイトデイのチョコレートが来てもいいかも。
そしてこの横はウイスキー。

こんな感じで、お客様に次いで買いをしやすく繋げていくんです。

次に商品と商品のつながりのことですが、
これは棚単位、ガラスケース内のククリ、
つまり棚割りの隣同士をどうするかということです。

例えば、スタバの物販の棚で、右の棚の上にタンブラーがありますよね。
その下の棚はマグが来ています。
これ、リレーションいいです。

タンブラーの下にハチミツやバッグが来るよりも、
この方がお客様に取って買いやすいです。

服屋さんの場合は、Tシャツの横にニットが来るよりも
シャツが来た方がいいでしょう。
オモチャ屋さんでは、ヌイグルミの横は
テレビゲームではなくて、フィギュアの方がいいでしょう。

関連ある商品と商品を繋げると、お客様にとって買いやすく
ついで買いも促進できます。

そして何よりも、店内滞在時間が長くなります。
売り場や商品がつながっているので、それだけお客様は歩いてくれて
店内時間を長く過ごすからです。

このように、
リレーションは、大きなリレーション、
小さなリレーション、いろいろあるので注意しましょう。(^-^)

VMD旬なお店の話

今日は旬な売場の話をします。
新しくできた店を東京中心にお話します。

まずは西武百貨店渋谷から。

デザイン集団nendoの西武渋谷の売場デザインいいですね。

●西武渋谷

アートというフロアコンセプト。
渋谷に行ったら寄ってみるといいですよ。
2階の帽子売り場も先月リニューアル。
こっちも世界観広がってます。

●西武渋谷

次は同じ渋谷のモディ。こっちもリニューアルオープン!!

●渋谷モディ

特にHMV&BOOKS Tokyoがおもしろそうです。
これ画像です。

●HMV&BOOKS Tokyo

続いては、遊べる児童書で有名な三省堂池袋本店。
コンセプトは「今より少し違う景色が見える書店」。

●三省堂池袋本店

リブロの閉店を受けての全く新しい本屋さん。

ここ、TBSみたいに迷路なフロアですが、
鏡を使用して不思議な空間を演出したりと
かなりショップデザインも楽しめるようです。

続いてライフの新しいスーパー。
●「セントラルスクエア押上駅前店」

特に花卉コーナーが華やかでよさそう。
チーズハウスやライフカフェという独自のコーナーも展開。
「楽しいスーパー」を演出しています。
スカイツリーに行ったついでによるといいです。

続いて大丸梅田店のシンデレラアベニュー。
婦人くつ売り場のリニューアル。
コンセプトは「運命の一足」。
パーティや通勤、アウトドアというようにジャンルで
ゾーンを区切り、ゾーンごとに什器デザインを変えて
世界観をつくっているそうです。

●大丸 梅田店

続いてゾフマート。
自由が丘にできました。
コンセプトは「スーパーマーケットとポップアート」。

●ゾフマート

食品スーパーみたいなディスプレイしているということでした。

先行して中国で開店していて、これが3店目、国内初みたいです。

続いてラッシュの大規模店の原宿店。

●ラッシュ原宿店

今までの1.5倍の店舗で美容相談コーナーも充実、
店舗の2階は貸し切りパーティできるとのことです。
ここで、ホワイトディのお返し買うと女の子にウケルかも!!

トリはイトーヨーカドーのセブンパーク。

●セブンパーク

柏のお店です。
イトーヨーカドーの新しい店舗で、スーパーで食材買って
バーベキューもでき、ジョギングやスポーツも楽しめる施設です。
いいですね。~

今日は新店特集でした。(^^)

追伸
この間、予告したVMDコンサルの料金についてのコメントは
下記のブログでお話しました。
こちらご覧ください。

●ドッと混む 売場づくりの知恵広場

VMDインストラクターとしてのコンサル料金設定の仕方

それは4つあります。

まずは難易度。

これは、VMDインストラクタへーとしてコンサルしている仕事の難易度により
料金が可変することです。
当然難易度が高いほど、料金高いです。

難易度とは、「他の人に代替わりがきくか、きかないか」です。
当然、だれでも代替わりが訊くような仕事は難易度が低く安いです。
あなたしかでなく、代替わりがきかなければ難易度は高く、コンサル料金も
高く設定できます。

次は労働時間。
この考え方はとてもシンプル。
何時間かかったかで料金を設定することです。
早い話、日給、時給のことです。
これ、コンサル料金としては普遍的な考え方です。

時給で設定する方もいますし、日当または半日当の方もいます。
私は半日当か日当で料金設定することをお勧めします。
時間で決めてしまうと、けっこうクライアントそわそわしちゃうんですね。
あー、あと20分しかない!みたいな感じ。

オーバルリンクの場合は、クライアントをナーバスにしないように、
2.5時間、4時間、6時間、8時間を区切りとしています。
それは仕事内容によって違います。

次に個性度。
これ、何のことかと言うと、コンサル自体をパッケージ化することです。
コンサルを、セミナーにするのか、OJTにするのか、アドバイスにするのか
によってコンサルの形を決めてそれに料金を付けることです。
セミナーと言うとわかりやすいですよね。
黒板があって数人に教室のように教えるスタイルです。
これ、セミナー料金として実はとても設定しやすいです。

OJTの場合は、売り場にいき、コーチングすることですが、単に行っただけで
デコレーターしている方がかなりいます。
ディスプレイを装飾している作業ってコンサルじゃないんです。
これはデコレーター料金とすべきです。
現場コンサルというのは、「店舗スタッフにその場でディスプレイを教えること」
ですので、自ら手本を示しても「作業」してはダメなんです。
これ、VMDインストラクターがよく陥る失敗です。

次に目的。
コンサルのあなたの目的です。
実験的に新しいコンサル業務を行う場合は安くします。
クライアントには悪いのですが、実験として新しいコンサルをやってみるんです。
これは「お試し価格」というやつです。
実験が成功すれば、料金を高くできます。
例えば、オーバルリンクで「目線ツアー」というコンサル方法がありますが、
これ、OJTでクライアントにとても人気なコンサルなんです。
このサービスを確定化するために最初はお試しでしていました。

私自身が最初に会社を作った時は、無料で「店舗診断」していました。
しかもレポート付きです。
もちろん今は正規料金をいただいていて、その精度は10倍です。
あなたがもしVMDインストラクターとして店舗診断コンサルををするならば、最初の
10件くらいは無料で行うことをお勧めします。

今日は、VMDインストラクターのコンサル料金の決め方、4つの項目をお話しました。
次回は「コンサル料をいくらにすればいいのか」について話します。
これも訊きたい方、いっぱいいると思います。(^^)
お楽しみに!!

売場ドッと混む「アメリカ売場見放題!」での勉強の仕方

今日は、売場ドッと混むの「アメリカ売場見放題!」の見方や
勉強の仕方についてお話します。

「アメリカ見放題!」は、当社がここ5.6年の間、アメリカに行って
商業施設や専門店、公共施設にて参考になる売場を撮影してきて、
それを売場ドッと混むにて公開してるサービスです。
売場塾通学中、生徒はそれらの売場を見放題になるということですね。
現在2、300枚位アップしています。

有名な百貨店、GMS、スーパー、ディスカウント、専門店、ドラッグストア、
ホームセンターなどなど日本では見ることのできない売場が目白押しです。

さて、この写真アルバムの見方ですが、ただ「ディスプレイがきれいだな~」
で終わってはいけません。
ここでフレームワーキングしなければいけません。
フレームワーキングの想起法を使って、写真の中にどんなVMD手法が
隠れているか瞬時に思い起こさないといけないのです。
そのイメージ図はこちら。

●フレームワーキング

例えば、売場塾の2日目でMDPのテクをたくさん学びますよね?
その時に、くくりやオーケストレーション、ネガティブスペースや
キャッピングなどさまざまなテクを専門用語で学ぶのですが、
写真を見てバッと、この専門用語が頭の中の引き出しから引き出さなくては
いけないのです。

写真を見て
「くくりが水平になっていてきれいだな」
とか
「このキャッピング、シンメトリーになっているけど、上の棚が低すぎるな」
とか
「MDテーマはおしゃれな遊園地デートになっているな」
とか
専門用語を駆使して、そのまま言葉に発しなくてはならないのです。

発しなくても、少なくとも心の中でつぶやかなくてはいけません。
英会話と同じで、VMD専門用語を繰り返し繰り返し日常で使用することにより、
いろいろな方に、「売場づくりを言語で正しく伝える」という話術を
身につけなくてはいけないのです。

なので、見たことのない楽しいアメリカの売場を見ながら、
ぜひVMD用語をつぶやいてください。
引き出しには55のVMD用語が入っているはずですよね。(^^)

家族と買い物に行ったり、友達とSCに行ったりするとき、コンビニに入った時、
風邪薬をドラッグストアに買いに行ったりするときに、ぜひ売場を
眺めてください。
そして、VMD用語(詳しくはフレームワーク用語と言う)を発してみてください。

これを繰り返していくあなたは半年後には確実に、「正しい言葉で売場づくりを
他人に教えることのできるVMDの達人」になるはずです。

VMDのリーダーになりたい人、ぜひこのフレームワーキングを使って
日常の生活の中から売場づくりを学習してくださいね。
2016年もがんばってVMDの勉強しましょう。

最近の読者からのお便り

まず一つ目。「大学生なのですが、VMD担当になりたいです。
どうしたらいいですか」についてです。

新卒でいきなりVMD担当になることはありますよ。
例えば、ある有名アパレルでは新卒含めた多くの新人が
VMD担当になっています。
日本では、企業の販促部に入ってVMD担当になるパターンと、
VMD部という部署にいきなり入るパターンがあります。
前者は面接時に販促部所属を希望するしかありません。
アパレル以外は、VMD専門部署が少ないからです。
アパレルの場合は、VMD部があるのでそれを目指して
就職するのが近道です。
ただ、最初に販売職を経験しないとダメだったり、
ある程度VMDの経験がないとダメだったりします。
売場塾卒業生にも大学生いるんですが、アパレル以外は、
まずは販促部に入ってじっくり待つ人が多いかも。
中にはアパレルのいいところに入った人もいますよ。
その他には、マネキンメーカーや店舗施工会社に入るという手が
あります。
ここは、施工や展示会を通してウインドウDPしているので、
ディスプレイ制作が好きだったら、こちらに行くといいです。
その時、売場塾卒業した、といえばいいかも。(笑)

次は、「接客重視のジュエリー店やアパレルでは、
商品説明POPはいらないでしょうか」です。

接客重視の売場は、商品説明POPはあまりいらないでしょう。
ただ、VI(ビジュアルアイデンティティ)としてのロゴやマークの訴求は
POPで必要です。最低、商品名はないとダメですね。
接客重視の売場のPOPは説明よりも演出POPがよくつかわれます。
イメージ写真やモデルの写真をPOPにしたのがそうです。
ただ、接客でも人がたくさん押し寄せてくる催事などは、売場が
セルフ状態になるので、商品説明POPを置いた方がいいです。

次は、「お土産店にVMDアドバイスに行くと、ごちゃごちゃの売場があります。
店主に言うと、「いちげんさんが多いので、たくさんの種類置かないと売れない」
といわれます。どうアドバイスしたらいいですか」です。

お土産店でごちゃごちゃしている売場は「打ち出し商品」が
わからないですね。お客様に「この店の売り物は何かな」というのが
わからないということです。
よくあるのが、フェイス数が少なく種類が多いというやつです。
こうなると、お客様が商品を選択する理由がわからなくなるので、
やっぱり、理由を与えるために、同品番でフェイスを多くとり、
商品POPを大きく掲げたほうが「打ち出し商品」がわかります。

次は「売場塾の教科書は毎回更新していると聞きます。
教科書だけ新しいの買えますか」です。

これ、卒業生からよく聞かれるんですが、売場塾のテキスト
受講者以外に販売していないですよ。