プチコンサルで売れる営業をしよう

プレゼンする女子社員

今回はプチコンサルになるためのノーハウをお話しします。
売上をアップさせたい営業や販売の方、起業してクライアントをゲットしたい方にうってつけです。

1.プチコンサルで他社と差別化する

私はもともと広告代理店の営業でした。
当ブログで語ってきたとおり、まったくの新規開拓営業マンで飛び込み専門でした。
VMDの会社を起業した22年前もほぼ飛び込みで新規クライアントから仕事をいただいていました。

その頃の様子は下記ブログ参照ください。
●VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)専門会社をつくったワケ

さて、静岡の広告代理店に在籍していた私の売り物は「静岡新聞」と「SBS」がメインでした。
当時はマス媒体といって、テレビ・ラジオ・新聞がローカル広告代理店の売り物で、静岡県世帯普及率60%の静岡新聞と、静岡新聞が運営するSBSテレビ・ラジオをどこの代理店も売っていました。

売り物は、どこの広告会社も同じ。
こうなってくると、何か差別化しなければ新規開拓はできません。
他人と同じものを売っても、顧客に違いはわからないからです。
当然、競合広告会社と価格競争になり、20%しかないマージンをどんどん減らす消耗戦が繰り広げられていました。

それを避ける方法の一つに「差別化された商品やサービスを開発する」があり、それは別のブログで詳しく語りました。

●ネーミングによるブランド戦略
●マーケティングしなきゃ会社は始まらない

今回は、フツーの営業がフツーに飛び込みして、どのように他社と差別化を図り顧客をゲットできたのか、そのノウハウを違う角度から話します。

それはズバリ、プチコンサルタントになることでした。

2.顧客は情報が欲しい

「静岡新聞の広告どうですか」
「SBSラジオスポットの提供枠が空いているのでどうですか」

こんな営業をしたところで顧客はゲットできませんでした。
まったく飛び込み経験のない上役は「100軒飛び込みすれば、いつかは当たる」などと部下にハッパを掛けます。

これは今あなたがVMDを売り込むときに

「VMDいかがですか?アパレルはみんなやってます」
「VMDを導入すれば売場カッコよくなりますよ」

と言っているのと同じで、まったく説得力がありません。

広告マンである私はどうしたかというと、毎回飛び込み先に情報を持って行ったのです。
それは自家製「ホワイトペーパー」(ホワイトペーパーとは広報誌のこと)でした。

当時も今も、新聞やビジネス誌から為になる記事を片っ端からスクラップしていた私は、その中から顧客が喜びそうな部分をコピーして持って行きました。
そして、世の中のトレンドや話題をお話ししていました。

ただそれだけでした。
それだけで門前払いになる確率は減りました。
中には応接間に通していただき、じっくり話を聴く社長もいました。
毎回、広告勧誘の話は一切せず、ビジネス的な世間話をして帰っていくだけです。

しかし、それを続けていくとやがて小さい仕事が入りだしてきました。
1年も経つと小さい仕事がだんだん大きくなり、売上は上がっていきました。

「クライアントって、ちょっとした情報に喜んでくれるんだな」
と思い、それがどんなクライアントに対しても習慣になりました。

「東京のトレンディな店舗デザインを知りたい」
というクライアントがあれば、1日かけて渋谷や原宿にいき、店舗の写真を撮って差し上げました。

「商店街の活性化になんか方法はあるんだろうか」
というクライアントがあれば、両国国技館の商店街に行き、レポートを提出しました。

昭和の当時は、情報と言えば新聞や雑誌でしたので、トレンドはそこで掴んでいろいろと研究していました。
「スタバが日本に上陸した」とか「マツキヨが女子高生に流行っている」と聞けば、実際に現地に行っていました。

やがて別の広告会社に転職した時、私の情報量は上がりました。
会社は「日経テレコン」と「ビデオリサーチ・ダイジェスト」の会員でした。
好きに読み放題、データ使い放題になったのです。

●日経テレコン
欲しい情報のキーワードを入力すれば、それに見合う新聞記事をFAXで届けてくれるシステム。
今はオンラインになっている。

●ビデオリサーチ・ダイジェスト
ビデオリサーチとは、テレビやラジオの視聴率を調査している会社。
そこの月刊誌で、マス・OOHメディアの調査情報に長けているところが特長。

ここからも広告主が欲しい情報をピックアップし、チャート図を作って発表していました。
例えば、お茶のメーカーなら最新ドリンクのトレンドや、専門学校なら最近のカルチャー傾向やイチゴ世代のライフスタイル特性など。
(イチゴは今でいうとZ世代)

こうした何気ない日常の情報渡しが、顧客のパイプを太くしていくのでした。
中でもおもしろい話があります。

どこかの英会話学校を顧客にしようと、ベルリッツやらECCに営業で飛び込んでいたことがありました。
静岡に大手の英会話学校がたくさん進出していたころの話です。

各校に飛び込みをすると、広告担当が知りたいのは競合校の情報でした。
当時は「ケイコとマナブ」もないし、インターネットもありません。
私ができたことは客のフリして各校を周り、パンフやヒヤリングをしながら、競校の特徴一覧表を作り、狙った英会話学校に提出することでした。

その情報は重宝され、やがて1校から全面的に広告をもらうようになりました。
別のブログでも述べましたが、その後「マナ坊」という学校キャンペーンを企画展開して、英会話だけでなくほとんど著名な静岡内の各種学校の広告を一手に引き受けるようになりました。

こうして情報が私の強力な新規開拓営業のツールになったのでした。

3.顧客はアイデアが欲しい

もちろん、情報をただ持って行っただけでは単なる運び屋になり、それだけでは、他社から広告を切り替えてもらえません。
話はおもしろくてタメになるんだけど、広告代理店は替えない(というか、しがらみがあって簡単に替えられない)という顧客が多々ありました。

やはり決め手になったのは、プレゼンだったんです。
せっせと企画書を書いてプレゼンし、広告を競合から奪取するという派手なことをしていました。

決め手となった企画書は、ほとんど広告企画書ではありませんでした。
企画書の内容は下記だったんです。

・商品開発
・ブランディング
・ターゲッティング
・コンセプトメイキング

など、静岡新聞やSBSなどメディアを売り込む企画と全く違う経営戦略的な企画でした。

実際、お茶や釣り具メーカーに関しては、商品全体のカテゴリー整理と商品ブランディング、専門学校に関してはコンセプトメイキング、英会話学校に関しては講座開発などを行い、プチコンサルするような形で社長や専務など上層部を巻き込んでいったのです。

広告主、特に経営者は「うちの広告を安く出してくれる広告会社がほしい」わけではなかったんです。

「いかにわが社の商品を売れるようにしてくれるか」アイデアが欲しかったんです。
広告を出すことが目的ではありませんでした。

4.顧客はドリルでなくて穴が欲しい

上記のことは、ビジネス書によく書かれている、

「顧客が欲しいのはドリルでなく、穴である」(ドラッカー)
「顧客は早い馬が欲しいのではなく、早く移動したいのである」(フォード)

と同じことです。

これは私が会社を作って自ら経営者になったことで実感しました。
例えば当社に、印刷会社や販促会社が自社商品を売り込みに来ます。

「印刷費を安くします」
「とてもいい紙を使っているんです」
「早く迅速に印刷できますよ」

などとアピールします。
非常につまらない営業をしているな、と思います。

社長である私が欲しい情報は、例えば

  • 売場塾テキストをいろんな業種・業態に合わせられる、自動製本システム
  • テキスト印刷をデジタルテキストして管理する方法
  • テキストをページごとにバラしてワークシート化する方法
  • テキストをいかに全世界に発展させられるか、の翻訳システム

などです。

つまりテキストを印刷するのではなくて、

  • テキストをどう学校以外に活用できるか?
  • 普段書いている理論をどうテキスト化するか
  • 理論を製本することによってどんなサービスが生まれるのか

が知りたいのです。
早い話、印刷することでどういう風に儲けるか?なんです。

印刷会社が印刷をアピールするのは当たり前、私たちはそれ以上の情報が欲しいのです。

5.VMDアプローチもドリルと同じ

あなたがメーカー社員で、VMDを駆使して売場を活性化したいと考えているとします。
やみくもにVMDを導入すればなんとかなる、と考えない方がいいです。
ただ「VMDを導入する」は、ドリルの法則と同じで穴になりません。

具体的に事例を上げましょう。

あなたが生八つ橋のメーカー「聖護園」の販促担当だとします。
京都のドライブインでインショップを営んでいるが、なかなか売上が上がらない。
隣の別メーカー「夕子」や「おたべ」にやられている。

たまたまVMDセミナーに行き、ディスプレイの仕方を教わりました。
でもキレイなディスプレイを売場につくっても売上は上がらないでしょう。
「キレイなディスプレイをつくる」は穴にならないからです。

もしかしたら、価格戦略が違っているかもしれないし、パッケージや商品戦略が悪いかもしれません。

なので、売場のディスプレイを改善するだけでなく、商品ブランド別くくりに編成するとか、パッケージデザインを見直すとか、低価格帯の商品を除去するとかディスプレイと平行して考えられる手段を投入するといいと思います。

もちろん、あなたは会社員なので、商品ブランド別くくりや商品戦略は商品部に相談し、パッケージデザインは宣伝部と一緒にやるべきです。
他部署を動かすには、それなりの説得材料が必要ですが、それは面倒くさがらずに行えばいいと思います。

また、あなたがVMDプロで起業して顧客を得たいならば、顧客の「してほしいこと」を具体化するといいです。
新規顧客は往々にして「VMDを取り入れたい」と言ってきますが、それに対して「VMD研修を行う」という単純な対応にせず、何を欲しているのか「穴」を見つけるといいです。

例えば、メーカー販促部から当社への問い合わせで、「テレビCMなどマス広告でブランディングしているが、売場はいつも汚いのでなんとかしたい」というのがあります。

「売場はいつも汚いのでなんとかしたい」を鵜呑みにして、「掃除・整理整頓しましょう」というVMDを提案するのはナンセンス。
たぶん、上図のように広告や広報を含めた、顧客最前線のスペースブランディングを確立したいということなので、穴は

「来店前に顧客が抱いているブランドイメージを売場でもキープしたい」
ということになり、化粧品メーカーなら、

1.売場づくりをしている美容部員のVMDリテラシー強化
2.インショップブランドとしての売場デザインの確立
3.小売店と連携した売場の場所と形態の確保

というVMDプランが成り立ち、

1.に関しては
・美容部員のVMD研修
・ブランドガイドライン作成

2.に関しては
・什器デザインとその仕様のルール
・壁面・柱オーケストレーションプラン
・POPデザインと仕様の統一

3.に関しては
・小売店へのVMD提案活動
・小売店フロア担当へのVMD勉強会の実施

みたいな仕事に発展させることができます。
もちろん、全部が全部できない、という人はそれ相応の技術ある人とコラボすればいいでしょう。
または、できない部分は提案だけしてクライアントに委ねるのもいいと思います。

6.顧客にソリューションを提供しよう

ということで、静岡県で広告マンをしていたサラリーマンの私は、ほとんど静岡新聞・SBSを売らずに、クライアントの商品開発に明け暮れていました。
売上のほとんどかパッケージ関連と専門誌への出稿だった年を重ねていました。
しかし私が通常営業の2倍は売上を上げていた理由はここにありました。

もちろん、広告主のソリューションの中に静岡新聞が入っている場合は静岡新聞に出稿していましたし、会社のノルマで静岡新聞を買い切りしていた時は、静岡新聞を売っていました。
それは組織の一員だったからです。

VMD専門のオーバルリンクを経営している今は、私のソリューションはVMDのみとなりますが、VMD以外のアドバイスはよくしています。
店名を替えたり、取扱品目を変えたり、商品デザインを見直したりするお手伝いをする時もあります。

さて、プチコンサルをするコツを下記にまとめます。

●顧客は情報を欲しがっている
どんな情報が顧客のためになるか考えてみよう。
顧客のためになる情報を携えて営業しよう。

●顧客はソリューションを求めている
VMDを提案する前に、顧客の求めている結果を考えよう。
その結果に対して何ができるのか提案してみよう。

●経営者目線でモノを考える
社長になったつもりで考えてみよう。
どうすれば商品やサービスが売れるか考えてみよう。

そして、売場塾はVMDインストラクターという資格を認定・付与していますが、もちろん受講生は「資格がほしくて売場塾に来る」だけではなく、

・VMDプロとしてで起業して成功したい
・VMDプロとして社内で活躍したい
・VMDプロとして競合に勝ちたい

という皆様のソリューションは分かっていますので、どんどんアドバイスしますよ~。(^^)
そんな人のために下記の説明会や相談会、無料でやっています。
お気軽にお越しください。

●VMDインストラクターで起業・副業相談会

●売場塾&VMDインストラクター説明会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

マーケティングしなきゃ会社は始まらない

グラフ分析

1.自宅開業できるVMDインストラクター

今回はマーケティングについて話しましょう。
もちろんVMDインストラクターとして会社をつくり経営を軌道に乗せるためのマーケティングです。(^^)

VMDインストラクターはコンサルタントの部類に入りますので、実質仕入れがなく、一人でもできます。
自宅で開業することもできますので、資本金がなくてもできます。

ただ、業務机やインターネットや電話など通信環境、パソコンやケータイなどのデバイスは最低限必要です。

そして下記の営業ツールは必要です。

  • ホームページ
  • 会社案内
  • サービス案内
  • 名刺
  • 封筒

売場塾でVMDインストラクターの資格を取って、すぐに起業する人は多いです。
なぜかというと資本がかからなく自宅で簡単に開業できるからです。

打合せのほとんどはクライアント先で行われます。
リモート会議も盛んになっているので、自宅開業の追い風になっています。

コンサルや研修もクライアントの会議室か研修室、リバイス(売場の改善)はお店で行われますので、VMDインストラクターは自宅から行けばいいのです。

女性の方でプライベートな家の所在地を教えたくない場合は、バーチャルオフィスを使えば、数千円後の家賃で済みます。
その利用金内で郵便ポスト代行もしてくれます。
例えばこちら。
https://www.gmo-office.com/

2.開業の落とし穴

簡単に開業できる反面、落とし穴もあります。
それは「営業しないとクライアントを獲得できない」ということです。

営業はどんな会社でも必要な営みです。
ホームページやブログを開設したからといって、仕事がバンバン舞い込むことはありません。
しかも独立したてのあなたは、知名度も認知度もなく、ただ電話を待っていても誰もかけてこないでしょう。

かといって、人材派遣会社やIT企業のように電話をかけまくったり、商店街を片っ端から飛び込みしたりしても、すぐに仕事に結びつくことはありません。
ましてや、多くの人は飛び込み営業や電話営業はできないでしょう。

ではどうすればいいか。
それはマーケティングをすればいいんです。
営業はマーケティングの一部なんです。

3.マーケティングとは

VMDインストラクターとして開業することだけが優先になってしまい、マーケティングをおろそかにしている人は案外いるのではないかと思います。

マーケティングとは、広告とか調査という意味合いがありますがそれだけではないんです。

会社を運営し、サービスをつくり、顧客をつくり永続的に売っていく。
そして最終的に利益をいただく。


という一連の流れがマーケティングなんです。
上記の文を分解すると下記になります。

  • 会社を運営する
  • サービスをつくる
  • 顧客をつくる
  • 永続的にサービスを売っていく
  • 利益をいただく

マーケティングをすると、現状や予測分析ができて、対策を打つことができます。
一番上のグラフは、あるリアル公開セミナーのグラフ分析です。
コロナ禍でセミナー集客が厳しかったとき、マーケティングをした結果、対策が立てることができ、立てなかった場合と比べると、格段に集客できています。
2020年を特に比較するとわかると思います。

マーケは事業維持・拡大の重要な武器になります。
ひとつひとつ、解説していきます。

4.会社を運営する

たとえ、株式会社でなくても何かしらの屋号は必要です。
もちろん、自分の名前がそのまま会社の看板になっても問題ありません。

ただ、自分がバラが好きだからといって、「ローズエレガント」みたいな社名にしないほうがいいです。
会社はブランドそのものですので、あまり軽く考えない方がよいと思います。

確かに「刀」「サムライ」のように単語をそのまま会社名にした会社もありますが、これらは創業者の意思が反映され、きちんとしたコンセプトも持っています。
しかも会社の存在意義やビジョンも併せ持っていて、ホームページを見るとそれがわかります。

オーバルリンクのロゴ

例えば、これは当社のマークです。

生活者と企業を「快場」で結ぶ

というキャッチがあります。
どういう意味かというと、中央の楕円が売場で、この周りを衛星のように回っているのが、生活者と企業です。

企業とは、売場を介して生活者に商品を提供する流通企業です。
メーカー、卸、小売店などがそう。

「快場」とは、買い物が心地よい売場という意味です。
流通企業が快場をつくることによって、製菓者の支持を得、円滑に売場を回すことができます。

そして、衛星同士が円滑な関係でいられるように、「快場」を中心に生活者と企業を公転させることがわが社の使命なんです。

それが、オーバル(楕円)リンクとわが社を命名した所以なんです。

その他、当社のブランドロゴの由来を知りたい方は下記を参考にどうぞ。
●ネーミングによるブランディング戦略

5.会社のコアコンピタンス(強み)をつくる

オーバルリンクのポジショニング

さて、社名は社名で終わってはいけません。
どんな会社なのかを定義しなければいけません。

上記チャートは当社の事業フレームです。
どんな事業を行っているかを定義したシートです。

VMD業界でオンリーワンとなるために創業したころ策定した事業計画書です。

あなたは

「ディスプレイができます」
「POPが書けます」
「デザインができます」

だけで営業してないですか。

そんな人はたくさんいます。
コアコンピタンスをつくりましょう。
コアコンピタンスとは、他社がまねできないあなたの魅力を定義したものです。
数あるVMD会社や自営業者の中で、自分だけしかできなものは何なのか、自問自答する必要があります。

100人の中で自社が選ばれるためにはどうしたらよいのか、じっくり考えるんです。

さて、オーバルリンクの事業フレームを見ていきましょう。
「PLAN DO SEE」を中心に実践と理論を回しており、その中からいろいろなサービスを開発している会社ということがわかります。

今度はチャート図の下部分に注目してください。

当社は売場づくりを販売促進の一手法としてノウハウ化している

とあります。
要するに当社は販促会社という立ち位置なんです。
実際に当社は広告会社として登記しています。

なぜ当社に衣料品店や雑貨店といったクライアントだけでなく、ドラッグストアや車ディーラーが多いのか。

なぜ、アパレルメーカーだけでなく、おもちゃメーカーやタイヤメーカーの売場づくり支援をしているのか。
その理由が上記チャートから見て取れるでしょう。

製紙メーカーや風邪薬メーカーから売場づくりのコンサルが来た時とします。
あなたはクリネッシュティッシュ売場やベンザエース売場のVMDを構築しなければいけません。
このように消費財の売場VMDを行って対価を得ているVMDコンサルは少ないでしょう。
そこが当社の強みなんです。

次は、

当社は、そのノウハウを、誰もが、わかりやすく学習できる、コンテンツに加工している

というところを説明します。

これはもう、売場塾というVMDの学校を運営している理由そのものです。

先にいったアパレルでもトイレットペーパーでも、車でもタイヤでも、すべての業種・業態・取扱商品に関わる方に共通のコンテンツを持っているということ。
これが強みです。

具体的に言うと、

・売場づくりの型を55型に分けて教えている
・論文を書くために取材した店やメーカーが100以上
・ワークショップの種類が60以上
・テキストが800ページ以上

などなど、当社はコンテンツメーカーと言っても過言ではありません。
こうした他社にマネできないコンテンツをたくさん持っていることが強みなんです。

最後は下記を説明します。

当社は、そのコンテンツを、伝授する専門スタッフを1000人以上育成・請負派遣している

これも当社をよく知っている方はご存じです。
ズバリVMDインストラクターのことです。
この構想、創業したころプランしたものなので、実際今VMDインストラクターは930名になっています。
企業は継続力がないといけません。

残念なことは、インストラクターの87%が企業に勤めていて、フリーランスの方は13%しかいません。
なので仕事を頼める方は、121名しかいません。

しかし、今までVMDインストラクターを活用して、全国チェーンの小売店に多数講師派遣したり、ディスプレイコンテストの作品を手分けして評価・採点してもらうなど「VMDインストラクターを生かしたビジネスモデル」を開発してきました。
商空間スタイリストFCもその一環です。

●商空間スタイリストFC

普通ならば、独立起業したVMDの方は「私がやります!」ということで他人に仕事を紹介しないでしょう。
本来ならライバルの方に、

・仕事を請負でやってもらう
・仕事を斡旋する
・仕事のノウハウを教える
・就職の手伝いをする

などはしないはずです。

「なんでライバルつくっているの?」
とよく聞かれますが、そこが他社にマネができないコアな部分なんです。

それは「売場塾」というVMDの先生を育成する学校をやっているから。
卒業生からVMDインストラクターとして

・VMDの仕事がもらえた
・会社でよい地位が得られた
・VMDとして転職できた

という声を聞くとやっぱり「売場塾」としてうれしいです。

多くのVMD学校が今まで出現しても長続きしないのは、このようなコアコンピタンスが欠けているからなんです。

御自分のコアコンピタンス持つと、面接でも強くなれます。
下記も参考になります。(^^)
●VMDで転職するときの経歴書の書き方

6.顧客をつくる

どんな客をターゲットにするか?
を言い換えると、「どんな市場があるか」ということなんてす。

市場がないところに物やサービスは売れません。
日本に炭鉱が栄えているころは、そこに市場が生まれます。
炭鉱労働者とその家族がこぞって住みますから、住宅や学校、商店街ができます。
クリーニング屋や居酒屋、床屋などの付随サービスもできます。

しかし、いったん炭鉱が衰え、人がいなくなるとそれら産業も衰退し、最後は市場自体がなくなります。

VMD市場がわからないまま、惰性で起業する方も多いと思います。
残念ながら、自分がやっていこうとする仕事に市場はあるのか考える人は少ないと思います。

  • →どんな業界が市場になるのか
  • →どんな会社の
  • →どんな部署の
  • →どんな職位の 人がターゲットになるのか?

考えてみてください。

次にその人たちにどんなサービスが必要か具体的に考えるんです。

  • →セミナーを売り込むのか
  • →コンサルを売り込むのか
  • →リバイスを売り込むのか
  • →デザインを売り込むのか

売り込むターゲットによってサービスは変わり、逆も真なりで、サービスによって売り込むターゲットが変わります。

例えば、当社のサービスを見てみましょう。

オーバルリンクのVMDサービス

当社のすべてのサービスの土台は、当社のVMDメソッド「フレームワーキング」です。
全てと言ってもサービスは売場塾・店舗診断・リバイスの3つしかありません。
それをターゲットにより刺さるようにするために6つのサービスに加工しているだけなんです。

6つそれぞれにターゲットが違うんです。
あまり細かくは言えませんが、例えばあるサービスでは下記のように設定しています。

●大企業向け
・メーカー系インショップブランド・ショップブランド
・担当者は販促部・商品部・販売支援部
・企業名

●中小企業向け
・中小小売系オーナー企業
・担当者は社長~常務
・企業名

コンタクトの仕方とPR方法、そして仕事を得るまでのフローを事業計画書に明記しています。

私は広告代理店時代、オール新規営業の「個人商店」でした。
オリジナルサービスをつくって営業したときは今と変わらず、ターゲットを設定していました。
ただ、営業の手段は変わりました。
昭和時代の新入社員時代は飛び込みと電話追い込みで獲得してきましたが、今は21世紀。
リアルとオンラインで囲みこまなければいけません。
このハイブリッド営業の方法に関しては別の機会にお話しします。

7.市場を把握しよう

といろいろ話してきましたが、最後に一つ。
自分の目指す市場はどんな市場か、具体的に数字や固有名詞で表すとぐっと現実味が出てきます。

例えば、皆さんはVMDの市場規模を数字で考えたことはありますか。
私は事業をするにあたって、狙った市場がどのくらいか数字で表記しました。
パワポで自社の3カ年計画をつくっていた時のことです。
下記のマーケットを抽出してみました。。

●VMDの法人市場は975社
・メーカー300社
・商社100社
・百貨店30社
・GMS5社
・HC10社
・DS30社 ・・・

●VMDの周辺業界は700社
・施工会社50社
・設計会社300社
・デザイン・ファッション学校50校
・コンサル会社100社
・広告・SP会社100社 ・・・

●女性ワークスタイル市場 5.64万人
・ワーキングシングル 37%
・DINKS 3.2%
・復職層 20%
・継続就業層 17% ・・・

●VMD資格市場 88,620人
・母数は明かせないですが、母数853,039人に変数を掛けています。

VMD学習市場を考えた場合、ある特定の層でどのくらいいるかな、といろいろ調べてざっくり計算したものです。

これを見てどう思いますか?
私はすごく少ない、という印象でした。

当時は
カラーコーディネーター56万人、
インテリアコーディネーター4万5千人

だったので他の資格と比較すると8万8千人は低く感じました。
しかし少ない市場だからこそ独占できるのだろうな、と逆の発想をしました。

これをもっと具体的なサービスレベルの市場に落とし込む場合、ペルソナを設定した方がいいです。
どんな人がわが社のお客さんになるのか、その人たちはどこに住んていてどんな職業について、どんな趣味と将来の希望を持っているのか・・・という感じにどんどん具体化していきます。

参考に、売場塾の受講生はどの企業のどの部署から来ている方が多いのか見てみましょう。上図がそうです。

販促部の方が35%と多いですよね。
これらは、先ほど言った「当社のVMDは販促である」ことを反映していることがわかります。
実際に売場塾の54%が会社清算で来ていますので、いかに当社と販促部が結びついているかというのがわかります。
下記をご覧ください。

売場塾生分析

さて、ここで余談です。(^^)
大企業の販促部はVMDだけでなく、日頃顧客調査やペルソナ設定、マーケット調査などしています。

そして自社商品を市場に出して効果測定もしています。
広告と連動したキャンペーンもお手の物でしょう。

なのに、販促プロの方がいざ会社をやめてVMDで起業するときに、市場規模を想定しないで事業を進めるのは面白い現象です。(^^)
あれほどマーケティングや広報やってきたのに・・・。

例えばあなたが地元にかえって広島県で開業するにしても、

・広島市に本社がある小売店やメーカーはどのくらいあるか
・広島から中国四国地方ではどのくらいか
・地元の菓子店で50億以上の売上企業はどのくらいあるか
・お好み焼き市場ともみじ饅頭の市場規模と、それを置いている小売りはどのくらいあるか

これは広島の老舗企業をターゲットにした場合なんですが、ざっくりでいいので数字を拾ってみましょう。
市場把握って意外と楽しいもんなんです。

最後に私が薦めるマーケティングの本を紹介します。
これ、ためになるので何回も読んでいます。

●ストーリーとしての競争戦略
著者/楠木健 出版社/東洋経済新報社 出版年/2010.5
●イシューからはじめよ
著者/安宅和人 出版社/英知出版 出版年/2010.12

ということで、起業してきちっとマーケティングしたい方、ぜひ下記の相談会にお越しください。
無料です。(^^)
●VMDインストラクターで起業・副業 相談会

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)