月刊メルマガ200号になりました


2004年から続いている、オーバルリンクの月刊メルマガ「売場のブランディング」が今月で200号になりました。
読者の皆様、ありがとうございます。

200という区切り、よいですね。
何かを続けるという言葉いいものです。
オーバルリンクもVMDの事業を続けて来年度、なんと15周年になるんです。
2003年7月にVMD専門の会社として創業して以来、今年の7月で15年目になるんです。

続けるっていいですね。~
昨年は、売場塾というVMDの学校を続けて50期になり、生徒はのべ600名になり、VMDインストラクター資格取得者は500名になりました。
数字でひとつの区切りをつけるというのは、一里塚みたいで達成感があります。
これからも、オーバルリンクは「生活者と企業を快場で結ぶ」会社として、社会に貢献したいと思います。

さて、メルマガの第200号は、「APで商品をわかりやすく展示する」です。
あなたは、タイヤ店からVMDコンサルの依頼があったら、タイヤのディスプレイ、どのようにアドバイスしますか。
または、デジカメ売場やネズミ捕り(レーダー)探知機売場のディスプレイは、どうやってアドバイスしたらよいでしょう。
こんなとき、AP(アーチクル・プレゼンテーション)という手法を知れば、誰にでもわかるディスプレイがつくれるようになります。

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VMDのディスプレイ、PPの勘違い

 

MDPの基本、VP,PP,IP。
セミナーを聴いてわかったつもりでも、PPを間違って解釈している人多いです。

どんな間違いなのか、下記に列記してみます。

  1. ポスターやビルボードをPPと勘違いしている
  2. サンプルをPPと勘違いしている
  3. インテリアディスプレイをPPと勘違いしている
  4. タイト陳列をPPと勘違いしている
  5. AP(アーティクルプレゼンテーション)をPPと勘違いしている
  6. キャンペーン告知展示をPPと勘違いしている

などです。
ひとつひとつ解説していきます。

1.ポスターやビルボードをPPと勘違いしている

例えば、ユニクロ店内の壁面上部の大きなポスターをPPと思っている人多いです。
あれはただのPOPです。
PPは商品が展示していないといけません。

同じように、ドラッグストアの雪肌精のガッキーのポスターはPPじゃないです。

2.サンプルをPPと勘違いしている

洋菓子店のガラスケースに入っているお菓子のサンプル。
ちょこんとお菓子箱の上に載っているサンプルはPPじゃないんです。
お菓子は小包装のため、生身のお菓子が見えません。
そのため、サンプルというお菓子の模型を、箱の上に置いています。
これをPPと勘違いしている人多いです。
同様に、雑貨店で陳列のフェイスの前に置かれているサンプルもPPではありません。

3.インテリアディスプレイをPPと勘違いしている

インテリアディスプレイは、お店の装飾品です。
例えば、レストランに花や壷が壁の棚に飾られていますよね。
同じように、物販店でも棚の上に装飾品が飾られているケースがあります。
これをPPと勘違いする人多いです。
これは単なる飾りです。
PPは商品が伴わなくてはいけません。

このインテリアディスプレイ、実は曲者で、装飾品の中にちょこんと商品が入っている場合があります。
例えば、フルーツビール売場の什器最上段に、りんごやパインなどを盛り付けたボールがあり、その中にフルーツビールのびんが1本刺さっている場合。

これをPPというのでしょうか。
残念ながらこれはインテリアディスプレイです。

PPは商品自体が目だっていなくてはならず、最低、商品ラベルやデザインがお客様に認知されなくてはいけません。
この場合、ビールの瓶は商品ですがオブジェのような役割をしているので、PPじゃないんです。

このような、商品を少し混ぜただけのインテリアディスプレイはいたるところで見受けられます。
キッチン212の壁の上、R・1/Fのカウンターの背後など、商業施設で見かけることは多いです。

インテリアディスプレイは、ディスプレイをショップデザインの一環として配置しているため、MDP(マーチャンダイズプレゼンテーション)としてではなく、SD(ショップデザイン)の役割を担っています。

特に小さく細かい商品は、PPとして展示しても遠目からわかりにくいため、プロップスと混ぜて作るケースが多いです。
商品展示を確信犯的にPPとしてではなく、インテリアディスプレイとしてつくっているケースが多いことに留意しましょう。

4.タイト陳列をPPと勘違いしている

バッグや財布など、タイトに商品を寄せて陳列している売場は多いです。
これをPPと勘違いしている人多いです。

特にラックの最上段に置いてあるバッグをPPと勘違いしている人がいるんですが、これもIPなんですね。
PP的なIPといえましょう。

5.AP(アーティクルプレゼンテーション)をPPと勘違いしている

アーティクルプレゼンテーションとは、商品と展示台とPOPが一体化されたディスプレイのことで、デジカメ売場や化粧品売場などたくさんあります。

デジカメは、展示台にモックや実機が置かれていて、そこにPOPがあって商品を詳しく説明しています。

化粧品は、メイベリン売場のように、リップをたくさん展示台に指して、その下にPOPを置いて商品を説明し、その上にモデルのポスターを置いてブランドイメージを醸し出しています。

これらはPPではありません。IPです。
化粧品や家電のような、商品説明が必要な難しい商品は、AP方式で陳列されているんです。
靴でも説明が必要な機能靴なら、AP方式で置かれています。
展示の様に見えますが、IPと心得ましょう。

6.キャンペーン告知展示をPPと勘違いしている

試供品やノベルティを伴うキャンペーン告知は、棚の上で行われることが多いです。
例えば、2,000円以上買えばトートーバッグがもらえるとか、キーホルダーがおまけでついているとか、そんなキャンペーンがあるとします。
その告知は、POPとノベルティと装飾品とで、棚の上に大きく作られています。

これらはPPではありません。
ただのノベルティ告知ディスプレイです。

・・・と、ここまで書いてきましたが、短時間のVMDセミナーでPPというものは、さらっとわかっても、深く会得するというのは難しいです。
物事は、自分で見て知って体験して、深く知るようになるもの。
社内社外でいろんなケーススタディを知って知見を蓄積していけば、半年経ってPPとはどんなものか本当に理解できるでしょう。

最近はこんなことをしています。
セミナー会場近くに専門店があったら、生徒と見に行きます。
実際に売場に行ってあれがPPだ、これはIPだと、現場で教えています。

MUJIやアフタヌーンティーなどのチェーン店は、PPがわかりやすいので見学に利用するといいです。
その後、ユニクロに行き、あれはPPでなくてただのポスター、プラザに行き、あれはPPでなくてただのPOP・・・と説明していきます。
すると、生徒はだんだんわかってきます。

私が使うスライドやイラストは、IPやPPのわかりやすい売場が多いので、それで生徒はわかったつもりになっていますが、いざ商業施設に行ってみるとPPか何かわからないディスプレイは無数にあります。

だから、実際にみんなで売場見学に行って、ディスプレイがどうなっているのか、論じるのもいいです。
「百聞は一見に如かず」というわけです。

正しいVMD用語を知ることは、VMDを正しく他の方に伝えるのに役立ちます。
間違っていると、間違ったまま伝わります。
VMD用語、きちっと理解して人に伝えましょう。

Do It Yourself VMD

今日は、Do It Yourself VMD
VMDについて話します。

店舗のウインドウやテーブルなどの主要ディスプレイは、四季折々に変化し、通行人や来店者を楽しませてくれます。

このディスプレイの制作について外部のスペシャリストに毎度依頼すると、コストがかかってしまう場合があります。

そのため、社内のVMD担当自らがディスプレイをプランし、デザインし、造作し、インスタするという方法があります。
これがDo It Yourself VMDです。

売場塾では、多くの企業のVMD担当者が来校していますが、Do It Yourself VMDを遂行する人もいます。

これは自らが

・プランナー
・デザイナー
・クリエイター
・インスタレーター

を担うということです。

これら各々の専門家に依頼せずに、完璧ではないけれど、来店客に違和感のない水準で
ディスプレイを制作しています。

具体的なDo It Yourself VMDの手順を見ていきましょう。

●プランニング
MDPシート、いわゆるディスプレイ指示書を書くということです。
テーマを決め、ディスプレイ用品を決め、ディスプレイの構成を考えます。
図案はスケッチ程度でよく、社内稟議やクライアント提出の場合は、フェルトペンで清書して色を塗るくらいはしたほうがいいでしょう。
あとは、ディスプレイ用品調達表も書けるといいです。
これはディスプレイに使用するプロップスや陳列用品、展示用品をどこで調達するかを表にしたものです。
調達先の店名、用品のサイズと価格、カタログならページと品番も明記します。

●デザイン
これはグラフィックデザインを指します。
多くのDo It Yourself VMDerは、イラストレーターとフォトショップを駆使してグラフィックデザインを描きます。
デザインの対象物は、POPとプロップスです。
大きいPOPはパラペットや腰巻、タペストリーなどの媒体になりますので、ディスプレイの世界観を醸し出すツールになります。
また、平面デザインを立体的に組み立ててオブジェにすることもありますので、基本はグラフィックデザインができることが第一になります。
企業本部のVMD担当にグラフィックデザイナーを起用している理由はここにあります。

●クリエイト
金属加工、木工彫刻、陶磁器制作などは専門家にゆだねられますが、それ以外のやさしい素材(紙など)を使って、DIY器具を用いてディスプレイを造作します。
DIY器具で重宝できるのがグルーガンで、ディスプレイ用品の接合と固定に使います。
その他ガンタッカー、はと目プレス、プライヤーなど日曜大工で使う程度のDIY器具があれば十分です。
プロップスや展示用品は、装飾品を専門のディスプレイ店で購入することがありますが、コモディティ品と言って、雑貨店で市販されているものを使用することも多いです。
また食品店などは商品パッケージそのものをプロップスに加工して使うこともあります。

●インスタレーション
ウインドウやテーブルに、ディスプレイをセッティングするというものです。
クリエイトされたディスプレイ用品をウインドウやテーブルという空間にアレンジしていきます。
商品を魅力的に見せるためのフェイスを調整し、テーマやキーカラーがわかるように作っていきます。
ディスプレイに高さをつけるためのライザーの組み方も事前チェックするとよいでしょう。

プランニング、デザイン、クリエイト、インスタレーション。
さて、この中で一番持つとオトクな専門性は何でしょう。
それは、デザインです。
グラフィックデザインができれば、万能なVMDに近づきます。

プランニングは日々のビジネスで養われています。
パワポでプレゼンするとか、エクセルで表をつくるとか。
あなたが普通のビジネスマン、ビジネスウーマンでしたら、プランニング、つまりディスプレイの指示書を書くのは難しくないはずです。

クリエイトもそうですね。
これは小学高の図工、中学・高校の美術・技術などを覚えていればなんとかなります。
あとは経験を積んでいけば技能を鍛えられます。

インスタレーションに関しては売場塾でばっちり教えています。
または銀座のディスプレイセミナーでコツがわかります。(^^)
ディスプレイの本を見てもよいですね。

とこが、デザイン、つまりグラフィックデザインだけは感性の仕事。
センスと美術的感覚が必要なんです。
これは、美大を出たり、制作会社で仕込まれた方が強いです。

だから、Do It Yourself VMDをする場合、完成度の差が出てくるのはデザイン。
VMDとして独立してクライアントのティスプレイを作ろうとする方は、この技術をなんとか取り込まなくてはいけません。
独立起業する人はなるべく自分でデザインできるようにするにするのがベストでしょう。
(ただ、独立してセミナー講師のみやりたいという人は必要ないです)

このように、Do It Yourself VMDを推進したい方は、なるべくこの4つのスキルを取り込むといいです。
組織の場合は、商品部や販促部などのデザイナーをチームに入れるといいでしょう。

Do It Yourself VMDを駆使して低コストですばらしいMDPをつくっていきましょう。

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

オーバルリンクは1月6日から営業いたします。

新春の売場塾の日程は下記です。

 

1/21(土)から

 

 

1/10(火)から

 

 

1/30(月)

 

オーケストレーション設計の仕方

壁面ディスプレイの作り方
今日は、オーケストレーション設計の仕方について論じます。

銀座の東急プラザに行ってきたのですが、オーケストレーション設計がうまい店が何軒もありました。
売場塾卒業生が関わっている店も何軒かあり、とてもうれしく思いました。

まず、オーケストレーションとは何かということですが、
わかりやすく言えば、「壁面の集合陳列」のことです。

お店で何が一番目立つか知っていますか。
それは壁なんです。
建築用語で鉛直面といい、お客様は売場を見渡すときに
鉛直面、つまり垂直の面に目が行くんです。
垂直の面とはまさに壁なんです。

さて、このオーケストレーションですが、ただ商品を陳列してしまうと、倉庫の在庫置き場になってしまうんです。
「あのお店、なにかごちゃごちゃしているな」と思う理由は、壁の陳列が雑になっていることが多いです。

オーケストレーションをプランすることをオーケストレーション設計といい、VMDインストラクターの重要な仕事でもあります。
ショップデザインの要になりますので、しっかりした棚割りとスケッチで企画書をつくります。

オーケストレーションは下記の3つの要素を企画します。
それは、くくり、ハーモニゼーション、フェイシングです。

○くくり・・・陳列の分類のことです。
これがしっかりしていないと、お客様は商品が選びにくくなります。
くくりにはネガティブスペースとグリッドラインという要素があり、これをつくらないと、くくりがわかりにくくなります。

○ハーモニゼーション・・・商品をどのように置いていくかいうことです。
かっこいい置き方があり、下記の方法に分けられます。

  1. リピート陳列
  2. シンメトリー陳列
  3. ウエーブ型陳列
  4. タイト陳列
  5. 等間隔陳列

このうち、等間隔陳列は必須です。

○フェイシング・・・これは商品のフェイスをどうつくるかというプランです。
シェルビング、スリーブアウト、フェイスアウトがあり、ユニットフェイシングというやり方があります。
日本人が不得意でアメリカ人が得意なのは、このフェイシングという技術です。
アメリカの売場にいくとフェイスが優れているのがよくわかります。

この4つの要素に付け加えるのが、PPやインテリアディスプレイです。
PPは展示のことですが、PP固定棚方式にするかキャッピング方式にするか、決めなくてはいけません。
もしくはまったくPPやインテリアディスプレイを使わない、
ウオーターフォール陳列という方法もあります。

インテリアディスプレイとは、プロップスのみを使用した展示のことです。
プロップスとは小道具のことで、マテリアル(布のようなもの)、オーナメント(ガーランドのようなもの)、オブジェ(置物)があります。
これらは、商品やお店の世界感を醸成する役目があります。

ちょっと今日はVMD用語が多いのですが、お許しください。

オーケストレーションはかなりシステム化できるので、VMD担当の方はMDの期ごとに企画してみてください。
システム化できるということは、指示書にして全店に指導ができるということです。

VMD担当の方は、ぜひ壁面の集合陳列であるオーケストレーションをマスターしてくださいね。

VMDの学校、売場塾の生徒が600名になりました

引用

VMDの講座

売場塾は開校以来、生徒数のべ600名になりました。

これも、いままで入塾いただいた受講生の皆様のおかげです。
たいへん感謝します。ありがとうございます。(^^)

売場塾が開校したのは、2006年。
以来、10年にわたって休むことなく教鞭をとってきました。

中でも、2011年の震災の年、4月春期講座で、地震の揺れにドキドキしながら授業したのを覚えています。
2020年は東京オリンピックの年ですね。国際都市TOKYOに来る外国の方たちにも「日本の売場はきれいだな~」と思われるような売場づくりをしていきたいと思っています。
日本の売場を快場にしたい。その思いは続いていきます。(^^)

第600人目の受講生の方、第52期売場塾にてお待ちしております。

●第52期売場塾

・・・関連記事・・・
●VMDインストラクター、ただいま519人

●売場塾50期になりました

家電メーカーの売り場作りのコツ

ヤマダ電機池袋2
今日はこの間の続き、家電メーカーのVMDのコツをお話します。

家電メーカーは、家電量販店で自分たちの売り場作りをしています。
方法は二つあり、ルート営業または営業支援担当が各店舗を巡回しながら、売場づくりをしていく方法と、ラウンダー会社という営業代行スタッフに売場づくりを任せる方法とがあります。

家電量販店は、メーカーごとに売場を区切ることが多いです。ケータイ電話、洗濯機、カメラ、パソコンなど見ると、わかるでしょう。
ソフトバンクやau、東芝やパナソニック、キヤノンやニコンなどと売場が分かれています。

力のあるメーカーは、ショップインショップをつくります。
これはコーナーのようなもので、例えばソニーのウォークマンだったら、ウォークマンのコーナーをつくるわけです。
このコーナーをどう効果的につくったらいいかをお教えします。
それには下記の売り場作りの基本があります。

●ディスプレイ用品を使ってデザインのカタマリをつくる
●什器レイアウトでお客様が集まりやすく長時間滞在できるようにする
●サインとPOP編集で商品群をわかりやすくする
●体験できる場をつくる

順に解説していきます。

●ディスプレイ用品を使ってデザインのカタマリをつくる
これはVMD用語でグランドプレゼンテーションというのですが、商品または商品パッケージ、POP、展示台、サイン、什器、壁面、天井、床といった売場のパーツを同一デザインにすることです。
例えば、auの売場はオレンジ色に見えます。なぜかというと、壁と什器がオレンジ色のデザインで作られていて、カウンタ背後の在庫のケータイパッケージもオレンジ色になっているからです。さらに使用するPOPや従業員のユニフォームにもオレンジを取り入れることによって、遠くから見てオレンジ色のカタマリにしています。
つまり、グランドプレゼンテーションとは、デザインの色のカタマリにする必要があり、メーカーが群雄割拠しているフロアでは、自社メーカーの色のカタマリにすることによって、遠くのお客様を誘引するわけです。

●什器レイアウトでお客様が集まりやすく長時間滞在できるようにする
床・壁・天井・照明を制作できないメーカーは、基本的に小売店のスペースを借りているにすぎません。
ただ、什器レイアウトを変えることによって、飛躍的に誘客でき、売場内滞在時間を増やすことができます。
メーカーの什器レイアウトのコツは、

    1. アイランド(島)型に什器編成をして、お客様をぐるぐる回っていただく。
    2. 柱を取り、柱周りをぐるぐる回っていただく。効果は1よりも大きく、柱上部にPOPやサインを取り付けられるので有利。
    3. コーナーを取る。いわゆる入隅を取ることにより、2方向からのお客様を引き寄せる。そして入隅は客だまりになりやすい。
    4. 通り化にする。つまり、ソニー通り、パナソニック通りにするわけである。通り化にすれば左右の棚を見ながらお客様は進むわけで、メーカーにとって売り場面積効率がいい。

●サインとPOP編集で商品群をわかりやすくする
サインとは看板のこと、POPとは広告のことです。実はこれらが混とんとしているメーカー売場がほとんどで、ブランドの世界観を瓦解し、商品は一流でも売り場は二流といわれるゆえんがここにあります。
ブランドサインはPOPで隠さない、POPの上にPOPを貼らない。この二つで半分の問題は片付きます。
次にするのは、サインとPOPの配置をしっかり決める。サインは看板であり、POPは広告であるのでこの位置関係(当然サインが上です)を整えることが先決です。
また、POPは種類がありことを知るべきです。演出POPと商品説明POP、告知POPは、機能が違い、貼る位置も違います。

●体験できる場をつくる
現在の家電店はショールーミング化されつつあり、展示物を売場で見てネットで買うお客様が多いです。
これを防ぐためにも、「ネットで買わずにわざわざ来てくれたお客様に体験をさせる」という気構えをメーカーは忘れないでください。
体験スペースを取って、その場で商品を体験させることによってファンをつくり、ヘルパー(メーカーの派遣販売員)とコミュニケーションをとらせるのが肝心です。
実機を置くのは持ちろんのこと、調理器具なら試飲試食、クッキング実習などいろいろな体験が必要です。
洗濯機なら、どのくらい汚れがとれるかを店頭実験したり(東急ハンズでよくやっている窓汚れのやり方みたいなもの)、炊飯器だったら、コメがどのくらいおいしいか調理して食べさせるといった具合です。

だいたいわかりましたでしょうか。
家電メーカーの4つの売り場作りの基本。

家電メーカーの売り場作り事例は、ビジネス誌に掲載していますので、興味がある方は資料請求してください。

ワコム様 パソコン周辺機器

富士通様 パソコン

◎資料請求先

家電店のVMDのコツ

家電店 VMD ウオールマート

今日は家電店とVMDの話をします。
家電店、家電量販店、あるいはパソコン店のVMDはどうあるべきか。
小売店はどのように売場をつくったらいいのか、電気メーカーは自社ブランドの売場にどうやったら
来店客を集めればいいのか、いつも悩んでいると思います。

小売店の場合は、従来のVMDにプラスして以下の点が重要です。
●ゾーニング
●POP
●サイン
●体験

家電商品とは、ケータイ、パソコン、オーディオ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、理美容品など多岐に渡ります。
このような商品は、ブランドの他に機能や効能、価格、サイズなどの選択項目があります。
特に機能や効能は見た目ではわからないので、POPや説明員を配置したり、モックや実機を置いて試用してもらわなければ購入に至りません。

ただ置くだけではダメなんです。

また、フロアが広いため、何処に行けばいいのか、どのあたりに行けば自分の買いたいものがあるのか、道順をある程度わかるようにしなければいけません。

そこでVMDの出番です。まずは広いフロアをうまくまとめてお客様がいろいろな売場にいけるよう、目的の売場にいけるよう、
回遊性を増すことが大切。
例えば、コーヒーメーカーはどこに置いたらいいか勘案します。
キッチン用品のところに置くのか、バー用品(ワインクーラーなど)のところに置くのか、冷蔵庫のところに置くのか?
隣接する売場は電子釜の横か、クッキングヒーターの横か、はたまたオーディオの横か?

売場の配置がどうなっているかで、お客様の回遊性と滞在時間は増減します。
そしてこれと関係あるのがサインです。
サインとは分類サインのことで、この配置の場所とデザインがうまくコントロールされていないと、お客様は容易に売場を見つけることができません。
または、売場に興味をもつ機会を失ってしまいます。

サインには、SONYやiPhoneなどのブランドネームも入ります。
または、「パソコンなんでも相談コーナー」や「書斎でクラシックを聴くためのオーディオ」などのフレーズもサインの仲間に入ります。

だから、洗濯機→斜めドラム→東芝・・・というアイテム分けだけでは済まない売場が存在しますし、ドローンなどの新しいジャンルは、何に使うのかその提案自体をサインにする場合も多々あります。
例えば、「建築会社のドローン活用コーナー」みたいな感じですね。

そしてPOPに関しましては、ほとんど整理の仕方に問題ある売場が多く、POPで埋め尽くされている売場をなんとかしないといけないことが多いです。
POPはメーカー、卸、小売店など他、ラウンダーやヘルパー会社という第三者も入り混じって設置しているので、POPのルールを決めることが必須になっています。

POPには、どこにどう設置したらいいのか、その順序と器具はどうする?や、サイズや色やフォントはどうするのか?書く内容はどうするのか?などのルール決めがあり、前者をPOP編集、後者をPOP制作と呼んで区別しています。

これらをきっちり決めて、正しいPOP運用をしなければいけません。

さて、最後は体験なんですが、売場塾では体験販促と呼んでいます。家電製品は使ってみないと性能や効果がわからないのですが、売場で使っていただいて納得して買っていただく方策が必要でこれも売場づくりの1ジャンルになっています。

ただ、モックと実機を置けばいいというわけでもなく、例えば、コーヒーメーカーだったら、同じコーヒーでも抽出器による味の違いを体験でわかるようにしたり、洗濯機なら、同じ水の量で洗濯ものの容量を重さでわかるようにしたりします。
この場合は、節水のエコの精度がわかるということです。

いかがですか。
家電はアパレルと違って、VMDは難しいです。
単にディスプレイをきれいにするだけではお客様は買いません。

次回は、家電メーカーとVMDについて語ります。

VMDインストラクター、ただ今519人

サムネイルの写真 ブログ用
今年の夏でVMDインストラクターが
500名突破しました。
売場塾50期で519名!!
受講生の皆さん、ありがとうございます。

売場づくりを教える人を日本中に増やせば、
売場は買場に、そして快場になる・・・
という標語をつくってがんばってきましたが
50という数字と500という数字、区切りがいいですね。
ひとつの通過点に過ぎないんですが、うれしいです。

栄えある500人目の合格者はT.Nさんです。
おめでとうございます~。
VMDインストラクターカードなくさずに
取っておいてくださいね。

実は先々週、地方の警察から財布の落し物が
あったと当社に電話がありました。
なんと、財布の中にあったVMDインストラクターの
ライセンスカードの裏の当社の電話番号を見て
警察が電話してきました。

この財布、無事に落とし主の売場塾卒業生に戻りました。
VMDインストラクターのカード持っていると
いいことありますね。(^^)

全国のVMDインストラクターの皆さん、
快い売場づくり、がんばってくださいね。

VMD理論に体験販促を組むのは当社だけ

今日は、体験販促の話をします。

大方のVMDコンサルタントは、
SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え
を3つの柱にしているのですが、
オーバルリンクはEP、
エクスペリエンスプロモーション
を取り入れています。

体験販促とは、エクスペリエンスプロモーション
といって
VMDの要になっているものです。

つまり、VMD要素が3つではなく4つなのは
オーバルリンクだけなんです。(^^)

私のVMD範囲はとても広いんです。
VMDはもともとアパレルの理論として成り立ってきました。
いまでも多くのVMDコンサルはアパレルなんですが、
私の場合は、VMDを取り入れる範囲が広く、
家電、化粧品、カー用品、サービス、パソコンなど
あらゆる業種・業態・取扱商品のVMDを理論化しています。

例えば、家電や化粧品の場合

SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え

だけですと、VMDの理論が成り立ちません。
この3つが売場でそろえば売れるかと
いうとそうではありません。

電気炊飯器や掃除機のVMDを考えてみましょう。
家電店にそれらは置かれているはずですから、

SD=ショップデザイン、 つまりお店や売場のデザインがよく、
MDP=ディスプレイディスプレイ、 がきれいに置かれていて、
MD=品揃え、 も有名国内メーカーのものがたくさん置かれています。

ただ、それだけではお客様は買いません。
なぜか?

それは、
売場の見れくれやディスプレイがいくらきれいでも
・本当においしいおコメが食べられるのか
・ゴミをたくさんすってくれるのか
が購入動機の中で重要な地位を占めているからです。

つまり、ブランドがよくて、売場がきれいで
ディスプレイがかっこいいだけでは家電製品は売れないのです。
家電品のような、機能性商品、効果・ 効能が問われる商品は
体験販促が必要なんです。

そこで、小売店やメーカは
売場に訪れるお客様に商品を体験していただき、売れるように
しなければいけません。

キッチンカウンターを設けて、実際にご飯を炊いて食べてみる。
掃除機売場の床ほこりを落として実際に吸引してみる。
こういう体験がないと買わせるのは難しいでしょう。
最低、接客による効果・効能の説明や店員の説得が必要なんです。

なので、私は売るのに難しい電機や化粧品、家具やカー用品の場合は
体験販促をほぼ100%売場に取り入れています。
例えば、コメ兵さんのカメラ売場では、店員と座りながら語り合うことができる
スペースを多用し、お客様や店員がカメラのうんちくを語れる売場にしました。

●コメ兵様VMD事例

例えば、家具店では、座り心地コーナーといって、ソファに座って体験できる
スペースをお店の1/3に設けました。
これがそうですね。

●ラフィネリビング様VMD事例

ぐりこやでは、店内を回ってグリコ製品の歴史を
学べるスペースにしました。
これがそうですね。

●江崎グリコ様VMD事例

このように、元来のVMDの要素、

SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え

だけでは生産性をアップするのが
難しい業種・業態・取扱商品があります。

それが、家電・化粧品・カー用品・携帯電話売場またはお店でした。
それが体験販促を取り入れた理由です。

ただし、それと違い見た目で判断して買うもの、
服やケーキ、帽子や靴下は体験販促はそんなにいらないでしょう。

ただ服でもスポーツ服、機能性下着などは体験がないと売れません。
そのために、店員を配置し、お客様にアドバイスしたり簡易試着したりして
購入を促します。

これからのVMDは、4つの要素、

SD=ショップデザイン
MDP=ディスプレイ
MD=品揃え
EP=体験販促

この4つをうまくあなたの売場に取り入れるようにしてください。