VMDインストラクターとしての起業の現状

0.VMDインストラクター900名のうち16%がフリーランス

先週の合格者発表でVMDインストラクター資格取得者はジャスト900名になりました。
合格者の皆様、おめでとうございます。

この機会に、今回はどうやってVMDインストラクターとして独立・起業するか、その近道をお教えします。
以前、VMDインストラクターとは売場を編集する人のことで、デザイナーとも設計士ともデコレーターとも違うということをお教えしました。

●売場編集とはVMDインストラクターの仕事

さらに、VMDインストラクターという職業の仕事の仕方も下記で詳しくお話ししました。

●VMDインストラクターのビジネスモデル

今日はここから一歩踏み込んで、売場塾卒業生が実際にVMDインストラクターとして活躍している事例を踏まえてお話しします。
1000人近くの売場塾と接してきましたが、全体の16%がフリーランスでVMD活動をしている方です。
16%といえば160人ということですし、社員でも副業として活躍している方もいるので実際の起業者はもっと多いのではないかと思います。

では起業したVMDインストラクターがどのように仕事を遂行しているのか、ひも解いてみましょう~。はじまり、はじまり~。(^^)

1.初めは法人のVMD研修インストラクター

実際のところ、フリーランスの方で売場塾に来られる方は、

A.法人からVMD研修の依頼が来たので研修の仕方を会得しに来た
B.VMD指導をなんとなくやってきたが、きちんとした理論を身に着けたい
C.デコレーターとしてやってきたがVMD研修もできるようにしたい

Aは、研修会社にフリーランスの講師として所属している人、または自分で研修会社を主宰している人の他に、下記の方たちが多く来られます。

  • カラーコーディネーター
  • インテリアコーディネーター
  • スタイリスト
  • フードコーディネーター
  • フラワーコーディネーター etc

つまり、ACTiveな方たちが多いということです。
・Adviser アドバイザー
・Coordinater コーディネーター
・Trainer トレーナー

この定義、詳しくは下記のサイトで解説しているので参照ください。
●ACTive女性とは

VMDの寺子屋のような売場塾なんですが、実際には1カ月後にVMDセミナーがあるので急いできた・・・というような方もいました。
例えば接客やカラーのお仕事をされていても、クライアントや研修会社から「VMDのセミナーをやってほしい」という依頼が来るので、短期間で研修講義できるように売場塾の門をたたいた、ということです。

VMDインストラクターとは文字通りVMDを教える人のことで、売場づくりの先生でありますので、売場塾はまさにうってつけ!というわけです。
売場塾を始めたころは、「みんな付け焼刃で研修大丈夫かな?」と思っていましたが、取り越し苦労でした。
「研修講義をしたところ、受講生の皆さん喜んでくれました」という朗報が多いです。
研修成功の秘訣はワークショップにあって、売場塾の豊富なワークショップを彼女彼らなりに工夫して行っているケースが多いようです。

このように、ある程度売場塾のフレームワーク(売場づくりの型)を習得すれば、その型を使って教えることができますので、正直VMDを経験したことがない人でも、集合研修ならできると思います。
事実、当社でも10名位卒業生にセミナーを依頼していた時期もありまして、どんなVMD初心者でも立派にセミナーをこなしていました。

アンケートをとっても「すごくわかりやすかった」「楽しかった」という声がにわかVMD先生でも多かったです。(笑)
このように集合研修は、売場塾卒業と同時にフリーランスの方がわりとスムーズに行える仕事です。

ぜひVMD研修の先生になりたい方は、売場塾の門をたたいてみてください。

2.慣れてきたらリバイス・インストラクター

さて、問題はリバイスです。
教えることは、にわかVMD講師でもできるんですが、リバイス売場をその場で改善することは慣れていないと難しいです。

リバイスとは、売場改善研修のことで、当社でもサービスとして行っています。

●リバイス・サービス

その場で店舗診断して即売場を直さなくてはいけないので、陳列や展示、什器レイアウトやゾーニング、VMD分類位の型位は頭に入っていないとなかなか直すことはできません。
リバイスの場合、VMDの型は最低30位いるんです。

雑貨やアパレル、食品などはディスプレイがモノをいうので、センスある人だったら売場を直せると思います。
しかし、家電や薬、自動車や不動産になるとなかなか売場を直せない人が多いです。

なぜならそれらの売場は、ディスプレイがキレイだからと言ってモノは売れないからです。
陳列や展示の他に、什器レイアウトやゾーニング、導線、POPなどの型を使わないと売上は上がらないからです。

なので、にわかVMDインストラクターは、雑貨や食品・アパレルの業種から入る方が多いです。
これらは家電や薬、自動車などと違って比較的簡単だからです。
ディスプレイを直すことによってクライアント受けしますし、ディスプレイは見違えるようになるからです。

このように、にわかVMD先生は最初はVP,PP,IPのディスプレイ中心のリバイスを行っていき、自身がついてきたら徐々にゾーニングやPOPも取り入れて行きましょう。
するといろいろな業種の売場をリバイスできるようになります。

事実、売場塾を卒業して10年目のベテランはあらゆる業種のVMDをリバイスしているケースが多いです。
特に販促やPOPをVMDメニューに入れている人は格段にクライアントソースを広げています。

3.店舗診断は無料から始める

今まで述べた研修、リバイスとも店舗診断が支えていると言っても過言ではありません。
クライアントは「ディスプレイをつくってくれ」「ディスプレイを教えてくれ」と言っているわけではないです。
「今ある売場をなんとかしたい」と思って研修やリバイスを頼んでいるんです。
もう一歩進んで訳すと、「売場の売上を上げたい」「小売店の棚をたくさん取りたい」「ブランドらしいたたずまいにしたい」などと言う理由がVMDの依頼の発端になっています。

もちろん、「美しいウインドウディスプレイをつくってほしい」というクライアントもいるでしょう。
でもそういう仕事はVMDインストラクターというよりも、デコレーターやクリエイターに頼んだ方がよいでしょう。
VMDインストラクターは売場づくりを教える資格だからです。

そういうことで、店舗診断ができるようになることは、VMDの仕事を根底から支えるベースを自らの中につくることができている、ということです。

にわかVMD先生は、研修やリバイスもよいが、店舗診断の数をこなしてめきめき上達していくことをおススメしています。

売場塾が教える店舗診断は、単なるチャート図や星取表で店舗を診断するのではなくて、想起法という手法を使って写真診断するのが特長です。
なぜ写真を使うというと、漏れがなく重なりがないように診断するからです。
健康診断で人間ドックにかかるように、店を店舗ドックにかけるということです。

ちなみに写真を使った店舗診断の利点は下記を読んでください
当社の店舗診断の特長が書かれています。

●店舗診断

にわかVMD先生は、店舗診断は無料で行うことをおススメします。
ホームページやブログで無料キャンペーンを謳うとよいです。
実際、VMDインストラクターノホームページを見ると、店舗診断をメニューにしている方が多いです。

どんなクライアントでもVMDを導入する前提として、うちの売場のどこが悪いか、知りたがっています。
これは中小の商店からよく知っているブランド、はては銀座に基幹店を置く高級ブランドまで悩んでいることなんです。

そんな悩みのあるクライアントに店舗診断をまずおススメして、VMDコンサルの足がかりをつくっていきましょう。

4.官公庁のサービスをうまく使って実力を磨く

多くのフリーランスの方が利用しているのが官公庁のサービス。
いわゆる専門家派遣というものです。

  • 中小企業振興公社
  • 商工会議所
  • 中小企業庁
  • 県・区・市の担当部署

など、全国いろいろな公的機関で専門家派遣を行っています。
これは地域のメーカーや小売店に官公庁がVMDの専門家を送り込むしくみで、官公庁に登録すれば、無料でクライアントを紹介してくれて官公庁から直接報酬をもらえます。

報酬は時給5,000円から1日50,000円位の幅ですが、セミナーや講演会の場合は10万円以上支給するところも多いです。
店に行っての店舗診断、リバイス、研修などの仕事が多いです。
メリットは、クライアントが気に入ったら継続して直接取引できるところ。

人気VMDインストラクターになると、クライアントと多数取引出来てとても忙しく、全国を回っている方もいます。
東京が地場だから関東近辺、名古屋が地場だから中京ということはなくて、人気のある方は北海道から沖縄まで飛び回っています。
この専門家派遣という事業、地元だから依頼するというのはあまり関係ないようです。

私も起業したての頃は中小企業振興公社にお世話になりました。
クライアントを紹介してくれたり、当社へのコンサルティングを5年くらい行ってくれました。

言葉は悪いですが、にわかVMD先生のトライアルにはもってこいのしくみで、うまくいかなくても報酬は官公庁から出るので、ロハになることは全くありません。
当協会にも「だれかいい人いない?」と官公庁から相談が来るくらいなのでVMDの専門家が足りていないはず。
ぜひ登録してみてください。

●例/ 中小企業119

このしくみを利用して成功しているのは、必死になってVMD業務を覚えるアグレッシブな方です。
そうやってレギュラーの仕事を増やしていき、手狭になったのでやがて会社を作るようになる人もいます。

先ほどいったように、VMDインストラクターも先週900名になりました。
フリーランスの方だけでなく、企業にお勤めの方にも無料で起業・副業相談会をやっていますので、どなた様もお気軽にお申込みください。
もちろん、売場塾卒業生の方でなくてもけっこうです。

●VMDインストラクター起業・副業相談会

諸外国に比べて起業者の少ない日本で、ぜひこのような新しい職業人として活躍する人を増やしていきたいと思ってやみません。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

演出POPでアートな売場をつくろう

このブログは、VMDインストラクター協会ブログ「月刊VMD 売場づくりの知恵広場」の続きです。
先達、「演出POPでブランド空間を演出する」を掲載しました。

●演出POPでブランド空間を演出する

演出POP、実際に私の家のリモートルームで掲示してみたので、それを参考にしてください。(^^)
でははじまり、はじまり~。

1.リニアスキームを活用して演出POPを掲示する

ブランドショップやセレクトショップのような店は、インテリアディスプレイとしてポスターを掲示しています。
風景ポスターや絵画を、自店を家と見立てて、文字通りセンスよく額として壁に掲示します。
住宅展示場やモデルハウスで見るように、アート的にPOPを掲示します。

それには、リニアスキームのハウツーを使うとよいです。
リニアスキームとは、構造線を策定することです。
構造線を策定して演出POPを貼れば、たちまち壁面は美術館の壁に早変わりします。
以下にリニアスキームを使ったフレームの掲示方法を指南します。

※リニアスキームとは

2.横のグリッドを揃えて等間隔に掲示

上の図は、横のグリッドラインありなしを示しています。
もうわかりますよね。
上図の〇の方が気持ちいいですよね。

人は「陳序」が感じられる方が好きなんです。
誰でも×のように秩序のない部屋やお店嫌ですよね。

今度はフレームサイズの違うものの掲示の仕方です。
上を見てください。構造線を2通り策定しました。
フレームの底辺で揃えたものと、上下中央で揃えたものです。
各々のフレームは、サイズが違っていても等間隔にしてください。

実例です。
これはアラモアナのバーバリー。
演出POP、底辺のクリッドで揃っているのがわかります。

3.十字にグリッドを揃える方法

今度は少しアート的にフレーム配置をしてみましょう。
上の図を見てください。
十字の構造線になっています。

実際に線を入れてみましょう。上図がそうです。
十字に沿って額が掲示されいるのがわかります。

事例を見てみます。
上はグランフロント大阪の専門店。
こちらはシンメトリーで十字架の構造線になっています。

4.枠でグリッドを揃える方法

今度は枠のリスアスキーム。(上図)
左は四角く囲ったもの、右は楕円に囲ったものです。

構造線を入れると上図になります。

コツは枠の内側を意識してフレームをまとめるとよいです。
実際の店舗のフレームを見てみましょう。

上はイオン幕張新都心。
待ち合わせスペースの額です。
奥のフレームが円、手前が半円になっているのがわかります。

5.家の壁掛けに応用しよう

自分のリモートルームで実際に演出POPを掲示してみました。
テーマをハワイとし、私がハワイで撮り溜めした写真をレイアウトしてみました。
上がドア横のスペースです。
十字のグリッドラインにしています。

ハワイぽさを出すためにモンステラとアレカヤシをディスプレイしました。

こちらはデスクの上部分の壁。
こちらも十字のリニアスキームを使いました。

おかげさまで、クライアントとリモート会議するときにハワイ気分でゆったりと臨めます。
BGMにTスクエアの「楽園」をかけています。(^^)
仕事にストレス感じないっていいですね。

今回はアート的な演出POPの掲示方法でした。
ブランドVMD担当の皆さん、演出POPでぜひお店を美術館のようにしてくださいね。

なお、演出POPを含めたPOP6種類の使い方は、キンドル本「商空間ディスプレイ教本」を読むと詳しくわかります。
第7章に載っています。

●キンドルVMD本「商空間ディスプレイ教本」

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

サブテーマでディスプレイをわかりやすくする

1.サブテーマってなに?

今回はサブテーマの設定の仕方をお話しします。
VMDでよく出る用語として、下記があります。

  • テーマ
  • コンセプト
  • トーンアンドマナー
  • テイスト
  • ルック

これらはみんな混同しがちなので、まずは十分用語を理解してください。
用語忘れた方は、下記のサイトで復習しましょう~。

●コンセプト、テイスト、トーン&マナー

●テーマ

●ルック

さて、本題「サブテーマ」に戻ります。

サブテーマとは何かというと、テーマのサブのこと。
副題、補助テーマ、第2テーマ・第3テーマ・・・のことです。

テーマがあってサブテーマがあるってどういうこと?
と疑問に思うかもしれませんが、これディスプレイや小分類位の売場の商品決めに役に立つんです。

テーマって何のためにあるのか?考えてください。
ズバリ、商品を絞り込むためにあるんです。

上図を見てください。
これをサブテーマのファネルと言います。
ファネルとはじょうごのこと。何かをろ過するために使いますよね。
このじょうごで、テーマをろ過するんです。

インテリアショップVMD担当のあなたが、ディスプレイをつくるとします。
テーマは「リビングの小物」です。
「できた~」と言って、あなたはこんな感じのディスプレイをつくります。

三角構成になっているし、バランスもいい。満足~。

でも待てよ。
これ、色も形もバラバラだからもう少し整理するしようかな。
そう思ってサブテーマを先ほどの図の様に設定しました。

  • サブテーマは「青」
  • サブサブテーマは「丸い部分があるもの」
  • サブサブサブテーマは「フチのあるもの」

そうして、サブテーマのファネルを通して商品を集め、下記のディスプレイをつくりました。

どうですか?
改めてサブテーマありなしを比べてみましょう。

明らかに右の方がまとまっていますよね。
サブテーマで、色や形、デザインを絞り込んだから、まとまってきたんです。

2.サブテーマがないディスプレイとは

上の写真は空港で見たディスプレイです。
テーマは、「ハワイ州推薦のお土産」。
上の方にポスターがあり、「このマークはハワイ州推薦のおみやげ品」とあります。

しかし英語が読めない日本人は、これなんだろう?としか思いません。
缶詰やら瓶やら袋やらが、たくさん集積されているからです。

※この写真は「顧客目線でパラダイムシフトしよう」でも紹介されています。

かろうじて、テーマは「ハワイのお土産」と分かっても、それ以上はわかりません。
かろうじてわかるのは、右側のバナナポテトチップス。
それ以外は、じっくりみないと、はちみつなのか珈琲なのかわかりにくいです。

そこで、ホノルル空港VMD担当であるあなたはサブテーマを設定します。

  • サブテーマ ・・・旅行者に人気の商品トップ20以内の商品
  • サブサブテーマ ・・・コミック本サイズ以上の大きなパッケージのお土産品
  • サブサブサブテーマ ・・・中身がきちんとわかるパッケージのお土産品

と絞り込み、さらに下記の様にフェイシングのレギュレーションを決めます。

  • フェイスは3個以上並べる
  • 皿やカップに盛り付けられる中身は、盛り付け例も入れる
  • コントラスト配色になるように展示する

●コントラスト配色とは
※上記ページの中の項目「カラー商品展開」をご覧ください。

こうすると、写真の展示はかなりわかりやすくなると思います。
誰もが「ハワイのお土産だ~」と思うに違いありません。

3.サブテーマ設定事例

さて、実戦編です。上記写真を見てください。
あるお店のガラスケース内。

・MDテーマは「ガラス食器」

確かに~。
しかしこれで満足してはいけません。

VMDインストラクターにサブテーマをつけてリバイスしてもらいました。
下の写真を見てください。

  • MDテーマは「ガラス食器」
  • サブテーマは、上棚が飲み物用、下棚がおかず用

どうですか。
Beforeは、飲み物も小鉢も皿も一緒くたになっていましたが、サブテーマですっきりとしたディスプレイになりましたね。
フェイシングのレギュレーションは下記にしたので、さらにバランスがよいディスプレイになっています。

・ツインシンメトリーに置く

今度は、売場塾のワークショップ生徒作品例を見てみましょう。
テーブルディスプレイです。

  • テーマ「会社のビルで屋上バーベQ」
  • サブテーマ「アーバンマリン」
  • サブサブテーマ「ボーダーときれいめボトムス」
  • サブサブサブテーマ「コントラスト・コーデ」

テーマ、面白いですね。
サブテーマで色や柄もまとまっています。

ディスプレイのレギュレーションは下記です。

  • IPとPP
  • シンメトリー
  • コーディネート

こんな感じで、アパレルディスプレイにとても役立つサブテーマです。

4.家のディスプレイにも使えるサブテーマ

最後におまけです。
きのう、書斎の壁面にフレームを入れました。
写真はすべて私の撮ったもので、キヤノンのカメラで撮りました。

上の壁面フレームは下記がテーマ。

  • テーマ「ハワイ」
  • サブテーマ「ホテルライフ」

下の壁面フレームは下記がテーマ。

  • テーマ「ハワイ」
  • サブテーマ「自然」

どうですか。
壁に貼るフレームでも、テーマとサブテーマを設定すればまとまるのがわかったと思います。
お店でも家でもどこにつくっても、サブテーマはツカエルディスプレイテクなんです。

VMDインストラクターのみなさん~、
売場づくりやディスプレイ制作にぜひサブテーマ活用してくださいね。
サブテーマで商品を絞り込んで、見る人に何のテーマかわかりやすくしましょう。

ディスプレイテーマ設定に関しては、オンラインセミナー「センスアップセミナー」で詳しく教えています。
●センスアップセミナー「商品展示」

興味ある方は、ぜひご参加ください。(^^)

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMDコンサルのサービス内容

VMD研修の様子

1.VMDコンサルビジネスは3つからできている

今回はVMD専門会社、オーバルリンクのサービス内容を紹介します。

当社の宣伝というよりも、VMDインストラクターや他のVMDプロのお仕事の参考になると思います。
店舗トレーニングや臨店指導、起業したときのVMDビジネスの参考にしてください。

オーバルリンクのサービスはたったの4つ。

・売場塾
・店舗診断
・リバイス
・リモデル

リバイス(その場で売場改善するサービス)は店舗診断の延長みたいなものなので、実質下記の3つだと思います。
・売場塾
・店舗診断~リバイス
・リモデル

この3つだけで20年会社を運営しています。(^^)
では簡単にVMDビジネスの本質をお話ししていきましょう。

2.VMDコンサルティングは抽象的なオファーから始まる

ほとんどの小売店は、下記のような漠然とした悩みがあります。

「なんかうちのお店、おかしい」
「店舗スタッフのスキルなんとかしたい」
「お店づくりのコツが知りたい」

ほとんどのメーカーは、下記のような漠然とした悩みがあります。

「なんかうちの売場、おかしい」
「営業担当のスキルなんとかしたい」
「売場づくりのコツが知りたい」

なので、当社に来るクライアントオファーの70%は下記です。

「うちの売場、なんとかしたい」

そう、クライアントのVMDに対するオファーは漠然としているんです。

「VMD研修して」
「店舗デザインを変えて」
「美しいディスプレイつくって」

という具体的なオファーはあまりありません。
すなわち、悩み解決のひとつとしてVMDが役に立つのでは?
と思って当社にメールや電話をしているのです。

オーダーは実にあやふや。
そんなクラアイントに対して

「VMDセミナーやりましょう」
「店舗ディスプレイつくりましょう」
「改装しましょう」

みたいに単純に返すことはありません。
それらはあくまで単発サービスの羅列にすぎません。
会社のサービス内容を言っているだけです。

「売場づくりに悩んでいる」

でも、どこがダメでどのようにしたらいいのかわからないので、なんとかしたいと言ってきているんです。
医者を思い出してください。
患者は「なんか最近体がだるくて」と言っていねのに、いきなり風邪薬出さないですよね。

VMDも医者と同じように問診するんです。

3.お悩みを問診する

なので、「どうしました?」とクライアントの話をじっくり聞き、
悩みはどうやったら解決できるのか話し合います。

下記の様に問診していき、解決に導きます。

「なんかうちの売場、おかしい」 → 「どうおかしいのか」「どう改善したいのか」
「営業担当のスキルなんとかしたい」 → 「今のスキルの程度はどうなのか」「どのレベルに達したいのか」
「売場づくりのコツが知りたい」 → 「どういうコツが知りたいのか」「コツを知ってどうしたいか」

などなど、悩みを問診によってほぐしていきます。
とはいえ、クライアントから「どうおかしいのか」と聞いても「なんかおかしいです」と具体的な答えは返ってきません。
商品のこと、サービスのこと、店内販促のこと、いろいろ問診したあと、おおまかなことは掴めますが、核心は持てません。

一番いいのが、写真を20枚くらい見せてくれるとありがたいです。
なければ、レントゲン写真を撮ります。

4.売場のレントゲン写真を撮る

レントゲン写真とは、店内というカラダのレントゲン写真です。
つまり、店内の写真を撮るんです。
胃カメラも撮りますよ~。
棚の隅々まで撮るんです。

我々VMDプロは、売場の写真をレントゲンを見る医者さながらじっくり見ます。
すると、悪い個所が見つかり、それを直すにはどうすればよいのか、明確になっていきます。

レントゲンを撮らずに、売場を回ってここがおかしい、ここが悪いという指導はできますが、それだと漏れがたくさんあります。
売場は広いのでたまたま目に入らなかった部分が多いからです。
全体俯瞰だけでなく、棚の陳列、POPのデザインや文句、什器の位置や通路、照明など見るところはたくさんあるんです。
30坪の店舗に対しては平均200枚くらい写真を撮ることになります。
人間ドックならぬ、店舗ドックを行うと考えてください。

5.店舗診断は売場の人間ドック

どんなにキレイに見える売場でも50は直し箇所があります。
それを全体ソートして一覧表にしたのが店舗診断シートです。
それは健診表と処方箋で構成されています。
これがオーバルリンクの「店舗診断」です。

●店舗診断

単なるあらさがしと違うのは、ブランディングの要素が入っていること。
事前に問診でショップブランドや商品ブランドなどをお聞きするので、そのブランドの世界観や店舗コンセプトに店の状態が合致しているかも健診表に現れます。

なので処方箋は、この企業やブランドに沿ったものになるということです。
コンビニだったらセブンイレブンとローソンのショップブランドは違いますし、ドラッグストアだったらマツキヨとアインズ&トルペのショップブランドはかなり違います。
ドラッグストアだったらどこも同じというわけではないのです。

ブランディングを店に落とし込むってどういうこと?と思った方は下記のサイトを参考にしてください。
●自店の店舗デザインはどうあるべきか

6.リバイスは店舗診断の延長線

リバイスとは、短時間で売場を直すことを言います。
店舗診断で処方箋が出ますので、それに沿って行うのが順当ですが、品揃えをチェンジする時、拡張や縮小をする時にタイミングよく行うこともあります。
その時は、店舗診断しなくても最低店舗の写真をいただき、悪いところはすべて直すようにしています。

●リバイス

リバイスは完全リバイスと部分リバイスがあります。
完全リバイスはフロアのゾーニング変更から、部分リバイスは1コーナーのみ。
店の面積と人員によって2種類に分けられます。
詳しくは下記をご覧ください。

●完全リバイスと部分リバイス

店の売上を上げたい場合は部分リバイスをお勧めします。
長年VMDをやっていますが昨今ディスプレイを変えただけではなかなか売上は上がりません。
やはり、品揃えや体験販促、売場デザインも変えないと売上が上がらない例が多いです。
ディスプレイを変えると有利なのは、売場の見てくれがよくなることです。
詳しくは下記です。

  • 商品フェイスがわかりやすくなる
  • 商品が選びやすくなる
  • 陳列がキレイになる
  • 空間を取ることで商品がそれなりに映える
  • カラーが美しくなる
  • POPの配置が整理整頓される
  • 棚編成がデザインになる

などです。
ディスプレイを変えるだけでもよいのですが、肝心のフロアレイアウトや導線、打ち出し商品などは変えていないので、VMD効果は最大にはなっていないです。

部分的な直しにしろ、全体的な直しにしろ、とにかくよくなった店舗を実感したい、というクラアイントにはおススメです。
数時間から1日でできますので、手軽に頼めるサービスと言えます。

このリバイスのいいところは、店舗スタッフが売場改善の仕方を会得出来ること。これにつきます。
我々コンサルが去った数日後、店が元の悪い姿に戻っていることはありません。
店員さんがキープしてくれるからです。
私たちは、ディスプレイをつくりに行くのではなく、売場改善の仕方を店員さんや幹部に教えに行っているんです。
ディスプレイはほぼ店員さんにやっていただいています。
そこがディスプレイスタジオと大きく違う、VMDコンサルの本質なんです。

7.売場塾でリバイスの技術が習得できる

売場塾はVMDの学校で、VMDインストラクターの資格を認定しています。
このVMDインストラクターはVMDを学んで何ができようになるのか?
それはズバリ、リバイスなんです。

売場改善のインストラクターとして、臨店指導や研修ができるようになります。
そしてもちろん店舗診断も。

先ほどのクライアントの悩みを思い出してみてください。

「なんかうちの売場、おかしい」
「営業担当のスキルなんとかしたい」
「売場づくりのコツが知りたい」

これらを自分たちで解決できるのがVMDインストラクターということです。
具体的には下記を力点としています。

・店舗診断
・リバイス
・ガイドライン制作
・研修

単にディスプレイがうまい人を育てるわけではなく、売場解決を前提にしたカリキュラムになっています。
なので、メーカーの方はより自分たちの商品が売場で売れる、小売店の方は自社ブランドらしいたたずまいと品揃えがキープできます。

VMD基本講座は3日間、専門1日講座は4つあります。
リーダーや幹部の方はぜひ4つの指導講座も受講してほしいです。
基本3日間をベースにして5日間、7日間じっくり学習した方がより深く知識やスキルを得ることができます。

売場塾の特記すべきところは「55の売場づくりの型」を教えていること。
空手やヨガに型があるように、VMDの基本形55を3日間で学べ、専門講座でその応用が習得できること。
これが当社のメソッドなんです。

詳しくは売場塾の資料をお求めください。

●売場塾資料請求

なお、当社の法人研修はこの売場塾がベースになっています。
サービス名を「オーダーメイド売場塾」と言います。

●オーダーメイド売場塾

ちなみに、「個人的に安くディスプレイだけ教わりたい」という方は、オンラインセミナーの「センスアップセミナー」を受講するとよいです。
毎月テーマが変わっディスプレイ制作にもトライできます。

●センスアップセミナー

8.リモデルはモデル店をつくるためのサービス

リモデルだけはコンサルではなく、プランニングサービスとなっています。
上記までは、「ノウハウを教える」というコンサルサービスだったのですが、リモデルは実際に店舗や売場を設計するサービスです。
もともと当社は、改装の依頼を受ける際、設計事務所に外注していたのですが、自社ですべて賄うようになりました。

コンセプトからパースモデル、定数定量のデータシートづくり、フロアレイアウト、什器デザイン、ディスプレイ、POP制作までVMDをトータルにプランします。
11のプラン項目からなり、改装の場合は店舗診断から始めます。

●リモデル

施工会社や設計会社とどこが違うのか。
それは、VMDプランをつくることです。
平面図や立面図に落とし込むだけではないのです。

VMDプランとは、VMD分類、ゾーニング、定数・定量、什器デザインとレイアウト、POPデザインと設置、IP,PP,VPなど11項目あります。

このサービスのいいところは、11プランひとつひとつ丁寧にプレゼンしていくこと。
企画書も重なっていきます。

VMDマニュアル

企画書は50ページくらいになり、最後はそれが店づくりのマニュアルになるところが特色。
実験店をつくりながら、リモデルノウハウも重ねていける、一石二鳥のサービスと言えます。

そんなわけで、ただ改装だけならは、当社でなく施工会社に頼むといいと思います。
リモデルは、コンセプトから店を変える、売り方から店を変える、実験店企画設計サービスと考えてください。

9.実際は各サービスの組み合わせとなる

いままで、4つのサービスをお知らせしてきました。
この4つのサービスは、モジュール化されていて、バラしたり統合したりできるんです。
企業がVMDプロジェクトを推進して、VMD部を発足したり、VMDノウハウをわが社のものにしたいなど、単発の研修やリバイスではなく、総合コンサルする場合にはこの4つか3つのサービスを統合します。

4つのサービスはパッケージになっているので、クライアントの業種・業態・取扱商品・ブランドに合わせカスタマイズし、年間計画で進行していく。
プロジェクトが終わった後は、VMD部が完成、またはブランドガイドラインが完成していることが多いです。

このサービスを数年前「VMD導入プログラム」と名付けました。

●VMD導入プログラム

4つのサービスに関心ある方はぜひ資料請求してください。
下記のページに行くと、いろいろ無料で資料がゲットできます。

●資料請求

どなたさまもお待ちしております。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VP,PPは必ずしも必要ではない

1.VP,PPが必要でない店

以前、PPには明確な定義が必要と書きました。
●ディスプレイの定義をつくろう

しかし、それ以前にVP,PPが必ずしも必要ではない業態は多いです。
例えば下記です。

  • コンビニ
  • ドラッグストア
  • ホームセンター
  • カー用品店
  • 家電量販店
  • ディスカウント店

これらは、店舗オペレーションが合理的・かつ低コストで運営できるように制約されている点と、生活必需品を販売しているところが特徴です。
VP,PPはそれなりにスキルのある人材が必要で、専用スペースも取ります。
そのため、人やスペースにコストを掛けられないコンビニは不向きです。
アパレルでも、ユニクロや無印良品でさえも、エキナカの小スペースで運営されている場合はVPまたはPPがないケースがあります。
その場合は、演出POP(いわゆるポスター)をPPの代替わりとして活用しているケースが多いです。

ただし、コンビニでもナチュラルローソンのような、「美しく健康で快適なライフスタイルを身近でサポートするお店」を標榜している店は、FC本部がPPを推奨しています。
ローソンでは、びんを置いただけのワイン売場なのに、ナチュラルローソンになると、ブドウのつるやテーブルクロスを利用したワイン食卓のPPをエンドに設けていたりします。

ドラッグストアでも、マツモトキヨシはIPのみですが、「女性が 1 時間楽しめるお店「Enjoy 1 hour with us」」を掲げるアインズアンドドルペのようなセレクトショップは、PPぽいディスプレイが多く見受けられます。

生活用品のお店でも、ライフスタイルショップ寄りの店は、店内演出としてPPが重宝されるのです。

2.VP,PP,IPというものはあいまいな用語

実を言うと、PP,IPは和製用語です。
海外のVMD関係者には無縁の用語といえます。
海外では、日本でいうVP,PP,IPをひっくるめてVPと言っています。
このVP、下記の意味で使っているのです。

●フロアやゾーン、MDグループのフォーカルポイント(注目点)になっているディスプレイのこと

日本では、VPとPPは商品の見本展示、IPは陳列と定義されています。
簡単に言うと、VPとPPはそのままレジに持って行くことはできない、
IPはレジに持って行ける商品、と考えてよいでしょう。

しかしながら、フロアのフォーカルポイントとなっているものは、展示・陳列が混合したカタマリとしてのディスプレイになっていることが多いです。
明確に、これはPPでこれはIPと区別できないケースが多いのです。

例えば、写真はホノルルクッキーカンパニーのクリスマスバージョンのフォーカルポイントです。
中央の赤くなっている売場がそうです。
テーブルと背後のラックがとても目立ちます。
テーブルのディスプレイは陳列状態ですが、ラックは展示ぽくなっています。
でも、テーブルもラックも、商品はそのまま掴んでレジに持って行けそうです。

確かにラックはPPぽいのですが、IPとも言えます。
これを、手前のテーブルはIPで後のラックはPP的なIPと言えば正論かもしれませんが、聴く人が混乱するだけです。
外国のように「赤い売場はVPだ」と片付けてしまうと効率がいいように思います。

3.VP,PP,IPで使いにくかったら、展示と陳列で区別する

私はドラッグストアの研修ではあえて、VP,PP,IPという用語を使わずに、展示・陳列の2語でディスプレイを使い分けるように教えています。
理由は二つあります。

1.店舗オペレーションの問題でわざわざVP,PPをつくるのが困難な店だから。
棚の空いたところに展示をつくる事が多い。

2.先ほどのホノルルクッキー売場のように、PPとIPの区別がしにくい。

このドラッグストアは、女性に好まれるオシャレな店舗にしたい、特定の商品を展示でクローズアップしたい、との希望があるので、陳列の少し空いたスペースに展示を入れる方法を教えています。
ほとんどの展示物がPOP付きで、化粧品の効果・効能を謳っています。

例えば、雪肌精やトワニーなど、店側にとってただパッケージを並べて売りたくない、商品の魅力を訴えたい。
そんな場合は棚に商品展示をPOP付で設置するようにしています。

デパ地下のガラスケースでスイーツを販売しているお菓子店はどうでしょう。
Gケース内に置いている商品はIPでしょうか、PPでしょうか。
これも判断むずかしいですよね。

ショートケーキのような生菓子はIPと言えます。
客が掴むことは出来ないけれど、店舗スタッフが掴んで客に差し出してくれます。
イチゴ、メロン、モンブラン・・・などといろいろなショートケーキから自分の好みを選択・購入できます。
だからIPと言えます。

ところが、焼き菓子が入っている箱入りアソートギフトのGケースは、見本展示です。
値段別に並んでいて、客は選択購入できるけれど、Gケースの中の展示品を包むわけではなく、背後のストック棚の商品を包みます。
すると、Gケース内商品群はIPでなくPPなのでしょうか。
たちまち、頭がこんがらがってしまいます。

このように、デパ地下のスイーツ店でVP,PP,IPを特定することは困難です。
しかし、あえてVP,PP,IPを使っても悪くはありません。
きちんと定義すればよいのです。

私の場合、ある店では、Gケースの中の生菓子および見本展示商品はすべてIP、お菓子の盛り付け例はPPと定義しています。
そしてカウンター背後の壁面ディスプレイをVPと定義しています。

このようにIP,PP,VPは業種・業態・取り扱い商品によって見方は違ってきます。
IP,PP,VPは実にあいまいなものなので、用語を使う場合は、VMDインストラクターがしっかり定義することをお勧めします。
展示と陳列、という2語で処理しても、もちろんよいです。

4.VMD用語は記号論で処理する

記号論という理論があります。
言葉は記号である、という考え方です。

日本では、蝶と蛾の区別はあるけれど、フランスにはありません。
フランスは蝶も蛾もpapillon(パピヨン)と言います。
日本では「うさぎ」というけれど、イギリスでは「ラビット」と「ヘアー」の2種類に区別されています。

参考)外国のVMD担当にVP,PPと言っても通じない

このように、用語は使い方次第でどうにでも変わります。
あなたのブランドや店で、スタッフが理解しやすいように定義するとよいでしょう。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

土産店・キャラクターショップの売場づくりのコツ

映画館のお土産コーナー

先週から、外国人の入国規制緩和、そしてGoToの全国旅行支援と観光地も盛り上がってきました。
ディズニーランド、ユニバーサルスタジオもいいが、個人的にはゴジラが好きなので、西武ゆうえんちにぜひ行ってみたいです。

ということで、今日はテーマパークや観光地の土産店やキャラクターショップのVMDについて話します。
当社の経営するVMDの学校「売場塾」にもたくさんのキャラクターショップのVMD担当が学びに来ています。
日本はキャラクターの聖地なので、キャラクターグッズのメーカー・卸・小売店の方はVMDが大事。
世界中から集まるが外国の方を売場に引き付け、買わせるVMDを学びましょう。

では、さっそくキャラクターグッズのVMDフレームワーク行ってみましょう。
売場の改善点の主なものは、ざっと下記になります。

  • フェイシング
  • オーケストレーション
  • ディスプレイ構成
  • テーマ設定
  • PP,IPの設置方法
  • くくり
  • VMD分類
  • 什器デザイン
  • 什器レイアウト

この中から外せないものをいくつか選んでお話ししましょう。

1. フェイシング

この前、映画館に行ったとき、キャラクターグッズコーナーを覗きました。
シンウルトラマン、面白かったです。(シンウルトラセブンもぜひ作ってほしいです)
まずは上の写真のガボラとネロンガを見てみましょう。
ガボラは一番左。ネロンガは右。

これ、袋に入っている上に怪獣が寝ています。
これだと、怪獣の顔がよく見えません。
ぬいぐるみを起こして顔が見えるようにした方がいいでしょう。

左から三番目のネロンガのフィギュアは立っていますが、タグで肝心の顔が隠れています。
これだとただのトカゲにしか見えないですね。。。

これは別の映画館。
ジュラシックパークを見に行った時の売場ですが、やっぱり左上のぬいぐるみはほとんどわからなかったです。
ステゴザウルスはなんとなくわかるかな。。。
最初、これポケモンの怪獣だと思いましたよ。

商品の顔をきちっと見せることをフェイシングといいます。
キャラクターの顔は見えるように置くようにします。
ガボラの場合はサヤに顔が入っているのと、入っていないのと2種類フェイシングするとよいでしょう。
後はやっぱりビニルが反射して中身がよく見えないので、袋から出して展示見本(PP)をつくるといいでしょう。

これはハワイの土産店で見たぬいぐるみ売場。
やっぱりぬいぐるみは顔がきちっと見え、体のシルエットも分かりやすい方がよいですね。

2. VMD分類とくくり

キャラクターグッズは棚に載せればいいと思ってはいけません。
展開が大事です。展開とはVMD分類のことです。

例えば、あなたがウルトラセブンの売場をつくったとします。
ウルトラセブン、味方の怪獣、怪獣、宇宙人、武器、戦闘機などに分類したほうがいいかもしれません。
バービーは、バービーのフィギュア、着せ替え用の服、服飾雑貨、家族、友達、家の中、街の中、旅行などに分類した方がいいかもしれません。

そのように分類したら、その分類がわかるように陳列をくくるんです。
くくりがわかると分類がわかり、お客様が選択しやすく、買いやすくなります。

これはハワイの土産売場。1スパン、ドナルド・トランプグッズです。
見るからにくくり、わかりやすいですよね。
くくりの線を入れてみます。

5つのグッズに分類されているのがわかります。
一番上のペンは2棚、他は1棚ずつ横にくくられているので、とてもわかりやすいです。

来月、中間選挙ですね。中間選挙でトランプが勝つとこれ売上倍増するかもしれません。
パーーンチ!! (^^)

3. 什器デザイン・什器レイアウト

商品がどどーっと入荷したりすると、あわてて什器を売場に足すお店があると思います。
その時に、会議机にただ布を掛けて什器代わりにしていないでしょうか。

キャラクターって世界観があるので、什器やディスプレイ用品のデザインは大事です。
さっきのネロンガの売場も会議机の上でした。
やっぱりそれだと、商店街のガラガラの景品置き場にしか見えないかな・・・。

私のハワイの好きな店のひとつにココ・コーヴというのがあります。
ここのキャラクターグッズ売場見てみましょう。
パイナップルキャラ、いいですね。
マルシェ風に什器を配置して、ライザー(木箱のこと)に商品を投げ込み陳列しています。
雰囲気いいですよね。ハワイの風が吹いている感じ。
什器やライザーがウッディでナチュラル。
白い木の箱も釘が見えていてクラフトぽいです。

什器レイアウトも、ただ壁際に置いただけではなく、アイランド(島)形式でぐるっと回って買い物できるようにレイアウトされています。
これだと、ハワイに来た~って感じで来店客が注目してくれそうです。

4. オーケストレーション

オーケストレーションは壁面の集合ディスプレイのことで、これはハワイのディズニーストアの店内。
壁面いっぱいに商品を陳列・展示することで、キャラクターの世界観を醸し出せるんです。
こんな感じで、遠くからも壁面のディスプレイが見えるので、お客様は壁面に寄ってきてくれます。
壁面が白いままだと、遠くから見て白い壁が目立ち、下記の点で魅力が半減します。

  • 展示ディスプレイが見えない。
  • 壁の白が目立つ。
  • キャラクターの世界観が醸し出せない。
  • 何の売場かわからない。
  • 壁面自体がデザインにならない。

例えば、セブンイレブンを見てください。店奥の壁が白いですよね。
コンビニはオーケストレーションやらなくていいんです。
目的買いの人が多く、さっと入ってさっと出るお店だからです。

でも、お客様に楽しく店内回遊してキャラグッズを探させたいお店は、壁が白いままだとダメなんです。
オーケストレーションで壁面いっぱいにディスプレイしないと。
特に、下記の店は壁面いっぱいにオーケストレーションするといいでしょう。

  • アパレルショップ
  • バラエティショップ
  • 玩具店
  • 雑貨店
  • スポーツショップ
  • ライフスタイルショップ

5. キャラクターの世界観とは

おまけとして、ゴジラのディスプレイ作ってみました。
どこかの売場でぜひこういうPP(展示のこと)作ってほしいです。
怪獣フィギュア売場、盛り上げてください~!!

と、いうことで、今回はキャラクターグッズのVMDを論じました。
お話しできなかったフレームワークは他のブログ見るとわかります。

●ディスプレイ構成

●テーマ設定

だいたいわかりましたでしょうか、お土産売場の改善の仕方。
キャラクターグッズ売場、玩具店VMDを担当している方は、ぜひ当社セミナーでディスプレイのセンスをアップしてください。

●VMDセンスアップセミナーは毎月開催

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

スターバックスはマネできない

スターバックスがロシアから撤退後、ロシアは新しいコーヒー店をオープンさせました。
その名はスターコーヒー。
マークもやたら似ています。

●スターコーヒー

従業員はそのまま正規雇用となり、同じようなメニューを顧客に提供しスタバだった店舗を「スターコーヒー」として運用していくようです。
新オープンにはたくさんの客が並んだそう。

お店づくりという点に関しては、他店をマネするということはよくあること。
ただこの場合、商標が酷似しているのでほぼ違法でしょう。
スタバも静観を保っています。

クリティカルコアという言葉があります。
これは、「他社がマネできないほど非合理な核心」という意味です。

スターコーヒーがいくら店の外観・内観をまね、商品をまねても所詮はスターバックスになることはできないということです。
果たして、下記のスタバのクリティカルコアをまねできるでしょうか。

  1. 売れなくなったコーヒーを2週間で破棄し、チャリティーに回せるのでしょうか。
  2. 顧客のメニューにない注文をスタッフがわざわざ受け入れてくれるでしょうか。
  3. コーヒー以外のランチやディナーを出さずに運営していけるでしょうか。
  4. 店内のBGMや壁にかかった絵画をわざわざオリジナルでつくって展開できるのでしょうか。
  5. 従業員に自社株を持たせるというモチベーション維持はできるんでしょうか。
  6. タバコを吸う人を一切入れないという決まりを維持できるでしょうか。

上記を遂行するのはかなり難しいのではないでしょうか。
これがスターバックスの持つクリティカルコアだからです。
これをマネしても、あまりに不利なことが続いてしまいます。

普通のコーヒー店の経営者だったら以下のことを考えてしまいます。

  1. 売れなくなったコーヒーを2週間で破棄し、チャリティーに回すなんてもったいない。
    利益を出すために、半年はコーヒーは在庫として使うべきだ。
    お客は2週間の味でも1年の味でもわからないから大丈夫だ。
  2. 顧客のメニューにない注文をわざわざ受け入れるだと? 入れる氷の量を調整する? ホイップをコーヒー味にする? ココアパウダーを振りかける?
    そんな面倒なことはしたくない。今あるメニュー以外は提供なしだ。スタッフの効率化を考えればいい。
  3. コーヒー以外のランチやディナーを出さないだと? ゆったりコーヒーを飲める空間を保つのも理解できるが、うちは利益重視だ。
    ランチやディナーのメニューもたくさん出して客単価を上げないと。
    多少ワイガヤするけど、その方がにぎやかな空間になって逆にいいだろう。
  4. 店内のBGMや壁にかかった絵画をわざわざオリジナルでつくる?
    そんな非効率的なことはしたくない。絵画はそれらへんで売っているポスターでも貼っておけ!
    BGMは有線(ロシアにあるはわからないですが)を使え。それで十分だ。
  5. 従業員に自社株を持たせるだと。会社が儲けた利益は我々経営者のものだ。
    スタッフはバイトでいい。一番安い時給でいいぞ。
  6. タバコを吸う人を一切入れないだと。ロシア人は喫煙率が高いんだ。
    ロシアは喫煙者は男性6割の女性2割の、世界トップレベルの喫煙大国なんだぞ。
    最低でも喫煙ルームは確保しろ。

とまあ、こんな調子を続けると、うわべだけマネしても中身は全然スタバでなくなるでしょう。
そのうち、ウオッカも出して、フツーのコーヒー屋である上に居酒屋と化すでしょう。

これがクリティカルコアの「ライバルのうわべだけマネしても決して追いつくことはできない」理由なんです。
店が長く続き、お送りのファンを抱えているブランドにはクリティカルコアがあるんです。

2.日本の小売店のクリティカルコア

今までVMDの会社20年やってきましたが、よくあるのが、
「ユニクロのような店舗にしたい」
「ドン・キホーテのようにしたい」
「イケアみたいな家具屋にしたい」
と、うまくいっているブランドの売場をまねたい経営者の言葉です。

売場を詳しく分析すればある程度まねることはできと思います。
床・壁・天井・什器・照明などの構造や素材・意匠、ディスプレイの仕方、POPの作り方などを解析し、似せることはできるでしょう。

しかし、そこまでです。うわべは似ていても中身はマネすることはできないのです。
逆にマネをしてしまうと、ライバルである同店に客はどんどん流れてしまい、まねた自店は自滅の道をたどることになるでしょう。

ロシアみたいにスタバがなくなったので、仕方なくスターコーヒーに行く、という客は残るでしょうが、日本からユニクロやドン・キホーテの店がなくなるということは考えられません。

あるとき、「もちクリーム」という和菓子ブランドが話題になったことがありました。
デパ地下に出店すると週に数百万を売るブランドで、全国の百貨店で引く手あまた。
たちまち直営店も増えていきました。

ウインドウには色とりどりのおいしそうな大福が並んでいて、中身はあんこだけでなく、メロンやイチゴ、チョコなどいろいろなフレーバーのクリームがきっしり入った、大福のようなお菓子です。

数か月たち、従来の和菓子店の中で、似たような商品を出す店が出てきました。
デパ地下のその店のガラスケースには、もちクリームのような大福のサンプルが並びました。
しかし、その店は程なくして、もとの姿に戻りました。

もちクリームのクリティカルコアは、下記です。

  • それだけ販売している単商品のみの店である
  • 冷凍して販売し解凍して食べる商品である
  • 冷凍しても風味が変わらない独自のソースを自社工場で開発している
  • フランチャイズではなく直営店のみを出している
  • 短周期で新フレーバーを出し続けていく持続性がある

まだあるかもしれないですが、少なくても上記は決して一介の和菓子メーカーはマネをすることはできないでしょう。

冷凍でも風味を閉じ込める特許技術が必要な上に、単品売りだけで商品を売り続けていくというむずかしさ。大福を凍らせるだけでは餅と中身の風味が落ちしまう。
だいふくをイチゴの色をつけてピンクにしたとしても、その鮮度や風味はけた違いに違うものになるはずです。

しかも、冷凍庫をガラスケース下に設置しなければならない手間とコストがかかります。
餅クリームをGケースに置いた分、他の商品は置けなくなりますからリスクも半端ないでしょう。

次第に店の売上が下がっていき、耐えきれなくてもとに戻したのだと思います。
このような事例はよくあることだと思います。

クリティカルコアを持つことは、他店の追随を許さないどころか、模倣した他店を大きく引き離すことができます。

3.話題のものがうまくいっているとは限らない

24時間、世界中のあらゆる情報が自由に手に入るようになった今、表面的な判断でものごとを決めないほうがいいと思います。
特には、店舗DXですね。

コロナ禍の今、流通企業のすべてがDXを導入しています。
無人レジ、売らない店、ライブコマース、VR店舗、スマートショッピングカートなどなど、話題は事欠きません。
テレビCMもコロナ前よりIT会社の放映が多くなったような気がします。

しかし、DXの話題すべてがうまく行っているいるわけではありません。
例を見ていきましょう。

  • アメリカのb8ta(ベータ)が日本上陸し、売らない店として店舗を拡大
  • アマゾンがECサイトと連動したリアル書店をチェーン化推進
  • セブン&アイがセブンペイをリリース、オムニチャンネル加速

など、近年始まった華々しい話題も下記のようになりました。

  • コロナで来店客が伸びなくなり、b8taは全米すべての店舗を撤退
  • アマゾンは今年、英国と米国で始めたリアル書店68店をすべて閉鎖すると発表
  • セブンペイの撤退は一昨年ありました。みんなよく知っているから話すこともないでしょう

b8taは日本事業はうまくいっているようなので、日本は問題ないです。
日本は丸井がb8taに出資していて、丸井だけでなくSCにも出店しているのですが、これはまだ成功しているかどうかはわかりません。
なのに、この「売らない店」を救世主とばかりにわが店舗に導入しても、うまくいくかはわかりません。

このように、マスコミで話題に載っていることがすべてうまくいくとは限らないことに注意しましょう。
「他店がDX化しているのでヤバい!!乗り遅れないようにわが社も導入しよう」と決める前に、本当にその方向がよいのかPLANする必要があります。

新規の話題は多いものの、その後の経過についてはあまり話題に上がらないので注意しましょう。
または、企業が広告をたくさん打っているからといって、その商品やサービスが売れているとは限らないのです。

4.オリジナルVMDを開発しよう

そもそもVMDには4つの分野があり、これを相関させながらオリジナルなノウハウにしないと、店舗ブランド(メーカーの場合は売場ブランド)としてやっていけないと思います。

4つの分野とは

  • 品ぞろえと展開
  • ショップデザイン
  • ディスプレイ
  • 体験販促

です。

●VMD4つの分野とは

こんな話が昔ありました。お茶店の改装をすることになり、設計士を呼んで打合せしました。
すると設計士は「お茶店だから{「富士山と茶畑」の写真をどかんと壁に設置しますか」と言いました。
その後、設計士は交代、他の設計士によい店舗を作ってもらいました。

新しい設計士と茶店とお茶工場をつぶさに見学、歴史や社員の人柄などいろいろヒヤリングしながら、コンセプトを作り出しました。品ぞろえも変え、店舗も変え、2階で体験ができるように工夫し、ディスプレイも美術館と提携してその店でしかできないものをつくりました。

こういうのがオリジナルと言えるでしょう。そう、ブランドは他社にない独自のVMDを開発すべきだと思います。

店舗や売場にVMDを導入するとき、どこそこの店のVMDを研究するのはいいとして、そっくりそのまま導入しても、所詮二番煎じ、顧客は定着しないでしょう。
または衰退の一途をたどるかもしれません。
VMDのオリジナリティがないからです。

VMDをクリティカルコアまで昇華する必要はないけれど、やっぱりマネだとお客様はすぐにわかってしまいます。
ぜひ、あなたの店ならではのオリジナルVMDをつくってください。

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

VMDを伝えて20年。

来月で、株式会社オーバルリンクは創業20周年になります。

ここにあるのは、創業以来ずっと愛用している私のダイアリー。
出会った人、出会った会社、出会ったモノやコトが日々積み重なっています。

20年前に起業したとき、VMDを知っている人は少数でした。

それが今、

VMDを仕事にする人が増えました。
VMDを目指す人が増えました。
VMDは職業になりました。
VMDは会社のセクションになりました。

VMDはメーカーや小売店を活性化するだけではなく、
人を活性化するものになりました。

これからも日本中の売場を快場に変えていくスケジュールを
あなたといっしょにつくっていきたい。

20年目のオーバルリンクをこれからもよろしくお願いします。

               株式会社オーバルリンク 代表取締役 深沢泰秀

売場づくりにツカエル!「閉合」の法則

「閉合」という言葉をご存じでしょうか。
群化の法則7のうちの一つの法則です。
●群化の7つの法則

閉合とは、上図のように何かを閉じるということです。
インターネットで検索すると、グラフィックの事例が多く出てきます。
ホームページのボタンをデザインするときや、文章をまとめる際に役に立つ法則です。

しかし、この閉合、売場づくりにツカエルこと多大です。
下記の様に使うことができます。

  1. 特設コーナーを作るときに使える
  2. ブランドのインショップを作るときに使える
  3. 待合スペースを作るときに使える
  4. 商品展示の整理に使える
  5. フォーカルポイントを作るときに使える

ひとつひとつお話ししていきます。

1.特設コーナーを作るときに使える

母の日コーナーやバレンタインコーナーを小売店が作るとします。
しかし、ただ単純にお菓子の什器の上に「バレンタインコーナー」とPOPを掲げるだけでは、閉じたコーナーになりません。
什器をコーナーにしなければいけないのです。
まずはL字型の什器配置にしましょう。
いわゆる入隅(いりすみ)という什器配置です。
そうすることによって、2方向からお客様が来るので、角でぶつかり客だまりができやすくなります。

上図のようにコーナーは閉じています。
これが本当のコーナー(かど)です。
さらに、コーナーの前にテーブルを置きます。
すると、コーナーはエアポケットのようにますます閉じてきます。

これに通り化を加えましょう。(上図)
奥に向かって浅草の境内通りのように、左右に什器が並んで閉じていますよね。

このように、什器配置を閉合することによって、特設コーナーを際立たせることができるんです。

2.ブランドのインショップを作るときに使える

ブランドの店内店は、ABCマートなどでよく見ると思います。
ナイキの売場、アディダスの売場はショップインショップになっています。

メーカーは、小売店のフロア内のショップインショップをつくるときに、デザインエレメンツで売場を閉じればよいのです。
サインやPOP等のデザインを統一し、それらで売場を囲えば閉合になります。

上図を見てください。

「ビタミンワッキー」のキャラクターラインを柱や什器にデザインします。

すると、柱周りの売場は「ビタミンワッキー」の店内店になりました。

3.待合スペースを作るときに使える

クリニックやコンタクトレンズの待合い、カーディーラーやヘアサロンの待合いスペースは、オープンよりもクローズした方が人目にはばかることなく、落ち着きます。

そこで、

  • 観葉植物で閉合する
  • 置物ラックで閉合する
  • ついたてで閉合する

などした方が、閉合された空間となり、他と区別ができます。

4.商品展示の整理に使える

商品陳列を棚で閉合すると、商品のVMD分類がわかりやすくなります。

下の写真を見るとわかります。
木のボックスで壁面売場をつくっています。
商品が区画整理されているので選びやすいです。

また、商品ディスプレイを閉合することによって、商品分類を明確にできます。
下の写真を見てください。

丸いランチョンマットでディスプレイが閉合されているので、とてもメリハリがついています。
特にテーブルの上の商品展示を整理するのにおススメです。

5.フォーカルポイントを作るときに使える

自動販売機で「ぜひこの商品に目を留めてほしい」という依頼があった場合、あなたはどうしますか。

下の写真のように閉合してしまえばよいです。
「ほっとあたたかーい」という帯POPで、温かいドリンクが閉合されています。
遠くから自販機を見たときに、このくくりがとても目立つフォーカルポイントになります。

フォーカルポイントとは、客の目をある一点に引き付けることを言います。
●フォーカルポイントとは

まとめ

閉合の使い方、だいたいわかりましたでしょうか。
群化の法則って便利ですね。

今後も追及していきたいと思っています。

なお、群化の法則セミナーは、年に2回センスアップセミナーで行っています。
タイミングありましたら、ぜひお越しください。
●センスアップセミナー 群化の法則

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)

よいディスプレイ構図の見分け方

今回はディスプレイの構図についてお話しします。
まず写真から行きますね。
上の二つの写真について、どちらの構図が優れていると思いますか。
最初の写真をA、2枚目の写真をBとします。

答えは~、Aです。

なぜAの構図がいいのか、それは下記の要素が関係しています。

  • 等分割パターン
  • 構造線
  • リーディングライン
  • ストッパー

各要素を詳しく解説します。

等分割パターンとは

等分割パターンとは、写真や絵を等分割に区切って、その間に人物や静物、背景などのエレメンツを配置していく手法です。
等分割になっていると、人は安心します。
誰でもバームクーヘン切るとき、当分使に切りますよね?
それはバランスがよく安定しているからなんです。

同じように、ディスプレイや絵や写真も、構成要因が等分割になっていると、バランスは安定するので、見る人は気持ちよく鑑賞できるんです。

例えば、このゴジラのディスプレイ、安定して見えるのは等分割になっているからなんです。
線を入れてみます。

下記を見てください。正確に言うと、縦6分割・横3分割になっているディスプレイでした。
テーマは「ゴジラ砲撃開始」。

さて、先ほどの写真に等分割線を入れてみます。
下の写真2枚を比べてください。どちらも縦4分割・横5分割です。

上の1枚目Aの写真を解説します。
カレンダーが縦2/3、そして上半分にほぼ収まっています。
手帳は中央の縦3枠、そして下半分に収まっています。
グラスはちょうど縦1/5に収まっていますね。つまりバランスがいいということです。

2枚目のBはどうでしょうか。
カレンダーは、縦4枠・横4/3の中に納まっています。手帳は全体が見えませんが、縦4枠・横1/4に収まっているのがわかります。
グラスはAと同じく縦1/5に収まっています。
つまりこちらもバランスがいいです。

A,Bとも等分割に関してはイーブンでした。

構造線とは

今度は構造線について解説します。構造線とは、ディスプレイのエレメンツ(構成物)に線を感じることです。
線がほどよく配分されていると、そのディスプレイはバランスよく安定して見えます。
構造線を配分することをリニアスキームといって、ディスプレイ構成のテクニックひとつです。

リニアスキーム、忘れた方はこちらをご覧ください。
●リニアスキームとは

さて、Aに構造線を書き込んでみました。線が赤いグラスに向かっていくのがわかりますか。
カレンダーの有色のラインが斜め下に落ちていくのがわかります。
手帳の上部分とカレンダーの裾の線もグラスに注がれています。
そしてペンもグラスに向かっていますよね。

この写真は構造線のバランス、とてもいいです。

今度はB。
構造線はAと同じようなラインを保っているのがわかります。
つまり、これも赤いグラスが帰結点になっています。

構造線に関しても二つともよくて、今度も引き分けです。

リーディングラインについて

今度はリーディングライン(視線をリードする線)で比較します。
こちらも忘れた方は下記をご覧ください。
●リーディングライン

実はAの写真の中には、グラスよりも大きなフォーカルポイントがあります。
それは、カレンダーです。背景が暗いのに、カレンダーは日光を浴びて明るく、コントラストがついています。
しかも、2という数字が大きく目立ちます。
だから人の目は、最初にこの2の部分を含めたカレンダーに行くんです。

そして、リーディングラインが注がれていく赤いグラスに視線は移動します。
すると、今度はグラスの下からニョキッと突き出ているペンに気づきます。
人の視線は思わず、斜め左下に動きます。

さて、この後、視線はどこに行くのか?
手帳のふちが上に跳ね上がっていますよね。
だから、人の目も上に跳ね上がって行きます。

そしてどこに行くかというと、観葉植物の葉っぱに行くんです。
そしてその葉はカレンダーを向いています。
ここで人の目はディスプレイを一周したことになります。

お客様がこれだけディスプレイを見てくれたら、ディスプレイ制作者はうれしいですよね。

写真Aはとてもよいリーディングラインを持っています。
人の目を、時間をかけてディスプレイをなめるように誘導するからです。

今度はBを見てみましょう。
Aと同じように、カレンダー→グラス→ペン・・・と視線はリードされているんですが、ストッパーがないために写真の外に視線は逃げてしまいます。

つまり、ディスプレイを見る時間がAよりも短くなってしまうんです。
観葉植物も陰になっていて目立たないですよね。

つまり、リーディングラインに関して言うと、BよりもAの方が優れていたんです。
結果、Aの方に軍配が上がるのでした。

まとめ

今日は、構図についてお話ししました。
このような構図の配置は、ショーウインドウでディスプレイを制作する際に非常に役に立ちます。
構図をうまく作れば、お客様の視線を長い間くぎ付けできるからです。

この続きは、「センスアップセミナー ディスプレイ構成4」で詳しく語ります。興味ある方は、ぜひお越しください。オンライン開催です。(^^)

●センスアップセミナー ディスプレイ構成4

(VMDコンサルタント 深沢泰秀)